日川みのり(ひかわ みのり)
公式サイト開設。リンクへ
作風概説
静かで、落ちついた雰囲気。それほどぱっと目を引く華やかさはないが、安定しており独特のつやもある。
あまり感情は強く出さないが、ストーリー構成で語るタイプ?ころころ飛ぶ話が見事に構成される。
意地っ張りな女子の切ない思いを素直に語ることが多い。
代表作
2000「ケーキに想いをこめて」
ケーキ大好きな美央ちゃん、買った覚えのないケーキを食べてみたらめちゃくちゃおいしい!
その時、吉峰くんの悲鳴が。謝ってそのケーキの出所を聞き出そうとする美央ちゃんに、憎まれ口を叩きつけて去る吉峰くん…追いかけたら階段で転んで、吉峰くん全治一週間。責任取る、と右手のかわりをつとめることに。
ケーキ作りの助手?一週間後にどうしてもケーキがいる、という事情も気になって。ケーキを使った、優しい心の交換がとても心地いいデビュー作。
2001「はるのうた」
いつも自転車を二人乗りしている幼なじみの耕平と真理。いじっぱりで、つい彼に文句をつけてしまうが、いつか素直に心を伝えたいと思っている。
でも、突然彼の転校が決まった。聞いていないショックからか、会う事もできないほど意地を張ってしまって…切ない心のすれ違いに甘酸っぱい痛みが広がる、とても柔らかい作品。
2001「ホワイト・メッセージ」
小説家志望のちなせちゃんはラブレターの代筆で頼られている。でも、幼なじみでもてる立波に筆跡で見破られ、怒られてしまった。
階段で転びそうになり、彼に抱きとめられたのがきっかけで意識するように。その時にノートを立波に拾われてしまい、昔の恥ずかしい作品の思い出まで語られてパニック状態に。でも彼は、変わっていないことに安心した、と言ってくれる。
妙に嬉しくてぼーっとしているとき、美少女に立波くんへのラブレターを代筆して欲しい、と依頼されるが、どうしても浮かばなくて……心の変化を丁寧につづっている。会話がとてもいい。
今までの実績、現在の地位
結構増刊にはコンスタントに出てくる。
ゆっくりしたペースだが着実に成長している。ネットでは正統派として評価が高い。
個人的な感じ、思い出
スタンダードでいい雰囲気。もっと個性を伸ばして、感動的なストーリーを生み出して欲しい。
最新作の濡れたように滑らかな感じと感情表現、ストーリーの組み立ての確かさは見事だった。
いいテーマを見つけて本誌連載をしてほしい。