なかよし2006年3月号感想
「ちゃお」「りぼん」に比べてかなり分厚いような…連載の数が多すぎる状態ですね…
そこでわざわざ、フクシマ先生に休みなしの新連載をやることもないのでは。「ちゃお」は「ミルモ」は終わりましたが「ビューティポップ」と「きらりん☆レボリューション」に安定した人気があり、「りぼん」はなんだかんだいって種村有菜先生がいるし、酒井、槙、春田先生や「アニマル横丁」も強い…そのレベルの看板作品がないのでしょうか。
テープのほうは普通のセロテープに使えるか、と一瞬思いましたが、太さが違いました。
缶のほうも結構よくできていて、小物の整理には便利でしょう。
名探偵夢水清志郎事件ノート(えぬえけい/はやみねかおる)オレンジ・プラネット(フクシマハルカ)ゆめゆめ☆ゆうゆう(花森ぴんく)ママコレ(遠山えま)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)王子様のつくりかた(桃雪琴梨)シュガシュガルーン(安野モヨコ)ふたりはプリキュア(上北ふたご/東堂いづみ)少女天使みるきゅ〜と(菊田みちよ)とき★めか!(武内直子)トモダチ(原明日美)きららプリンセス(小鷹ナヲ/田中梨花)地獄少女(永遠幸)恋愛向上委員会ジューシーフルーツ(有沢遼)予告
名探偵夢水清志郎事件ノート
いつも通りこのえぬえ版を読んで、原作を読んで、それから感想。そのため感想が少し遅れました。
原作との違いも相変わらず楽しめました。
コミック版では池村さんやソフィーさんがとても魅力的になキャラになっていたのがよかったです。あと亜衣〜レーチ〜教授の三角関係を強調したことも。
三つ子の鬼コスプレは可愛いですね。
ホットレモネード…ミステリでショックを受けたときの定番はブランデーを垂らした紅茶ですが、子供にそれを勧めるわけにはいきませんね。カモミール&ミントティーもいいですが、レモネードほど親しまれていませんし、ホットレモネードは納得できます。
「事件だ 教授があやまった」は面白い一言でした。
クリスマスパーティでの、三つ子のオペラ座コスプレは最高です!というかそんな好きなら、いつか「オペラ座の怪人」と「黄色い部屋の謎」をコミック化してくださいよ>えぬえ先生
東海道さんの正体は、正直なあんだというばかりでした。
誰かに抱き上げられてベッドに運ばれるシーンは、女の子らしい柔らかさと抱え上げる腕の安心感がよく出ていました。
縁起悪く「中で死体に」といいながら食べているのは、死んでいないと確信しているから…この人は本物のようですね、何人も殺されてやっと推理を固め、あげくのはては犯人を自殺に追い込むような梵百の名探偵じゃない。
足跡がないというのも定番のトリックですが…このスケールは想像を絶していました。
上越警部の謎解きは…期待を裏切りませんでした。
この波虎さんの昔話は原作と微妙に違いますが、中心になること…「あなたたち若い人は「なぜ…」その気持ちをもちつづけてくださいね」だけは外していない、当たり前ですがさすがです。
それに、戦争で傷ついた人にとってそれを語るのがとても苦しいことだ、それでも繰り返してほしくないからあえて語っているんだ、というのも伝わりました。
ただ、戦争で失ったのは家族や家だけではなく、価値観でもあった…だからこそ「死ぬ気ではたらこう」という、次の生きる目標が大きい役割を果たしたことをもう少し強調してほしかったです。
今の日本は、その「死ぬ気ではたらこう(豊かになろう)」で作った戦後日本がもろくも瓦解して、次の目標を見つけられずに苦しんでいるのですから…その苦しみ、目標と価値観の喪失が間違った人気指導者に結びつく、それが(あの戦争も含め)戦争の重要な理由でもあります。
単なる評論家に落ちないため、僕はあえて一つ、誰も耳を貸さないでしょうが、これからの日本が目指すべき目的を提示したいです…世界で一人も飢え死にせず文字が読めない人もなく、それでいて石油を無駄に消費し環境を破壊しない、最弱者の十分幸福と持続可能が両立した文明の実現のためみんなで力をあわせよう、と。
あと、万能義経氏がせっかくみつけた鉱脈を国に取られたエピソードも、戦中から戦後の日本の復興体制がいかに富国強兵の延長、国家主義であり、本質的に社会主義でもあったかをよく伝えてくれて興味深いです。読者は万能氏らの立場で憤ってしまうでしょうが、国は貴重な資源を大切に国の(=みんなの、と国側当事者は思っているはず)のために使いたかった、ということも理解してほしいですが。両面から考えないと、戦争の「なぜ…」も間違った単純な答えにすがってしまいますよ。
上越警部の「さてー」は、読み返していると笑うほかありません。
三つ子の鋭すぎるツッコミと、教授の持ち上げておいて叩き落すやり方…ひどい。
そして教授の予言も…
亜衣ちゃんが、「全てのヒントは公開されている」とフェアミステリ、読者への挑戦を宣言した…原作はそこが、照れがあるなど一人称の文という点をうまく使って印象が強かったです。マンガはその点難しいですね。
教授の謎解きは見事でした。シャンデリアにこだわっていたのもいいヒントでした。
原作では、元起社長がスタッフの三人をひきつけるところが、波虎氏が語る優れた上官だった義経会長とうまくオーバーラップしていたのですが、そこが省略されたのは…まあ優れた上官の描写は絵でやると戦争賛美になりかねないからでしょうが。
反面、鳥山さんと池村さんの関係を入れたのは実にうまい。
しかし、上越警部の恥ずかしさは…笑うほかありません。
教授がだまっていて抗議の手紙が来る、というのはそのほうが納得できます。
三つ子が変顔ばかりでアイドルどころじゃない、でもレーチはしっかり見ていた…ここは最高に嬉しかったです。
映画館での「あの〆切りを」というお遊びも相変わらず素敵です。
レアメタルについて、この手紙まで解説がなかったのは…原作ではレアメタルも、フェアプレー宣言前に開設されていました。また、レアメタルはとても多様な金属の総称で面白いですよ。ついでに検索してみて損はないです。
まあ、この二重の真相は原作が見事としか言いようがありませんね。
そして、原作にあったかすかな反戦説教臭をうまく料理と調和させ、「なぜ…」と、最後の草に埋もれた戦車の上で子供たちが戯れるシーンで見事に伝えてくれるのは実に見事でした。
次はどんな話か、楽しみです。
オレンジ・プラネット
いきなりすごくショッキングな…というか「星の瞳のシルエット」を思い出させるような…
絵の感じも微妙に変わっています。
このお兄さんも泣いているんですね。何があったのでしょう。この言葉はすごく素敵です…
成長して、いきなりのキスにはびっくりしました。
で、確かにこれは「ひどいのはおまえだ」…ひどすぎます。それで他の人にラブレターって、もう鬼です。
こうして裸の彼に押し倒されて…男の子だと意識したでしょうか?
この年齢で一人だけというのも大変ですね。ありえるのかどうか知りませんが。
登校してすぐ「どぉ?ラブレターもらった?」と確かめるのも、まあベッドにもぐりこむ残酷さに比べたら。
家に来るという…この伏線も後でえらいことになることがわかります、読み返すと。まず次号からはそれで厄介ごとか…ふふ。
このアンケート、あてになるのでしょうか…チューが72%で、残り28%が何と答えたのかが気になります。僕が中学の頃とは情報量の次元が違うでしょうし。
「教育実習の先生と恋に落ちる予定なの」というさりげない伏線と、言葉自体の面白さがいいです。相手がどんな人だか知りもせずに恋に恋している、というのがはっきりわかりますね。
マンションでの火事はしゃれになりませんよね…理由は爆笑でした。そして、ぬいぐるみから彼が…気がつくところの描写も、わかっている読者からみると絶妙にうまいです。
「おたがいがんばろーな」という言葉自体は冒頭とうまく響き合っています。
で、帰ったらいきなり裸の男の人…あの〜、この連載はとことん男を脱がす気ですか…?
確かめてそっと開けるリアクションは笑えました。もちろん大家か警察に連絡すべきです。
傷を盾に居座るのも…読み返していると見守るためだと理由はわかっているので憎めないですが、何も知らないるいちゃんの気持ちだけ感じると強烈です。
まあ、これは眠れるわけがないでしょう。
マンションとマンションの間にはしごを渡してある、というのがまたすごい。そういうお隣ですか。
最悪の日になりそう…最高の日になりそう、からこうしてがた落ち、これもいい笑いです。
非常に面白い作品になりそうですね。楽しみです。
ゆめゆめ☆ゆうゆう
なぜ夢の中でまで袴を脱いでいるのやら。
麒麟との会話になっていない会話がなんだか楽しいです。
ポケットの中のチケットも気になりますね。
で…「バレンタインのチョコみんなことわった」であおい王子の気持ちが確定、これは嬉しかったです。
「優女のためにもわたしのためにも…ね」と微笑む妃女ちゃんの表情はすごく素敵でした。
先生もえらいことになっていますね。このましろちゃんが…こっちの白虎?あ、黒部は玄武でしたか。
手の大きさを比べて妄想するのは女の子らしくていいです。
愛称最悪というのは結構ショックですね。それもこの占い…すごい。
キスを見せつけあうシーンはすばらしかったです。それぞれのショックが強烈に伝わってきました。
パニック状態のままのキスもすごくショッキングでしたし…
自分をどんどん否定していくところはすごく、読んでいるほうも傷つきそうでした。ただ、人を責めるより自分を責めるほうがまだ…どちらもよくはないのですが。
こうしてそろってしまった鏡が、今度は…妃女ちゃんが心配です。
ママコレ
この檻と実験室を見れば現行犯逮捕ですね…この世界ではベビーの虐待はどんな罪に…
いや、通報したらまた実験室に逆戻りです。
ペットの所有権というのは難しいですよね、ましてそれが実験動物として大きな価値があるとしたら…
説明は不要、というかどうしようもないでしょう目撃された以上…全員殺す以外に。
そして車で駆けつけた人は…うわ。
ドアを蹴り開ける陽介くんはカッコよかったです!
正義でノってしまうのも楽しいですね。
で、人質をとっても…どうにもならないのですが。まあここは理性を眠らせていれば、「わたしなら…どうなってもいいです…」という言葉が何よりじーんとしました。
「過去にもどってベビーを守ってあげることはできないけど」という言葉も、特に心的外傷に苦しむ人にとっては大きい言葉ですね。
瓶が割れただけで炎上する薬って…まさか白燐?
さて、ベビーの力というのがどんなものか楽しみです。そして迫る大人は…
しゅごキャラ!
ピンチよりも王子、という女の子らしさ…アクションシーンの華麗さもさすがです。
この子はランというのですね。
「なりたい自分」…変身の本質…「コンなパニック!(あさぎり夕)」や「電脳少女Mink(立川恵)」でも掘り下げられているテーマですね。
可能性を重視しているのがどんなふうに生きてくるか、楽しみです。
翌日はみんながもろに受け入れてくれているのはむしろ以外でした。あ、「あんなカッコわるいキャラだと思わなかった」って、自分が一番自分の外キャラに呪縛されていますね。
新しいしゅごキャラは男の子ですか…この豪快な大車輪は見ていれば面白いですが、本人にはすごい恐怖でしょうね。
流すというのはミルモの日高さんの得意技ですね…はは。
しゅごキャラを否定する言葉には、なぜか僕自身が傷ついているような感じです。この台詞は…僕が暖めている(途中で止まっている)話の中での自分の分身に、心情は限りなく近いので。
そんな簡単に、自分のキャラを変えることができてしまったら…これは乖離の傾向がある、と最近精神医系社会コメンテーターがよく言うこととも関わりそうです。
二人目の子は…「なりたい自分」…なんというか、一分近く絶句しました。言葉が出てきません。
さて、しゅごキャラも何とか受け入れて、そしてみんなと…どうするのでしょう。
王子様のつくりかた
ああ…邪悪な匂いと男の色香漂う新キャラに期待させておいて…メジャーエロといえば同級生ですね(なんのこっちゃ)
交換日記はなかなか見られないようですが、また見ようとしたらなくなって、捜し求める話になるのでしょうか。それがきっかけで変身魔法少女ものになったら爆笑。
階段の上からの、シンデレラを思わせる靴を拾ってくれた王子様…ここはぞくっとしました。
ハイリだけじゃなく、ってハイリはいないじゃないですか。
「こんなわかりやすいのぞき」は爆笑、というか外からこれを見た人がいたら…みっともないなあ。
鍵が合わなかったらペンチで切ればいい、という発想がなぜないのでしょうか。
まあ本来見るべきものじゃないのかもしれません。
白亜…会ってはならない、というのも余計に思いを強めそうですね。この思わせぶりな表情は、読み返して見ると笑えます。
男が女に服を送るのは後で脱がせたいからだ、などいうのも野暮ですね。
どれも胸だけサイズがきつい、というのはハニーフラッシュ期待か、それともみんなもっと大きいと思っていたのか…後者と思っていました。そういうことですか。
更衣室を開けたらいない、というのは「CITY HUNTER」にもあった、そしてその元ネタでもある意味都市伝説を思い出します。
で、さらわれてみたらその正体は…これはもう笑うしかないですが、本人の恐怖と絶望はものすごいでしょう。
「絶対傷つけないように」って一見正論にも思え、さすがに心を大切にしているな…とも思ったのですが、よく考えてみて違和感も感じました。
絶対傷つけないようにといいながらああいうセクハラをしているのは、ひょっとしたらセクハラをユイリの内心が望んでいる、というつもりなのでは?それはレイプしながらそっちも悦んでいたんだろう、本当の自分を引き出してやったんだ、というのと同じ論理なのでは…危険な論理です。
確かにあまり嫌がっていないようにも見えますが、あくまで自分で気がつくまでは守ってやるべきです。
あ、変態行動は「これでユイリさまの目にうつる殿方は」が目的でしたか。
そして、いきなり正体の話になって、陽太と颯月の対立が本格的に…いよいよメインストーリーに入るのでしょうか。楽しみです。
シュガシュガルーン
一気にクライマックス?
ストーリー紹介は…やはり必要でしょうね。
起こしてみたらいつものバニラちゃんに戻っていたのは驚きました。
元と黒の戦いの影響で眠っていた…でも、その黒もバニラちゃんの一部なのですから、安易に取ってしまって大丈夫でしょうか?
ピエールとしては「黒だけになれば楽になる」としか言いようがないですね…いや、黒を取るのはショコラにとっても危険だから?
触れてしまってバニラの記憶を共有するシーンは「孔雀王」のクライマックスで孔雀と月読…明と朋子が光と闇を交換するシーンを思い出します。
なかよくしているつもりでも傷つけている…これはどんな友達同士でもあるでしょうね。逆にショコラがバニラに傷つけられている部分もあるかもしれません。
ショコラが今度は黒に染まってしまうのでしょうか?それともそれを受け入れることができる?
この黒猫、そして…前にショコラちゃんを支配しようとした誰か…色々気になります。
ふたりはプリキュアSplash・Star
潔い主人公交代、しかもこのシリーズはアクションありですか…前の、アクションを捨てた友情話もよかったのですが。
冒頭の迫力はさすがにすばらしいです。
そして出会いのシーンもすごく印象的です。男女だったら一目ぼれシーンなのですが。
昔会ったことがあるのか、と思わせた瞬間にいきなりこの展開…スピード感もありますね。
変身シーンの緊張感と華麗さもすばらしいです。「きらめこうがかがやこうが花は手折られ〜」という敵側の台詞もなんだかいい。
本来アクションが得意な作家ですから、実に楽しみです。
少女天使みるきゅ〜と
一気にすごい話になってしまいました。
この超ドアップキスシーンはかなりドキドキしました。
キスしたら両方死ぬ、というのもすごい。聖書本文にはないはずですがどの外典?
かばいきれずに斬られてしまう、というのは彼にとってはさぞ辛いでしょう。
血をはっきり描いている、斬られた痛みや周りのみんなのショックが伝わってくる描き方はさすがにすばらしいです。
突然、自然にいる誰かの「死なねぇよおまえは」という言葉と、この圧倒的な力もすごい迫力です。
だきしめてくれたのは母親でしょうか?と思ったら…ジブリール、という名前に一瞬違和感を感じましたがガブリエルのアラビア語読みでした。
こういう大人の美女を本当に綺麗に描いたのは始めてかも。すごく優しそうな雰囲気もあり、これなら聖母マリアも安心して受胎告知を聞いたかなという気もします。
天界は存亡の危機にある…「彼が活動し始めたときから今に至るまで、天の国は力づくで襲われており、激しく襲う者がそれを奪い取ろうとしている(マタイ11.12)」。
二人の思いが通じ合う、この別れのシーンはすばらしいですね。
恋心のために希望が…でも、天界の勝利はそのまま悪魔全て、そして悪人全てを消えない火に放り込む(ヨハネ黙示録20.10)ことを意味しているのですが…リール様が嘘を?
とき☆めか!
このカラー扉の美しさはすごいです。
冒頭で笑わせておいて、かなり深刻な話になってきました。
ミミィちゃんの龍正くんへの思いの描写も、さりげないのですが振り返って見ると丁寧に描かれていますね。
アルティとモナカのキスもさすがに華麗です。
「きたえてやってんだよ」というのも、確かに好意なのですが…やられるほうはいじめとしか思えませんよ。
というか脚の長い幼稚園児たちですね…何を食べているのやら。
9.11テロが出てきたことで、それまでのコメディから雰囲気が一転しました。
それで泣き崩れた美祈さんが一体なぜああなったのやら…そして、星子ちゃんの閉ざしきった心は誰が開けるのでしょう。
逆にそれを、プロファイルという形で開いていこうとする龍正。うまい。
質問のみに答えるシステム、というのもうまいですね。
さりげなくロボたちの目が懐中電灯になっているのは笑えました。
ワッセナーアレンジメント…このさりげない言葉が後にあそこまで重くなるとは。
メールはまずいですよね、どう考えても。でも緊急連絡手段を教えていない星子博士が悪いのですが。
手を引け、というのは僕も正しいと思いますが…両親が人質に取られている以上、手を引くわけにはいかないでしょう。
兵器になりうるのは当然ですが、それをいうならプレイステーション2だってミサイルに使えるから変な国に輸出しちゃいけない、なんてことになっていますよ。技術自体に善悪はない、ダイナマイトも鉱山を安全に掘るために作ったら戦争に使われた…
彼の昔の台詞を繰り返してしまう、というのも彼女の思いの成長をうまく捉えています。
そして…「ほんとうに脅威なのはあのちっこいヤツだ」というのもその通りです。
「コイツはオレが守る」といっても、もうそれができる状況ではないのですが…結局足手まといですし。
やっとわかってしまったか…みんなが大切なものを持っているから、それを守るために戦う…残念ながら敵も全く同じなんですけどね。
なのになぜ、よき父親であり夫であり息子であり恋人であり、愛国者であり敬虔な紳士である男同士…場合によっては女子供も巻き込んで戦わなければならないのか、できれば読者にはそこまで考えてほしいです。
学校で教わっている平和主義は、おそらく守ること自体を否定するか軍備を捨てることが守ることだ、と妙な逆説を刷り込むかでしょう。そうではない…しかし今力を得ている一部保守派から感じるように、力信仰に逆戻りするのも間違いでしょう。
力を肯定し、現実を見据えながら賢明に戦いを回避し、双方が大切なものを守ることができるように…一番難しいかもしれませんが。
このラブシーンもすごく自然ですね。
トモダチ
うまいクライマックスでした。
自分を責める藍ちゃんをひっぱたいて助け出したシーンもすごく、やまとの思いが伝わってきて…読み返してみると、ここで身を引く決意をしているんですね…
しかし、病気のときにSOSを受けて、誰かに代理で助けさせるということは不可能だったのでしょうか?今更ですが。
「わかるんだよ好きな人のことは」という言葉も胸を打ちます。
烈の優しさも強烈にカッコイイです。
春…色々ほっとすることが多いですね。藍ちゃんの感謝の言葉もなんだか泣けそうです。
来実…まあ…確かに選んだアイツがわるい。
この期に及んで「いい友達ができてよかった」…そらもう、こうするしかありませんね。
で、これだけかっこいいことやって屋上出口近くで出くわすのも災難です。かっこわる。
「やまとの一番はずっとあたしだからね」も…あれだけ大変だったのが嘘のような、きれいな終わり方でした。
新しいジャンルを切り開いた努力もその表現力も本当にすばらしかったです。次回作がとても楽しみです、お疲れ様でした!
きららプリンセス
プリンセスというのは本来、精神よりも血筋が重要なのですが…精神を高めることを目標にすえるのも、子供向けの作品としては当然のことです。
もちろん血筋で選ばれたプリンセスこそ、精神の気高さでも国民の模範となるよう様々な努力を求められるのですから。
母親の励ましは暖かさがジーンと伝わってくるような感じです。
そして…バルドーが裏切った?どんな構造なのか、ゾクゾクさせられます。
絶望もとても強く伝わってきました。そこで彼女を支えているのがこの強い思い…
そしてミルちゃんと和解し、妖精が導いてくれた本。このシーンもとてもいいです。
さて、これからは意識的な冒険になるのが違いますね。次はどのプリンセスでしょうか。
地獄少女
ええと…本気で地獄決定というのはたいしたことじゃないようですね。
女子フィギュアスケートというのも実にタイムリーな話題です。
いやがらせから励ます振りをして讒言を吹き込む、というのはお見事。互いにかみ合わせるというのも…というか、地獄少女は必要ないのでは?もくろみどおりにこの二人が憎み合えば、演技にも体調にも出るでしょうし…。
というより「石塚さんの名前かきこんでいやがらせがなくなったら」って、その程度の動機だったら地獄少女と会った時点でやっぱりやめます、となるでしょう。あの契約は追い詰められていなければやらないはずでは。
佐伯が地獄に落とされるシーンも、彼女は悪としては小物なのでそれほど感銘は受けませんでした。
というか二人とも来世を捨てることもないのでは?
もちろん、地獄少女に依頼しなくても、今回も斉藤さんも石塚さんも、一時憎み合うふりをして逆にしっぽをつかめば佐伯を排除するのはごく簡単なことです。
本当に、この「死後地獄に落ちる」ということを大したことではないように描いている…これってとんでもなく重大なことですよ。
僕はクリスチャンではないのですが、クリスチャン(というか昔日本語訳読みまくったバルト)の側からそれ…地獄行きの軽視がどんな意味だか考えてみました。
キリスト教の教えでは、人が生きること自体本質的に絶望です…神がなければ。
罪にまみれ、快楽も名誉も…善行さえも幻想であり、何より誰もが死を免れません。金で買えないものはないといっても今のところは不老不死も、本当の愛も買えないのですよ。
唯一つの、人間の力では決して得られない上から与えられる希望が、神による救いです。
それは一つには今の人生を、これまでの罪にまみれた絶望のそれからイエス=キリストの肢体として、罪の奴隷の身から自らの稼ぎではなく買い戻された自由人として希望に満ちて歩き出すことができるということです。
そして同時に、死んでも今度は罪深い肉の体でなく光の体で復活する、という希望もあります。もう死も恐れる必要はないのです。
ただ神が命じたとおり、神と隣人を愛し、生きるよう与えられ命じられた生命を生きていいのです。絶望から救われたのです。そして神の愛と隣人への奉仕だけが、人間が根源的に持っている欲を完全に満たしてくれるものでもあるのです。
地獄行き決定というのは、その救いから完全に漏れたということです。
彼女たちにとっては、神が存在しないのと…イエスの復活は嘘だというのと同じです。
それは完全な絶望にほかなりません。生も絶望であり、死も絶望なのです。精一杯生きればいいなんてありえないです、どう生きても絶望しかないなのですから。
第一、イエスの救いも…同様に阿弥陀如来の全てを救うという誓いも無にできるとは、地獄少女とは一体何者なのでしょう。イエスより、阿弥陀如来より強い存在なのでしょうか。
よい宗教を信じている人全てにとってこの作品はその信じる神と来世を軽視していますし、無神論者から見てもこの作品は生命と、神がないなら物事は人間の力で解決すべきだ、ということを否定して人間自体を軽視しています。
そう考えると地獄少女に対抗する光の側の存在がないのも不思議ですね、この作品に。
恋愛向上委員会ジューシーフルーツ
今回はすごく悶える話ばかりでした。
僕の卒業式は…思い出すと何とかタイムマシンを作って卒業式の朝の自分を殺したくなる代物なので…
COさんの、これから始まるという話はよさそうです。実際にはどうなるのでしょうか。
考えてみる、でいまだに返事がないというのは…それは単に傷つけたくないからですよ!きっと!
黒板に自分の名前、というのは吹っ飛びました。
はあ…なんだかご馳走様。
来月号からふろくで、文房具を一そろいというのはいい発想だと思います。
鉛筆かシャープペン、消しゴムという一番肝心なものがないのは不思議ですが。
そして白沢先生の新連載は嬉しい驚きでした!
どんな作品でしょうか…楽しみです。
あと、増刊の予告では、妙に紹介されている作家が少ない気がするのですが…あ、勘違い!ラブリーのシリーズがこれだけで、読みきりはまだ、ということですね!よかった…そしてすごく嬉しい。それだけ本誌に連載枠がないということでもある、と悪魔のささやきがありますけど。