なかよし2007年初夏ラブリー感想

夢じゃない、本当に年五回…

今回の増刊は少し変わったメンバーが多いような気もします。久しぶりの人も多いし、また全体に地味な作風が多くなっています。それぞれ抜群にすばらしい実力派ばかり!
増刊の数が増えたからこそ、こうしてより多様な作家にチャンスを与えることもできるのでしょう。
ただ、全体に本誌と関係のある作品、シリーズがページを圧迫している感じは否めませんが…半分近くです。
個人的にはもっと新人・若手作家の実力を信じて欲しいです。本誌メンバーの知名度に頼らなくても、いい作品があれば…現実にはそう簡単ではないのでしょうが。

もどって!まもって!ロリポップ(菊田みちよ)ピンクvイノセント(桃雪琴梨)メガネ王子(水上航)かみちゃまかりん番外編(コゲどんぼ)トゥインクルハート(船山美帆)告白のユウキ(高上優里子)王子様、お守りします!(高瀬綾)ふあふあコットン(ハタノヒヨコ)けだものだもの(フクシマハルカ)きららプリンセス(小鷹ナヲ/田中利花)虹色パレット(ゆみみ)きみの空色(菊井風見子)Yes!プリキュア5(上北ふたご/東堂いづみ)RUN!(とぐさ壱耶)私立ヤバスギ学園(恵月ひまわり)名探偵夢水清志郎事件ノート(えぬえけい/はやみねかおる)ひとりじゃないこと(春瀬サク)スイート&ビター(栗沢じゅん)運命のヒト(長澤恵)わん・モアスマイル(ひのもとめぐ)ぴよっこガーデン(猫部ねこ)

もどって!まもって!ロリポップ
ロッカが読んだら大変なことになるのでは…
いきなりゼロがニナの部屋にお泊り、もう暴れたくなりました。
といっても、ずっとイチイと二人でニナの部屋にいましたよね…クローゼットの部屋は一人では作れないのでしょうか?
ゼロとイチイのケンカは…イチイも本当にニナのことを大切に思っているんですね。
「遊びにいっても文句ばっかり」「おまえがニナちゃんの好きなところに連れてってないからだろ」…ゼロはとことんガキですからね、それが悪い意味に出ると困ったものです。
で、結局泊まって、母親に見つかって…前はずっと住んでいたので、その頃見つからなかったのが不思議です。
というかゼロ、記憶を消す魔法は使えないのでしょうか?
さあどうする…というところで女の子、という手はよく思いつきましたね。
「せっかくだしこのままデート」って、サンちゃんと同じ趣味に走ってきていませんか?
イチイとのケンカが再燃して、「おまえがいなかったら」…この言葉にはまずい、まずいと暴れていました。
ニナが流されそうになるのも見ていて展開が楽しみになりました。
「オレだったらもっと大切にするのに」とか、未練なく振り切ったのではなく…ずっと自分がニナと付き合っていたら、とは考えていたんですね。
ゼロがしっかり着替えていたのが苦笑。
二人で引っ張り合うのはニナにとっては幸せ、と思ったら「フラフラついていきやがって」と、嫉妬の憎まれ口…ゼロを蹴りたくなりました。
でも「イチイだったらもっとあたしのこと」は禁句ですよ!
もう…何もかも吹っ飛ばしてしまいたいような気がします。
どうしてうまくいかないのか…子供だから?いや、大人の男女だってうまくいくとは限りません…うまくいっているように見えて、お互いひたすら本音を隠し、いや自分にさえ自分の本音を隠してやっと維持していることが多いでしょう。
「たまにけしかけてやんないと進展しなさそうだし」というイチイの言葉はすっころびました。
そして、イチイにぶつけてしまった言葉…あまりにも、イチイにとっても残酷でした。イチイのほうが…楽…失礼というかなんというか。
それで、硝子飴石のかけら…ここでいつもならみんなが襲ってきてしっちゃかめっちゃかになるところでしょうが、それもないのがある意味残酷。
ここで二人がケンカして…もしニナちゃんがさらわれなかったらどうなったでしょう。
「なんだよそれ!同情かよ!」という言葉もすごく痛いです。そうだったら、という不安はずっとあったのでしょうか…
泳げない、というのも当然かもしれません…二乗三乗則は水ではどう働くでしょう。体積も三乗ですから浮力は体重と同じように増えるはずですが、筋力は相対的に弱っていますから…
二人が助けに来てくれるのはやはり嬉しかったです。
結局飴石をあげてしまうとは、気前がいいですね。
で、「オレもゼロのこと好きだから」…このニナちゃんの表情!嬉しそうというか戸惑うというか、そんなに嬉しいですか?
あまりにも強い愛…なんかもうすごいです。「そうなってくれたらオレもうれしいよ」という言葉がまたかっこいい!
で、やっと二人でニナ宅訪問…ばれなきゃいいですが。
というか、他の候補生も友達なのにみんな連れてきていないのでしょうか?

ピンクvイノセント
今回は抜群に面白かったです。男としてはもう泣きわめきたいぐらいに。
まあ、パソコン破壊がなかったのが少し残念ではありますが、ネタの面白さがそれを補って余りありました。
男子トイレにエロ本…そんなもの大きく取り上げることないのに。先生も大変ですね。まあ「年頃の男子が興味持つのはしょうがないけど…」というだけましです。
ココナには呆れますが、レンジにはそれ以上に呆れます。
エアリの「エロ本に走ってんじゃ」って、エロ本なんて…浮気やホモよりいいのでは?
不自然なキャピットした態度も、なんかすごく変だなというのがわかります。
ケーキに興味を示せばころっとだまされる、なんというか…単純熱血バカ…
ゲームやマンガすらない、というのはすごいですね。
見つけたのはエアリの…なるほど、これは彼女にとってはすごく嬉しいでしょう。
キスシーンで男の写真だけ破っているのが苦笑します。
これがエロ本…まあ広義のエロ本でしょうね。というかエロ本の定義は…まあアメリカ最高裁が出してます、「見ればわかる」。パソコンのデータものぞいたほうがいいかも。コラージュとかをしていなかったのがむしろすごいですよ。
二人で正座しているのが爆笑!男にとっては死にたくなる一瞬です。
土下座して墓穴…これも悲惨です。
まあ、エアリの「いつでも本物のアタシを」は男にとっては夢のように嬉しい話です…多分ココナが去った後、この二人は…vこの見上げる目線の色気はたまりません。
いろいろ妄想したくなってきました…ケーキ用具もあることですし…
そしてココナも、すぐにレンジのところに行くのがまた直裁で素敵な行動です。
やっぱりエロ本より本物の彼女のほうが…簡単に得られないからエロ本というものがあるのですが…
これだけ男の子の恥ずかしい部分を暖かく見せてくれるのは本来の読者、女の子達にとってもすごく優しいです。
読者の女の子達も、あまり軽蔑しないで男子というどうしようもないバカな生物を暖かく包んであげてください…

メガネ王子
二人に同時にキスされる夢…いいですね。「まいっちんぐ」は今の読者にわかるでしょうか?
朝布団をひっくり返すのは、結構早く家族としてなじんだな、という面を見てしまいます。
家事もやってくれて口が悪いけどちょっと優しい…なんか幸せすぎますね。
おおっぴらにするな、というのは…まあ当然ですが。
アキラはOK、というのは考えたな、とも思いますが読み返してみれば無神経な話です。
混浴の妄想を女がするというのがまた…メガネを中心に妄想するのも楽しいです。
いきなり自分は脱いで、幸子ちゃんを脱がそうと…この手の色香はさすがです。
そして態度がぜんぜん違うことは、読み返してみるとむしろ彼の切ない思いが伝わってきてしまいます。
そして寝ているのを運ぶときの「先輩いーエガオだ」という言葉が「アキラさんのぉー笑顔が」で台無し、ここの心の動きの丁寧さもすばらしいです。というかここの彼女、酔っ払っていませんか?
マスターには全部お見通し、というのもまた素敵です。ほんとうの自分…なんというか、まるでタマネギのようにいくらむいてもきりがない、もう嫌になる存在ですよ。
その、真実をマスターに見透かされたことが「コンテストにはでない」、という拒絶の激しさと結びついたのでしょうか?
それでお互い切れたようにぶつかり合う、これが必要だったんだな…というかこういう形でなければ真実が出ない人間って何なのでしょうか。
ここで彼がごく深い部分まで告白している…
それに「あのときの笑顔あれがほんとうの先輩じゃないの!?」と答えたのはすごい勘のよさです。
そしてメガネ王子で登場、そして会場の皆に幸子ちゃんのマイクでの声、これは実に感動的です。本当に堂々とした言葉と態度に打たれました。
お姫様抱っこでの退場も素敵でした。
そして次号は温泉旅行?ますますドキドキが暴走しますね。

かみちゃまかりん番外編
和音くんが女装すればと思ってしまい、僕の頭は腐ってるな…と自嘲しました。そしてそれを本当にやったことに…この作者僕と同レベルなのか、と呆れて突っ伏しました。
ひいおじいさまがいまだに全権力を持ち、しかもがちがちの権威主義…かなり悲惨かも。
礼節を重んじるのはいいことですが、礼は自分を内面から律するものであって他人に強制するものではないのでは…四書をもう一度復習しろ、としか言えません。
うな重特上にあっさり釣られるのは可愛いです。
和音くんが怒るのは当然、というか先に彼に話を通しておくべきでしたよ。
神くんは何しにきたのでしょう…というか、名家の人に彼はどう見られるでしょうか?上層階級では彼の素性は知られているのでしょうか…
事前にどうすればいいか練習しておけばよかったのに。
こういう厳格な老人もきちんと描けるというのはさすがに幅が広いですね。
「はじめてお会いした女性にあれこれいうのはマナー違反ですよ」…まさにそうです。僕は権威主義と礼を混同するのは大嫌いです…むしろ、権威主義と礼は相反するものと思います。
このいろいろなテストは、はっきり言って不快でしかありません。もちろん礼、家事、武道などのたしなみを求めるのはわかりますが、それは間接的に調べてもいいでしょうに…
「優秀なお手伝いさんがほしいわけじゃないし」…「あの人ほどの女は」…読み返せば、単なる孤独の裏返しとも伝わりますが…あまりにも勝手な話です。
そして試合も…やはり防具なしは、竹刀でも十分危険です。本当に危険でいいなら木刀でもいいはずです。
和音くんの登場には…冒頭でも述べましたが、呆れて崩れました。あまりの美しさに呆然としましたよ。
捨て身の演技もすごい!
あ、和音くんの竹刀の持ち方も崩れています。
ひいおじいさまの初恋の人とそっくり、で気に入られる…まあわかりやすい一件落着…
なんというか、ため息しか出ません。

トゥインクルハート
ふたごの「こころ」と「ここあ」。こころちゃんはここあのクラスメイト、蒼井くんが好きだけど、彼はここあと仲が良くレコード店に明日一緒に行く、と…ここあちゃんはデートじゃないというけど、うらやましいここあちゃんは代わりに行くことに。
信じられないほど楽しい時間、そこで彼がもちろん
ここあちゃんに合うヘアピンを、もちろんここあちゃんにと思って買ってくれたけど…

タイトルに「ちゃお」で休載中の作品を思い出したのは僕だけでしょうか?
初読時はデビュー作ほどの衝撃は感じませんでしたが、じっくり読み返すとテーマのうまさがわかってきました。かみしめるほど味の出る作品です。
冒頭から二人がそっくりなこと、対照的な性格がよく出ています。そこが一発でわかります。
絵の極度の単純さというか抽象性も、それぞれの性格を良く出していますね。こころちゃんが泣き顔で、ボクシングのように拳を肩のところに上げている、と見てすぐわかる特徴があるのもいいです。
かなしいものはかなしい、と泣けるのはうらやましいです…本当なら僕も、一日中泣きわめいて暮らしたいですよ。
確かにこの会話はデートの約束としか思えませんね。
家でのラフな格好も、二人ともすごくそれぞれの性格が出ていて素敵です。
「男友だちみたいに思ってんじゃん?」という言葉に、さりげなくここあちゃんの蒼井への思いが漏れていますね…
「ここあは蒼井くんとなんでもないんでしょ」という言葉はずるいとさえ思います。
ばれないというのは意外性がありました。普通なら、好きな人だけはすぐわかるものでしょうが。
でもヘアピンの趣味でばれそうになり、でも…ごく自然にここあちゃんに合ったヘアピンを買ってくれた…読み返すと、ここでの彼の思いもわかるのがまたすばらしい。好きでもない女の子の趣味をそこまで知っているなんてありえませんよ。
「なんかきょう素直」というのは…ばれたのでしょうか?
かえっていきなり「あたし一生ここあになりたいv」という言葉…結局いくら双子でも他人は他人なんですよね。
ヘアピンを見て、本来自分のためだと即座にわかって、だから…それをこころちゃんがつけていることにどれほど激しい怒りを抱いたか…「にあってないよ」という会話から、すごくそれが伝わってきます。口調まで伝わってくるようです。
結局、身代わりデートをやめられなくなってしまうこころちゃんの内心がすごく切ないです。
もう、ここあちゃんへの蒼井くんの思いを察しているのでしょうか?
ついしがみついたときに彼がすぐ手を握ってくれて、そして告白への流れ…なぜここで土下座してでも自分がこころだ、と告白しなかったのでしょうか…その余裕もなかったのでしょうね。
あ、「ごめんね蒼井くん」という言葉で初めて気がついたのですか…
怒られていきなり泣き出して…まったくお得な性格です。
「こころはこころのままでいいんだから」という言葉、これが本当のテーマだとわかって読み返すと本当に味があります。
ヘアピンを交換して、というのもすごいですね…そして、ウザイんじゃなく…うらやましい…
どちらも相手の、自分にない部分をうらやましがっている…
そして二人とも制服、ヘアピン以外区別できるポイントがない…見分けがつかないから制服が嫌いだった、という言葉に、両方がそれまで自分が自分だと確信できる軸がなかったことが伝わります。一卵性双生児はいい意味でも悪い意味でもそれがあるようですね…人間が五六人同時が当然の多胎性だったらどうだったのでしょう。
顔ではわからないけれどヘアピンがどちらに合っているかはすぐわかる、そして姉と同じ、彼女によく合ったヘアピンを買ってくれる…少なくともその程度にはこころちゃんのことも見てわかってくれた…
何とか少しでもこころちゃんの思いに応えようという誠実な態度もすごく伝わってきました。
それで、後ろで告白シーンだとわかっていても笑顔になれるのもなんとも素敵です。
すごく丁寧にできていて、やはりすごい才能はありますね。それが次回作以降どう生きてくるか、楽しみです。

告白のユウキ
渡部勇樹と渡辺優希、読みがな同姓同名の二人は呼び出されたら区別がつかず、二人で行ってしまう。
前から優希ちゃんは勇樹くんが好きだけれど、どうしてもいえない…そんなある日、優希ちゃんがラブレターをもらった…

*この感想には重大なネタバレがあります。万一読んでいない人は一番上まで戻り、作品インデックスを利用して別の作品に飛ぶか、次の「王子様、お守りします!(高瀬綾)」に飛んでください。というか…このようなことをする時点で、何か仕掛けがあるのはみえみえですが…「以下の解説で『アクロイド殺し』の真相に触れています」と同じようなものです、そんな言葉がある時点でトリックはわかりますよ。
あ、『アクロイド殺し』を読んでいない方は、急いで読まないと僕がやらなくてもどこかで真相を知ってしまう羽目になりますよ?『オリエント急行の殺人』『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』も同様です。
OKの方はそのまま下に感想が続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほんの少し瞳の感じが変わったのでしょうか?すごいのが、ほぼ全体で服から微妙な色香が漂ってくることです。すごく懐かしく胸が騒ぐ香りが…何が僕のニューロンを騒がせているのでしょう。
冒頭の、二人で返事がハモって語尾だけ違う、というのがすごくわかりやすいです。
まあ、ここまで紛らわしい二人が同じクラスになること自体が不思議ですけど、それを言ってはおしまいですね。
今回は特にデフォルメされたギャグ顔も表情豊かで、すごくぷわぷにっとしていて可愛いです。
「どんくさいヤツ」といっておいて、ほとんど勝手に手伝ってくれて…嫌がらなくてもいいのに、という気もしますが。それで手を握るように、すごく密着してしまうのは心が騒ぎます。
「優希の字すぐわかるぜ」というのはすごく嬉しい言葉でしょうね…あ、たとえば習字教室が一緒なら、お互い字はすぐわかるのでは?
叩く腕をつかむのも、こう…すごくスキンシップが多いんですよね、この話。
いきなり落ちたラブレターにびっくりし、そして…真相を知って読み返していると、勇樹くんの表情がすごく面白いです。
「ラブレターかいたの勇樹かもよ」という周りの言葉、そして回りから見える二人の仲のよさもすごくドキドキさせます。そして…読み返して初めて、そう言われたときの優希ちゃんの反応も理解できます。本当は自分で書いたものでないなら、本当に?と期待してドキドキもしたでしょう。
このポスターは確かに一人じゃ無理ですね。さりげなく後ろから助けてくれる勇樹くん…僕だったら、後ろに立ったまま手伝えずにいるでしょう。いや…僕が好きだった子は友達が多いので、僕の出番はないでしょう。
二人でポスターをかぶって密着するのはものすごくドキドキしました。ぎゅっと腕を握ってしまう、彼の手の大きさと彼女の腕の細さ…
彼が言おうとした言葉も、読み返してみないとわかりません。初読で真相に気づいた読者はいるでしょうか?
そしてラブレターの時間に待ち合わせ…「どうしてだろう〜期待してる」という言葉も、彼女だけは誰も来るはずがないことを知っているのに…理不尽にも彼が来ることを期待してしまっている…不合理で理不尽で自己中心的ですが、逆説的に切なく激しい思いが伝わってきます。
それで真相も全部告白しようとして、でもできなくて…
そして勇樹くんが先生を諭してくれたことから、「いままで何回ことばのみこんだ?」と自分が嫌になる…その気持ちもいやというほど伝わってきます。思いを伝える力がすごく強い…
そして「ねえ何で泣いてんの」という一言…これも小中学生の頃いえたら、と強烈に思う言葉です。僕にそんな強さ…というか人格と言葉のまとまりはありませんでした。
彼の謎解きは見事でした。なるほど…パソコン打ちなのも…
告白するときの表情もあまりに切なくて、胸が張り裂けそうです。
言ってしまって崩れ落ち、それを「正直メーワク」といいながら抱きしめる…僕も混乱しました。
二人で見つめあい、思いを確かめ合うシーンもすごく二人の気持ちが伝わってきて素敵です。
手をつないで職員室に向かうのも素敵…
結局、トリックは思いを素直に伝えられない彼女の感情をとても効果的に伝えてくれています。
なんというか微妙に、気がつかないような薄さですが一皮むけた感じがします。それがこれからの作品でどう生きてくるか、まさか本当にミステリに行くか、またはこの色香を活かして…
というか早く本誌に登場して欲しいです!

王子様、お守りします!
空手道場の娘で無類の強さ、でも乙女のなのかちゃんがついに告白!
相手の王子様こと伊織くんには即ふられたけど、そのとき屋上から落ちてきた植木鉢を蹴り落とした彼女の腕を見込んで、とんでもない大富豪の、しかも両親がもうなく全てを受け継いでいる伊織くんは彼女をボディガード、他の人には婚約者として紹介した。
その夜もう銃撃を受けるなど、命を狙われるのが茶飯事の彼を守ると決めた彼女だけど…

お久しぶりです。なんというか、比較的近年のやや過激でエロがある部分と、初期の楽しいドタバタとキャラの熱さがうまいことかみあいました。
いきなりの過激なアクションシーンと優雅な王子様の対照が実に面白いです。
「もっさい連中にかこまれてると」とはっきり言ってしまうのも面白い性格ですね。
ストレートな告白、冷たい返事…にもリボンが飛んでいる…
天を仰いで、そのとたん植木鉢が落ちてくるのを見つけて…超人的な強さが良く出ています。回転して着地、しっかり残心、というのが迫力ありました。
それでいきなり「きみみたいなコを」…まあどういうことなのか、考える余裕ないですよね…
あまりに豪華な邸宅、そして父親だと思ったら親戚で、他にも…「ぼくに気に入られたい」という言葉が結構冷たいですね。本当に彼に愛情を持っている人間は誰もいない…
といっても、実際問題成人するまでは彼は何もできない、後見人が全部見ているのでは?
考えてみると告白してきた子にボディーガードを頼むというのもひどい話です。無条件に信じられるから?といっても、彼の立場で考えれば、彼女が自分の財産を知らない、また刺客でない保証は何もないですよね…
いきなり婚約者として紹介というのも大胆です。いきなり美少女による嫌がらせ、それに拳を向けて寸止めというなのかちゃんも相当えげつない性格してますね…
十和子おばさまも、読み返してもやはりすごく美しく優しそうな雰囲気です。
部屋というかベッドまで一緒にすることないのに…彼は好きでもない女の子に、自分の領域を犯されて平気なのでしょうか?あ…女の子と一緒、というのはそういう面もありますよね…性欲のほうが強いから普通は忘れられますが。
「わたしおそったりしないから」って彼が襲う心配は…大歓迎?
それで笑うというのも、それでも彼の心には疑いが少しはあるんだろうな…と思ってしまうのが恐ろしいです。
恋は弱みになる、というのもある面では正しいですよね…それに「パワーよパワー!!」というのも思い出してみればそうです。僕も恋心がなければ生きていくこともできなかったでしょう…
それでいきなり銃弾が、ここで時計を投げて明かりを消すのも華麗でした。
しっかり弾丸を鑑定用に取っておく、そのときの悲しそうな目…もう犯人を察していたのでしょうか?
これに「なれてるから」というのがなんというかすごいですね。
読み返してみると、東堂さんの怪しさは見事です。
アルバムはすごく心温まる展開でした。女装写真におなかいっぱい、というのがすごく楽しいです。
「伊織くん!?なんでここがわかったの?」というのも…プレゼントに発信盗聴機、といういいヒントになっていますね。
誕生日パーティのためのドレスもすごく華やかです。「ぼくはこのままでもいいけど?」というのも…残酷です。
怪しい人もいいミスディレクションでした。
そして真相…百合の花が罠だとは…といっても詰めは甘いです。
ここで、強敵との戦いがなかったのが残念といえば残念です。まあ迫力はありましたが。
十和子さんについても裏の裏まで調べている…なのかちゃんが殴るのはすごく気持ちいいシーンでした。
芽衣さんは気の毒でしたが、彼女も共犯だったのでしょうか?やはりあの植木鉢は彼女?また東堂さんは単なるミスディレクション?
頬にガーゼ当ててにっこり笑うのがまた笑えます。ある意味いい気味ですよ。
それで「今度この銃でねらってる犯人」…ここで「だってぼくのこと好きなんでしょ?」「好きですっっ」…もうどうしようもないです。
ちなみに防弾ベストじゃ、ライフル弾は防げませんのであしからず。
いや…いい意味の高瀬先生らしさが良く出ている、すごく楽しめる作品でした。

ふあふあコットン
こんな可愛いキャラにいきなり過激なことをさせるとは…
確かにこの小さい目で見れば、あちこちに宝石はあふれているでしょうね。
崩れた石に埋まっても平気、というのはすごいように見えますが、二乗三乗則を考えれば用意に納得できます。身長が十分の一なら、骨や筋肉の強さは十倍になるんですよ。
妖精の卵というのも面白いですね…「ネクラのネル」というのも吹き出しました。
取られたのは見せびらかしてお金を取っていたら…まあ確かに外はパリパリ中はジューシー…っておいしそうですね。鳥の骨付きももを、強めの塩コショウで一時間置いてからオーブンで…じゅるっ。
ズールが熊というのはそりゃ帰るしかないでしょう。
金貨とだまして袋をかぶせて逃げるのはいい作戦です。でも次に会ったら殺されますから、はるか遠くに引っ越さないと…
ピカが孵化したら…ちょっとちょっと…それでいきなりしあわせの毛玉を出し、礼儀正しく…
あくまで予想を裏切りますね。

けだものだもの
今回はすごく真摯にエロを扱ってくれました。
いきなり怪談というかホラー?そういえば…夏号はホラー特集になるのでしょうか…予告を見ると違うようですね。
でも割といい幽霊みたいです。三つ編みに眼鏡というのがマニアックなまでにガリ勉です…
つきあっていれば一歩進める…女の子はこういう話題にはこう騒ぐんですね。
「学校でHなこと」してほしいんでしょうか?
そして女ハルキの攻撃…ちょっと前振り長いですよ。
「ハルキはあたしにさわりたいとか」思ってるに決まってるじゃないですか。男子という生物を根本的に誤解してません?
いきなりラブラブカップルが出てくるのもびっくりしました。
で…この勉強会は、確かに帰りたくもなります。
手が触れただけでもびっくりしてしまう、それで「だれがこんなずんどー女」…バカ。純くんも呆れるでしょうね。
で、関係を進展させたくて幽霊に頼る…それをするのは普通男子では?
いきなり持ち上げようとして胸を触ってしまってびっくりし、それから…勉強しようとしたら「暑くない?」…それでいきなり脱ぐ…もうこれ、男子の妄想ですよ…
ハルキの冷静さはすごいです。実際に押し倒されてみて、初めて自分が何を求めているか理解して…やっぱりわかってなかった。
「ほんとうにいいの?」と迫られ、鎖骨にキスされそうになる…ここは強烈でした。
いきなりあれ全部見られてたら…それはパニックにもなりますよね。
それで小夏は小夏で男の子に出くわして、これまた恥ずかしいです…初めて会った人に全部言ってしまうとは。
「ヤダっていわれた彼はもっと最悪」というのもわかります。
気持ちが伝わらない、というのは大人でも同じでは?大人はどうしているのでしょうね…伝わらないのは当たり前だけどなんとかやっているのか、または濃密な共同体を維持できるところでは酒や仕事の力を借りて…
「本人に聞いてみたらどーです?」というのも実に的確でした。
屋上のフェンスの外にいたら、それはまあはやまるな、となりますよね。
「いま反省してるんだもん」ってずるいですよね…それで「いつか小夏がオトナになるときは男のオレを選ぶって」…この言葉はすばらしすぎました。
フェンス越しのキスもすばらしいです。
で、あの学ランは結局どこから…
また女ハルキの攻撃で落ちるのもいつもどおりで楽しいです。
あれぞ青春…ってそれじゃ、青春は中絶手術で終わっちゃうじゃないですか…お互い自分も相手も大事にしないと。

きららプリンセス
落ちてアラジンのマントに、というのも急というかすごい展開です。
「いまのぼくはアラジンじゃない」って、見てなきゃわからないですよね…
重量オーバーで必死になる魔法のじゅうたんがなんだか可愛いです。
悪人同士が組むのもなんだか楽しいです。
しかし、この砂漠でこの服装は…日焼けでえらいことになりますよ。それをいうならジャスミンもですが。
捕まったアラジン、その影でじゅうたんを兵が柱に縛りつけているのが楽しいです。
またいきなりの逃走、なんかため息が出てしまいますね。ある程度武器を用意しておいたほうがいいのでは?
そして「わたしを信じて!」という魔法の呪文、そして華麗な棒高跳びと原作のよさがとてもうまく活かされ、伝わってきます。
ジャスミンがシルフィをかばって落ちて…せっかくレイとアラジンは無事だったのに…
ジーニーの登場はすごく華やかでした。
バルドーの、ジャスミンの宝石で人質を取っているというのが…ここに連れてきていないのがうまい。連れてきているなら隙を突いて助けられるかもしれませんが、いないのですから今バルドーを殺してもジャスミンも殺されるだけです。
そしてランプを出した瞬間鞭で回収するのも鋭い!
世界の全てをわが物に…全ての世界、多元宇宙全体をわがものに、と願えばよかったのでしょうね。
ちょっとここの、願いのパラドックスは矛盾が多くて混乱します。
アラジンの世界は次回も続くのでしょうか?

虹色パレット
何か今回の話はどうしようもなく身につまされます。
あと、絵の感じがほんの少し変わった感じもします…安定感があるというか。
声をかけられるとか、いろいろなちょっとしたことが嬉しい、という思いはすごく懐かしく思い出されます。
創立記念日、といっても出店とか…文化祭を兼ねているのでしょうか?
カエルを見つけて喜んでいるひなちゃんたちも相変わらずですね。
「二人でだよ」って普通だったら告白ですが…両思いみたいだねっ、とささやいてくるのもその通り!
読み返していると、「やさしいね」といわれることで帰って傷ついてしまっているのが伝わってきます…
「雨やんだら虹でるといいね」という言葉は素敵ですが、どこか…違うような気もします。それって、悪いことを我慢したからそのごほうびに何か頂戴、と…親に甘えるように神に甘えているのでは?神の有無はともかく、いいことも悪いことも勝手に襲ってくるだけ、または因果の織物の中ですから…ただ悪いことには耐えるしかないのでは?
結菜と真帆の二人に誘われて、心の傷をえぐられるような…黒い澱が沈んでいくような感じはかなり強く伝わってきます。
また陰口をいうため?と怪しむのもよくわかります。みんな何を考えているかわからないから怖い…それもいやというほどわかりますよ。
昴くんの言葉にはすごく振り回されました。いきなり「オレのこと好きなんでしょ」…固まりますよ…
「昴くんはそーゆーこと考えない人な気がしてた」というのが、前の「オレのかんがえ知ったら」という言葉と変に絡まってなんかすごいのが出てきそうな…
「昴くんも人間なんだね」というのが、僕にはもう…人間というのがおぞましい存在にさえ思えてしまいますよ。「王子も人間だろ」というのも…そうですよね。
で、「あのそーゆー話は本人のいないところで」…そりゃそうですよね。
みんなが表面だけで人を見ている、それに耐えられないのも…あえて言えば若さかもしれません。それで当たり前だ、表面を何とかつくろっていられれば何とか社会は維持できる…というのはひどすぎるでしょうか?
「雅ちゃんも表面だけでオレのこと好きになったんだろ」という言葉はあまりに残酷ですよ。
抱き寄せて「ごめんな」というのも…あまりに残酷でわけがわからなくなります。
帰ったらひなこちゃんが颯くんの腕に落書きしている、というのがあまりにラブラブです。エッチとかそういう軸とはぜんぜん違う、もっとすごい世界ですよ。
感情を爆発させたのはほっとします。
そして結菜・真帆の本当の姿には…なんだかもう、崩れてしまいそうです。
で、昴くんが強引に連れ出して虹を見せてくれた、ここはすごく暖かくなります。
人に優しくするのは偽善だと悩むこと自体が…そうですよね。このあたりは、キリスト教や儒教を援用せずに考えるのが難しいです。
僕もずっと、考えすぎて自滅に自滅を重ねて繰り返してきたのでしょうか。
大声での告白を二人にもろに聞かれてしまったこと、さりげない返事もすごく素敵でした。
なんというか、すごく…単行本で読み返すのが今から怖いぐらいです。すごい傑作ですよ。デビュー作からいいものはあるけどすごく難しい作家だ、と思っていたので、こういう形で花開いてくれたのはすごく嬉しいです。
とにかくお疲れ様でした…本誌で、タイアップショートだけでなくこういう作品で出てきて欲しいとすごく強く思っているのですが…

きみの空色
もうすぐ中二の朝日春風ちゃんは、全国界がコンクールで特選でなく入選だったことが悔しくてたまらない。特選も同じく夕暮れの絵で、自分とは対照的に色を重ねた空。
その違いを思いながら歩いていて悔しくてたまらず、スケッチを紙飛行機にして飛ばしたら、それがぶつかった男の子が特選の作者!
彼のほかの作品も見せてもらい、一緒に出かけたりするうち…

とにかくすごい勇気と気迫がこもった作品でした。死をここまで真正面から描くなんて…
そして前作で期待していた以上に、何度読み返しても細かいところまで丁寧に描かれ、織られた表現の妙!
冒頭から実に表情豊かな子です。気が強いのもはっきり伝わってきますし。
どちらの絵もすごく抽象的に描かれていますね…特選のほうは、最初は特選と気づかずにただ見て、ふっと「楽しそうに楽しそうに」と、ああここの繰り返しがまたうまい…絵が表現している楽しさ、憧れに似た感情をふっと伝えてきて…
それで特選だと気づいたらぱっと悔しさのほうが爆発して、その絵そのものに向き合うより悔しさのほうが先に立ってしまう…読み返しているとそれがもどかしくさえなります。虚心にただその絵に向き合えばいいのに、と思うのですが、なかなかそれができない…
スケッチを紙飛行機にするのもずいぶん過激ですね。それが出会いに結びつく、というのもうまいです。
名前を覚えてくれている、というのは春風ちゃんの絵もそれなりの魅力はあったのでしょうね。「オレにはこういうかきかたできないから」と認めてくれていますし。
それでつい「ほかの絵も見せて」と、それ自体はあの絵自体に対する興味で、ライバル心より美に惹かれる思いのほうが強いのでしょうね。彼の、ぽかんとしてからぱっと満面の笑顔に輝くのも…読み返してみるとなんともいえないです。彼はどんな思いで、残り少ない人生に新しい人が入るのを受け入れたのでしょう。余計な負債…悲しませてしまう、負担をかけてしまう人が一人増えることを、どんな思いで受け入れたのでしょう。このときから、何も言わずに笑顔で別れることまで決意していたのでしょうか?
読み返すと母親も頑張ってますね…それを思うとまたため息。
「オレはきょうも生きぬいた!」というのはすごいですよ。それで彼女も、技術以前の問題だと反省して、順位へのこだわりから解放される…そこに至る心の動きもまた丁寧に描かれていて、すごく読み応えがあります。
そしてまた会う約束ができ、一緒にスケッチってこれデートに近いですよね?
いきなり野原を見ると寝転んでみる、というのは僕も結構好きかも。
そしてボールを蹴り返す春風ちゃんの乱暴な面、それに晴くんの素直な「すっごく好き」という言葉、それに戸惑う彼女…ここもため息が出るシーンです。とにかく時間がないから、思ったことはすぐ言っておかないと手遅れになってしまいます。
桜を見たかった、という言葉がまた胸が痛くなります。書きたかった作品、見たかったものがどれだけあるか…それをいうなら、僕には?僕は明日死んでも悔いはないでしょうか?…確かに僕には絵は描けないですし、二百年寿命があってもリーマン予想を証明することはできないでしょう…必死で書いた「こんな明日はいかが?」も商業レベルに出せる作品ですらないですし、僕には人間がわからないからあれ以上の小説を書けるとは思えません…あと、人とは?…ただ謝罪と感謝しかするべきことはないですね。未練があるとすれば、何人かの作家の本誌連載を見たかった…ぐらいでしょうか。
手ぶらなのも、今スケッチブックを持って何かスケッチしても、それを完成させる時間が残っていないから…ただ空を目に焼きつけておきたい…
空の変化に気がつくのもすごく良く描かれています。
春風ちゃんの、「さっきの「好き」もこの空の「好き」も」と感じて、それでも笑顔になるのがまた心温まります。
オオイヌノフグリは僕もすごく好きな花です。ツユクサも好きです…それぞれ違う、素敵な青です。
ちなみに「ふぐり」というのは…それで雰囲気を壊されて怒るのって、春風ちゃんもわかっているのでは?どういう意味かは自分で調べてください。
「天才肌ってヤツ?」という言葉がラストとうまく絡むのがまた見事。
そして自転車からかばって、そのままさりげなく手をつないで…彼の心を思うとまたため息が出ます。最後にそれぐらいいい思いをしてもいいだろう、というような、でもそれが逆に自分の死後彼女を悲しませるのでは、と…たまらないでしょうね。
あくまでここが春風ちゃんの「まいいか」という柔らかな思いだけを描いているのが余計に切ないです。
手が熱い、腕も細い…というのも…実は初読時、この時点で晴が病気だとわかってしまいました。でもあんなにあっけなく死ぬとは思いませんでしたよ。
春風ちゃんが思いを自然に自覚し、そして読み返せば別れのシーンだとわかる…いつもの楽しい一日が終わっただけ、あまりに自然で普通の別れ…そこでぽい、と絵の具を放って「じゃあね!!」と、それだけ…
「十二号のキャンバスにぬってみて」というのも、本当は自分で描きたかったのでは?何も言わずに笑顔で別れる、と最初から決めていた…その決意の固さもはっきり伝わります。すごい。
そして何も知らずに数日、留守宅に通って…そのときにはもう…ああ!息ができません。
病室で最後の最後まで、彼はどれほど彼女に会いたかったでしょうか…親が彼女を呼ぼうか、というのをどんな思いで断り続けたでしょう。そして罪悪感も感じたでしょう。でも最後は、出会えたことへの感謝だけを抱いて…そうであってくれればいいのですが。
この描かれていない部分の大きさに圧倒されそうです。
いきなり葬式…悲しくなれない思いもわかります。大きすぎる悲しみは心を麻痺させ、感情のない状態に陥ってしまいます…
何も言わなかったことも、むしろ残酷だったかもしれない…はじめから拒絶すればよかったか、それとも病気のことも言ってしまえばよかったか…どれほど葛藤したか…
そして春風ちゃんには…ただ、描くことしかできないのもわかります。震える手、一筆一筆に思いを込めて…この空の迫力はすさまじいまでです。
「空になっちゃったんだ」と、やっと涙が…僕もここで泣き出してしまいました。
やっと感じられたあまりに激しい悲嘆、これも…怖いぐらいわかります。今だって、もう全ての制御を解除して泣き伏してしまいたいです。
もし好き、とすぐ言っていたら?…それもまた、どちらにとっても苦しいでしょうか?でも後悔はどちらにしても…
「もう会えないんだ」という言葉があまりに残酷で、だからこそ…この霊の訪れは初め蛇足とも思いました。でも…これはどちらが正解でもないです。どちらも正解ですね、多分…
この晴くんの優しい告白とキス、そして絵に描きこまれていた紙飛行機…多分、これがなくても、時間はかかったと思いますが彼が自分の中で生きていることは感じられるでしょう。
涙を抱きながらの微笑、そして一年後、桜の下で…髪型や態度で、晴くんを真似ているようにも思えます。そして…ああ、晴くんが見ることができなかった桜を、あの絵に見せているんですね…胸がすごい圧力で締めつけられるようです。
そしてここで声をかけるのが男子だ、ということがまた、彼女がそのうち…また新しい恋もあるし(この後輩とは限りませんが)、絵についても前に進んでいる、ちゃんと晴くんを心の中に生かしたまま…というのがすごく伝わってきます。
でも思えば切ないのが、お互いに相手のことをいかに知らないか…といっても生まれて以来の幼馴染、クラスも全部一緒でそのまま結婚、そのまま二人とも百まで生きてもお互い、自分でも知らない部分は嫌というほど多いでしょう。
大切な人の死をどう乗り越えるか、というより…むしろ人は必ず死ぬんだ、だから悔いなく自分に素直に生きなければ…と強烈に伝わってきます。
とにかくこのテーマを描くこと自体がすごいですし、それを見事にまとめた力が本当にすばらしい。
この力がもっと伸びて、いろいろな形で活きていくことを心から願っています…それこそ菊井先生の、これ以上のレベルでの本誌連載を見るまで死ねないぐらいに。

Yes!プリキュア5
ギャップというはっきりとしたテーマが楽しめました。
話や人物、といってもただ思った話を書くだけなら簡単、売れる話を作るのは難しい、売れて自分でも書きたい話を作るのはもっと難しい、時の試練に耐える古典を作るのが一番難しい…
確かにこの二人はギャップありすぎです。
「もってきていい?」というときの表情、すごく嬉しさが伝わってきて可愛いです。
いきなりのハードなバイク…すごいナイスバディと迫力、ものすごくきれいな人ですね。
そんな大事なものを落とすなんて、それこそ土下座ものですが…こまちさんは冷静ですね。
のぞみちゃんは大暴走です…確かに似てるんですね。
全部見つからなかったのにぱっと切り替えるのはすごいですね。
そしてこまちさんの怒りは…これ、多分半分は原稿を落とされたことについての怒りだと思います。
ギャップというのは自分で気づいていないからギャップですよ。
今回は結局敵も戦闘もありませんでしたが、これからはどうなるのでしょう…とにかくこの美しさを堪能できるだけで幸せですが。

Run!
ミサキちゃんは運動が苦手。だから陸上競技会では保健係になったけど、ある日怪我をしていた関くんを手当てしたとき「保健係いーじゃん」と認めてくれた。
競技会では関くんが大活躍だけど、実は彼は足首を痛めていた…

この熱さは相変わらずすごい!絵の迫力もますますすばらしいです。
冒頭の「いつものことだしね」という言葉にはまず孤立しているのかな、とも思いましたが、考えてみれば孤立していたらそんなふうに話しかけられることもないですよね。
彼の名前がなかなか出てこないのはあれっと思いました。
というか、最低限の救急用具は全員が持っているべきだと思いますが。
彼の笑顔でほっとするシーンも不思議と印象があります。
「運動もニガテだし」というネガティブな言葉はすごく共感できます…僕も運動は苦手でしたし。欲を言えば、ここで関くんに対する思いが描かれていれば良かったのでしょうがね。
彼の言葉がどれほど嬉しいものだったかはすごく伝わってきました。
「なに女子といちゃついてんのー」という言葉もすごく楽しくなります。
関くんの活躍は圧倒的な迫力がありました。
そこで突然関くんが、出てくるところからいきなりな人です。そして足首のケガ…僕が中学のときの陸上大会でも、好きな人が怪我を押して頑張っていたのを思い出します。
逆に関も、みんなの中で価値がなくなるのが怖い…というのも、あのときの彼女はもしかして…そう思うと頭が破裂しそうになります。
感謝は手当てだけじゃなく、優しい心にも、でしょうね。
それで皆に対する非難…これもわかります…から、「そんなことわたしはしたくないっ」と、自分から率先する…これがすごいです!こんなことができる人なんて千人に一人ですよ。あまりにもかっこいいです。
それで運動が苦手なはずの彼女が結局勝ってしまうのは、相当アンカーまでの差が大きかったとかがないと少し…でも迫力と感動は圧倒的です。
それでミサキちゃんが英雄にされるのを拒み、「関がずっと走ってくれたからだよっ」…ここもすごく感動的でした。他にもいろいろな人がそれぞれ頑張ったのでしょう…リレーではそれまでの走者が差をつけてくれていたから勝てたのですし。
最後の「なにか文句でも?」もすごかったです。
とにかくものすごい迫力とパワー、これからももっとガンガン爆発して欲しいものです。

私立ヤバスギ学園
いくらなんでも「調教」はヤバスギですよ…しかもかなり過激な、子供の読者には見せたくないものまで見せていますし。
僕が親ならこれだけ切り取りたい…でもそんなことをしたら好奇心をあおるだけ、友達に借りて読むだけ…暴れたいです。
まあ子猫が裏で虐待されていないのは良かったです。
新しい仲間が加わるのも、なんだか目を回して天井を見上げたくなります。
まあボイン攻撃は嬉しいサービスでしたが…でも見えてませんし。

名探偵夢水清志郎事件ノート
な、長い…正直言って。
いきなり行き倒れですか?で、このタンポポはセイヨウタンポポに見えますが、当時あったのでしょうか。
才谷梅太郎で坂本竜馬だとわかった人は何人いるでしょうね。というか土佐弁で拳銃を見ればわかりますが。
この名札の、左右衛門という言葉がかなり付け足しに思えます。
謎と聞くとすごく嬉しそうな顔をしている竜馬の表情がすごくいいです。
「優秀な頭脳」でのシリアス顔は爆笑!それを見てあっさりすみすあんどうえっそん…すごい。
足りないのは常識…まあ確かにそうです。
説明なしの、いきなり人を捕まえろというとんでもない言葉…いきなり刺してくるのはすごいです。あの時もこの反応があれば…はっ!そうか、酒に痺れ薬が入っていたんだ!といっても井伊直弼も剣は優れていたのにあっさり斬られた…暗殺だと、腕は関係ないのかもしれませんね。
けんかをして注目を集め、その隙に盗みに入る…これは実にうまい。それを見抜いたのがとにかくすごいです。
そして譲り合って豪遊して、それで足りなくて働かされる…これは爆笑でした。でも竜馬のほうは路銀は持っていなかったのでしょうか?まあ…夢水に付き合ったのでしょうね。
ただ、その豪遊で肝心なものがなかったのは…まあ小学生のよいこも読んでますし…
二人の会話がはたから見るとすごく楽しい、というのも素敵です。
歴史の説明はあっさりしすぎかも…ここでの夢水の能天気がまたすごい。
「みんなが幸せになる世に」という竜馬の言葉…なら暗殺されるな、と叫びたいですが、実際には生きていてもたいしたことはできなかったでしょう。
異国を見習おう、というのも当時は本当に過激な言葉だったのですよ。
あと…「山は山空は空」といいますが、日本が植民地にされていたら…プランテーションとして森も切りつくされ、空も海も汚れきっていたかもしれません。
今の日本に半分死んだ人工林ばかりとはいえ緑があるのも、相当に幸運な話ですよ。
しかし人間のことさえ考えない、ただ自然の立場から…恐ろしい人です。
「なんもかんも忘れられたら」で思って吹き出しましたが、エルリックもいっそメルニボネのこともきれいに忘れて単なる魔法剣士として生きられれば楽なのでは?どうせ何千年分もの、さまざまな世界での冒険をさっぱりと忘れているのですから。
僕も何もかも忘れてしまいたいです。
かさ地蔵の解説も苦笑しました。
地蔵の下に銀貨がある、というのも読み返せば初めからわかっていたとわかります。
水車についても隠している…そして動く地蔵の不気味さと朝方響く銃声…やっとらしくなってきたというか、うまく不気味なものが出ています。
やっと名探偵の推理…お見事です。
大惨事之図はユーモラスですが、しゃれにならないでしょうね…古今どれだけの人が手足や命を失ったのでしょう。
つるべをモデルにして説明するのは実にうまいです。
「人間はもともとかしこいです」といっても…その賢さを生活向上に活かすには、歴史上は資本主義という方法しかなかったことも事実です…そしてその資本主義と科学は、あまりにも大きな悲惨と貧困も生んでいるし…もし文明崩壊に至れば、最悪百億が餓死と疫病と戦争で死んでいくという考えたくない悲惨を生み出すことにもなる…
夢水は本当に、時代に手伝いをする気はあるのでしょうか?彼はむしろ傍観者のような気もしますが…
別れのシーンも静かでいいです。男同士という感じもしますね。
そして第二部江戸篇?やっと三つ子が登場しましたね。
また両足を上げている、あ…これって犬上家の人々?劇的な出会いってあんた…
羽衣母さんも相変わらずです。店子仲間もいろいろ癖のある人たちばかりですね。
この壺とか絨毯はどう見ても抜け荷ですよね。
そして…真理さんの「三拾六時はたらけますか」が爆笑。
ねうちのあるものは絶対盗まない…ニック・ヴェルヴェット?
雑技団というのもすごいですね。
酔っ払いの開国論者が暴れて騒動に…そこで出てきた…はてさてどうなるやら。

ひとりじゃないこと
いきなりシリーズというのがすごいです。よっぽど反響が良かったんですね…まあいい作品だからわかりますが。
計算が違うとか、会計という仕事自体初めてでしょうからね。
といってもそれ、そのまま企業の経理の実務経験になるのでは?
新入りのうちは役立たずなのは当然ですよね。
生徒会で成績上位者に載っていないというのはなんだか恥ずかしくなるのもわかります。
体育祭実行委員長…ああっ、考えただけであまりの厄介さに転げまわりたくなります。
みんなの消極的な態度にへこんだり助けてくれる人もいたり、それで楽しそうな企画でみんなをのせて、頑張ってるなとすごく伝わってきてはらはらしたり楽しかったり…
柳くんのクールな反応は楽しいです。それぞれのキャラクターがどんどん出てきているのが嬉しいですね。
楽しい体育祭、というのもうまく本質に入ってきてます。
「おれも最初はうまくできなかった」と、みんなで彼女を支えているのもすごく素敵です。
そして、自分のことだけじゃなくみんなの体育祭なんだから、と…その視点の変化もすごく大きな成長ですね。
それで…この雨で終了したことで仮装ができなくなり…ここからの流れは少し疑問も感じます。「責任を追うのは学校だぞ」というの自体は間違っていないんですよ…保護者からの苦情を強調したため、悪く見えますが。
みんなの体育祭なんだから、と張り切りすぎてしまうのも、いい面ばかりじゃない…みんなのためにと思うと、それで視野が狭くなってしまうこともありえます。太平洋戦争のときの日本軍の失敗にも、それがたくさんありました…みんなが頑張って多くの戦死者も出したから、ここは守り抜かなきゃならない…戦略なんか知ったことか、と。
彼女はいつごろ、先生の側の論理もわかるようになるでしょうか?
ここでマイクに叫んで、この熱血路線自体は感動的ですけど…そのあたりを考えてしまうのは僕が大人だからでしょうか?
十分だけのリレー、そして生徒会もみんなコスプレ…
まあ輝きはすごく伝わってきましたし、生徒みんなにとってどれほどいい思い出になるかはわかります。
とにかく爽快感はすばらしかったです。
すごく成長したでしょうし輝きも…このまま次号もシリーズでしょうか?

スイート&ビター
いのりちゃんは親友の夏南ちゃんの彼氏、巡くんのことが好き。
彼は料理部のいのりちゃんに、お菓子をねだりに来たり結構仲はいい…だからこそ必死で思いを抑えようとしている…

これはうまく切なさを描いていますね。ただ実際には…すごく悪く言われることでしょうが。
男子がヘアピンをつけている、というのも、妙になよやかなこの絵と合わせて不思議な感じがします。
思いを抑えようとしているのも常にすごく伝わってきて、まるで高い水圧のような圧迫感を感じます。
いきなり飛び込んできて机の下に隠れ、びっくりしていたら夏南ちゃんの怒りぶり!
隠れている机を叩かれるのはかなり怖いですね…じとーと軽蔑の視線で見られて必死の言い訳、それで…いきなり足を触ってくるのはびっくりしました!
というか他の友達もいるのに!!信じられません…エロゲーでは、机の下に隠れてそのまま…というのはある意味普通ですが…
いきなり靴下を下ろしてごまかすというのもすごい。彼も、なぜこんなことをしたのかわからなかったのでしょうね。
しかし、ここまでずっと真っ赤じゃみんないのりちゃんの気持ちに気づいてしまうのでは?
ケーキみたいだね、という形容も素敵ですね。「いただきーv」というのが自分のこといわれたような気がした、というのも…本当にそうなんでしょう…
日曜、たまたま会ってしまって、それで彼に自分の一番いいところを見せてしまったのも…ちょっと邪推してしまいたくもなります、巡くんがいなくても同じことをしたのかな…と。こんなところを見てしまえば、彼が惚れるのもわかります。
お菓子を落とすといえば、僕も昨日アイスを持ったまま自転車に乗ろうとして落としました。僕は苦笑して生垣に投げ込みましたが…本当は泣きたかったのかもしれません。
それで自然に二人でデートになってしまうのも、なんというかすごいです。
ヘッドフォンをかぶせるのも強烈なスキンシップですよね…
気持ちがどんどん強くなり、そして次に三人で会ったときにはいのりもカレ作ったら、で巡くんも驚いて…いいってば、と強く拒否する姿勢に夏南ちゃんが疑いを感じた様子なのも胸がぐっと痛みます。
「ちゃんと教えてね」というのも、ある意味プレッシャーをかけたようにも読めてしまいますよ。
そして巡くんの突然の行動…もうそれで…もし夏南ちゃんが何も言わなければ、どうなっていたでしょう。
噂になってしまうのもどうしようもないでしょうね。
「友だちだって思ってたのは」という言葉も逃げ場をなくす、あまりに残酷な言葉です。どうしていればよかったのでしょう…誰を好きになるかはどうしようもないのに!それが友だちの条件じゃ、死にたくなってきますよ。
「気づいたら好きになってたの」とやっと言えた…巡くんの行動は遅まきながら、といったところでしょうか。潔くはあるのですが。
ここで思い切りグーで殴るのは爆笑でした。なんというかすっきりしました…「返品は受けつけないからね」って、何で売ったのでしょう。そして去り際の手がいい演技をしています…二人を許している、と。
そして甘酸っぱい幕切れも…でも本当、二人ともすごく悪く言われるでしょうね…
恋心は自分でもどうしようもない、ということはみんな認めたくないことのようですし。それはまあ、自分を制御できないなんて認めたくはないですよ。

運命のヒト
 少女マンガ好きのはるかちゃんは、マンガみたいな出会いにあこがれて…本当にパンを食べながら走っていると、かっこいい男の子にぶつかってクラスメートで隣の席!これはもう運命!
 と思っていろいろ迫りまくるけど、彼はどうも冷たい…
 そんな時、出会い以上の黄金パターン、幼馴染の彼女が彼と再会?

これまたお久しぶりです…
冒頭の、寝転んでマンガに夢中になっている表情からすごく不思議な色気が漂ってきました。
そういう、マンガによくあるシチュエーションにあこがれる気持ちは…なんというか、あまりにわかりすぎて頭を抱えたくなります。僕が家が近い子を好きだったのも、どこまで本当に好きだったのか…どこからがマンガのパターンと現実がごっちゃになっていたか今思うとわからなくなることもあるんですよ。
砂がついているパンを食べてしまうというのもすごいです。
さらに隣の席はまさにマンガ…これは笑いが出てきました。
いきなり「運命だー」と叫ぶのは…冷めた目で見たらなんかすごいです。
彼が怒って、般若だったり切り捨てたりするのもいろいろ面白いですね。
で、同じシャープペンをネットオークションまでして入手するというのはすごい…
芳明くんバッグ、というのがなんというかすごいです。まあ僕の「恐怖の大王第二次関東大震災来るなら来てみろバッグ」も結構すごいでしょうが。
そして何かを見ている、が…再会した幼馴染…確かにパンをくわえてぶつかるよりベタですね。
「美人で大人っぽくて〜」確かにすごいですね。で「やっぱり芳明には話しておきたくて」と、読み返してみると笑ってしまいますがまぎらわしいですよ!さらにカプチーノの泡まで…
即席吹き矢は器用ですね。
運命比べじゃ絶対勝てない、それでいいかげん…気づけばいいのに。
そして綾子さんを見つめる彼の目に、「綾子さんのこと好き…」と聞いてしまって…
というか、運命と勘違いしていても…彼女の思いは本物なんですね。
「おまえがだまってると気持ち悪いぞ」というのは苦笑します。それではるかちゃんがいっしょに帰らない、と誘うのも、それからのことを思うと切ないです。
自分の居場所がない、と思ったら突然綾子さんの彼氏が…これにはなんというか、頭を締めつけられるようです。
それでずっとついていってしまうのが…そしてあくまで運命がどうのといって…よかった、と思っている自分を責めているのも直接的じゃないですがすごく伝わってきます。
「芳明くんはすっごくイミのある人だよ!!」という言葉は嬉しいでしょうね。それで…あのカバンを開いてはさみで髪を切ろうとするのは、痛々しいぐらいバカで…魅力的です。
一年経ってもこの調子、というのもまた苦笑します。どんな感じでこのままなし崩しに恋人同士になっていくか、すごく楽しみです…というか芳明くんがどんな顔して告白したやら。
さて次回作はどんな作品でしょう。この延長の、なんだか不思議な感じのする作品か、それともいっそう洗練されるか…楽しみです。

わん・モアスマイル
 とことん内気で、もう新学期が始まって二ヶ月たつのに誰とも話していないあずさちゃん。家庭でも両親とも忙しく、あまりに寂しい。
 ある日、帰ると犬がおり、その犬が妙な機械をいじると突然話し出した。研究者である母親のプレゼントで、犬と話せるドッグフォンがついていたのだ…
 その犬に導かれ、そこらの人に話しかけたりクラスメートに話しかけたり、人と話す特訓が始まる。

絵の迫力がすごいです。
クラスの子と話してない…なんというか、わかります。
親が家にいられないのに犬を買い与えるのははっきり言って無責任ですよ。誰が世話をするのでしょう?といっても、それを言うなら共働きでも…今どれだけのペットが、毎日十時間以上誰の世話も受けられない状態にいるかを思うとかわいそうすぎます。
この犬のリアルさはびっくりしました。
そしていきなり犬がしゃべりだす…犬がここまで人間と同じような思考をしている、と考えたら…動物実験とか捨て犬とか安楽死とかを考えると狂いそうになるのですが…
「ふーん」「じゃ」というすごい反応が苦笑しました。
それでそこらの人と話す、というのも…怖いようにも思えますが、犬をだしにすればできそうですね。僕も結構犬の散歩でいろいろありましたし。
いきなりクラスメートに話しかけられて真っ赤になるのも、気持ちがわかりすぎて怖いぐらいです。
いきなりこうして話しかけてくれるなんて、本当にいい人ですね。
ひたすら特訓、というのも結構スパルタな犬です。
犬にアドバイスしてもらうというのも情けない話ですが…うまくいきそうでもアドリブに対応できず、「美人なメス犬なら」ととんでもない言葉を出してしまうのは笑うほかなかったです。
おもしろいヤツ、といわれるのは悪いことではないのですが、こういう内気なタイプにとっては死んだほうがましなのもわかります。
でも…気持ちはわかりますが、「かいじなんかどっかいっちゃえ!!」というのは残酷すぎます。だからこそ、どれだけ痛いかがわかりますが…
かいじと母親の話もすごく胸が痛くなります。
「友だちがいなくなればママも心配して」というのがまた胸が痛くなります。
日立くんも、あの状態でも電話してくれたなんて…よほど心配してくれたんですね。
そして犬を触ろうとして、かまれそうになって…このシーンはすごくショッキングな描き方でした。
それですごくネガティブな考え方になるのもわかります。
そして、もう人間語で話すことができないのに…それでもあくまで愛情を注いでくるかいじには胸が痛くなります。
なんかもう、すごく…強い思いばかりがあふれていて、なんというかすごいです。
恋には進まず、友達と犬たちと遊ぶところで終わるのもいいですね。それ自体が彼女にとってはすごく難しい問題だったのですし。
とにかくすごく迫力がありました。次回作はどんな感じになるのか、楽しみです。

ぴよっこ・ガーデン
酢豚の地中海風メンマキャビア添え…猛烈にまずそうなのですが。
病気ではなく、運動会に両親をとなると彼女は無理だとわかっている…いい子すぎます。
おしんちゃんの母親は想像通りでした。
ユミカちゃんの母親は…でも本当は嬉しいのでしょうね。
うさぎ体操というのも楽しそうです。
そしてじいやたちの優しさも感動的でした。

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