八木原こと (やぎはら こと)
作風概説
山名沢子、という第一印象の、柔らかく簡潔で、それでいて切れ味もいいタッチ。
子供の落書きレベルに簡略にするところもあるが、丁寧に描くところはしっかり描いているし、色香もある。
画面構成がとても大胆で、漫画の常識をブッ飛ばすところがある。あまりうるさく詰めこまないことで、余白に語らせるのがうまい。
表情も豊かで画面構成がうまいので、思いがよく伝わってくる。
血や苦痛の描写もきわめて強い。
言葉のセンスが素晴らしい。
代表作
2014年「寂しがりやのご先祖様」
お盆にご先祖さまが返ってくる…ひいおばあちゃんが大切にしている、絵が描かれた石…
お墓の前で一族車座。
でも、あかりちゃんだけ同世代がいないので、ちょっと寂しい…そこで出会った、キツネの面をつけた変な少女。
彼女と祭りに行くことにしたけれど、行った先が少し違う。ご先祖さま?
そして妖怪だらけの祭り、奇妙な一時が始まる…
彼女がふと、「ミヨちゃん元気?」と言う。それはひいおばあちゃんの名前、それで「つれていったりしないよね」と少し不安になるけれど…
お盆の習俗を丁寧に描いた絶品。
2014「明月の君へ」
皆が和服?看板娘の千歳ちゃんは嘘で塗り固められている。
彼女の耳に、一人の若い男客がふいと、「鬼について話がある」とささやいた。
「半端者へ、西の屋根にて夜分待つ」という手紙とともに…姫と呼ばれる千歳ちゃんが行ってみたら、妙に弱弱しい青年が待っていた。
万能薬とされる角を人間に折られて以来、鬼の国から追われ苦痛にさいなまれる彼女は…
今までの実績、現在の地位
pixivスカウトFESグランドチャンピオン受賞。
ニコニコ静画で本誌掲載争奪戦参加。
個人的な感じ、思い出
これだけの力の持ち主が使われないとしたらとことんもったいない。
いっそ、今すぐ「ちゃお」に移籍して第二のまいた菜緒になれ、と叫びたい。