日向きょう (ひなた きょう)
作風概説
躍動感のあるタッチと非常に変なことを普通の話のように暴走させるパワー。
強い線と整った感じ、雰囲気を積み重ねるうまさが光る。
きらきらふわふわしたところ、男の側の心情の変化、火の始末が丁寧などさりげなく細やかなところもある。
妙なキャラも結構うまい。人の異常な精神も丁寧に描く。
男の色気も強いし、女の子の強さを巧みに強調する。ストーリーが一気呵成で、スピード感がある。わかりやすさに徹している。
代表作
2010「あいちゃんの観察日記」
成宮あいちゃんの趣味はカップル観察。鼻血出るほど好き。中でも最も好きなのが水城・沢村カップル、なのに見ている前で「わかれよ」…
落ちこんだ彼女は何をとち狂ったか、水城くんに「つくりましょうっ彼女!」と手を握り、まるで選挙運動のように彼の魅力を宣伝する。
それを止める彼と話したり一緒にいたりしている間ドキドキするけど、沢村さんがまた近づいてきて…
2011「おためしコン!」
十六歳にして強引に結婚させられそうな花ちゃん。相手は御曹司の神山さんだけど…
嫌がるのでおばあちゃんが、びりびりする足輪を足首につけさせられた。三メートル以上離れると電気ショックという某狂科学者の悪質腕時計のような…
同居生活がスタートして、彼が学校で伝説的な神山先輩だとわかって、さらにパスケースの安田先輩の写真まで見られて、ともうグダグダ。神山さんにはいろいろ遊ばれ、それから誤解を解いてやると言ってくれたけど…
2012「アイドル様のおもちゃ」
木村まほろちゃんがボロいやまだ音楽堂で奇跡的に入手したのは、人気アイドルBLAUのクリスマスライブチケット。
そこに突然、BLAUの一ノ瀬詩音本人が店に入ってきた。そして「見つけたぞっ」と彼の腕をつかむ男がいたので、空手二段のまほろちゃんは蹴り倒してしまった…が、マネージャーだったので責任とって荷物運びをするハメに。
とんでもない量のお菓子を食べさせられ感想まで書かされて参っていたら、その理由…ファンからのプレゼントに、少しでも応えたいという思いを知る。
突然二人きりの状態で停電になり、彼が小さい頃の虐待で暗闇恐怖症になっていることを聞かされる。それで稽古中、演出で暗闇があるのを止めようとするが、彼は逆に怒って彼女を解雇する。
だが、直後彼が倉庫に閉じ込められたのでは、と聞いて…
2014「31人の王国」
教師にいじめられている多麻ちゃん。
転校して完璧に英語を読み、教師のミスを指摘したことがきっかけ…
クラスの門真くんが、ある朝、サボってボーリングに連れ出してくれた。そしていい子の仮面だ、とも指摘してくる。
そして翌日、勇気を振り絞ったら…
2017「羽柴くんは152センチ」
転校した幼なじみが戻ってくる…
残酷なことに、長身の女の子と身長がすごく低く異様にかわいい男子として。
今までの実績、現在の地位
デビュー当時16歳。
短めだが本誌連載も。
ずっと「なかよし」では見ていなかったが、「ブラザー・トラップ」のドラマ化の報道。知らなかった自分が情けない…
個人的な感じ、思い出
実生活もあるし選択すべきことは多いけれどそれは年齢を問わずあること、とにかく余計なことは忘れて作品だけに注目していくつもり。
変わった子の葛藤とかを丁寧に描くような作品をたくさん呼んでみたい。
表現力とスピード感、パワーはとても楽しめる。どんな作品でも楽しみ。
「なかよし」を去って活躍していたのがとてもうれしい。