井沢陽子（いざわ ようこ）
作風概説
画面をいっぱいに使っとても明るく、少し甘い元気でまっすぐな女の子を上手く動かしたはつらつとしたストーリー。ラフな印象の割に弓道シーンの経験者チェックが高得点だったりする。
キャラクターが非常にまっすぐで上流階級ものが得意。情熱の描写も上手い。崩す絵も大胆で、ギャグに徹すると結構弾けることもある。
特に自画像キャラを動かすと抜群に面白い。
尚、最近は登場するたびに絵柄が大きく変わる。
代表作
９６「フィアンセはだれだ！」
希理ちゃんは大好きな高橋先生の婚約の噂にショック！で、婚約の相手は希理のお姉さん。それを隠すために今日市が大奮闘、その中で次第に……でもある日、高橋先生から大事な話がある、食事にと。黄金パターンをとても元気につづった佳作。クラスメートのドタバタがとても楽しい。
９６〜９８「シンデレラ・ロード」るんるん連載、単行本全二巻。
バス停の君が誰か、ついに判明！彼は超おぼっちゃま、三条寺玲（あきら）くん。玲のクラスメートでもある親友、緑に連れられて玲のおばあさまの快気祝パーティーで会おうとしたけど、礼儀作法の壁にパニック＆ブチ切れ大爆発のいつき！
それを彼のおばあさまに気に入られ、三条寺家経営の作法教室に誘われて玲に似合うレディーになるため、料理にダンスにお華にお茶、テニスに英会話に手紙まで今日も元気にがんばります！
「るんるん」連載名物のお勉強作品で、礼儀作法の本質、心を元気に学べる傑作。明るくまっすぐなノリが大爆発している。
９７「ツイてるヤツにはかなわない！」
どうもついていない小春が手に入れたお守り、それはドイツからの帰国子女転校生、藤枝くんに借りた１ペニヒコイン。
それを手にして以来、弓道では当たりまくり、ドーナツのスクラッチくじは大当たり、テストのヤマまで大当たり！でもそのコインを落としてしまう。
９８〜９９「バージンブルー」単行本全一巻。
青が目にしたモデルは謎の無気力男、坂条！？その坂条と文化祭で受付をする羽目になり、子供に笑いかけるなど意外な面を見るにつれ恋心が芽生える。でも、彼は誰にも心を開かず、残酷なまでに冷たい仕打ちを。でも、どうしても止まらない想い。彼の心には深い傷が刻まれ、誰もその中に入る事ができないかのよう。でも時に見せる素顔に、ついに想いがはじけた！激しい情熱とシリアスな空気に圧倒される。巧みにヒット曲を話に絡める展開も上手い。
９９「エスケープ１９９９」
遊園地の中、追われるカップル…二人は恋人ではなかった。清掃のバイトの最中、遊び半分にそこらにあった指輪をはめたら、それは借金の担保で、しかも指輪が抜けなくなって追われる事に……ひたすら逃げ回る二人を、冷たい銃口が追いつめる！スリル一杯のジェットコースターコメディ。
2003「ドキッ!?マナツのパーティーナイト」
夏合宿でファーストキス…そして倫くんは、「今夜ちょっと外ぬけだそーか」と爆弾発言！
えっち覚悟、期待しまくって出ようとしたけど、先生は厳しく正座…で、天井裏から移動するまり絵ちゃんだが、落ちたのは知らない（別のエリート学校）男子の部屋！
出るに出られない彼女、怪談になって…ドタバタで大爆笑！
今までの実績、現在の地位
デビュー以後長い事注目されなかったが、着実に力をつけて「シンデレラ・ロード」で脚光を浴び、そして本誌連載へ。後進にとっても大きな励みになるような大復活劇を見せてくれた。
連載は一時的だったようで、現在は増刊で活躍しているがご多分に漏れず出番が少ない。。
近年、自分で占いやエステなどを取材しながら担当とどつき漫才をするルポマンガを連続掲載した。
個人的な感じ、思い出
「シンデレラ・ロード」以前にも読み切りで、絵は荒いけど元気で鋭い、そして明るいストーリーは好きだった。そして「シンデレラ・ロード」以後、そのまぶしいまでの明るさと元気に押されていた。最近の鋭い、ページ全体を使った作風や画風の変化にも注目している。
最近やっと再登場したが、それでの絵の変化と危ないギャグの連発にはびっくりした。