なかよし2007年1月号感想

付録の豪華さと実用性の高さはすばらしいです。
日本的なデザインの安定感のある櫛は最も実用的ですし、三面鏡は一人暮らしをしている僕の朝の身支度にも使えそうです。もちろん本来の三面鏡は頭の横、できれば後ろも映せる大きさがなければ無意味なので、もう一回り大きな二面鏡のほうがよかったのでしょうが。
リップペンも他の付録とよく合っており、とても面白いです。この太さは意外と使いやすいかもしれませんね。

「かみちゃまかりん」がやっとアニメ化し、数ではかなりアニメも充実してきました。
ただ生え抜き作家オリジナルのアニメが無いのは残念ですが、難しいのでしょう。
「スクール×ファイト」のような、最近多いドラマとしての重さが強い作品はどうなのでしょう…どうしてもそっち系統だとより大人向き雑誌の作品が多い、「ライフ」や「問題提起シリーズ」のほうが有名というわけでしょうか…

オレンジ・プラネット(フクシマハルカ)キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)もどって!まもって!ロリポップ(菊田みちよ)ピンクvイノセント(桃雪琴梨)スクール×ファイト(原明日美)ママコレ(遠山えま)ふたりはプリキュアSplash☆Star(上北ふたご/東堂いづみ)かみちゃまかりんchu(コゲどんぼ)シュガシュガルーン(安野モヨコ)ゆめゆめ☆ゆうゆう(花森ぴんく)ボンボンビザール(白沢まりも/とおやましゅうこ)地獄少女(永遠幸)予告

オレンジ・プラネット
冒頭は一瞬期待しましたよ…やはり夢でがっくりするやら笑うやら。
でも目が覚めたら至近距離、というのは羨ましいです。
しかもほとんど押し倒していますし。この母親の反応は見ていてなんとも楽しくなりました。
ハルさんへの手紙を握りつぶしたのはハルさん本人?それとも…
「うぜっ」という台詞はひどいですが、実際…もうあらかたわかっていると、その反応もわかります。
また、単純に考えても、ほとんど知らない人にこうするのってすごく不自然ですし、戸惑うと思います。
彼のいきなりの態度の豹変もびっくりさせられました。
あの時中学生ぐらいだったのがいまもそのままなわけがない、考えてみれば当然ですよね。
帰っても結局、彼にとことん生活に踏み込まれている…面倒なことになりましたね。
彼の「うそくせぇ」という言葉にはかなり深く傷つけられた気がします。
太郎ちゃんが天然で女の子に迫ってるのも…単に風邪が悪化しているのも…読み返してみると、風邪で抑制が解けたのかと妙に納得できます。
クッキーを踏み潰すところは、心がないわけじゃなく強く拒否しているだけとわかります。
だからこそ彼女が許せない…それがキスという行動につながるのも、不思議なぐらい共感できてしまいます。
「他人のことを真剣に思ってくれるヤツなんて」…単に自分の周りにいないからそう思っているのでしょうが、論理の全称と単称の間違いですね。
告白されているのに事実上無視でるいちゃんのところに飛んでいき、問いただして「消毒してやるよ」…今回の太郎ちゃんは熱だけじゃなく熱いです。
とことんるいちゃんのことしか見ていない、すごく激しい思いでした。なんかとうとう男を見せたな、という感じです。
でもこれも、多分、好きでもない人にキスされたという点では同じなのでしょう…

キッチンのお姫さま
過酷というかなんというか…ため息。ほとんど『小公女』の世界になってきました。
クラスが変わったのは多分、あのまま憎悪にさらされるよりはましでしょう。
絶対にへこまない彼女の強さ、でも…見ていて悲しくなります。弱みを見せられる相手がいればいいのですが…。
まあ茜ちゃんという本当の友達がいるからかなり心強いです。
狭すぎる屋根裏部屋でも、元々彼女はある程度苦労には慣れているようで…タフでもありますね。
大地はちょっと変わりすぎかも。
イメージキャラクターも新しくなって、本当に必要ではなくなった…この学園の、徹底的に人を有用性のみで評価する姿勢にはため息しか出ません。結局はそれが空先輩を殺したようなものですが。
虐待は理事長が、やり場のない悲しみを憎悪としてぶつけているからでもある…理事長本人がそのことを自覚しているかどうか、どこかで知りたいです。
食べた瞬間元に戻るのはほっとしました。
子供たちには人気がある、という今の状態が一番彼女にとっては幸せかもしれません。
フジタさんの「告らねーのか?」はいきなりで吹っ飛びました。
いまは、っていつになったら言えるのでしょう。いつになったら本当に空は…ずっと縛られたままでいるつもりでしょうか。
この文句、間違ってはいないのでしょうね。
さらに空先輩にそっくり?
まあ、いいライバルができてくれるとしたらそれに越したことはないです。今までライバル不在だったのが不満でしたからね…あまり対決ばかりもなんですが。

しゅごキャラ!
もうだめ、と思ったところでのイクトの登場…どこかに隠れて登場のタイミングを見計らってましたね、「宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち」のヤマトや「宇宙戦艦ヤマト完結編」のデスラーみたいに。
イクトを見たときの歌唄ちゃんのだらしなさにはずっこけました。
王子はイクトのことしか見えていないようですが…
敵と見えてしっかり玉子を助けてくれるのはちょっとカッコよすぎました。
でも全部は奪い返せなかったのが、なんだか胸がひやっと冷たくなりました。
「自分がたまごもってないからって」が二階堂の弱点でしたか…
というかこうして脅されているの、みんなに聞こえていないわけがないんじゃ…
イクトとの会話はなんか緊迫感がないです。
「おまえみたいなガキよりずっと上手のおとなだ」と、ちゃんと現実的なことを言ってくれるのはどこか嬉しくなります。
スゥが二階堂に優しくするのは見ていてなんとも言えず胸が痛くなります。
さて…何を求めているのか。本当に自分が欲しいものは何か、それを知ることができたら…

もどって!まもって!ロリポップ
試験官容赦なし…。ってすぐラブラブしている二人には頭を抱えたくなります。
「こっそりラブラブしようと思ってたズラか…」には爆笑。
新居に行ってみたらみんなのたまり場、まあ予想はできましたが…
別れた事情はみんな知らないんですね。
そしてサンちゃんの魔法も、ほとんど惚れ薬ですがたちが悪いです。
助けようとして抱きあっても罰則で没収とは…懲りずに担いで、また「たとえ一瞬でも〜」とラブラブ会話からまた没収、と懲りないバカップルの繰り返しは笑うほかないです。
「何個とられたって何個でも取り返してやる」はカッコよかったです。
それでゼロが積極的にゴロゴロ、これはニナちゃんとしてはサンちゃんに感謝ですね。
もうどうしようもないですね、この二人は。
もちろん、単純に勝ちたければゼロはしばらくどこかに消えて、その間にイチイがどきどきさせればいいのですが…さすがにそれはまずいでしょう。

ピンクvイノセント
今回はとにかく笑い転げました!
クリスマスの夜中に帰宅…なにはともあれ事後避妊薬、って日本では解禁されてませんでしたっけ。まあこの家なら入手できるでしょう。
まあ外出禁止は当然ですね。
ばあやさんが敵か、と思ったら味方でよかったですね。
レンジくんはどこで…出張着付け+レンタル?相当金がかかったでしょうね。
株価って元日からやっている市場がどこかにあるのでしょうか?
そして彼の実家へ、兄の悪口は聞いていますが…「レンジくんだって株オタクなんですよ?」に気づいていないのは苦笑するほかないですね。
パソコンを見ると、ああ壊れるんだろうなと思ってしまうのが…その期待を裏切らないんだからすばらしいです。
初めは偽物だとは気づきませんでした。「愛おしく思ってるんだ」という台詞も、読み返してみるとさすがエロゲオタ…
で、何ですかこのコスプレは。なぜ初読時は何の違和感もなくこのありえない行動を見ていたのでしょう。
バズーカを抱いて寝転ぶシーンはもう…頭を抱えるほかありませんでした。
押し倒して何をやったのか、といえば単にソックスをはかせただけ…そのほうが下手に襲うよりエロいかもしれません。
真相がなんとも言えず爆笑、そして「ココナちゃんをゲームにだすっていっただけなのになに想像したの?」にはやられました。勝てませんね。
そしてまたパソコンが壊される…毎回パソコンが壊れれば誰のパソコンでもいいのか、と笑い転げました。
パソコンの筐体は中に鉄が入ってますから、本当にすごい怪力です。
といっても外付けHDDでバックアップはしているでしょうし、していなかったとしたら自業自得です。第一上部は普通光学メディアですから、大したことはないでしょうし。
そしてのぞいている両親と「こんな実家二度と帰らねぇ!!!」とぶちきれる彼…
もう頭か変えて笑い転げました。
わからなかったことが情けなくて…その純情さと「どんなにはずかしいことだってできるよ!」のギャップがすごいです。なんというか、男の理想というか妄想…
それで「抱きしめてください」って、本当はレンジ、もうとろとろにやられているのでは?
ぎゅっと抱き合うシーンのドキドキもすばらしかったです。
しかし今回は笑わせてもらいました。これだけ面白ければ文句の余地はないです。

スクール×ファイト
至れり尽くせりですね。
見事に破壊しつくされた教室…
目が覚めたら二人一緒に寝ている状態、二人とも殴って放置って下手をしたら死んでいたかもしれません。頭部の打撃で、死と気絶の境はコントロールできるようなものじゃないですよ。
読み返してみると、出ようとしない方がよかったかもしれませんね。
堀の内くんの行動、やはりガラスを割った真犯人は彼で脅されて、と見るのが正しいのでしょうね。
メールはいくらでも偽造できます。
しかし…化粧をはぎ取って思い切り恥をかかせる、これってもう…地獄少女のアトラクションかと思いましたね。
よくもここまで残酷なことが…誰も疑問も持たずにできるものです。吐き気がしますよ。
そしてこの写真…なぜここまで一人一人の心理的な弱点を突くことができるのでしょう。
相当内情に詳しくなければ無理ですよ。
正直…やり場のない怒り、もう殺意といっていいものが爆発しそうに煮えくり返って、自分で自分を縛っておく必要がありそうです。

ママコレ
野次馬に気がついてしまうのは…緊迫感台無し。
黒川博士の再登場は正直いらなかった気もします。
力がたまっていた、って…直樹は危なかったですね。このレーザーは笑えました。
故郷なら、って…本来ベビーはペットに向いた生物だったのかも疑問です。
この子たちのために、でもやだっ…この葛藤は想像したくありません。
タマちゃんの傷だらけの手を見てベビーたちが自分からどこかに行こうとするのは胸が熱くなります。
陽介がかばったところにレーザー、これはナイスという以前に危なかったです。
ぎゅっと抱きしめて、そして陽介がそのタマを優しく包み込む…この愛情に溢れたシーンはすごく素敵でした。
ベビー島での地震も、一体何が待っているのか心配でなりません。

ふたりはプリキュア
キントレスキー退場より満薫復活に力を集中しているようでしたね。
キントレスキーは原作のアニメのほうではとことん親切だったようですが、話を縮めたコミック版でもその性格はかなりよく出ていました。
「余興などではない!!これは真剣勝負だ!!」という言葉が戦士らしいです。
戦いに集中できないことに怒るのも彼らしいです。
「力でわたしを止めてみろ」というのは『幽☆遊☆白書』の戸愚呂(弟)を思わせます…筋肉キャラで主人公の成長を期待し、助けるところも共通ですね。ただ、あれほどの破滅願望は持っていない分より陽性ですが。
力尽きた二人に「根性だけはたいしたものだったぞ」と誉めるところは誉め、そして容赦なく止めを刺そうとするのも戦士らしさが香ります。
満薫の復活シーンはすばらしい迫力でした。「あぶなっかしくってほっておけないわ」というクールな台詞も相変わらずでほっとします。
四人がそろったところのりりしさはすばらしい!
キントレスキーの散り様もカッコイイです。
そしていきなりラスボス?でもゴーヤーンの行動は?
一気にクライマックス突入でしょうか?

かみちゃまかりんchu
神くんはテレビの向こう…当然ですね。
かりんちゃんのエプロンはすごく可愛い。
「なんで日本人はイブを祝うんだろうね 大半が仏教徒だからかな」はぶっとびました。
より正確には日本教徒だから無節操でも大丈夫なのでしょう。
神くんの登場はどれだけ無理をしたのか心配になります。
時間移動がどうの、でふとセーラームーンを思い出してしまったのは僕だけでしょうか?
「コンクリートの壁になっていたら」「そんときはオレ自体がアウトだな」…いしのなかにいる…
結構あらゆる場合を考えているようですが、それで未来に行くというのもすごい度胸です。
神くんが自分ならと思うのはいいのですが、もし虚弱もあるというなら違う結論も出るでしょう。もちろん自己犠牲批判自体は正しいのですが。
教会の言い伝えはおいしいです。
手をつないでのデートも素敵です。
カラオケでくっついて意識したり、今更のような気がしますがすごくドキドキしているのがわかりまっす。
和音くんは、一体なんて言って欲しかったのでしょう…言葉になんかなりませんよ。
このクリスマスプレゼントはすごく素敵です。
教会でゆっくりミサは聞いたのでしょうか。どんな説教と賛美歌だったのでしょう。
崩れるようにそばにいてとせがむ花鈴ちゃんに熱いキス、ここはすばらしかったです。
「未来のことなんてわかってしまったらたいていの人間は不幸になるからね」というのは厳しい真実ですね。
結構すんなりといったようですが、次回はどちらの視点で話が進むのでしょう?

シュガシュガルーン
父親を助けるかどうか、ショコラちゃんにとってはそれも過酷な話です。
このつり橋はそれ自体相当怖いです。
でもショコラちゃんはこういう場でも、すごいですね。
怖いのはわかっていてぱっとかばうポワーヴルのカッコよさもすばらしい!
敵を食い止める盾になるのはある意味当然です。
そしてバニラちゃんの、あえて二人のために前進しようという決断もすばらしい。
氷の宮殿の美しさもまた格別です。
そしてグラース…口をきくな、というタブー…神話・民話の構造からいうと、それは守りきれないタブーなのでしょうが。
父親がずっと見守っていてくれたこと、そして全くの無償で助けるアイテムをくれたことで流した涙、それが…破局の始まりでしょうか?
でも神話的な構造がこの話にあるなら、一時的に悪い結果になったとしても愛ゆえの過ちは必ず取り返せます。希望は失わないようにしましょう。

ゆめゆめ☆ゆうゆう
話そのものはなんだかわからなかった、というのが正直なところですが、思いを伝える力は特にこの最終回、とても高かったです。
月の動機が、我々陽の人間に対する怒りからだったとは…それなら理解できます。
妃女の心の闇の描写は見事でした。だからこそ余計残念な気がします、もっとストーリー構成がしっかりしていればすごい傑作になったかもしれないのに、と。
涙とともに怒りの笑み、そして剣…この姿に共感する女子がいかに多いか。
そして烈火を殺してしまったことで笑い狂うのも凄まじい力、ものすごい絶望を伝えてきます。
敵がいつのまにか味方になっている構造も、ちょっと今更の気もしますがうまいです。
全てを終わりにしたい、という思いと、それに対抗するのはさまざまな愛…それを更に砕こうとする月の声、この光と闇の葛藤は凄まじいです。
「だから世界はすばらしいんだ」という言葉も、さまざまなシーンの表現力が高い分かなり伝わってくるものがあります。
日常に戻るのはいいのですが、二人…多分勝ったほうの優女ちゃんは、巫女の仕事をしないでよかったのでしょうか?「魔法騎士レイアース」では光が柱を辞退して日常に戻ることと、最後での世界の変革が一体になっていましたが。
どのような形で戦後世界が維持されているかについても…
そして、いくら烈火が復活したといっても、妃女が少なくとも殺人未遂の罪を犯したことには変わりはありません。
そして二つの世界が崩壊しかけたことで、どこかで天災などの被害が出ていたとしたらその罪も。
その償いは?本人も十分苦しんだ、だけですませてはならないから、現実には刑罰が理不尽なまでにあるのでは?
そして麒麟は、とあまりにもそのあたりの処理が甘いです。
優女ちゃんが情だけの存在で知が見られないため、おそらく自滅的な現代文明、陽の人間のわがままを修正することはできないことも不安を残します。二人、いやみんなで現代文明、人心を修正する努力を、例えばゴミ拾いからでも始めようとしたならもっと安心感を持って終わったのかもしれませんが。
厳しく言えば…念能力、表現力頼りでストーリーがあまりにも散漫でした。キャラクターが多すぎ、「二つの世界の崩壊と修復」「自滅的な現代文明」「姉妹の葛藤:劣るほうのコンプレックス、優れたほうの欲求不満」というテーマがうまく統合できていなかった感じです。
でもこれだけの表現力、というより念能力があるのですから、次回作はもっとじっくり話を練って無理に大風呂敷を広げず、一番伝えたいことだけを率直に出してください。
その方が勇気がいると思いますが、力はあるのですから…信じています。

ボンボンビザール
「信じる信じないは好きにしなさい」という言葉と現実を受け入れようとしないウルフ…いやしくも魔法を使うなら、〈魔道士の掟〉(『真実の剣』シリーズ:テリー・グッドカインド/邦訳ハヤカワ文庫FT)特にその六、「己が唯一、甘んじて支配を受ける君主は理性であると心得よ」は守って欲しいものです。
力ではこの国は救えない、というのもどういうことなのか…
半信半疑ながら事実を確認しようとするベベの姿勢はちゃんと〈魔道士の掟〉を守っていますね。
アドバイスはどんな言葉だったのでしょう。
ななみちゃんを縛って門を通るのはうまかったです。
マギーサ様につっこみ…こういう直接行動はそれ自体自分の有罪を宣言しているようなものですし、黒魔法を解禁したら次に危ないのは(王座についても)ウルフです。
おまじないがこういう効果になるとはうまい。完全に魔法ですけど。
ブレスレットが壊れ、本格的に危機…さて、あのアドバイスは、そしてウルフの行動は…色々楽しみです。

地獄少女
…なんというか、すごく複雑です。なんだか僕が責められているような、謝りたいような気さえします。
思うに、第一話がこれだったら、以後の話もこの構造だったら手放しで絶賛していたでしょう。
僕がやってほしい話を書いてくれたような、だから…なぜか嬉しい反面居心地が悪いんですよね。複雑です。
いじめに正義感を出したら自分もいじめられる、というのは社会問題ともうまくリンクしています。
そして苦しみをしっかり描きながら、人の中にある良心に支えられて希望を捨てず、わら人形の糸を引かない真琴と、他人を完全に排除して引いてしまう富田の対照もすばらしいです。
一言、「シホには言わないで」と弱い勇気ですが人の複雑さを描いたのもすばらしい。
そう、いじめている人も、かばうと自分が次の被害者という恐怖に逆らえない弱さはあるしいじめが楽しいという邪悪さもあるけれど、決して100%悪ではないです。皮肉にも、シホも…。
ネットの中で悪意をあおりあう構造も、ネットの、人間の恐ろしさをうまく描いています。
その結果、糸を引くだけでなく完全に現実の世界から背を向けてしまう富田…
読者を見事に光の側に誘導してくれています。申し分なしです。
永遠先生が、そして地獄少女の側がどういう心情で今回の話を描いたのかはあまり憶測しないようにしましょう。いじめが社会問題になっている今、現実世界に絶望されてはならないと思ったからとか想像したくもなりますが。とにかくすばらしかった、でいいですよ。

来月号はついに待望の「小川とゆかいな斉藤たち」本誌進出!
もう新人がまともに本誌に入ってきたのが何年前かという気になるほど、気が遠くなるほど待ち続けていました。
話の面白さも、いじめが社会問題になっていることとの対応も申し分ないですし、ただただ楽しみです。

ラブリーの予告は…本誌番外編が多いのが残念なのと、予告自体に読みきりのラインナップが載っていないことが不満ですが、小坂先生の復活はそれを全部ふっとばすぐらい嬉しいです。

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