深瀬ナル (ふかせ なる)
作風概説
やや硬い感じのタッチ。ただし服や手などの質感や色気、背景などの水準も高い。
小さく描かれたモブも、体も顔も表情豊か。シャープペンの飾りなど細かい所にも手を抜かない。
男と女の差がやや強め。男の顔ときどきかなり色気が強く硬く鋭くなる…ガラス質に。
決める時の迫力と、深い豊かさがまた素晴らしい。
画面構成や話の組み立てが非常にうまく大胆。
完全に抜けたギャグ絵などもしっかりこなしている。
話の転換がとても大胆で、とんでもない方に飛びあがる。
また細かな伏線がうまく、画面の見えにくい所で「友達が別の友達を押しやって二人きりにさせてやっている」をやっているほど丁寧に構成される。
男女とも気持ちの組み立てが丁寧で、基礎からがっちり手順を踏み、時間をかけて突き固め養生した建設のようにさえ思える。
代表作
2023「キミに捧ぐポートレイト」
「愛想笑いって生きていく上で大事なスキルだと思う」という花奈ちゃんに、突然「なんで楽しくもねーのにそんな笑えんの?」と言ってきた紅井くん。
花奈ちゃんが旧校舎でゆっくり本を読もうとしたら、紅井くんがいて、勉強教えてくれと。芸大志望だけど普通の成績も必要だと気づいた、と。
むかしズバッと言って人を泣かせたことがある、でも紅井くんは常にズバッを求めてくれる。
今までの実績、現在の地位
デビューしたばかり。
個人的な感じ、思い出
読み終わった時の衝撃はどれだけぶりだったか…これほど衝撃を受ける作品はそうそうない。
例えば種村有菜デビューのような、誰にでもわかるものではない。他の人にどんなにすごいか伝えることは難しいだろう。
この作家をどう伸ばし、どう活躍させればいいのかはわからない。
間違いなくすごい作家であり、能力を十分引き出してほしい。たとえ「なかよし」でなくても。