なかよし2004年8月号感想

この別冊付録攻勢にはなんか笑いが止まりません。
特に来月号の予告には、もうミルモでの告白で天まで昇っていたのをさらに突き抜けそうでした。

「こわい本」の迫力は想像以上で、やはり少女マンガにはホラーは必須だと痛感しています。
人間の心理をより深く理解するのにも役立ちますから。
その意味では作家の育成にも効果的でしょう。「ちゃお」が若手に常にホラーを描かせているのはそのためでもあるのかもしれません。

これまで外していましたが、そろそろ「ふたりはプリキュア」は単なるショートの枠を超えそうですので感想を書くことにします。そこらの基準はいいかげんですが(めだか、ハイスコアは書くのにアニマル横丁は書いていないとか…好き嫌いが混じった惰性です)

こわい本 いじめ かえり道 ピッチ ぷ〜ちょ アタック ジュース まもロリ プリキュア シュガ かりん ハピアイ プリハニ ビキニ JF どープリ 予告

こわい本、プロローグ&エピローグ
この絵を見たのは何年ぶりか…やはり強烈に怖かったです。先に、葉隠式に自分の死をとことんイメージしておいてよかった。
「このマンガ本大好きなんだ」と喜んでいる表情は、絵としては崩れているのに非常に豊かな表現でもありますね。
足だけで走るのを表現するのも、体のさまざまなパーツを使って動きを描く表現力が豊かだからこそこれだけの恐怖を生み出せるのでしょう。
余裕を持ってみてみると、人間の心理を見通す目もさすがに深い。
ろくな目にあわない…こういう天罰のような感覚もあるんですね。
見たい、と見たらこわい、のぶつかり合い…もしかしたらホラーは、見るまでが一番楽しいのかも。それでつまらないB級ホラーでもそれはそれで楽しい、とか。
手が出てくるシーンの次に影を強調しているのがすごいです。

エピローグは「友達」という言葉の偽善を、『バトル・ロワイヤル』並みについてきますね…結構えげつないです。
「どうやって見るのよ」は結構ユーモアがあります。

鏡よ鏡
かなしろ先生の、普通のマンガは何年ぶりでしょうか…実力はさすがです!
美人と言うのはこういう生き物なのかもしれない…男にとってはそっちのほうが怖いですよ!これ、男子に見せたら女子より怖いかも。憧れの、クラス一の美少女も中身はこんなかもと思うと…
姫華ちゃんは残酷で雪那ちゃんは明るくて普通かな、と思ったら二人とも同類なのにパターンを外され、驚きました。
二人の相互牽制は見ていて面白いものがあります。で…うまく勝負するチャンスがあればいいのですが。
ただ、互いにライバルだからこそ自分を磨き、美貌を高めることができているという面もあるかもしれません。
彼女たちが同時にアタックできるようないい男がいなかったのも不運ですね。それであっさり二人とももてあそばれて捨てられたら、一時の美貌のばからしさがわかったかもしれませんし。
「ほんとは殺したいほどにくらしい」という言葉とともに、髪が不気味にうごめくのがたまらないです。
この老婆の話、そしてその鏡を買ってしまったことには…美とは魔に通じるな、と痛感します。
「美しい女の顔を食うってのが」には、自分もそうだとわかっていない愚かしさが…
あ、ふと気がついたのですがこの鏡には「世界で一番美しいのはだあれ」ではなく、「どちらが美しい」としか聞いていませんね。互いのことしか目に入っていないとは。
そして顔が引きちぎられる描写は…さすが。
鏡を捨てても戻ってくることはわかっていました。
じーんとしみこんでくるような恐怖感があります。

いじめられっこ
この作品はある種の人格障害をイメージしているのでしょうか。
無限の愛情を求めてしまい、相手に依存しきり、試すために傷つけ続けて疲れ果てさせてしまうタイプ…
いじめの醜さをとことん描き、そしてヨイ子ちゃんの正義感を強調して…そして、この世界の異常さが保健室や教師の反応でどんどん違和感をまして…
この畳み掛け方、そして…この舌の描写は妖怪画などのイメージの深い部分をうまく活かしていると思います。
優しい心を食べられた彼女は…皆は、この学校を卒業しても誰にも優しくできないのでしょうか。そして、そんな人間と接する周囲の人も…
それほど恐ろしいことはないです。
最後に結論を出さずに放り出しているのがまた怖い。

かえり道
比較的わかりやすい話でしたが、絵的な恐ろしさはさすがです。
こんな明るく可愛い子が突然…無残なものです。
幽霊現象という名前かは覚えていませんが、教習でそういう話を聞いたことはある気がします。また、沈む日が目を射ることもあるし赤信号を隠すことも多く、非常に危険な時間帯なのはもちろんです。
そして、この日が沈む時間帯は黄昏時でもありますね。
普通に話しているように見せて、実は…読み返してみると突然の暗転はうまい効果です。
何にも見えない暗さ…光がないのがやりきれないです。『天界と地獄(スゥエーデンボルグ)』の守護霊とはぐれてしまったのでしょうか。
明かりはあるけど人がいない、道の感覚がわからない…そして自殺者と会ってしまった時点で…気がつけ、といっても無理でしょう。僕ならここで気がつき、必死で念仏や真言、聖句を無節操に唱えまくって成仏しようとするでしょうが…いや、永久にただぶらついて映画をタダ見したりするのも結構楽しいかも…いやいや、それはまずい、霊的に無防備だからどんな悪影響を受けるかわからないです。
「何度もやってるのに」という言葉には自殺の罰の恐ろしさを痛感させます。こうなりたくなかったらやめたほうがいいでしょう。
振り向いたら可愛い女の子、というのはほっと…させられる分こわいかも。振り向くところの恐怖感もうまく描かれています。
自分の名前も出ないのは…それだけでも相当怖いです。
「家にかえらなきゃ」という言葉で、彼女がそれに固着してしまっているのがわかって哀れさに眉をひそめました。
友達に再会したときの嬉しさと、そのあまりにも悲惨な結果がまた…早く悟れよ、と叫びたいぐらいです。
この追われる友達にとってはまさに…ですね。ただ、ずっとその罪悪感と…おそらくは今後も、いつまた出くわすかという恐怖を負わせるのはあまりに無残です。どうにもならなかったし、彼女たちも深く傷ついたのに。
それが死ということなのでしょうか。
家に必死で帰る気持ちはよくわかります。でも…窓を叩く死霊の姿は、非常に恐ろしく描かれている反面とても哀れでもあります。
このまま永遠に「帰りたい」に縛られるのでしょうか…早く本当に帰るところにたどりつき、そしてできれば光の世界に旅立ってほしいものです。自分が死んだことを認めたくない気持ちはよくわかるのですが。

ぴちぴちピッチ
七つの海の女王、五人のマーメイドプリンセスをこき使うとはすごい神経をしていますね、にこらさん。
勝手に入るのは住居不法侵入という犯罪です。
いきなりびしょぬれ、そして風呂場ではちあわせとはやりますね。バスタオル一枚で出てくる姿はかなり色気が強いです。
ぱっと海斗が服を脱ぐのは、記憶を失っていても相変わらずだなという気がします。ここから場面を転換させるのはもしかしたら襲ったかもと思わせるかもしれませんが、男はこれで理性が切れたら脱ぐより先に飛びつきます。
この小鳥がボス…いや、代理人のようですね。
るちあちゃんの泣き顔はとても丁寧で、つらい思いが伝わってきました。
涙が指輪に滴るところ、震える足…ここの表現はお見事。
自分からキスしたときの、光の中で線を強調した絵もとても感情を刺激します。
浜崎さんはむしろ大人ですが、だからこそ不安でもあります。
みんなでのぞきを楽しみ、海と恋に戯れている皆はもうあの戦いの傷も癒えたようです。
「なによあのブリブリは!!」「おまえがゆーな」は爆笑!
自分が望む夢に閉じ込められる…確かにこれにはなかなか抵抗できないでしょう。それはもっと丁寧に描いてもよかったような。
渚くんが真っ赤になって「花火より波音のほうが」とくさいせりふを言うのがすごく可愛い!反応してしまっている波音ちゃんも可愛いです。
キスで全て思い出すとは…簡単すぎるような気もしますが、あ!どこまで思い出したのでしょう。パンタロッサの記憶も含めてでしょうか?

ゴックン!ぷ〜ちょ
扉絵を見ると、少しずつ脱皮しているのがわかります。どんどん伸びているところです。
夏祭りで出遅れたのは笑えました。やはり夏休みは学校がない分、どんどん自分からアタックしないと底なしに遅れますね。受験勉強も同様でしょうか、自分で積極的に勉強しないとどこまでも遅れますが、こつこつやれば驚くほど伸びます。
屋台に飛びつくぷ〜ちょはお約束ですが見ていて楽しい。
栄養ドリンクを勧めたのはどういうつもりでしょう。無責任な。
ドリンクによって、色々な効果が無駄なく出てくるのはとてもうまいです。
今回の変身の結果はびっくりしましたが、男子が女子用の浴衣なのは不自然ではないでしょうか?
で、髪、そして胸をいじっているのはかなりびびりました。いや、胸をいじっているところは一瞬股間をいじっているようにも見えました!
店自体が怪しく思われるのはなんとなく笑えます。
男の子であるまゆちゃんが久々に会った天宮くんにときめくのは…けっこうヤバイ眺めです。
性格が男になっているのは幸運でしたね。それで懐に飛び込めたのですから…というかこれは設定がうまいです。
「わたしのために!?」とときめいていたら「香坂はどーでもいいけど」の流れ、呼吸がすごく笑えます。
最後の人魚としてぷ〜ちょが出てきたのも笑えました。
この雨…考えてみると夏祭りの類は雨が降ると事実上できなくなりますし、それは夜店の類にとっては大損害…恐ろしいリスクです。
男の姿で彼の家にお泊り、というのはかなりいいシチュエーションですね。
山田君の家に電話されていたら、というツッコミは野暮なのでよします。
パジャマ姿のぷ〜ちょが実に可愛い。
男の子がパジャマに着替えているのが、鎖骨の細かなラインとかが妙に色っぽいのですが。前思春期の少年が持つ特殊な魅力、そして変身が解けて女の子に戻った肌の微妙な変化をきっちり出せているのがすごいです。
女の子として彼の隣に、というのは相当すごいシチュエーションです。目が合ってしまったのは爆発しました。
「天宮…はっ香坂のコト…」と勇気を振り絞って聞くのは、声の上ずった感じまで伝わるようです。
ふっとリラックスして寝るのは…すごく幸せな感じが伝わってきました。
そして…いきなりこうなりますか?ただ、もしこのはちゃんが来なかったらどうなったか考えるとちょっとパニックしますが。

アタック!
こういうのはさすがにうまいです。
僕は詳しいことを何も知らないので、ひたすら真に受けて読みます。
東洋の魔女…懐かしい響きです。それがなぜここまで停滞したのでしょう。
バレーのシーンの迫力は十分ありました。外された、しかもそれを納得せざるを得ない悔しさ、そして…実力が劣っているのにマスコミに追われる屈辱感…
なぜここまでマスコミにエース扱いされるのか…それがわからないのは僕だけなのでしょう。
「全日本を途中で辞退した」という言葉はかなり迫力がありました。
韓国との試合も、見ていたらもっと面白かったのでしょうが…全く興味がなかったのが残念なことです。

チェリージュース
何かを引っ張ったら男の夢、帯ぐるぐるとは…笑えました。
乱れまくりの乙女ちゃんはかなり強烈です。その日、たぶん南くんは眠れなかったでしょう。
何気ない、普通の家族としての約束というテーマは実にうまい。
「年上の彼女とデート」「ばーちゃんとかーちゃんとねーちゃん」「ヤキモチ」という会話は実に微妙で楽しいです。でも×マークはやめましょう。
単なるつなぎコマの授業シーンが妙に印象的です。
祭りには周くんと行く、と自分で言わなければならないのはわかっているけど、なかなか言えない…つい嘘をついてしまう心理はひしひしと伝わってきます。まあ親もいるからでしょうが。
周くんとの妄想で、手が恋人つなぎなのがなんとも…
そして南くんと出くわしてみたら、手はつないでいますが恋人つなぎではないのがほほえましいです。
そして…かんざしを捨てる嫌がらせには苦笑。気持ちはわかりますが大人気ないですね。
ここでお姫様抱っこを決めてくれる周くんにはやられました。
「ばかキョーダイ」とぼそ、っともれる言葉がすごく重いです。
蛍か星か、光の海と川…ひたすら二人とも濡れた中、言葉どころか自覚しきることもできない感情だけが…川のシーンはすごく素敵です。

まもって!ロリポップ
パールちゃんとの掛け合いは見ていて楽しいです。
ニナちゃんからでないと魔力は吸収できない…人間には、使うことができないだけで魔力は元々あるとかはないのでしょうか。
お告げで…生まれたばかりなのにプレッシャーをかけられて、意地になって「お告げくらいできるりゅー!!」と叫んでいるのは可愛いです。
お告げが占いでしかないのは笑えました。
妄想のベッドシーンはさすがに笑えました。
ゼロとハンカチでの急接近、そして一緒の班と盛り上げていくのは見事です。
展開はお告げに書いてある分、それが一つ一つ実現していくのは…なぜかお告げなしに進むより楽しいんです。
二人三脚は、肩を組んで密着しないと難しいのでは…案の定こけましたし。
まあそれがお姫様抱っこになるのはお約束です。あ〜くそっ、中学校の頃の僕がそういうことを知っていたら…
二人がつきあっていた事になって、そこで「今まで友だち」という言葉が…イチイやゼロのことだとミスリードされました!
制服を盗まれた、でフォーちゃんだとは…似合いすぎです。
「うわあああああああ」「完」が妙に笑えます。座ってスポットライトを浴びているのが女の子っぽくていいです、やはり女装男はコビコビでないと。
フォーちゃんの着替えも…他にも今月号、色々男の子の裸が多いのですが…女の子にとってはサービスになっているのでしょうか。
で、こうなりましたか!浮気的中…ってもう最高に楽しいです、このシチュエーションは。

ふたりはプリキュア
ポテトチップス一袋のカロリーは…ゾーッ(女子読者にとってはこわい本より怖いかも)
おまじないの他力本願、理知的なほのかちゃんは『人はなぜエセ科学に騙されるのか(カール・セーガン、上下、新潮社文庫)』『虹の解体(リチャード・ドーキンズ、早川書房)』『なぜ人はニセ科学を信じるのか(マーティン・ガードナー、シリーズ、早川文庫)』などを押しつけるかと思いましたが。
おまじないを色々やって、ある意味本末転倒になって…先輩と離れているのはそのせいなのに。
箱が見つかってからの展開は全く読めませんでした。理科室などの恐怖描写はかなり迫力があります…特に平行四辺形の変形遠近法がすごい。
「憎悪やシットなどの否定的感情は〜」というのは的確な分析ですね。
ただのあいさつは、確かにどんなおまじないより有効ですね。

シュガシュガルーン
普通の服の扉絵はなんとも言えない迫力があります。
バニラを守る、というショコラの決意が…どんどん裏目に出て行く心理の綾が見事。さすがに幼い少女の思いも見事に描けるようです。
あのバニラちゃんの髪型があれだけの労力…考えてみると女子も、多くの男子もそれだけの苦心を重ねて自分を飾っているのか…僕は子供は外見を飾るべきではないという古い考えを持ってしまうのですが。
「ケンカしててもすぐ仲なおりできちゃう」という素敵な関係が、すぐに暗転するのがまた見事な対照です。これまでもバニラとショコラの仲は散々見てきましたが、ここで強調するからこそ破局が余計辛く見える…
でも、安野先生の絵と雰囲気にだまされずに普通の少女マンガとして読めば、この二人の関係は{擬似姉妹}のパターンになるのは見えてしかるべきでした。
ロッケンロビンのお怒りモードは迫力があるのにユーモラスですね。あっさり魔法で落ちてしまうのが余計に…でも魔法とは思わなかった初読時には、別の面だと思ってしまいました。
まあみんながあっさりハートを出すのでさすがに気づきましたが。
この世に存在しないものを取り出せる…恐ろしい魔法です。僕は何を求めてしまうでしょうか…一つ間違うと世界を滅ぼしかねないです。
バニラが告白されているのを、うっかりピンを着けたまま飛び出してしまって…
このシーンでショコラが深く考えるようになったのが驚きです。むしろショコラのほうが内省的になっている感じです。
女王の影響力は、娘ではない彼女のほうが素直に受け入れられるのかも。
バニラちゃんが悔しがるのはわかります…でもショコラの話も聞けばいいのに。信じればいいのに…ショコラはずるをしてハートを手に入れても嬉しくない、と自分で気がついたのですから。
あ、でも魔女は人間の倫理とは逆に、裏切りもずるもしていいということにはなっていないのでしょうか。
持っている魅力を最大限引き出す、だとしたらもし僕がそのピンをつけたらどうなるのでしょう。あまり考えたくないです。
どんな女の子にも眠っている…でもそれは種でしかないことも多いです。しっかり自分を大切にして、時には厳しく地道に育てないと。
ピンを捨てることを選んだショコラにときめくアキラ…ショコラの魅力もそれなりに芽を出しているのでしょう。
そして、バニラに対する誘惑…どんな悲劇に陥るのか…

かみちゃまかりん
なんかもう期待以上に始まったよ、という感じです。ここからがコゲどんぼ先生の真骨頂…楽しみなような怖いような。
「一般人に?攻撃?」でびびっている和音くんがなんだか笑えます。
先輩が女だとばれないようにかばう、かなり無理な理屈も面白い。
キューちゃんさんはずっと出番がありませんでしたが、やっと出てきて…下手をするとあんた誰、になりそうですね。
この話の中で両親の写真を自然に出すのがすごい。
「好きでした」という告白がすごく…勇気と成長が強く感じられて感動します。
こんな恋の決着も、素晴らしいと思えます。
和音くんについて色々な情報が入ってきてぐるぐる…和音くんが情報を出さないのは花鈴ちゃんを守るためだと思っていましたが。
さらに和音くんの命さえ危ないという情報も、なんだか危機感を生む情報が多くて…それがどこかとんでもない破局に収束するような怖さを感じます。
もしかしたら花鈴ちゃんと姫香ちゃんが姉妹かもしれない…そして花鈴ちゃんも九条教授の娘…あ、花鈴ちゃんを育てたおばさんは何をどこまで知っていたのでしょう。
この行く先がどんな悲劇か、心臓が苦しいです。

ハッピーアイスクリーム!
いきなりの誘惑、パニックになるのがはっきり伝わってきます。
帝くんははるかさんに対する思いをある程度整理できているようですね。そして…はるかさんはどうなのでしょう。帝くんの思いに気がついていることは確かだと思いますが…まさか、もう過ちを犯してしまっていたのか…いや、それはないですよね!恐ろしいことを考えたものです。
修学旅行の楽しさがちゃんと描かれ、その中で意識しすぎて動けない桜子ちゃんの姿があるのがいいです。
お土産が同じものになっちゃって、気が合うんだ、と嬉しくなるのは見ていてたまらなくうらやましいです。
あ、このマスコット新撰組ですね。まあ当然ですか。
そして…こけてなくして、この展開はある意味お約束です。
告白しようと決意した…そこでコータローくんのけん制…でも考えてみると、コータローくんは桜子ちゃんが帝くんを好きだと察しているはずです。
「温かくみまもってよ」は、少なくとも女子は完全に縛る力を持ちますが男子の場合どうでしょう。
あ、コータローくんは帝くんがはるかさんに対する思いをかなり整理していることは知らないんですね…そう考えるとそれほど非道ではない、と。
告白に向けてのどきどきの描写は胸が詰まるようです。
そして…どうなることか…

プリ☆ハニ
一回死んでみろ、というのを実行した形ですね。
そして、病気の再発が来ましたか。それがどんな形になるか、この作品のテーマが単なるエロ、危機的なシチュエーションの積み重ねだけなのか、それともちゃんと命を扱う覚悟があるのか…
なぜすずちゃんがそこまで結婚に反対するのか…年齢差と彼のカッコよさが、ブラコンというか恋愛感情に近い思いを形作っているのでしょうか。
ここまで邪悪なキャラを出したのはどういうことでしょう。それもほとんど理由が感じられない…みきなちゃんの病状を悪化させるなら、幸せな生活の中突然、となるほうがショックは強いでしょう。この脅迫話は結婚及び病気の設定と合わない気がします。
みきなちゃんの病気は再発しないものと思っていたので、このシーンはかなりショックでした。
そして、すずちゃんの顔に見られる憎悪…今日たまたま読んだ『代表作時代小説平成十四年度』の『よがり泣き(小松重男)』という、美人の嫁をもらった瓦師が仕事場の梯子の金具を繰り返し壊され、ついに半身不随に陥って、それのみならず(江戸時代の長屋は防音もプライバシーもない)それまで仲良く幸せに暮らしていた隣人が殺意さえ持って襲い掛かってくる恐怖を思い出します。その小説に

 男でも女でも、おのれの努力に依って美男美女に生まれ付いたわけではない。その反対に生まれ付き「みてくれ」の良くない男女は、けっして努力を怠ったためでもないし、ましてや悪いことをした報いなどでは更更(さらさら)ない。
 ところが人間という生き物は、見た目や声音などが魅力的な異性を好み、なんとか歓心を買い、あわよくば番(つがい)になって交接をしたいと望むばかりか、あらゆる手段を講じて具体的に実現させようとする。そのために邪魔な同姓の競争相手は、暴力で襲撃したり、さまざまな奸計(かんけい)を用いて蹴落とす。
 そういう人間の本性を素直に観察して、おのれを謙虚に(客観的に)評価した男女は、さしたる失敗もせず、かかわりを持った異性を不幸にもせず、そこそこの一生を送るけれども、おそでは失敗した。

とあるように、圧倒的な多数が美男美女ではない以上、美男美女であるだけで同性の嫉妬は避けられない…そしてその美男美女を得た人は、同じく美男美女であってもそうでなくても激しい嫉妬を浴びることになる…
考えてみると自由恋愛ほど不公平なものはありません、現実には美男美女が少なく、人は美男美女を好む以上多くの「みてくれの良くない」男女は失恋する運命なのですから。
だからこそ「岡焼き」という、自由恋愛の存在自体を許さない醜い嫉妬が荒れ狂うのでしょう。今は表向きは自由恋愛を許しますが、特に子供の世界では何とか恋の芽を踏み潰そうと皆が醜く監視し合い、踏み潰しあっているのが現実です。
この作品はそれなのでしょうか、鉄人が美男すぎるから…
そして父親が病気の件を聞き、パニックになって叱責…鉄人くんの「―もうしわけありません…」の一言は最上だと思えます。本当に誠意を持っているのはわかります。だから僕はそっちの、両親がみきなちゃんに注いだ愛情と鉄人くんの微妙な立場をもっと描いてほしかったです。
悪くないのになぜこの二人はここまで周囲に責められるのかは、たぶん上の心理でしょうね。でもなぜこれほど露骨に邪悪な感じを画面全体に満ちさせているのでしょう。
ここで脅迫の件を告白したのは意外です。
何とか欲望を抑えて額にキス…僕はこの作品では、てっちゃんの理性と欲望の格闘をこそ見たかったのですが。
この脅迫はひどすぎます…読んでいて虐殺拷問描写より楽しくありません。殴り倒すのはさすがにすっとしました。
「ぜーんぜんわかんねーよ!」というのはあまりの愚かさにあきれ果てるほかない、一度死んでみろ…と思ったところで本当に死ぬ思いをするとは。
本気で死ぬ思いをさせるのは、人間にとってはいい教育かもしれません。
ただ、問題は「本気で死ぬ思い」を安全にさせる方法が考えられないことです。
例えば、悪い子を崖から蹴り落とせば死ぬ思いをさせられます。
でもセイフティーネットがなければ本当に殺してしまうだけですし、ネットがあれば二人目以降は「本気で死ぬ思い」にはなれません。
睡眠も飲食も奪って容赦なく数日間ぶっ通しで激しい運動をさせるのも、実際には十人に二人が死に、六人が「本気で死ぬ思い」をして目覚め、二人は逃げるかごまかしてもっと邪悪になるでしょう…目覚めた六人と区別するのは不可能です。
そしてみきなちゃんは死に至るのでしょうか。一体何を描きたいのか…最後までわからなくて当然かもしれませんが。

ビキニ!
この話はちょっと悪が矮小すぎました。とてもリアルな邪悪ですが。
試合前の緊張感はさすが…どきどきします。
ウミをかけて、という賭けの件は、それは言い出せませんね。
「なにをいってるんだ?〜この人見る目がないんじゃないのか?」という言葉で一気に呪縛が晴れたのがわかります。そこは気持ちいいです。
「思いだすだけでハラ立ってきたなんでおれあんなことで二年もムダにしたんだ」は笑えますが、それが大人になるということでしょうね。僕だってそんなもんじゃなくくだらないことで無駄にした時間は死ぬほどあります。
子供にとって、特に絶対者でもあるコーチの言葉は絶大な影響力を持ちます。一生この呪縛から解き放たれず、人生を誤っても不思議ではないですよ。
指導者はそれだけの力を持つからこそ、それを濫用してはいけないのですが…逆にその禁断の木の実を食べてしまえば、自分の邪悪に屈してしまえばそれ以上の快感はないのでしょう。
本庄コーチのビデオを見ていたから嫌がらせをされた、というのは力が抜けて笑えました。
ビキニパンツを目印にしたのはちょっと笑えました…風が吹いたら終わりです。
というか、この窓から脱出するのは可能では?
さて…ついにスプラッシュ5が爆発するときが来ましたか。
静かにスタートを待つとしましょう。

恋愛向上委員会ジューシーフルーツ
今回は星占い全肯定なのが、個人的には不満です。
非科学的であてにならない、それどころか危険だと「ふたりはプリキュア」にもあるとおりであることを伝えるべきです。
でも、それは女の子のほとんどにとって受け入れられないことなのかもしれません。占いは少女マンガの世界にとって重要なフォーマットで、それを科学が代替するのは不可能なのかも。
ちなみにこの占いについての基礎知識は一応ちゃんとしていますが、入門レベルですらないです。どうせならきちんとした占いの知識も欲しかったところです…上と矛盾していますが、科学的には信じてはならないと理解した上で人間が作り出した文化体系として魔法を研究するのはいいと思います。
この表では性格を重視していますが、その性格表って結構子供には暗示を与える力が強いんですよ…僕の性格も子供時代からの人生設計も、はっきり言ってギリシャ神話の本にあった星座解説を真に受けてです。簡単には崩れない自信というか人格の核になった反面、非常に人工的で不自然なものでもあります…その影響を受けていなかったらどんな人生を送っていたのだろう、というぐらいに。その力はプラスもマイナスもあり、かなり危険だと思っています。
いつも占いページに出ているムーンプリンセス妃弥子先生が出てくるのは面白いです。
ただ、そのように強い権威を持って将来の夢まで忠告してしまっていいでしょうか。占いはどうとでも解釈できるようなことしか言うべきではないでしょう。
「うお座のあなたは」といいながら結局誰にでもある程度当てはまる「積極的なアプローチ」を勧めるやりかたが正しいはずです。
有沢先生は本気で星占いを信じているのでしょうか…
もう一度忠告します。星占いを信じている人は、信じていない人でもみんな『人はなぜエセ科学に騙されるのか(カール・セーガン、上下、新潮社文庫)』『虹の解体(リチャード・ドーキンズ、早川書房)』『なぜ人はニセ科学を信じるのか(マーティン・ガードナー、シリーズ、早川文庫)』のできれば全部、せめてどれかを一度は読んでください!くそ、これらの子供版があればいいのに…

どーなつプリン
最後まで楽しませてもらいました。猫部先生一流の、徹底的に破綻した最終回が僕は大好きです。
気合の入った冒頭部から…ピンチ、包囲と思ったらこの商店街…この脱力感はたまらないです。
モエちゃんの炎が全部解決してくれるのは強引ですが見ていて楽しいです。
巨大ロボに勇者うさっちの力が全く出ていないのは…かわいそうというか…
この犬はそういうわけで…あらあら。『ラブわん!』の大月のあちゃんが知ったら怒り狂いますよ。
この大団円にはひたすら力が抜けます。伏線なんてどうでもいいです。
お疲れ様、とても楽しかったです。次はどんな作品か…楽しみにしています。個人的には『きんぎょ注意報!』の『わたしたちは親友ですっ!』などで見せていた、女同士の友情の微妙さ描く作品をを美少女いっぱいで描いてほしいです。本当に色々な引き出しを持っている作家なのですから。

来月号の予告はひたすら嬉しかったです!
えぬえけい先生の作品だけでも楽しみなのに、高上優里子先生、水無月真先生、そしてゆみみ先生の競作なんて!
もうどの作品も楽しみでなりません。そして…できればえぬえけい先生も入れて四人とも連載してほしいです。
なんかもう、夢でも見ているような感じです。こんなに嬉しくっていいのでしょうか。

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