なかよし2006年1月号感想
今月ほど、発売日がいとわしかったことはありません。「なかよし」は『地獄少女』、「ちゃお」は『ビューティーポップ』、「りぼん」は『保育園へ行こう!』で嫌な思いをするのがわかっていましたから…まあそれは、それぞれ毒にも薬にもならない作品ではない、とプラス評価すべきなのかもしれませんが。
付録のCD-ROMはコンピューターを使えない人に不利ですが、まあその場合はドラマCDとして使える配慮があるからまだ…
少しレスポンスが遅いですが、インストールが必要ないなど比較的使い勝手はよかったです。
本誌自体は、どうも不本意な方向に向かっている気がします…それが時代の流れでしょうか。
客観的に考えれば、幼児向けの楽しい作品やセレブ路線は「ちゃお」、正統派は「りぼん」が既に力を入れているので、それとかぶらない方向(うまい形容詞が思いつきません…ファンタジー色が強く、鋭い派手さがあり、体型は巨乳化、絵は整った感じがない…?)を模索すべきなのも非常に不本意ですが理解できなくはないですが…そうなると、そっちの方向に使える若手層をこれまで蓄積していなかったのが残念です。
ゆめゆめ☆ゆうゆう(花森ぴんく)シュガシュガルーン(安野モヨコ)チェリージュース(フクシマハルカ)少女天使みるきゅーと(菊田みちよ)ママコレ(遠山えま)キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)恋愛向上委員会ジューシーフルーツ(有沢遼)王子様のつくりかた(桃雪琴梨)トモダチ(原明日美)とき★めか!(武内直子)ふたりはプリキュア(上北ふたご/東堂いづみ)地獄少女(永遠幸)予告
ゆめゆめ☆ゆうゆう
カラーは色がくっきりしていてわかりやすい感じです。
冒頭は…どんな夢を見ていたのでしょうね。記憶操作同居はまあわかりやすいパターンです。
風邪で倒れそうなのに無理に用事をしようとしたら、かえって回りに迷惑をかけるのですが…
「スケベでえっちないとこの烈火くん」と釘を刺すのが可愛いです。
いきなりモデルに…あれ、二人だけの用事?というか生徒会の仕事は?もしかして、単にデートだったとか?
鏡は割れているから今のところ彼女は安心…どうなるのでしょうね。
烈火くんと妃女ちゃんもけっこういい感じです。病人にチャーハンというのはちょっと非常識ですが…
おまじないをなんとなく、というのは読み返してみるとうまい伏線です。
強引に三人でモデルという、この話の流れの強引さは面白いです。これが花森先生の本当の力かも。
この両手に花はすごいラッキーでしたね。
「ぼくにホモのシュミはない」は…確かに誤解を招く言葉でしたが絶倒しました。
この火は単なる事故なのか、それとも…「なんで開かないんだ」と、何か超自然の力が彼女をねらっているのか…
あおいくんが、覚醒と同時に人格が変わったのはびっくりしました。
さてどうなるのでしょう…まさかこっちで四神そろうのでしょうか?
シュガシュガルーン
もうタイムリミットでもある、それで…強引に稼いでしまう二人のたくましさは痛快な感じすらしました。
ショコラちゃんがまず大胆な発想と行動する勇気で道を開き、それをピエールがフォローする…いいコンビです。
初めからアルシミーはピエールの黒を狙っていた…再登場もあるかもしれません、思いがけない…王国にも黒にも属さぬ、破滅を招くトリックスターのような立場で。
黒を失えば自分ではなくなる、でも…そう、エルリックがストームブリンガーを奪われるのと同様福音でもあるのでは?
まさかここで告白するとは…逆にピエールの方がハートを出してしまいそうです。
そしてほうきの励ましと、脱出…でもその先には、それ以上の罠が待っていそうで怖いです。
チェリージュース
結構急かつ強引にクライマックスに向かっている気もしますが、これまでの引き伸ばしが強引過ぎたのかもしれません。もっと、きょうだいという言葉が二人を縛る力との葛藤を描いて欲しかったのが正直なところですが。
いきなりの別離宣言は、南はもう自分の思いは殺すつもりなのでしょうか…
この正座は懐かしいです。僕のときは正座してなかった子の方が少なかったかも。
止められたらあっさり料理もすべて捨てる、というのはそれはそれですごいですが、なんだかすねた子供のような感じもします。
この親の優しい言葉はすごく嬉しいですが、ちょっと今更のような。
おばあちゃんがあまり運命運命いうのは、意識させる効果と逆効果どちらが強いんでしょうね。
この命令はすごく気持ちいいです。
みんなも強引に「いってこい」と、みんなもうあまりこの二人がじれったくて嫌になっているんでしょうね。なんだかわかります。
今井くんもちょっとあっけない退場ですね。
そして、この新幹線で…ガラス越しのキスではなく、ガラス越しに口を封じるというのは斬新でとても素敵な演出です。
さあ次回クライマックス…どんな素敵な結婚式か、楽しみにしていましょう。
少女天使みるきゅ〜と
また可愛い新キャラが出てきましたね。
セナちゃんが励ましている言葉が逆効果なのが大笑いです。
ラクダ、馬、「オレのつもりだったのかよ」と勘違いとショックを重ねていくのも面白い。こういう細かな小ネタ会話は絶妙です。
絵跳…強引な名前ですね…
新しい子はちょっと難しかったと思います。可愛らしさはみうちゃんが極めていますし、大人っぽい美しさは今のところこの作品には縁がないようですし、セナちゃんとかぶらないようにするのも大変ですし…日本人形にもしきれないようですね。
食欲魔人というのもいいキャラです。
そして…また強引な名前ですね…
翼くんがみうちゃんを連れて行って強引にキスしたのは、てっきりしたかと思ってちょっともだえました。なんかこの二人可愛いです。
二面性も…ま、セナちゃんも裏表があるキャラですし…
あ、キスは寸止めだったのですか。
「おまえはメーワクだったかもな」でちょっと切ない思いをするところなど、幼い恋心が結構よく描かれているのがこの作品の魅力かも。
リリム=リリス+リルム?
なんというか、これ公衆の前でこんな超常現象があっていいのでしょうか…
「わたしたちってはずかしいのかな」は笑い転げました。この作品を根本から否定するようなことを…
ラブトスの助けはすごくカッコいいです。
マフラーを「じゃあオレにくれよ」で、「うれしいな」となるのは見ていて飛び回りたくなるようなくすぐったさです。いいなあこういうの。
「やきもちやいたんだよ!気づけばか☆」は体に電流流れたような反応がありましたよ。
なんか大変なメンバーになりましたね。天使がもう一人増えないとバランスが悪いような気もしますが…
ママコレ
あ、もう扉のパンチラ縛りは捨てたんですね…いや、別に見たかったわけじゃなくて。
ハイキングにしてはちょっと軽装では?まあ僕が重装備過ぎるのかもしれません。
ベビーに狂っている皆に「アホがたくさんいる…」と醒めている陽介くんの気持ち、ちょっとわかります。でも僕も犬にはこんな感じですからね。
ベビーについての子供百科風知識は嬉しいです。まあこんなの、天敵がいたらとても…というか猫とねずみと豚がひとつがいずつ、加えて飢えた船員と開拓者が入ったら数年で絶滅する運命ですよね…その調子で絶滅した離島の固有腫がどれだけいるか、思い出すと「人間なんてみんな地獄に落ちちまえ」と叫びたくなります。
広さが東京都ぐらい、ってそれかなり広いのでは?地図帳で確認してみましょう。
ミルクとお菓子、野菜=脂肪、糖分、野菜が好き…生態系ではどんな位置づけだったのでしょう。野生状態での食生活は何だったのでしょうか。
白が確認されていないといっても、考えてみれば人間も含めどんな動物でも色素欠損はありますが…。
二人だけのヒミツという言葉ですぐエッチ妄想をしてしまう陽介くんはやはり親近感あります。
遭難自体はお約束ですが、子供がついてくるのが面白いです。
ベビーをいじめたりするのは見ていて楽しいです。
あ、遭難したらとにかく三が救難信号です。ホイッスルも結構音が届きます…トン・トン・トン・ツー・ツー・ツー・トン・トン・トンのSOS、鏡があれば飛行機に三回信号を送れば必ず答えてくれます(いたずらにしないように)。火も有効です…三角形の各頂点をなすように焚き火をすれば信号になりますが、一箇所でも十分です。
というわけで、暖を取れるセーターと防水性で全身を覆える上着、エマージェンシーブランケット、ホイッスル、ライターなど、鏡、予備の水と食料などは季節を問わず必要です。
不安がるベビーと意地を張っているまーくんの好対照はよく子供の心理を理解していますね。
だめだといわれても力を使ってくれる、これはけっこうよかったですよ。
電車での、みんなの仲のよさそうな雰囲気もいいです…というか今気づいたのですが、このハイキング大人抜き!?危険すぎます!
そして…ううむ、これは厄介ですね。犬猫でもこの手を使われたら、嘘だと証明する手段はありませんよ。マイクロチップを埋めればいいのかもしれませんが。
キッチンのお姫さま
うわ〜、ややこしい状態になりました。
純粋な喜び、そして…あ、約束に対する反応がちょっとおかしい…本当は?
空先輩の優しいおでこキスは、恋というより兄の立場の気がやはりします。
茜ちゃんも、これで奪えると思っているのでしょうか。いきなりの空先輩の、怖いと感じるほどの迫力はびっくりしました。
あっさり真相がばれてしまいましたね。
あ、僕は初めて読んだとき、空先輩の「ほんとにわからないのか」は…茜ちゃんも聞いていると思って、残酷だなと思ってしまいましたが…まあ同じことですね。
まあ彼女は十分以上に傷つき、反省していますよ。
このりんごのケーキを後ろから食べる大地くん…いいな、と甘酸っぱい感じが体の中から広がってくるようです。
あ、ついに大地が自分の思いを自覚した、そのときナジカちゃんは…うわ〜、すごい状態になってしまいました。
恋愛向上委員会ジューシーフルーツ
うわ、今回はすごいテーマですね。見ていて怖い怖いと布団かぶってうずくまりたくなりました。恐ろしい。
最後のセクハラは、うまくいけばAくんも意識するきっかけになると思います…善意のおせっかいかも。
まあ、最後の結論がいいのでよかったです。でも怖かったな。
王子様のつくりかた
また一人一人巡回するのでしょうか?
氷に穴をあけて…鮭じゃなくてワカサギでは、と言うツッコミは山ほどあるでしょう。
ジャガイモばかりで従業員もいない、という時点で、何かがおかしいと思うべきでしたね。
いきなり紹介もなく小さい子がセクハラしているのはびっくりしました。純くんの弟でしたか。
というか…そっくりとしか言いようがないです!
誕生日プレゼントにホテルというのもさすが…というかこの人たちがセレブだってこと、すっかり忘れていました。
いっしょに入ろうは子供の特権ですね。ふふ。というかみんなの妄想が異常では…
中身?同じですよ。
後先考えない子供じみた嫌がらせには、頭を抱えるほかなかったです。
というか早く迎え呼んで帰ったら?
ちなみに熊は危険ではありますが、積極的に人間を襲うことはまずないです。ちょっとこれは誤解を与える表現ですね。
というかここには銃はないのでしょうか…
いきなり「家を追い出された」にはびっくりしました。あとで理解できましたが、小さい子は寄宿学校や軍に放り込まれるのを家を追い出されたと解釈することもありえるんですね。難しいものです。
「なにがあっても人を傷つけるようなことは絶対いっちゃダメだよ」という言葉、凍傷が解けるような痛みがありましたね。
しかってほしかっただけ…お互いのすれ違う想いは結構ぐっときます。
純もこういう悩みを持っていたとは…
今度のターンではこういう感じで、それぞれの家族とのすれ違いを描いていくのも面白くなりそうですね。マイナス面が目立つ作品ですが、その中でどれだけこういう心を描いていくかこれからも楽しみです。
トモダチ
あ、結構あっけなく進みましたね…『星の瞳のシルエット』ぐらい引っ張ってほしかったのに。
「好きにならないっていったのに」、これほど悲しく無駄で愚かな言葉はないです。好きだというようなものですよ。
「あいつがだれを好きだってべつにかまわねんだよ」という言葉はしびれました!
水谷さんもずいぶん強くなりましたね。ここまで省察力ができたとは…
一つ一つ追い詰められていく来実は見ていてちょっと気の毒になるぐらいです。
烈の「だいじなもん見失ってんだよ」という言葉もいいです。今回彼、すごくカッコいいですね。
保健室でいきなり出くわして、まかさここまであっさり真相がわかるとは…実にうまい仕掛けでした。
さらに、昔の真相まで暴かれるとは…なるほど…
「変えられない未来はないんだ!」と、やっと彼女らしくなりました。
それで、ううむ…難しいですね、自分たちを陥れた子さえ助けるのか…すごいなあ。
とき☆めか!
「おまえらのすべて色と金と力で解決する世界基準は最悪だなッ」この一言だけで、この作品には十分満足できます。ま、できたら代案が欲しいところですが。
いきなりエジプトというのがなんかすごいです。
ただ、フランスとエジプトがどんな関係があるのか、相当世界史(特に戦後の中東とヨーロッパ)に詳しくないとわからないのでは?
このおねえさんがロボットだというのはある意味見え見えでした。
このエジプト観光案内も、肌で描かれていてすごく臨場感があります。
両親は何をしていたのでしょう。そして…うわ、両親も…でもこの映像自体、作られたものという可能性はないでしょうか?
この両親の、何も事情を知らないのんきな雰囲気はいったい…
もう一人の美宝さんも、どんな形で出てくるのやら。
ヤバイ部門…軍需でしょうね、多分。まあ子供には関係なしとするのもわかります。
限りなく人に近い…「人の欲望のいきつくところは人知を超えたところや」…わかってますね。神の創造でしょうか。
本来戦力になる仲間が多数いるのに、それが連携を取れそうにないのが厄介ですね。
アルティも本当は何を考えているのやら…フランスもこのまま米中最終戦争の蚊帳の外に置かれ、EUの穀倉に過ぎなくなるのではなく、なんとかシャルルマーニュ、ブルボン王朝、ナポレオン以来の世界史の主導権を奪い返したい、という野望はあるはずですから。
この子達はそういうことでしたか。
それがなぜ誘惑に結びつくのかは…というか…
「安っぽいガキのプライド」ってもろに精神分析を刃として使いこなしていますね。
「どこかへつれてかれたかった気分」と少女漫画としての心の成長もしっかり描いているのはさすがです。
神に近づきたいという想いは日本人には理解できないと思います。それはモーセ・イエス・マホメッドの神の下にある人にしかわからない思いでは…
日本も一時は出雲大社に巨大な建造物を立てましたし、中国の始皇帝も巨大宮殿を建てましたが、どちらもそれを再建しないことを選びました。その後確かに日本は大仏を作り、中国代々の王朝の中心には壮麗な宮がありますが、ひたすら高さと永続性を追及した大規模建造物を作るという道は選んでいません。
日本人は伊勢神宮のように自然と一体化し、その形なき力で結ばれた、同質な人の集まりを仏国土とすることを選び、中国人は長城を築いて外部から身を守り、人による秩序を完全にすることで地上に天を再現することを選んだのです。
いや、考えてみるとイスラム教徒も西洋人も…近代の巨大生産力があっても…大規模建造物にはそれほど関心を持っていません。それぞれ違う髪に対するアプローチを持っています。今のイスラム教徒はひたすらコーランの教えを守ることを求め、キリスト教徒が求めているのは…ちょっと考えたくないです。
いきなりピラミッドを衛星レーザーで破壊するとは…恐ろしい。ピラミッドはレーザーでは最も破壊しにくい目標ですよ、膨大な熱容量がある不燃物ですから。
で、星子という人は…一体何を考えているのでしょう、自力で大気圏離脱?アラレ並みのパワーですね。
いきなり戦争、という雰囲気もよく出しています。それでこの直球…かっこよくなってきました。
というか美祈さん…なんとか親族全員確保して人質にとって星子ちゃんに出てこいと命じるのが一番早いのでは。もっと確実なのは、世界の十二以上の大都市に核攻撃を行えば11人のメイツでは守りきれないので、十分脅しになるはず。というか子供に探させるのではなく自分で探せって。
本当に神の創造というSFのテーマを本気でやるつもりなら…やりかねないです、この天才は。
というか今回こそちゃんと復活して、ちゃんと完結させますよね?すぐ決着がつく形にしてくれないと不安ですよ。
ふたりはプリキュアMax Heart
なぎさ、ほのかの性格の違いは見ていて楽しいですね。
「アカネさんでもカゼひくんだ」って、あんたにだけは言われたくないですって。
似たもの同士のアカネさんとなぎさちゃんは見ていて面白いです。
雪だるまで…僕も聞いたことないです。
欧米では三段型が一般的というのは初耳でした。
みんないろいろな雪だるまを作って、すっかり雪を満喫していますね。
豪快というかなんというか…すごい雪だったんですね。
すごい大声を出すひかりちゃんの純粋さも、自然にすごくいい気分になります。
「なぎさでもカゼひくんだ」はいい仕返しでした。
地獄少女
やはり僕は、この作品のコンセプト…加害者の強い悪の迫力のため、被害者は「自力では解決できない」と思い込んで絶望し、自分の来世を代償にした呪いを選んでしまう…のはとても不満です。むしろ『ブラック・エンジェルズ』『職業・殺し屋』などの領分にして欲しいぐらいです。
正義の殺し屋による勧善懲悪を妄想する男子と、あくまで自分で暴力を振るうことができずホラーにしてしまう女子の差、これは最も根源的な男女差なのでしょうか。そういえばホラーも、男子の場合には悪霊は倒す敵ですが女子の場合は主人公側はどうしようもなくやられるのが基本パターンですね。
よりいいのは、犯罪にならない巧妙な方法で相手を逆に陥れる…あ、それこそ『RsR(えぬえけい)』のような痛快話ですよ!
僕は、その不満をぶつけるため「こうすれば呪わなくても現実に解決できるよ」というプランを考え、感想に書くことにします。
もし似たような状況にある人は絶望しないでください…しかし、これは犯罪を含む非常に危険な知識ですので、くれぐれも悪用はしないように。悪用すれば必ずその報いはありますよ、たとえ罪を免れ、来世も存在しなくても。
まずなにより知って欲しいことは、ストレス…強い怒りや恐怖、欲求不満が判断力を低下させ、視野を狭くし、考える力を無くし…要するに頭を悪くして解決策が見えなくなることがあるのです。それを自覚し、余裕を持って心身を休ませるだけで違うはずです。
この作品は、今まで「なかよし」版を読んだ限りではその判断力低下による絶望に、地獄少女がつけこんでいるとしか思えないのです。現実にも解決策があるのに、より代償が大きい地獄少女を選んで…事実上選ばされてしまっています。
もうひとつの問題は、被害者は共通して信頼できて賢明な相談相手がいないようです。それこそ『デリシャス!』の三千代ちゃんが友達にいたら、僕の乱暴な解決策よりはるかにスマートに解決してくれるでしょう…りんごちゃんが番組がなくなると誤解したとき、じゃあテレビ局に今から一緒に行ってお仕事くださいって言おう、と衝撃的なほど核心をついた解を示したように。
また家族に恵まれていない場合が多く、また大人を決して信用しないようですね。
さて、本編の感想。
僕も犬を飼っていました。だからあまりにも怒りに感情移入して、吐き気がしました。もしこれと同じ目にあったら、中学生の頃の僕なら殺して…未遂の可能性が高いかも、あの頃は現実的な暗殺の知識はなかったので。
ま、それなら短期の少年院で、代わりに確実に一件は公になって獣医側も破滅します…僕も家族ごと社会的に相当苦しくなり、『ブラック・エンジェルズ』の平松先生や集英社にも迷惑をかけてしまうのがちょっと重い代償ですが自殺、地獄予約よりはまし、ってそれは想像しすぎです。
そして今の僕はもう少し悪知恵が働きます。
まず動物愛護団体に相談し、同時に教えてくれた看護婦さんを探して協力を求めて証拠を集めます。
看護婦さんが解雇ではなく殺され、事件にならないよう警察も買収され、その家族や知り合いも買収脅迫で口を封じられていたら…と考えるのは、僕もこの獣医の悪力に影響され、過大評価しているからです。「どうしようもない」のはあくまでこの看護婦の個人的な感想に過ぎません…おそらくは職場でも暴君でしょうから、この看護婦も洗脳状態に置かれ、彼を過大評価している可能性が高いのです。
マンガだとわかっており、ちょうど鏡を通じてメデューサを見ているような僕にもわずかに影響を与えるほど、この作品で永遠先生が、被害者に正常な思考をさせないほどに強い、支配する悪の人格的な迫力を描いているのは評価すべきでしょう。
で、後半で他人の犬を助けに行き、それで向こうが子供となめて自分の非道を口にしたのは、録音、より説得力を増すためにはポケットの通話中携帯電話の向こうに記者が録音しながら聞いていれば強力な証拠になったのに…また、無力に追い出されるふりをして盗聴器を仕掛けておけば…惜しいことです。または救出しようとする行動を何度も繰り返し、そのたびに大声で訴えるのも噂のきっかけにはなったでしょうね。
さらに…犯罪ですが…盗聴、盗撮も使ってまず証拠を集めます。それで逮捕されたら、それはそれでニュースにできるのです…だから不法侵入に対して警察に突き出さず絶望させ、支配して追い出したのですよ。
犯罪を犯さなくても、平均的な獣医の患畜の生存率と、ここのセレブでない一般客の生存率を調べて比較すれば一目瞭然でしょう。
十分証拠が集まったら…「噂の真相」が廃刊になったのはこの目的には最適なので残念ですが、近いスタンスの出版社や権力に批判的な「サンデー毎日」「週刊金曜日」「赤紙」など、スキャンダルに貪欲に飛びつく写真週刊誌、「週刊ポスト」「週刊現代」や女性誌などメディアに告発します。アニメ版には記者が出てくるようなので、彼と連絡が取れればいいかも。
同時にインターネットでも個人団体問わず様々な動物愛護サイトへの書き込み、また2chなど大規模掲示板も利用してソースつきで事実、誇張した噂両面で広めます。2chを含むインターネットを沈黙させるのは不可能です。
「どうしようもない」と思い込んでしまっているのが失敗なのです…それも、非常に強い悪の人格的な力に圧倒されてなのですが。冷静に考えれば、警察も検察も獣医の仕事をチェックする公的機関(よく知りませんが厚生労働省、獣医師会など?)もメディアもインターネットもすべて黙らせることのできる権力の持ち主などまずいないことはわかるはずです。ましていくら政治家などと関係があっても、一獣医には不可能です。さらに政治家や有名人も客だといっても、その政治家や有名人もスキャンダルとなったらすぐ切り捨てる冷酷さはあるでしょう。たとえメディアに対して絶大な権力をもつ電通幹部の親戚、皇室関係者だったとしても、そうだとすれば逆に左翼色が強い団体、雑誌は価値を認めて強く協力してくれるでしょう。
それが心配なら、さらに保険として『Engel Heart』であったように海外の反日的で左翼的なメディア、ネット、動物愛護団体を利用すればより確実になります。日本の権力中枢と関わりが深ければ深いほど、それらにとってはニュースバリューがあるでしょう。
さらに自分の体験として怒りをもって語るのと、そうではなく嘘も混ぜて、あくまで伝聞として語るのを使い分けて噂を広めます。どんな権力があっても人の口には戸は立てられない…それで助けようとした犬は助けられるかもしれませんね、真実より噂の方が時に力があります。
あ、正式に刑事告訴、民事告訴、公的機関などに告発することも重要です。彼女は孤児なので財政的、法的に難しいかもしれませんが、動物愛護団体などに相談すればこのような事件なら支援を得られる可能性は高いです。どうせ受理されない、と思い込まされないように…マスコミに味方がいれば、受理されなくてもパフォーマンスにはなるでしょう。靖国神社への首相の公式参拝、自衛隊などを裁判にするのと同様です、勝訴すればラッキー、敗訴や門前払いでも十分ニュースになり、司法も悪玉にできます。
長期的にはそれで社会的破滅はできるはずです…有名人であればこそ、その失墜は大きなニュースバリューがあり、徹底的に叩かれるはずですから。
時間がかかるのでこの作品で助けようとした犬は助けられないかもしれませんが、少なくともどこかで止めることはできます。
なお、それでもなかなか効果は出ないかもしれません。物事には流れがあり、運がよく流れに乗っている人はメディア、ネット、噂も含め世界全部を味方にしているように見えることもあるのです。でもたゆまず積み重ねていれば、いつか必ず流れは変わります。
なかなか動かないようであれば、これは自分もかなり負担がありますしちょっと悪の道ですが…たとえば無言電話や白紙ファックス、ワイドショーで話題になった大音量で音楽を流すいやがらせ、汚物やごみを家に大量に貯めるなど、犯罪にはできない嫌がらせがいろいろあります。
とにかくストレスを与え、できればニュースにして生放映で告発できれば、相手がそれに何のダメージも受けないということはありえません。
告発ビラをあちこちに貼りつけ、ばらまくのも近所の噂になるから有効です。
それで地位を失ったら、そのまま汚辱に生き長らえさせて生き地獄を味わわせ、自分は綺麗に忘れて心をこめてラッキーの後生を弔い、罪滅ぼしに獣医業界をよくすることに、愛護団体や獣医、獣医をチェックする公的部門などに入って頑張ろう、とするのが一番建設的です…
もちろんどうしても気がすまなければ、それから自分の手で殺すのもありでしょう。でも、社会的に破滅した人間を暗殺するのは安楽死になってしまいますからあまりおすすめしません。そういえば今回、なぜ地獄少女の仕掛けは彼が恐れているはずの、悪事がばれてワイドショーネタになり地位を失う形ではなかったのでしょうか…それを恐れてもいなかったから?
万一上記の手段が一切通用せず明白な証拠があっても、どんな団体も個人もネットの匿名も噂も誰もまったく、何年かけても動かず、奴の社会的地位は磐石だったとしても…まずありえないですが…ホームセンターで工具含めて二万円もあれば、力がなくても引けて離れたところから車のガラスと頭蓋骨を貫通するクロスボウを作ることはできます。
人を殺したら某名探偵(複数形)のように自分も死ぬべきでしょうし、地獄行きかもしれませんが。
あ、それで思いつきましたが…そんなに自殺したいなら、どうせ死ぬなら平凡な鉄道自殺などではなくテレビ局の前で焼身自殺するなどニュースになる自殺にし、遺書でこの件を告発すれば復讐もできるし他の動物を助けることもできたはずです。
というより、これを言っては実もふたもないのですが、一番初めからネットにアクセスできるなら、ちゃんとネットで獣医の評判を調べてから受診していればラッキーも殺されずにすんだのですよ。
まとめれば、件の看護婦、弁護士、動物愛護団体などに相談し、メディアやネット、噂を利用して社会的に破滅させることで復讐すれば多少の手間以外の代償なしで地獄流しと同じくらい痛い目にあわせることはできました。それ以前に、医者をよく調べてからかかるべきでした。
何も考えられない状態に追い詰められていた…強い悲しみがあり、親という相談相手や支えがなく、「どうしようもない」という言葉に縛られていたのでやむをえなかった面もあるのですが、客観的には賢明な取引ではなかったのです。天国でラッキーとも両親とも会うことはできなくなってしまったのですから…安易に呪わないように、人を殺したのと同じ罪悪感を持って生きるように、という嘘だと信じたいのですが。
ま、人を「どうしようもない」と思い込ませ、絶望させるほどに強い迫力、読み返したくもない…何日も一日中不快な思いをさせるほどの邪悪さ、生命に対する強烈な蔑視をここまで描けた永遠先生の力は本当にすばらしいものがあります。思いもしなかった実力を引き出せる、幸運な原作との出会いだったのかもしれません。皮肉ではなく。
だからこそ、たくさん成長したら早く卒業して、伸びた力をプラスの方向の作品に使って欲しい、というのがファンとしての本音ですよ。
来月号は、衝撃で言葉がないのが正直なところです。
もちろん柏木先生の本誌登場は順当で嬉しいですよ。また、いつからか思い出そうとしたくもないほど長いことなかった本誌読みきりも嬉しいことです。
今更外部作家を連載に入れるなんて、これでコゲどんぼ先生が帰ってきたら、上北先生も入れたら(僕は上北先生は、『きまぐれまたたびシスターズ』でなじんでいるせいかあまり外部作家という気はしないのですが)大体十二/五が外部作家になり、さらに外部原作の地獄少女を入れたら半分が…
これではせっかく十分育っている水無月真先生、高上優里子先生、山田デイジー先生、ゆみみ先生らの入る余地がますますなくなってしまいます!それでは新人賞、増刊が無意味に、増刊を実質的に切り離すことになってしまいます。
まあ、作品を読まずにがたがたいうのはアンフェアですね。面白ければ…意外と「なかよし」になじんでくれるかも…