なかよし2000年8月号感想

大声で叫びたいです。ヒット作の第一回・・・冗談じゃない!新人、若手作家をどこまで無視すれば気がすむんだ!!確かにそうすれば売れるかもしれないけれど、さらに運がよければコミックスの売り上げにつながるかもしれないけど、でもなかよしの明日が無くなるんだ!今日生き延びるほうが大切かもしれないけど・・・。いい加減過去ばかり見ていないで、未来を見て欲しい!でも白沢まりも先生と永遠幸先生が前面に出ているのは嬉しいです。
文庫の「なかよし読み切り傑作選」これはいいアイデアです!昔から僕も似たような事を言っていましたが、こんな形で実現するとは。是非これは手に入れないと。そしてこれからどれが選ばれるか、それも楽しみです!本誌掲載のレギュラー読み切りが中心になりそうですけどね。

「マリアっぽいの!」思ったよりあっけなく話が進みました。ぞくぞくする・・・サディスト?そしてパウロちゃん、大活躍!なんかかっこいいです。あ、この池に飛び込む時のスリリングなアクション、とてもいいです!
この、麗ちゃんのじっと閉じこもる心理、よく分かります。「わたしひとりいなくなったってだれも気付かない」というのも、とても共感できる感情です。今の人間は誰も、それと無縁ではいられないです・・・。そこに駆けつける創くん、今回子羊を救ったのは・・・むしろ創くんですよ。ひなたちゃんの奇跡は、単にきっかけ。
おっこちてくるひなたちゃんを簡単に抱える・・・創くん、よく腕が折れない、でもおいしいシーン!そして、この静かで暖かい笑顔・・・なんだか笑顔と安心感が伝染してくるようです。
でもまた、マリア様の登場は爆笑です!ため息。しかもビデオまでとって・・・条件は僕は、てっきり恋愛禁止だと思っていましたが、奇跡の濫用禁止、これは当然ですね。
そして、この炎は誘惑でしょう。力を使え、という・・・でもそれは許されない、できることはただ一つ神を信じて祈ることだけ。でもそれをできるかどうか・・・まして創くんの命もかかっているのですから。普通の火なら、飛び越えてしまえばいいのでは?たき火を飛び越えるのは、勇気は要りますが害はありません。思い切って走り抜ければ、酸欠で倒れない限り何とかなるはずですが・・・さあどうなる!別の意味でスリルのある話です。

「恋愛向上委員会ジューシーフルーツ」プチ遠距離恋愛・・・いい言葉です。ちょっと分析が足りなかったかも・・・パターン分類講座の補講でやってみますか。

「VAMP!?」こんなケース、多いのでしょうか。神様のお嫁さん・・・と言うロマンチックな言葉の実態は?特に「レ・ミゼラブル」の完訳を読んでいる人は引くでしょうね。「人間の住むとこじゃない」そう、ここにいるのは富と肉に仕える人間ではなく、神に身を捧げて生きながら戒律と言う光の衣に身を包んだ人。
窓を開けて奇声を発したくなるよーな厳かな日常、これは見事な表現で・・・。このハーレクインを持ってくる羽純ちゃんに、その時のりおちゃんの表情が強烈!でも普通、面会の時の差し入れは検閲されるのでは?そしてこの、後ろから伸びてくる手に順番と文句をつけ、やはりシスター・・・ここはお約束ですが大爆笑でした。さて、これでハーレクインに何人新読者が生まれるでしょう。
このハーレクインな想像に華麗なレタリングで「Kudoi・・・」これも爆笑!そして亜子ちゃん、マインドコントロール・・・かもしれませんけど、キリスト教にマインドコントロールされるならそれほど不幸でもないのでは?あ、羽純ちゃん、もしかして「キリスト教の悲惨」をどこかで読んで・・・修道院では禁書かな?ヴァンパイア狩り・・・魔女裁判は、現実には実在しない魔女を滅ぼそうと数百万人もの無実の人を、拷問の末にとろ火で焼き殺し、財産を教会と密告者で山分けにする悪魔の所業でした。あ、征服されたアメリカ、アフリカ、アジア、オーストラリアの原住民を含めたら千万いくかも。ちなみにプロテスタントも同等か、それ以上の残酷さと規模で魔女裁判はしていました。
美形で長命だから鑑賞用に、この羽純ちゃんの発想・・・正直でよろしい。何気に無視されていますが。
脱出後、ふとその時の思い出に触れる、ここが不思議と胸に残ります。そしてこの、行き倒れくんにつまづいたとき、贈り物と考えてしまう・・・大笑いです。そんなに月が明るかったのでしょうか?
部屋に男の子が引きずり込まれた、その時の反応も大笑い。さらに・・・「お部屋で飼ってみない」もう言葉も出ないです。
さらに、なんとなく同じベッドにはい込んでしまって慌てて脱出、これも笑えました!さらに、ハーレクインラブと見せて吸血鬼、ここからの展開の速さも絶妙!結構パターンの集合なのに、強引さでそれを気付かせないのもたいしたものです。でも女の子に世話係とは・・・女子修道院のすべき事では無いような。

「電脳少女Mink」わ、やっぱりかっくいい!なんだかすごく線が強くて、エネルギーがあふれ出てくるみたいです。
有香ちゃん・・・すごいキャラです。でもここまで可愛ければ問答無用で許す。もしかしたら本当は外面がいいだけとか・・・?そして、この"WANNA-BE"の暴走もわざと?だとしたら、もしかして未来からの時空警察?
うわ、この変身シーンの・・・一瞬日に映えた妖精、どきっとします!息を呑むような迫力と美しさ!!
そしていつもいつも、結局・・・口説き文句になってしまう先輩、最強キャラ。勝手に網走にでも鳥部山でも行って下さい。
この、顔の出てこない親父、どんなキャラなのでしょう。顔はないけど強烈。しかも、これって多分・・・同居になるのでしょうか。事務所の人にお世話になる、と言っていましたから。でもMinkちゃんは一緒に住めない、楽しみです。

「おジャ魔女どれみ#」ぽっぷちゃんにはまだ難しかったかな?でもいい経験でしょう。そしてUFOとは、でも多分いたずらだとばれて・・・ひまわりの花が好きな野生動物、となるでしょう。ボオちゃんはおんぷちゃんにも懐いているみたいです。

「カードキャプターさくら」感無量・・・見事なまでに淡々と、そして的確な完結でした。大団円の理想かも。ただただ嘆息です。
成長した二人も、もう言葉が出てきません。僕はこの作品のラストは、このような初恋か、またはひいおじいちゃんと家族の事情を知らされて会うか、または・・・初潮の暗示かだと思っていました。どれにしても意味しているのは同じ、大人への入り口。大人への階段を上っていく二人には、魔法関連のどたばたはもうないでしょう。でも、きっとそれ以上に難しい問題がいくつもあるはず。でも、この二人なら大丈夫。二人ずっといっしょなら、「絶対だいじょうぶだよ」・・・お幸せに。

「B-ウオンテッド」これだからたまりません!この「B」の酷薄非情さが、なぜか強烈な色香になってしまうのです!
この1ページ目の構図が見事。そこからこの扉、すごい・・・とにかくこの技術には息もできません。そして握りしめた手から、激しい感情と決意が伝わってきます。その時の薫先輩の表情、これだけでどれだけのことを語っているか!しかも、その周囲に沙生ちゃんのモノローグ・・・そこからこの笑顔で、もう首をカタカタ振るしかないです。
そして最後の一個に、でも解けない謎、一体何がその謎なのか何も見えません。仮説も立たないです。
身を引き、草原に寝転がる薫の、口元に微妙な悔しさが浮かんできます。これがいつ爆発するのか、それもスリルがあります。
ガラスで仕切られている、なら石か何かで叩き割れば?しかもスリル満点のウオータートラップとは!前に似たような事をした時、クイズを解いたらちゃんと開いたから、今回もそうだと思ったら・・・この引っかけにはやられました。このクイズは数学的に一般化できるでしょうか?少しややこしそうですね。
多分、Bには殺意はない。沙生ちゃんの力を試してみたいだけでしょう。でも、ぞくぞくするようなスリルが満ちています。

「うるきゅー」多聞、かかりましたね。なんだかぞくっとします。
この、断れなくする状況の上手さは言葉になりません。あ、「いい風・・・」ここの表情には心臓ぶち抜かれました。すごいとしか言いようがないです。
影から証拠写真を撮っているミカ、凄まじいまでの邪悪さが感じられます。これがまたたまらない魅力・・・女って魔性。
魔性、といえばのあの嫌味、なんかおかしいです。それにしてもすごい修学旅行。そして、そこで嘘を責められて・・・かえって墓穴を掘ったのでしょうか、ミカ。嫉妬は恋愛感情にとって最高の肥料の一つですから。

「ワーキング娘。」不思議なほど、この暗い雰囲気が心に深く染みとおっていきます。上手く表現できないのですが。
巧の、早紀に肝心なことを言わせない、このタンカを引き出す言葉、上手いです。だからこのまま、いつも通りの二人に戻れる。
あ、「他力本願なんてみっともない所巧みに見せるわけいかないから」なるほど。好きだと分かったから、余計に好きな人の前では、自分の一番好きな部分を捨てることはできない。わかります。それに結納の件で反撃した静花さんに、この一言・・・負けを認めるのも仕方ないかも。でも、巧は決して本音を出さない。なんだかどきどきします。
静花さんも、今回の件で多分始めて、感情のままに振る舞ってしまったのでしょう。それまでずっと賢明に、理性を前に出していたけど今回だけは耐え切れずに・・・だからおじいちゃんも足のことを明かし、本気で接することにしたのでしょう。
華月さんには、巧もかなり自分を見せているようです。振り回される自分に違和感を感じつつ、しかもそれが本当の自分だと分かっている、きついでしょうね。巧にとっても彼女の隣が、唯一自分でいられる場なのでしょう。
帰ってきた早紀ちゃんにはもう屈託が無いですね。あ、華月さん・・・ここで気を利かせて消えるのはお見事。いいですね、庶民の食事!僕も浅漬けを除いて得意です。あ、湯が沸いてから、ごく自然に、それでいて微妙に違う会話・・・ここの空気がすごく切ないです。切ないぐらいに暖かく、素敵な時間。でも、ここで聞いてしまった最悪の一言、聞かずにはいられない・・・切ないです。
そして出てきた兄、一体どんな事になるのでしょう。もう先を想像することもできない、次号を待つだけです。

「だぁ!×3」なんて豪華!どんな国なのでしょう、これだけの人口があるなんて。かなりの大国では?そしてクリスちゃんと彷徨くんのきれいなこと、もう息もできないです。あ、裸踊りについてごまかすのがちょっと笑えます。
さらにこの、クライマックスで盾を奪って滑り降り、未夢を抱き上げて逃げる、これはもう女冥利に尽きます!このあたりはもう、映画のようなスケールと迫力でした。
それにしても追いつめられて崖っぷち、もう一つ間違えると心中ですよ!すごいスリル。
この結婚の時の、少し照れてうなずく未夢ちゃん、すごく可愛い!でもそんな可愛い花嫁を離すなんて、なんて勿体無い。まあ無事でよかった・・・でも明日の朝、クリスちゃん大変だろうな。

「セ・ブ・ン」単行本!すごい。それにしても、いきなり出版祝いのキスとは、やるのう。出くわすのもパターンですが、押し倒しているのも・・・そそくさ、とスケッチブックに書いて消えるのは笑えました。もう少し気を利かせて、「ちゃんと避0してね」でも面白かったかも・・・でもなかよしではまだ無理ですね。
利用できるものは利用する、でもやはり落ち込む・・・そこでこの、感動するほどのマスコットから目標を見つけて、やっぱりまぶしい!
でも、このまぶしい皆がバラバラになる・・・歩いていくと、どうしてもその時は来てしまうものですが、やはり切ないですね。

「おとなにナッツ」いい感じ!すごくさわやかで明るい、関東では味わえない乾いた熱い空気と日光の感触!
冒頭のこの、やたらと濃いおっさんの悪夢・・・すごい。でもまあ、思ったほどひどい事態じゃなくてよかったです。
でもこの博士、男と女のどっち?勇之介と男名前ですが、言葉つきは・・・まさかオカマ?それにしてもずいぶんと若くして博士号を取ったものです。あ、遊馬くんやっぱりかっくいい!
あれ?確かナッツって、木の実の総称ですが・・・豆をナッツ?まあ、おつまみではあまり区別していないのでしょう。金魚、つまり鮒の刺し身、刺し身にはあまりしないですが甘露に等は結構美味しいです。
でも、細胞が急激に成長・・・したら危ないのでは?まあ、その辺のツッコミは置いときますか。危険なのも分かります。
この人形のお芝居、いつも何か悩んだりしたらこうしているのでしょうか?面白いです。心配して監視してる遊馬くんも可愛い!あ、「よかった」と微笑むの、これすごくいいです!やっぱり男の子の笑顔にすごい魅力がありますよ。でも、こんなに心配してもらっても・・・でも{トクン}とか{ドキン}とか言わない・・・遊馬哀れ。この「バカヤロー!」もすごく胸に響きます。
屋敷さんって・・・いきなり抱きつくとは。しかもこの服、かなり大胆。でも本当にきれい!そしてこう、くどくペースが速い気もしますけど・・・上手い。花火に合わせて、計算なのか天然なのか、かなり強烈!
でもこの声で現実に目覚めて、まるでシンデレラのように・・・。それにしてもまさか幼児化とは。あ、でもこれで屋敷さんにナッツの件がばれてしまうのでは?

「ゴーストハント」リンさんのファンにとっては何年も待ち望んだ一瞬でしょう。扉、宝塚の男役のような感じがするのは僕だけでしょうか(流石に怒るかな)。
蟲(正しい字が見つかりません)毒と気付く時の、このナルの表情の変化が上手いです。無関心からふと、それから驚き、確認して確信、思考の流れがそのまま伝わっています。感情を伝えるのは少女マンガではできなければならないことですが、思考を伝えるのは難しいですよ。
あれ?今気づいたのですが、嫁金蚕で拾われないように封印すれば、それが破られない限り安全なのでは?SPRはそのような一時しのぎを嫌いますけど。
そしてこの、リンさんの迫力は静かな分強いです。専門家の強さがよく出ています。「をんをりきりていめいりていめいわやしまれいそわか」残念ながら今手元に、梵語や真言についての文献が無いので何の真言だか調べられません。

来月号、心配なのは「さくら」の終了による部数の落ち込みです。「セーラームーン」の時のように三分の一とかになったら、雑誌そのものの死活問題ですから。そこまではならないと思いますが、かなりの落ち込みは覚悟すべきでしょう。それにしても予告で、征海未亜先生が一ページ丸々・・・ここまでのは見たことが無いです。この構成は戦隊ものでしょうか?よほど力を入れて、できるなら「さくら」の穴を埋めるくらいの期待・・・やって欲しいものです。
さらに猫部先生の動物連載、これは本当に嬉しいです!こんな形のショートギャグなら負担なくしっかり定着できますし、今までなかよしに欠けていた部分でもあります。さあ、ここがなかよしにとって正念場!

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