作風概説
ストーリーは暖かく純粋、どこか哀しみも帯びている。それでいて心理的な理解も深い。
絵はやや幼い印象で、墨で描いたような柔らかく黒が目立つタッチ。
代表作
1993「少女探偵エマ」
十一歳のエマ・ハミルトンはどちらも少年だけど腕はいいスタッキー&ローレンス事務所の一員だがいつも憧れのお兄さん、ルイスのクリーニング店に入り浸っている。事件も面白く、キャラクターも魅力的で雰囲気のあるサスペンスシリーズ。
95〜96「となりの宇宙人」
IQ150の超現実主義者、れおなは宇宙人など信じない。うるさくてへらへらしている人志やおしゃれで頭がいっぱいのみちるは別世界の人間。でも、ある日彼の家にクラゲ形宇宙人のミックとマックが現れた。
触れ合いの中で少しずつ人と人が心を通わせる姿を巧みに描いている。
97「トリプル☆デート!」
男の子が嫌いな花野ちゃん、親友のエミ&たまきと待ち合わせたら、実は男の子と一緒で三対三。
男子自体が気に入らないのもあるけど、それ以上に自分より優れている二人にそれを見せつけられるのが嫌で、男子に嫌悪感をむき出しにし、二人とも大喧嘩。自己嫌悪と割り切れない感情でぼろぼろの時、この間の男子の一人が話しかけてきた。
笑顔の下のコンプレックスの痛み、欺まんと真実を厳しく描き、そして優しさを知って成長する過程を優しく描いた佳作。
今までの実績、現在の地位
本誌登場経験もあり、筆者が増刊を読み始める頃かなり増刊では重要な存在だった。
作品量はかなり多いが単行本は出ていないらしい。
個人的な感じ、思い出
まっすぐで心に残るものがある作風を楽しんでいた。
「となりの宇宙人」シリーズでは現実主義で科学的という言葉にこだわり、本をうのみにして宇宙人を否定するれおなに、なら自分ではフェルミパラドックス(宇宙人が地球には来ていないことは明らか。だが、宇宙の広さと宇宙のどこでも科学法則は同一ということから考えるとおかしい)をどう考えているのか聞いてみたい。