夢の残骸
90年代傑作選運動 五年後は? これがアニメ化されていたら あったかもしれないラインナップ
どこから狂ったのでしょうか。それも分らないのですが、もしなかよしが順調に新人育成をしていたら・・・。これを想像すると辛いです。
現在、なかよしの雰囲気を好転させるために是非連載を始めて欲しい作家が卯月まゆこ(以下敬称略)です。
暖かい明るさで人の心を癒す力がある卯月まゆこ作品で雰囲気を明るくして欲しいです。
そして、同様になかよしを明るくするのに必要、と確信していた輪上薫先生が結局、充分に活躍できないままなかよし撤退を表明・・・これは紫部さかな先生を失った時と同等かそれ以上の痛恨事だと思います。
なにしろ、二人とも「なかよし」にあって明るさと安心感を与える事ができ、幼児にも大きいお友達にも支持が広い、何よりもその作風には、悪い言い方をすると予備・・・同様の生態学的地位、もっと言えばジャンルを持つ作家がいないのです。
やはりるんるんの廃刊、あれが全てのきっかけでした。
あれさえなければ・・・あしざわ深花「おでまし!プリンセス」がある程度続いて・・・手応えが判るまで連載されなかった作品ですが、かなりいけたと思っています・・・、そのまま本誌の機会も十分あったはず。
そして、もう半年もあれば連載を経験できたと思われるメンバーも多かったです。
卯月まゆこ、森下津嵩、大石あきら、石塚沙織、藤森幹、白沢まりも、かなしろにゃんこ・・・他にも多くの、あったはずの連載がるんるんの廃刊で結果的にキャンセルされています。その中から「セーラーV」のような傑作が生まれたかもしれないのに!
そして残念なのがシリーズ「チャレンジ初恋」「Let's告白」のコミックスが出なかった事です。
あれさえ出ていれば、そして続いていれば、もっと多くのメンバーも作品を掲載、KCとして出していたはずです。どんな名作が生まれていたのでしょうか。
これは是非、こちらをごらんになっている皆様のご協力を願いたいです。
もし協力したいという方はメールしてください。
これまで、講談社漫画文庫の中で「なかよし」読み切り傑作選1976〜80、1980〜85、そしてミステリー&ホラー傑作選が出ています。
それで昔の名作を楽しめるのはとてもありがたいことです。
でも、なぜ次の1986〜90がなかなか出ないのでしょう。
そして90年代は?僕は90年代の「なかよし」やその増刊にも、無数の傑作短編があるのを知っています。
しかし、それは全く知られていません。
特に最近は短編が非常に少ない(増刊が元々少ない。レギュラーはデビューしてすぐ連載なので読み切りをあまり描いていない)ので、まず短編を描く場を作って欲しい、そしていい作品がでたら(レギュラーでない作家のものでも)傑作集を出し、その素晴らしさを広めて欲しいです。
まず皆様に考えて欲しいのが、80年代後半、90年代、00年以降それぞれの短編ベスト3です。
僕自身にとってもすぐに答えられる問いではありません。高瀬綾「おとぎばなしの五月」卯月まゆこ「はじめましての幻」森下津嵩「卒業からはじめよう」野村あきこ「ガールズ・ブラボー!」などが印象的なのですが・・・
もしも五年後のなかよしを入手できるとしたら、どんなものになっていると想像しますか?
僕の手帳に何年も前に書かれた中からは、例えば「デリシャス!」「JOKER」「夢幻伝説タカマガハラ」などのアニメ化、新人作家のレギュラー入りなどが数年後の予想として書きつけられています。もしかしたらあったかも、と思えるのには、例えば岡本慶子「蒼き流星〜ニジンスキー伝説〜」とか紫部さかなのアニメ作品とかも、と想像は・・・。
今は五年後を想像するのも苦しいです。
これがアニメ化されたらいいな、と思った作品を少し挙げてみます。僕は声優に関してはほとんど無知といっていいです。声と顔と名前と代表作が一致するのは十人もいません。で、皆様にお聞きしたいのですが、これらがアニメ化されるとしたらどんな声優陣を思い浮かべますか?(僕が挙げているのはかなりいいかげんです)
過去の作品:
他にもありますが、皆様も作品を思い返して色々と想像してみると面白いのでは?声優に詳しいのなら特に。
現在の作品を更新しようとしてほとんどないことに気がついて、呆然としています。皆アニメ化予定があるか、別にアニメ化して欲しくないかです・・・
「歴史にifはない」のはもちろんです。
でも、僕はそれを考えるのが好きです。そして、それが一番の歴史の演習問題になると僕は思っています。
「なかよし」についても、ifを色々考えてしまいます・・・繰り言に過ぎませんが。
でも少し現実性の高いこととして、「本誌に登場したけれど連載には定着しなかった作家」によるなかよしがどうなっているか、想像してみませんか?
ここ十年ほどで、読み切りを本誌に掲載した多くの作家・・・その中で、本誌連載に定着した作家としなかった作家はある意味紙一重の運命だったと思います。
それがすべて逆だったら?そして今残っているベテランも、運命が逆になっていたら・・・
僕が覚えている限りになりますが、
上のラインナップから感じるキーワードは「正統派」「癒し系」「幼児向けの暖かいメルヘン」「爆笑ギャグ」「鋭い才能」などです。
つまり、実際の「なかよし」の今に至る歴史はそれを排除する歴史だった・・・!?
実際に上のラインナップによる「なかよし」と現実の「なかよし」を比べてみれば、その状況の違いは一目瞭然です。
それを思えば・・・紙一重のように見えて、本当は「編集方針」という大きな流れがあったのでしょうか。おそらくは実力以上に・・・。
何より上のメンバーによる「なかよし」がどんな雑誌だったか、それを想像すると複雑な感慨です。幼稚園児から小学校低学年を主要読者層、その上を正統派学園恋愛少女マンガ、それにギャグと鋭い大人向け作品が載っていく、という形になるのでしょう。現在のように多彩なメディアミックスは難しそうですが・・・。