なかよし2007年春ラブリー感想
予告を見てうれしくてニヤニヤしています。夢じゃない、本当に年五回…
でももっと早く、せめて年四回になっていればどれほど素敵な作品を読むことができたか!
まあ本質的には本誌に若手が食い込む余地が新連載、読みきりともにないのが最大の問題ですが。「りぼん」と少しは比べてみてください。
今回の増刊もすごく素敵な話ばかりでした。
ちょっとシリーズが多いため読みきりが少なく、雰囲気が固まっている感じは気になりますが、出ている若手はどんどん伸びているのが見ていて楽しいです。
かみちゃまかりん番外編(コゲどんぼ)けだものだもの(フクシマハルカ)ぼくらの恋のうまれかた(あおいみつ)ラブvイズ¥マネー(青月まどか)ベビベビがやってきた(遠山えま)メガネ王子(水上航)さくらにとまれ(水無月真)イノセントワールド(山田デイジー)アプリコット*キッス(栗沢じゅん)となりのネズミくん(菊井風見子)平安PEACH!(紗羅まひろ)ふあふあコットン(ハタノヒヨコ)きららプリンセス(小鷹ナヲ/田中利花)虹色パレット(ゆみみ)Yes!プリキュア5(上北ふたご/東堂いづみ)私立ヤバスギ学園(恵月ひまわり)ぴよっこガーデン(猫部ねこ)ひとりじゃないこと(春瀬サク)きみがいなくちゃ、はじまらない。(寿えびす)名探偵夢水清志郎事件ノート(えぬえけい/はやみねかおる)
かみちゃまかりんChu番外編
今度は花鈴ちゃんが子供ですか。やはり可愛いです、でも子供の頃から暴力的ですね。
まあこの状況では自分を守ろうとするだけえらいですが。
「ちくわはひっこんでろ」は理由を考えるとちょっとひどい気もします。
そして和音くんのいつもと違う変身もコスプレとしては楽しめます。
寝言の「わたしはわたしだよ」というのも、読み返してみるとえげつない気さえします。
子供が二人というのも…そういえば、鈴音くんの最初の反応が見たかったです。
キリオたちのコスプレは間抜けですが楽しいです。
神くんの花鈴変装とか変身とか、ひたすらコスプレコスプレで…サービス過剰気味です。
抱きしめてやっと花鈴ちゃんが戻ったら…真相にはあいた口がふさがりませんでした。
けだものだもの
えーと…感染するのでしょうか?
ハルキの姉弟の再登場も楽しいです。家族に相談できないというのも…そういえば親はどうしてましたっけ。
男版小夏がいきなりエロエロになるのも、もうエロエロ同士で好きにしたら…というか裸にして全身キスマークってかなりすごいのでは。
「タイホしちゃうぞ!!」って懐かしいというか楽しいです。
手錠をかけたら二人を手錠でつないでしまって、これはもう笑うほかありません。
翌朝は…あ、昨日の記憶もあるんですね。それはたまらないでしょう…いくらハルキを受け入れているつもりでも…それは別の話です。となると、本当に差別をテーマにするのでしょうか?
手錠のまま手をつなぎっぱなし、というのは男ハルキ、珍しく男を見せますね。
というか…ちょっとした工具があれば手錠の鎖は壊せるはずです。おもちゃの手錠なら手首がすれないよう布と革でカバーして思い切り引っ張るかペンチで鎖を切れば壊れるはずです。本物のきわめて頑丈な手錠でも、タガネとハンマーがあれば物理的に鎖を壊せるはずです。特殊な金属やすりや金のこでも可能です…デート先はホームセンターにすべきでした。
着替え用として更衣室に一緒に入ってしまうというのも過激な状況です。
半裸の彼女を抱きしめる状況で、しっかり目を閉じて…見たい、がまんできない、という心情をまともにぶつけてくれたのは嬉しかったです。
そして買ってしまったのがチャイナドレス、サービス過剰ですよ。
どんな病気も一発で、という宣伝…思い出しました、前に中華街で屋台の油条を買い食いして、凄まじい下痢になりました。
この体質は病気なのか…それ、ハルキはすごく傷つけるのでは?映画の「X-MENファイナルディシジョン」も思い出させます、ミュータントは、他人と違うことは治療すべき病気なのか…もしそれが性同一性障害などだったら…
で、両方変身したらあくまで男小夏が攻なんですね。
思い切り胸をもみまくるのもすごいながめです。でも…いつも自分がやっていることですよね。女の子にとっては、これって無意識的にいい気味だと思えることでは。
しかし、ここまでやっても色気がないというのはある意味すごいですよ。
「男とキスするなんて気持ち悪い」…いつも女とキスしている小夏ちゃんは?
鎖が切れて、…恵ちゃんの指摘には頭を抱えるほかないです。
街に彷徨い出て間違えて、それでそのままキスしようとするのは…それ自体はかなり過激な状況なのですが。
タイホしちゃうぞ、で落とすのはすごく後味をよくしてくれます。
一体どこまで行くのでしょうね、この作品は。
ぼくらの恋のうまれかた
4月1日エイプリルフール、罰ゲームで加奈ちゃんが偶然その場にいた男子に告白したら瞬時にOK!彼は訂正する暇も与えず、話を聞かず強引に引っ張って…
すごくよくなりました…絵がすごくすっきりして。
告白自体が罰ゲームの嘘、そこからの彼の強引さにはもう頭がふらふらします。かなりナルですよね、この彼。
手紙やメールで謝る、という手もあると思いますが…まあ考える余裕がないのは仕方ないです。
ただ、ランダムな男というだけでは同じ学校の人である必要もないですから、告白したのがどこで、どんな経緯で罰ゲームになったのかもあったほうが…いや、それを省いたからこそ冒頭からの抜群のスピード感が生まれたのですから、これはどちらが正解でもない難しい構成です。
その考える余裕がない、というのをうまく表現しているからすごく説得力があります。
「レギュラーになれたら告ろうと決めてたが」という言葉で彼がただのナルじゃなく本気だとわかるのもいいですね。
また、マネージャーとしての仕事をやりすぎている、というもう一つの筋がしっかり話を支えているのがまた素晴らしい!
で、言おうとしたらキスされそうになって「愛を語りたいのか」…宝塚の男役みたいにすごい台詞平気で言いますね。
でも飲み物のメーカーが違って、それでわたわたするのは可愛いです。「いつも加奈を見てたからな」は転げまわりましたが。
部長の言葉はすごく辛かったです。僕も…特に昔はすぐ余計なことをするほうですから、それがどれだけ悲しい言葉かよくわかります。
てつやくんの手の豆で彼が努力していることがわかる…そしたら、彼は自分がいつもいろいろ頑張っているのも見ていてくれた、これって特にさっきの部長の言葉の後ですから、余計に嬉しいでしょう。
そして自己否定の言葉からこの回想シーンにつながり、てつやくんが加奈ちゃんに惚れたきっかけも出している、この構成は本当にうまい。
DSが落ちているのはすごいですね。多分壊れているでしょうが。
犬が見つけてくれたのもうまく笑いを入れてくれますし、「そんなかんたんにあきらめたら」という言葉もすごく励ます思いが伝わってきて素敵です。
そしててつやくんの励ましもすごく心に響きました。
みんなが仕事を手伝ってくれて、部活での悩みが解決されたのもすごく嬉しいですね。
そして二人とも部活がうまくいって、堂々と告白…ここで友達が余計なことを言うのもうまいです。
加奈ちゃんがなんていっていいかわからなくて、それを風に飛ばされたユニフォームを追って行動で思いを示してくれたのもすごく伝わってきます。
「もうだまってずっとオレのそばにいろ」も宝塚の男役みたい…読者はこんな台詞言われてみたいと悶えているのでは?残念ながら日本人の、現実の男子に期待しても無理ですが。
でも本当に素敵な作品でした。
ラブvイズ¥マネー
セレブの愁くんと一般人のひなのちゃんは幼なじみで、なぜか彼は公立校を選んだため高校まで一緒。
小さい頃、「お嫁さんにしてくれる?」といったら「オレの財産めあて?」といわれたのがトラウマになり、ひなのちゃんは全然告白できない。
そんなある日、彼が指輪をくれた…でもそれはおもちゃだと聞いて、ひなのちゃんは怒ってしまい…
なんかもう、まぶしくて直視できない…というのが第一印象です。どんどん輝度が上がります。
あとどこかで聞いたようなタイトルですが、もう時効でしょう。
読み返すと笑うだけですが、冒頭部はあまりの子供の正直さに呆れるしかないです。
こんな金持ちが公立校というのも確かに謎。
ひなのちゃんがいつもいらいらしているのも魅力的です。
「そんなん一つしかなくない?」と迫るのも…これはキャーキャー叫びたくなります。
「一般人の中にいるほうが」という台詞も読み返せば照れ隠しだとわかりますが、一理はあります。ただし、実際には疎外される公立より、皆同じような金持ちである金持ち学校の方が居心地はいいでしょうが。
最初から指輪をいじっているのも読み返してみると意味深です。
追いかけてくれて少し喜んだら「あせってごきげんとりにきた」と落としてくれるのも、家同士の関係などもあって面白いです。
カツアゲの話は「殺し屋やとうぞ」という発想と、その表情が面白いです。
「ひなのが三万みたいないいかた」って、もしかして…三億円といっていればあっさり払ったとか?いや三億でも安いでしょう。
それで喜ぶ、と喜んだり落ち込んだりの起伏を丁寧に描いているのが伝わってきます。
カップケーキを渡せないのをわざわざねだる彼も…ひょっとして、わかって言っているのかもと思うと爆発します。
それでくれた指輪…「ケーキなんか」って言っちゃまずいですよね。「ひなのにあげたいんだ」「もらってよ」という強引な言葉はすごく女の子にとっては嬉しいでしょうね。
それですごく嬉しくてたまらない、というのもなんとなく伝わって、そこで「ただのおもちゃ」というので爆発する、この上がったり下がったりのジェットコースターは最高です。
そしておもちゃなんていらない、というのに「安物だから?」「けっきょくひなのも金なんだな」という…読み返してみるとお互いの誤解に笑うしかありません。
ひなのちゃんが欲しいのはとにかく気持ち、彼にとっては思い出の大事な指輪…お互い言わなきゃ伝わるわけないですって。
このドツボをどう解決するか、どうしようもないと思ったら…彼女のほうから行動するのは嬉しかったです。
「ごきげんとりにきたんだよ!!!」と、前の「あせってごきげんとりにきた」と対になっているのもいいです。
三百六十円…安!でも残りは一生分の愛…うわあああ!これはすごく素敵でした。
指輪についてひなのちゃんはおもちゃしか知らない、愁くんは本物しか知らない…このギャップも実に面白いです。
お互い、十年も何やってたんでしょうね。
ぐちぐち言うのに「はいはい」と軽く流してキスするのはすごく嬉しかったです!女の子にはかないません。
オチの、三百六十円でも返して欲しい…お互いその点では気を遣うでしょうね、でもこれだけ愛があれば何とかなるでしょう。
とにかく楽しかったです。次はまた輝度が上がるのでしょうか…ちょっと怖いですが楽しみです。
ベビベビがやってきた
これはさらに可愛いですね。
ミミムムメメの苦労は育児中の誰にとっても人事じゃないですよね…
ため息しか出ません。
メガネ王子
うわ、水上先生らしい作品、それもすごく好きな路線です!
「きょうは人生が変わる日」というのも、告白だけでも大きいのに…読み返してみるとすごいです。
で…あまりにも冷たい言葉に凍りつきました。
単なるメガネフェチ、というのがちょっと笑えました。可愛い。
この家の事情も結構リアルです。幸いホームに入れる経済力があったからよかったものの、もしなかったら…または政策で介護は家族で、となったら…幸子ちゃんは学校にも行けず介護ばかりになっていたかもしれません…社会問題として考えるとそれが怖いです。
どん底だからこれ以上の不幸はない、というのはなんとなくわかります。僕も「葉隠」に書かれているように、朝自分が死ぬことをとことんイメージして起きれば気が楽ですし…違いますね。
転校の必要が出るほど家が遠くなかったのは幸運でした。にもかかわらず十五年間一度も会わなかった、というのは…
ドアを開けたらいきなりメガネ先輩、そしていきなり…別れた旦那って、要するに幸子ちゃんの父親と別れて出て行って、それから結婚してまた別れて…なぜその連れ子を…なんだかわけがわからなくなります。
一瞬で二人きりと言うのも大変です。
マンションの玄関の狭さは結構リアルですね。
そしていきなりの「きみとの同居には反対だから」…で、こんなに早く妄想モードになるとは…気が早いです。
こんな夜に追っかけよう、という行動の早さ…といってもこんなところに入った時点で帰らなきゃ。
そして雨に濡れて出会った…といっても、悲しいことにすぐ彰彦だな、とわかってしまいました。
このマスターも親切ですね。
いきなりこんな、子供は触れちゃいけない世界に…それでブランデー入りのホットミルクで、対心が開いてしまうのはすごく胸が痛くなりました。
こういう場って心を開かせる力があるのでしょうね。
回想でなぜ先輩に惚れたのかが出てくるのもうまい。
ダーツでストレスを発散、と思ったら妙なスキンシップになってしまう、そしてすっかり酔っ払いに…なんというか、楽しいです。
橋でおもいきり叫ぶのもカッコよかったです。
そして言いたいことを全部言って、思い切り泣くのにはもう…僕もどこかで思い切り泣けたら…
ここでのアキラの優しさはすごく素敵でした。
そして朝、いきなり自分は下着で彼も裸、そしてやはり正体はメガネ王子!
でも「このインラン女」というのは、ちょっとためにする侮辱としか思えません。あまりにもひどい。
そして…「おまえみたいなお子さまに手を出すか」にはちょっと苦笑気味ににやけさせてもらいました。
むしろ水上先生のこういう作品をずっと読みたかったのかもしれません。これからが楽しみでなりません!
さくらにとまれ
今日から中学生!やっと一年上の幼なじみの智ちゃんに追いついた美緒ちゃん。
さっそく創立祭実行本部に入ると智ちゃんと、その美人のクラスメートもいた。
なんだか智ちゃんのイメージが違うし、他にもいろいろ…
シリーズも無駄ではなかったようですね。しかしどこまで伸びるのでしょう。
絵に柔らかさとはつらつした感じが出て、少し濃くなった分すごく表現力も高まっています。
入学式での美緒ちゃんの、新中一らしい清潔感と幼さなどがすごくよく出ていて、懐かしくさえ思えます。
突きつける指に「び!」と書いてあるのも…指をつきあわせるのはまさか「E.T.」?懐かしいです。
いろいろなあだなも面白いですね。
制服姿に大喜びで見せびらかしている美緒ちゃんも可愛いです。
大川さんの美しさは美緒ちゃんの幼さと対照的ですね。読み返してみると、美緒ちゃんがこの短期間でどんどん成長しているのがまたすごいです。
来年も強制でやらされる、というのはすごいですね。
そして大川さんと智ちゃんのなんだかいい雰囲気にどぎまぎして、大川さんと目が合ってびくっとして髪をいじる、ここがもうすごい!
ふと顔が近づいてしまってドキッとする、それで「はねるなゴムまり!」と、まだ行動自体は子供のまま、というのもあまりに…あの頃を思い出してしまって胸が熱くなります。彼の指差す癖も面白いです。
「教室での木野のこととか」と話しかけられてつい「智ちゃん」と叫んでしまい、それで椅子から落ちて…このオーバーヒートぶりには、ついつい中一の文化祭の準備で好きな子が何か高い作業をするのを下から足場を支え、勢いあまって尻でガラスを割ったことを思い出しました。というか、そのとき彼は「美緒」ととっさに叫んでますね!これもまた意識したら悶えます。
「小学生かよ!?」という叱責のショックもすごく直接伝わってきて、どうしていいかわからなくなりました。
「大川はこういうので」と、彼女をかばうような言葉につい大川先輩のせいにするようなことを言ってしまう…これにはもう胸が張り裂けそうになります。二年から三年の頃の、唇噛みっぱなしでの口内炎の痛みさえ思い出せるぐらいに。
このティンクはすごく大胆です。もし大川先輩だったらどんなにすごいか…そのイラスト見たいです…もう男子全員鼻血吹いて気絶ですよ。大胆なところもあるんですね。
ここで大川先輩が笑って「ライバルじゃないってわかった?」には、なんかもうすごく共感してしまいました。あまりにも可愛くて…「ねぇまさかいま気づいたとか?」にはもう笑いながら腕立てするしかありませんでした。
見せることを考えて照れてしまって、逃げてしまうところなんてもう息もできません。
そしてカーテンに隠れて…カーテンから出てきたときの大人っぽい感じには、冒頭からのあまりの変わりように言葉もありません。もう立派に女になっちゃってるんです!
「おまえ追いつけないくらいかわるし」というのは僕も同感…あの頃の僕にとって、クラスの女子、そして好きな子がどんなに…ああもうっ!
抱き寄せての「好きだよ」もたまりませんでした。思い切り飛び込んで泣くのも…
これからもものすごいスピードで成長していくんですよね、女の子という生き物は…それに比べ男子って、確かに背は伸びますけど…まあいろいろと成長しないわけじゃないですが。
いやーつくづく素晴らしいです。何で本誌に出てこないのか…
イノセントワールド
やっぱりこういう重い話になるとこの作風は際立ちますね。
いきなり両親の離婚に「あっそう」というのは現実感がないからでしょうか?
特に日本では面会制度が整備されていないため、大抵は父親と一生会えないことも多いのですが…
そして翌朝の元気さには驚かされます。対照的な岡崎さんとの関係もどう話を進めるか楽しみになります。
「あたしはべつにお父さんのこと好きじゃないし」という言葉は、父を亡くしている僕にはかなり辛いです。母親に比べ意識されにくい存在ですが…
弟とは仲がいいんですね。年が離れていることもあるのでしょうが。
一緒にいることについて「ホント?」と約束してしまうことが、後半には重く響いてしまいます…
焼きたてのほうがおいしい、というのはなんでもそうですね。母親も忙しい…かなり両親とも忙しい共働き、そういえば弟も迎えに行っていましたし。その迎えに行った先が幼稚園か小学校かよくわかりませんでしたが、後半で学童保育だと出ました。
クッキーの生地でうんこを作って遊ぶのも笑ってしまいました…それ、自分で食べなさい。
ほとんど三人で生活してきた、といっても母親も忙しいのなら実質二人でですね。
父親がクッキーを持っていっていなくて、そして食べてみたら全然おいしくない…ここの描写はずきっときます。
スーツのまま、風邪なのにラーメンを食べている…父親の生活の惨めさもかなり強い印象があります。小さい頃、春夏冬夏休みは大抵母と子供たちが帰省し、父だけが一人暮らしをしていましたが…それはどんなだったのでしょう。開放感もあったでしょうが、かなり大変で寂しかったのかも。
父の看病にしても、なぜいいわけをするのでしょう…そのまま事実を言えばいいのでは?やはり離婚問題が気づかないレベルでしこりになっているのでしょうか?
この家で一人ぼっちといっても再婚の可能性も…あ、再婚の可能性についても彼女の心からは遮断されていますね。
おばあちゃんちなら一人一部屋、この一人一部屋というのも子供にとっては結構大きい問題ですが、そのほうが親の離婚より重大だと言うのも子供らしくリアルです。
部屋に入ったら怒る、ということが問題になる…こうして約束が積み重なり、痛みになるのも…
そしてクッキーを父のために作ることを隠すのが、まるで…父に優しくするのが裏切りのように思えてしまう、というのも痛みを感じます。
家族、特に父親に対して否定的な言葉があふれている…思春期はそういう圧力がありますね。
捨てようとしたクッキーを食べてくれた岡崎さんとその言葉…彼女は何も知らずに言った言葉だと思いますが、感情自体を意識化で察してでしょうか?
そして、父親といるという決断、弟の怒り…母親も控えめにですが「お母さんもきてもらいたいわ」という言葉…
二段ベッドだと下の泣き声をずっと聞かなければならないのが辛いですね。
でもこのまま離婚がなく成長したら、ずっと姉弟の二段ベッドはきついのでは?と少し思いました。その頃には一人一部屋の大きい家に引っ越していますか…でも誰もが収入右肩上がりは戦後の高度成長期とその延長だけで、今後はもう無理…といっても、今後収入が低いままの層は子供自体生まないからその心配はないでしょうか。いや…実際には低収入のままの層も、複数の子供を生む家は少なくないはずです。大変ですね。
弟が行方不明、というのはすごく不安ですが、学童側の連絡が早かったのは嬉しいです。
携帯電話にも出ない、ここで特に親しくもなかった岡崎さんが助けてくれたのはいろいろ嬉しいでしょうね。
「ぼくのことがキライになったんでしょ?…」といういかにも幼い物の見方がすごくリアルです。
お互い泣きじゃくってごめんなさい、となって、一緒に寝て「二段ベッドはこのまま」というのもすごく胸が温かくなります。
「家が二つに増えた」というのは素敵な見方ですね。なんでもプラスに見ればそれだけ…。
「家事は分担だからね」という言葉も、これからの…変化はありますが幸せを予感させる、すごく素敵な幕切れです。
恐ろしいほどリアルですが、やはりすごいですよ。
そして本誌進出の知らせは飛び上がるほど嬉しいです!楽しみです。
アプリコット*キッス
恋愛ドラマをいっしょに見ていて、好奇心と勢いでキスしてしまった幼なじみの杏と知鶴…でもそれから杏は意識しすぎてぎくしゃくしてしまう。でも幼なじみだからどうしても接触は多く、どうしようもなくドキドキしてしまう。
それに彼は、美人の美咲さんにべたべたされて…彼女の「ただの幼なじみってほんとう?」という問いに、「ちがく…はないけど…」と答えてしまって…
幼なじみといっても二人肩を寄せ合って一緒に恋愛映画って、意識してないにもほどがあります。
そして好奇心だけでキス、それも女の子から迫るのにはびっくりしました!それも断ったらナンパと脅してまで…。すごいです。
わかったよ、といってから一気にキスしてしまうのは自分がしてるみたいで胸が激しい空腹のようにざわめきます。
感想も何も…ぼーっとしてしまう杏ちゃんもかなり刺激的です。あのまま恋愛映画の続きなんて見たら倒れるか、男のほうが理性切れるでしょう。
ホチキスとかでびくっとなる意識しまくりがまた可愛い。
ここで美人のライバルの登場…「幼なじみ」という言葉で自分を縛りながら、意識しまくっているのはわかっている、という状態もなんかもうくすぐったくて。
おすそわけというのもいいですね。
ちづるママのビラビラファッションも面白いですね。
そしていきなり部屋に引っ張り込んで、何されるかと思ったらドライヤーで髪を乾かしてくれた…そして髪に触れられることさえ妙に官能的で、もう見ていて頭が煮えそうです。羨ましいと腹の底から出てきますけど。
母親が出てきてびくっとしてしまうのも楽しいです。
美咲さんの質問に「ちがく…はないけど」と墓穴を掘ってしまうのもパターンですが楽しいです。
カラオケに誘われても断ったりムキになったり、この心の揺れも見ていて楽しいです。
飲み物で優しくしてもらってほっとする、というのも素敵ですね…そしてそれからからかわれ、やはり強く否定してしまって王様ゲーム、という流れもいいですね。
つい美咲さんを突き飛ばしてしまい、謝ることもできない…心がフリーズしてしまう、ここも僕自身体が動かなくなってしまいそうです。
そして「好きな人どうしがするものじゃん」「好奇心でしたがるやつもいるけどな」…そして「してる」の一言、胸がぐっと押しつぶされるようでした。
そして彼を待ちながら自分の気持ちとじっくり向かい合うのもさりげないですがすごくうまい流れでした。
それで告白して、美咲さんからの電話に後ろから杏ちゃんを抱きしめながら答える…これはうますぎます!
改めての本当のキス、多分…全然違う味でしょうね。そして三度目…もうたまりません。
次はどんな作品か、楽しみになってきます。
となりのネズミくん
小さいネズミくんこと根津実貴、長身のキリン子こと花垣喜鈴子…背が小さいネズミくんを、入学式で名前からネズミ、とうっかり呼んでしまってそれ以来目の敵にされている。
ある日、階段で落ちて人格交換が起きてしまい、いろいろ心配していたら彼は何も考えず外で遊んだり、逆にコンプレックスだった自分の長身が少し違うように思えたり、いきなり前髪を切ったりととんでもない行動ばかり、やはり気が合わないのかな…
とにかく面白かったです。
扉から、こういうちょっと口元を歪めたような微笑はすごく好きです。
冒頭の入り方はやや自然…回想で、名前が読みにくくてごそごそしてたらネズミくんになってしまった、というのが悲惨と言うか…ここのネクタイを下げている巨大ネズミのイメージ表現がまたすごく表情豊かで可愛いです。逆にキリンのイメージは出しませんでしたが、考えてみればそれを出していたらくどくなっていたでしょう。
読み返してみれば彼の「あーあバッカみてー」というのも、本当はまた同じクラスになれて嬉しいし、告白するつもりだったのにまたケンカしてしまった自分に言っているんですよね…。
回想で喜鈴子ちゃんの髪型は基本的に同じで少し短い、というのもわかりやすいです。なぜか全体的に体からも少し幼い感じが伝わりますし。
丸一年やられっぱなし、というのもここは徹底して喜鈴子ちゃんの側から描いていますが、他にもいろいろあったことが後にわかってきます…そういう積み重ねで二人それぞれの性格と、これまで一年間の関係が肉付けされていくのが実にうまい。
「ずっとこんなままなのかなぁ」というのは…好き、というわけではないようですが…
日直で荷物を運んでいて、といってもこうして運ぶのは一見やりやすいようですが危険です。一人で運べないものを二人で運ぶ場合、ちゃんと向き合って運ばないと。
彼がいつもイライラしている、というのも読み返してみると彼は彼女のことが好きでたまらないからなのですが…それを思うと頭が沸騰します。
春風にあおられて階段から落ちて、その落ちたときのちょっと崩れた表情や幽霊のイメージも可愛いです。
そして…はは、人格交換…「ちがう誤解されるだろうが」というのは本当に冷静ですね。
体育とかない、というのはもう、この話にはお色気はありませんのであしからず、と言っているようなものですよね。「水とか飲まないでよ」「トイレか」というのも、なぜか初読時は女の子はトイレに行くのが恥ずかしいのかな、とボケた捉えかたをしてしまいました。この絵柄と雰囲気のせいで不思議なほどお色気を意識できなかったようです。
考えてみれば体育の着替え、風呂が人格交換お色気ネタの中心ですが、現実的にはトイレが一番お互いすごいことになるし、体育がなくても夜までに元通りになってもトイレは行くことになりますね…まあ具体的には描かずはぐらかすことになるようですが。
擬人化ネズミのイメージにリボンと髪がついていて喜鈴子ちゃんの内心を表現するのもすごくうまい…おろおろする表情にちょっと気弱な性格がよく出ています。
そして喜鈴子ちゃんの外見で内面はネズミくんの明るく楽観的な笑顔、それを呆然と見ている喜鈴子ちゃん…ここの対照がすごくよかったです。この作品全体で、内面と外見を重ねて表現するのが多用されているのもすごくいい表現になっています。
ポケットの中身でネズミくんが慌てる、それで少しネズミくんが気になる…ここもうまいです。
名前を呼ばれてつい二人で立ってしまったのは間抜けでほほえましいです…そして教科書で助けてくれて、ついでに落書きも、というのは…といってもぼーっとしたのはネズミくんもでは?
「きのうかしたあれ」というのがまた…これには頭を抱えました。ネズミくんは人格交換を隠さなきゃ、という配慮はあまりないようですね。普段から演技の部分が少ない率直な性格なのでしょう。
喜鈴子ちゃんのイメージは猫背と前髪…それは背が高すぎることがコンプレックスになっていて、前髪が長いのもあまり顔を見せたくないから…本来そのコンプレックスを序盤できっちり描いたほうがわかりやすいでしょうが、この作品ではそれぞれの性格は積み上げて描写するやり方を選んでいるようです。そのほうがいい面も多いですよね…やり方は一つだけではないです。「身長だけ入れかわれれば」という内心もそのコンプレックスを積み重ねて描いています。
逆にネズミくんはせっかくの身長を思い切り楽しもう、とあくまでポジティブですね。
それではつらつと動き回っているのが全然違うように見える…今のネズミくんの内面と喜鈴子ちゃんの体の組み合わせが妙に魅力的、というのが面白いです。それで「あの子きれい」といわれて照れてしまうのも…逆に堂々はつらつとしていれば、身長とか関係なしにきれいなのかもしれません。
あと、バスケをしている全身像を見ると喜鈴子ちゃんってすごくスタイルいいですね。そのことも、これまで猫背で隠すようにしていたから回りにも、自分にも見えていなかったのでは…いや、気弱な女の子がもしプレイメイトの体だったらそれすら否定的に感じてしまうかも。
転んで保健室というのもうまく落としてくれました。
これまでの一年間の、保健委員とやんちゃ坊主という二人の関係の別の面が描かれているのもいいですね。
そして喜鈴子ちゃんの姿でのネズミくんのまなざしが、ものすごく愛情が深くこもっていてたまりませんでした。それで目をそらしてしまって鏡を見て、それが次のきっかけになるのもうまい。
もったいない、という言葉にすぐからかう気、と被害者意識で、「どうせ「いままで背が高すぎて〜」と、背が高いことを否定するような言い方をして…これも喜鈴子ちゃんのコンプレックスの深さをよく描いています。またそれにネズミくんが怒って前髪を切るのも、そのコンプレックスに対してこれまで彼が感じていた怒り、せっかく魅力的に生まれたのにそれを猫背と前髪で隠している事に対するいらだちをうまく出しています…怒りが言葉にならず、まず行動になると言うのもより共感できます。
「こっちのほうがだんぜんカワイイだろ」という言葉でいいムードになって、でもネズミくんも正面から見つめられると軽い反応をしてしまい、それで喜鈴子ちゃんはからかわれてると思って怒ってしまう…このすれ違いも絶妙。
彼女の「気が合うわけなかったんだ」という気持ちがなんだか胸が痛いです。
きてくれたネズミくんの表情もすごくいいです。そして一気に木に登ってしまう…この引っ張り上げる外見喜鈴子ちゃんの下から見た表情も素敵でしたし、この木の上から見る桜の素晴らしさ!とくん、とくんと心臓も静かに高鳴って喜鈴子ちゃんの気持ちが間接的に出てくるのもたまりません。
そして木から落ちて元に戻る、ここでも春風が使われてどちらも春風のいたずら、と対にしたのがまたうまい。
あの隠したポケットの中身…「自分の顔に向かって告れるか」とついうっかり告白してしまう、というのがまた頭がかきまぜられたようです。
そして返事は、というか喜鈴子ちゃん自身は彼のことが好き、とは言葉では表現されていないんですよね。でも間接的にはすごく一杯描かれている…桜の下で笑い合っているのも、OKしたからだと深読みできないこともないですし。
お互いのことがよく見える、というのも次の日の勧誘も、何かとほほえましいです。
すごく素敵でした!細部までの密度の高さ、積み重ねで描かれていく二人それぞれの魅力、読み返してみるとわかるネズミくんの思いの深さ…何回読み返しても飽きません。
コンプレックスにとらわれず、目線を変えれば欠点だと思っていたことも魅力になる、というメッセージもすごく素敵でした。
一気に実力が開花したようですね。他の読者がどう評価するか、そしてこれだけの実力がこれからどんなジャンルの作品で別の光を放つか…とにかく次回作が楽しみです。
平安PEACH!
平安時代、心ときめく恋がしてみたくてずっと求婚を断っていた桃姫が突然雷に打たれ、現代の学校にタイムスリップ!
そこで求婚者と同じ名の高藤くんに、野球を教えてもらったりいろいろ助けてもらって…
冒頭からつっこむ余地が多いです…確かに文の交換はありましたが、婚約と言うより通い婚ですし…
十四歳での結婚を「いまの時代それがあたりまえですからね」という侍女の言葉には突っ伏したくなりました。
心ときめく恋がしてみたい、という娘が多かったから『源氏物語』や『落窪物語』があんな人気を博したのでしょうか。
雷に直撃され、骨が見えて直後に消えるというのも相当ぶっ飛んでいます。
で、現代の教室にいきなり出現…結構描写がリアルで、気恥ずかしい感じさえします。
いきなり教室を崩壊させているのも深層の姫君らしくないですね…
ただ、カルチャーギャップや情報交換はもっとじっくり楽しみたかったです。実際の生活習慣、食生活、家庭制度、ほかにも大量の文字通り生きた歴史資料になるでしょう。逆に彼女から見たら、魔法としか思えない超技術の数々にすごいショックでしょう。
いや…もし彼女が天然痘を持っていたら、みんな免疫ないですから大変なことになりますよね…
言葉も通じるほうがおかしいのですが…
大仏の頭をかぶった男子には混乱しました。
保健室に二人だけでおとまり、というのもずいぶんすごいシチュエーションですね。
野球を知るわけはないですね…フォームを教えようとしてスキンシップになるのもドキドキします。
いろいろなことにドキドキワクワクし、高藤くんの顔もまともに見れない、という心情はうまく描けています。
いっしょにいたい、好き…と思いを確かめて二人眠りにつき、恋心というのを自覚したときに別れのときが…「好きな子くらい…おれに守らせろ!!」という台詞はカッコイイです。
こちらでは記憶ごと消滅し、ただ高藤くんの涙に代わっただけ…でも昔では、目を覚ました姫のところに飛んできてくれたのが…やられました。
ただしちょっと意地悪な見方をしたら、未来の服を持ってきてしまっていたこと自体タイムパラドックスを起こしかねませんし、それにもしセイタカアワダチソウなど帰化植物の種がついていたら大変なことになりかねないのですが…逆にトウモロコシやジャガイモ、サツマイモはもちろん、レンゲ、クローバー、アルファルファなどマメ科緑肥牧草の種を一粒でも持っていけば桁外れに生産力を高めることもできます。トウガラシ、タイム、クレソンなどハーブも食生活を一変させかねません。そしてこっちでは小学生の算数でも向こうでは…。逆に今蔓延している新しい病気はエイズなど性病が多いので、逆感染の心配はないでしょう。
「ひとめあなたをお見かけした」…源氏物語を思い出します。
「すっごい好きです」なんてそんな現代語のわけがないのですが…まあいいや、という気になります。
現代でも生まれ変わり同士が、というオチもきれいでした。
全体に雰囲気は明るいですし、少女コミック出身でしたが特にエロではないですし楽しめました。
次はどんな作品でしょう…
ふあふあコットン
ハタノ先生の毒よりふわふわな感じがよく出ていますね。
でも風に吹き飛ばされ、女の子に激突して…本人はピンピンしてるのに女の子の方が鼻血、というのはやはり結構毒があります。
この子がごく個人的な悩みを、自然にコットンに話しかけるのが不思議です。
全く無関係な存在の方が相談はしやすいのかもしれません。
で、いきなり「コットンは友だちでしょう?」というのにはびっくりしました。
いきなり動物達に歓迎されるのはそれはビックリするでしょうね…
底なし沼でのピンチはかなりドキドキしました。
友だちというのも簡単なのか難しいのか…いろいろ、頭で考えないようにしても感覚レベルで考えてしまいます。
きららプリンセス
今回は少し面白い展開でした。どこのプリンセスも登場せず、メインストーリーの展開ですね。
「気品と…そして責任の象徴」という言葉が重いですね。ノブレス・オブリージュのないシンデレラストーリーには大きな罠があります…
次の世界へ行こうとしたら荒廃したパラディソス、というのはびっくりしました。
シルフィが裏切ったと言うのもショックです。
争いもなく平和な天国…みな目が死んでいる…これはやはりぞっとさせられます。でも、感情という無駄を消せば…確かに幸せはともかく、不幸の多くはなくなるかもしれません。
感情のせいでしょっちゅう戦争が起きる世界と、感情がないけど戦争がない世界のどちらがいいでしょう?感情がどれほど不幸を生み出しているかを考えれば…特に差別される側の人間から見れば、感情がなければ差別もありえないのだから天国だと思わないでしょうか?
『すばらしい新世界』にしても『1984年』にしても否定的に読まれていますが、どちらもプラス面もあります。
ただ、問題は人間は…ユートピアはもちろん、ディストピアにも簡単には至れないでしょう。その過程の…ポルポト派のキリングフィールドのような悲惨と混乱と腐敗が延々と続くのが落ちではないでしょうか。
「うれしいときに笑って悲しいときに泣く」という言葉も、そんなことができる人がどれだけいるかを考えると暗澹とします。僕も感情を押し殺してばかりですよ、泣いたりしたら自壊してしまいますから…。そしてうれしい悲しいだけでなく、怒りに素直になったら殺人が多発するでしょう…
レイが助けてくれたのは当然ですが、きららがシルフィを助けようとしたのは意外でした。
「ほんとうはわたしのことジャマ者だと」「いい子ぶってないではっきりいいなさいよ」という言葉には全身が凍りました。
でも…「そうだよ」と本音を言った上で、それでもレイの思いを尊重してシルフィを助けようとする…シルフィの反応もわかります。ここまで強い愛情を見せつけられたら、自分の卑小さを痛感して…日光に照らされたミミズみたいに干からびてしまいますよ。
レジスタンスの存在もほっとしました。そしてある意味正式なプリンセス宣言…ここで、冒頭の責任という言葉を受けとめたのでしょうね…「命をかけて」という思いで。
ただ、レジスタンスが攻撃されたということは…ほかのメンバーがどれほど悲惨な拷問の末に公開処刑されたかを思うと慄然とします。それもまた、皆が命がけで二人を守ってくれた、あまりに重いものを背負ってしまっています。
シルフィの助け、バルドーの攻撃、そして反応しない扉…とにかくスリル満点です。
虹色パレット
なんかひなこちゃんが主人公に移ったような感じですね。
しかし…本人は大変ですが、この時期が一番安全圏で見ている読者にとっては楽しいです。
つい雅ちゃんを誘ってしまうのも照れくさくてですね。
なんでダメ人間が豚足になるのでしょうね。こういうセンスがすごい。
ドキドキするのが何でだろうって好きだからに決まってるじゃないですか。
雅ちゃんから見れば両思いの悩みなんて羨ましいだけ、でも本人が大変なのはわかるのが優しいですね。
結局ダブルデートになってしまうのは苦笑します。
で、ひなこちゃんの重症はもう見ていられませんよ。
動物園はデートばかり、というのは考えるだけで機関銃を取り出したくなります。
「こっち見ないでっ」と突き飛ばすのもラブラブの激しい表現なのですが…多分この二人もしばらくしたら他のバカップルと同じようになっていくのでしょう。
「いーかげんガキすぎる」というのはひどい。だから「ガキっぽいのは颯のほうだよなー」にうなずきます。
花一輪でこんな嬉しそうな顔、というのも素敵でした。
でもまたすぐガキって言う…まったくもう。
それで手を引っ張ろうとしたら「楓がエロイよ」って…もう尻からロケット噴射が出て椅子から飛び上がりそうでした。
怖い、という思いは…残念ながら両思いになったことがないので、わかろうにもわかりません。
雅ちゃんが何も言えない自分の無力を悲しく思うのも素敵です。何も言えないで抱きしめるだけでもいいかもしれません…
「おこってなかった心配してたよ」と一言だけでまたこんな表情…本当に表情豊かです。
「オレらもどっかいこー」って意識しているのでしょうか?
そしてまたひなこちゃん、意識しすぎて動けなくなって…颯くんがあまりにわかってないのに怒りさえ感じます。彼女泣かせちゃってるし…
ひなこちゃんが自分を責める回路にはまってしまっているのはもう、切なくて胸が爆発しそうです。颯くんが今すぐ彼女を抱きしめれば…とも思いますが…もうっ!
雅ちゃんの側もいい感じですね。昴くんが素を出してない…とは?
そしてドツボにはまったひなこちゃんに、雅ちゃんの精一杯の言葉…すごく真心が伝わってきます。
そしてウサギの着ぐるみで仲直りしようとするのもかわいいです。
もう…なんだか頭がくらくらします。たまらないです。
Yes!プリキュア5
お姫さま抱っこの華麗さは素晴らしかったです。「ごくごく軽度の打ぼくと」という言葉に嫌味が混じっている気がするのは僕だけでしょうか?
五人ともなんと言うかすごい子が集まってますね。
お姫さま抱っこの感想を恥ずかしそうに聞くのも、喜々として話すのも女の子らしくて楽しいです。
それでナッツが唐突に皆を抱き上げる、ってちゃんと「お姫さま抱っこ」するのはココだけで、後はいろいろ違いますが。
いきなりナッツが別の美女をお姫さま抱っこしている…蜘蛛はやはり怖いです。
変身した五人はさすがに華麗です。でも戦闘シーンはカットですか、残念。
そしてまたお姫さま抱っこ、それについドキドキしてしまうのは…どうしようもないですね。
なんだか、僕が昔お姫さま抱っこと言うものを知らなかったのが残念に思えてきます。昔の僕にそんなことができる体力はなかったでしょうけど…
私立ヤバスギ学園
もうどんな男が出ようと本当は敵だとしか思えなくなりました…
ガンダムネタはともかくあまりに堂々としたセーラームーンネタには頭を抱えました。
というより今の読者に、ファーストガンダムもセーラームーンも通じるでしょうか?
あと、ナチス敬礼と「ハイル」は犯罪ですよ。そのうち従軍慰安婦や南京大虐殺についての異論も犯罪になりそうですが…人類全体で。
ぴよっこ・ガーデン
お花見と言えば宴会…ブドウの絵が怖いです。
なんか初々しいファンと思ったらユミカさんでしたか。
桜をまとめて買い占めるとは乱暴なことをしますね。でもみみ子ちゃんも人物紹介にはセレブと書いてあるのですが、それで逆襲できないのでしょうか?
おしんちゃんはさすがにちゃっかりしていますね。
数々のトラップというのも…クマと思ったらカブトムシ、これは男子にとっては絶対勝てない誘惑ですね。あと拳銃や刃物、戦闘ロボットを一山ばらまいておけば…
そして女子は…これには笑うほかありませんでした。
そしてあばれぐまから舞桜ちゃんをかばって、それにまたがっての襲撃にはドリフの豪快な滝落ちさえ思い出しました。
お友だちじゃなくておねーさま…若くして真性?
得したのはおしんちゃんだけですか。
ひとりじゃないこと
新学期、すごく皆に好かれてる燕ちゃんは強引に生徒会役員に任命された。
皆歓迎してくれるけど、元クラスメートの真知ちゃんはなんだか怒っているような感じ。
それで皆に手伝って、と呼びかけたけど、皆は嘘をついて帰ってしまい、一人でやることに…
やはりこういう、重い心理を描くとすごい切れがあります。
はじめの明るさが心地よく、どんな楽しい作品かわくわくさせます。
いきなり拉致され、強引に引っ張りこまれたのがごちゃごちゃの部屋、何?と強く引き込まれます。
生徒会それぞれも楽しそうなキャラで楽しみです…真知ちゃんがちょっときつい雰囲気ですが。
人柄、ですか「明るくて友だち多くて信頼あつめてて」それが学校で一番理想の人格なのでしょうか。
真知ちゃんが怒ったように見ているのは初読時はいぶかしかったのですが、読み返してみるとすごく共感できます…だんだんと話がわかるにつれて、どんどん真知ちゃんに共感していくのです。
みんな燕ちゃんと楽しく話しているけど、手伝ってといわれるとすぐ引いてしまう…ここから徐々に違和感が、頭痛とともに強まってきました。
本当はカラオケだった、ということに…もう中学のころの僕だったら机をひっくり返し、椅子を投げつけていたでしょう。
「明るい毎日大好きな学校」という言葉の部分と頭痛のギャップに、僕だったら耐えられないと激しく思います。
頭痛でもう友達の話についていくこともできなくなっている…あまりにも自分を大切にしなさすぎる…倒れるまで!
真知ちゃんの怒りは僕も非常に強く共感できます…小学校のころ、好きな子もとても皆に頼られる子だったので、よく学級委員などに推薦されていました。でもそれがあまりに度重なり、彼女が泣き出したことがあるのです…僕には机を殴ることしか…いや、それさえ後に捏造された記憶かもしれません。記憶にはただ、直後見つめている洗面台の画像しか残っていません。想いを言葉にすることができなかったのが、思い出すだけでもどかしく…だからきちんと言葉にできる真知ちゃんがうらやましくてならないです。あのとき、せめて泣き叫んで暴れるぐらいはしたかったです。
燕ちゃんと彼女は似ているのでしょうか?わかりません…あまりに僕は彼女のことを知りませんでしたから。
いつもと同じ教室のはずが、ものすごく孤独に感じてしまう…僕自身の孤独とは質が違う、すごく重い孤独ですね…逆に彼女には、何でも話せるし頼める本当に親しい親友がいなかったのでは?
気持ちや言葉が消えてしまうほど強い抑制には尊敬さえ感じます。
柴坂副会長の優しさもふっと心に、疲れたときの甘いホットミルクのようにしみこんできます。
それで心を開いても、周りを責めるのではなく自分を責めてしまう…どこまで倫理観が強いんだろう、とため息が出てきます。
個人的に少し怖いのは…彼女は、これまで周りで起きたいじめに対してどう対処してきたでしょう。「うまくつきあうことだけ」考えてきた彼女は、いじめも率先して加害者になっていたのでは…そうせずに生きてこれたのか、とそれが不安でなりません。
嘘が多かったとしても、クラスのまんなかにいてまわりを明るくしていたのは事実…その言葉もなんだか重いです。真知ちゃんの目からは嘘に見えたけど…どっちなのでしょうね。
燕ちゃんがいないと一気にクラスの雰囲気が悪くなる、というのもすごいです。たった一人の存在がそこまで…
また、みんなも悪意や軽侮をこめて手伝っていなかったのではなく、自分がやらなくてもほかの誰かが、という心理だったとは…
そして体育館のドアを開けたときのみんなの姿には、ちょっと汚えぞ、とさえ思ってしまいます。前半で感じたみんなの邪悪な感じに心が浸っていたから…むしろそんなはずはない、人間はもっと邪悪な存在だ、とさえ自分が叫んでいるのがわかります…でも、僕自身いつも言っていることですよ…本来の読者にはプラスのメッセージを、光を伝えてほしい、と。こうして光を伝えることを選んだのはすごく難しく、正しい選択だったと思います。
自分の声も聞き逃さず、そしてみんなを明るくまとめて引っ張ることも続ける…あまりにも難しい道ですが、これだけいい仲間がいるなら大丈夫でしょう。
なんと言うかすごい作品です…これだけみんなの勝手さを強調してから、それを一気に逆転させるなんて!
次はやはりこの、少し重い路線でしょうか?それとも…とにかく楽しみです。そろそろ一度本誌でもチャンスを与えていいと思いますが…。
きみがいなくちゃ、はじまらない。
完全に幼なじみのよーた君をパシリにしている朱夏ちゃん…ある日突然彼が独立宣言!
それから少しずつ彼が変って、自分も彼がいないとニンジンの入った食べ物を誰が食べるのとか、彼の膝枕でないと眠れないとかいろいろ…
でも彼も変わったけれどお人よしは相変わらず、利用されてばかりで無理しすぎ…
かなり大胆な作品ですね、デビュー作でこれだけ性格の悪い主人公とは。
おやつ代さえ払わせるとは真性のパシリですね。この年代はかなり支配服従が直接的になることがあるのでわからなくはないですが。
「あたしがいなきゃなにもできないもん」とあっけらかんと…本当に彼女、良心がないのでしょうかとさえ思います。
この会話を立ち聞きしてたらそのうち怒りますよね。誰だって奴隷でいたくはないでしょう…少なくとも意識的には。本当は人間には奴隷でいたいという強い本能があるのですが…
全教科平均点、というのでこうして褒めるのはいい先生ですね。
見せびらかして殴られる一瞬のやり取りが妙に楽しいです。
運動もだめでも必死でついていくのはカッコいいです。
「よーたのくせに」を連呼するのは…なんというか、人間の本質を見せる鏡があればいいのですが。
うっかり「はいよーた食べて」といつもどおりにやってしまうのは空白がすごく生きていて、心にすごく強く伝えてくるシーンでした。
しかし膝枕がないと寝られないというのはとんでもなく甘えていたんですね…
そしてよーたが女の子にもてている、と思ったらやはり利用されている…成長したといってもお人よしは変わっていない、というのがなんだかほっとします。いきなり完璧超人になるんじゃあまりに極端ですからね。
そして、それを非難したことから自分を見てしまう、この心情の変化はうまく描かれています。
「うしろを歩くのはイヤ」という言葉はまぶしく思えます…僕は徹底してわが道を行くことしかありませんでしたから。
倒れた彼が保健室の先生に心情を自然に打ち明け、それを朱夏ちゃんが立ち聞きしているし先生もそれを知っている、このシーンはすごく素敵です。
みんなにいろいろ頼まれているよーた、それで朱夏ちゃんが怒って、自分が引き受ける…なんだか心地よい笑いが浮かびます。
自分もよーたも一人ではやっていけない、というのは、両方が一人で大丈夫になる、というよりいいポジションかもしれません。
恋愛がこれからというのもより心地いいです。
さて、問題は次回作…どんな作品でしょう。まだたくさん成長の余地はあると思うので、楽しみです。意外と化けるかもしれません。
名探偵夢水清志郎事件ノート
「時代考証問答無用」という言葉が全てですね。でも…あまりにも、教授がそのまますぎて…現代の夢水教授がそのまま江戸時代にタイムスリップしたとしか思えないのですが。
扉冒頭の干からび方はすごすぎます。
与力、同心、岡っ引の関係は…一度ネットで調べてください。意外と面白いです。
牛や豚のそばの小屋がどう悲惨なのかは、漫画では臭いが伝わらないからわかりにくいです。
夢水清志郎左右衛門…頭を抱えたくなりました。というかあまりにそのまま。
十手を自分で作るのはどうなのでしょう…十手はお上から与えられるもので、非公認の岡っ引に与えられるはずは…でも私物というパターンもあったようですし…まあ時代考証問答無用ですね。
西洋にいた、という時点で死刑に相当する犯罪者では?
だんなが逆切れするのは見ていて楽しいです。「ぐれえとでてくてぶ」というのも、本当に英語圏にいたか英語を勉強していたのでしょうか…
名探偵の仕事はみんなが幸せになるように…逆に同心や岡っ引はお上のために、が違いますね。お上や社会の安定を保つのが仕事です。それがいいほうに出れば鬼平が被害者を守るため葵小僧を即座に斬ったように、逆に悪いほうに出れば冤罪承知で押し通すことにも、関東大震災で憲兵が反政府思想家を虐殺したようにもなる…今の警官もそうですね。あと世界の名探偵の相当部分は、みんなの幸せより真実を優先するのでは?たとえば『愛国殺人』のポアロは?ハードボイルド名探偵は自分の美学が最優先でしょうし。
あからさまにあやしいヤツは犯人じゃない…クリスティの場合かなり事情が違いますが。
れーちと麗一はどうでもいいこまかいこと、というのがまあくすくす笑いが出ます。
キラキラ光るとけない氷…先端技術に対する憧れがさりげなく伝わってきて、すごくいい印象です。
謎解きというのも…あれ?探偵小説の元祖は、果てしない議論となりますが一応ポーの「モルグ街の殺人」では?まあ時代考証問答無用…
見事に遅刻し、レーチが縛り上げて…見事な早縄。「お昼寝のとちゅうで」と言って宗之進が刀を抜くのは爆笑しました。
「さて」が出るのも相変わらずです。
真相は面白かったです。そのあとの二段構成は実に面白かったです。いろいろ食べ物を持ってくるとは、夢水の扱い方に慣れてきたようですね。
そして外にいる人…刀装の描写はさすがに見事。
レーチにまで「さて」といわせるのは苦笑を誘います。
で、夢水が宗之進の切腹を結局止めました…それも「いたいのは体によくない」…ここは僕には納得できません。この人命至上主義は現代日本だけの非常に特殊な倫理観です。それを普遍とみなすのは、現代の論理で過去を、自分たちの論理で全てを裁くことでは?今の地球でも、半分以上は個人の生命や苦痛や幸せより社会倫理のほうが重要だと思っているはずです…〔名誉の殺人〕だってまだまだあるのです。アレキサンダー大王もジンギスカンも信長も自由・平等・民主・平和をふみにじる何の価値もない悪人だ、というのがどれだけばかばかしいかはすぐわかるはずです。
だからこの夢水は…現代の夢水教授がそのままタイムスリップしたとしか思えないんですよ。
江戸時代に切腹を否定する人はいたはずがありません…たとえば、二百年後の〔常識的な道徳〕から見たら現在のわれわれがどんな風に思われるか、いくら想像しても当たってはいないでしょう。男女の区別、子供のしつけ、犯罪者に対する刑罰、化石燃料の使用、議会制民主主義、人が必ず死ぬこと…すべてが狂気じみた無知蒙昧、極悪非道とされていても驚きません、江戸時代と現代の考えのギャップを考えれば何があっても驚きません。まあ人類が滅んでいるかもしれませんが。
そして、今の近代的な考えが正しいかといえばどうでしょう。
もちろん今の僕は、どちらかを選べといわれたら現代日本を選びます。骨の髄からわがままですから。
でも…より客観的な目で見たら、現代文明は明らかに持続可能ではないですし、江戸時代日本は文明として世界史全体で見ても奇跡的に高い持続可能性を持っていたのです…詳しいことは『文明崩壊(ジャレド・ダイアモンド)』を読んでみてください。
宗之進はガラスを割った時点で、即座に腹を切るべきでした。長すぎる刀を差し、それを扱いかねる時点で士道不覚悟です。
そして泥の手形を加えた、と認めた時点で…それこそ、武士という階級全体の顔に泥を塗ったも同然です。もはや切腹にも値しない、斬首です。前半でレーチが「武士にゃ一生頭下げて生きるしかねーんだ」といわれましたが、それは不条理な社会の掟と思えます…ただ、武士は何かあれば即座に腹を切り、人を斬れるからえらい存在だ、という建前がしっかりあるのです。腹を切れない武士がいる、というのでは武士に頭を下げるのも内心軽蔑しながらになるでしょう…逆に、夢水の推理の時点で宗之進が皆まで言わせず潔く切腹していたら、レーチも武士を軽蔑することはなくなっていたでしょう。
夢水のところにレーチの推理を聞きに、切腹すると報告しに行ったときも、腹を切って数時間はもつよう治療していれば(陰腹)止めることは無理だったのです…いや、報告などせず腹を切らねばならぬ、と悟った時点で腹を切るべきでした。わかってほしいとかは全部武士にあるまじき卑怯未練です。
確かに理不尽で残酷です。でも、武士の生命は鴻毛より軽く、すでにお家、お上に捧げて死んだ存在であり、ただお上のため腹を切るため、お家の名を汚さず残すために生きている…たとえ正月の雑煮や結婚式の最中に何の理由もなく腹を切れと言われたとしても、何の反問もためらいもなく即座に腹を切れねば武士ではない。その建前による社会は二百数十年戦争も文明崩壊もなく安定していた、という事実があるのです。
だから、当然腹を切るべきなのに腹を切らないなら、宗之進は武士を捨てるべきでした。当然結婚も破談にすべきです。
これ以上は生き恥…今後の彼が、たとえ知っているのはほんの数人で彼らは決して口にしないとわかっていても、自分自身が一番生き恥だとわかっているはずです。確かに幕末ですから、まもなく武家社会が崩壊したら武士の倫理も無意味になったとなるでしょう…でも、自分が武士に値しないことを知っているのですから、それまではまさに生き地獄でしょうね。
最後の「いまの日本はずいぶん変だと思いませんか」というのも…完全に現代人がタイムスリップしたようなものでは?まあ幕末ですから、ある程度社会に対する違和感もあるでしょう。また江戸時代が安定していた頃も、書物にすることはなくとも社会の理不尽は多くの人が感じていたでしょう。でも…あまりにも現代の基準で過去を裁いていないか…
そして夢水は江戸へ、そこではどんな事件が待っているのか…何かと楽しみです。