なかよし2009年2月号感想

創刊55周年の表紙が外様とは…60周年にはいい譜代が育っていてくれることを願いましょう。
カレンダーも品がよく、なんだか重量感がある付録です。

しゅごきゃら!の休載は仕方ないです。他誌での連載もまとめて休載、単純に人間に無理な量の仕事を背負って当然のことが起きただけです。あえて言えばスケジュール調整能力、ぶっちゃけ断る力が不足していただけです。
でも、なぜその空きページが、前に増刊に掲載された番外編なんですか!
代原という文字は「なかよし」の辞書には存在しないんですか!
こんなときに若手にチャンスを与えないでどうするんですか、ただでさえ読みきり枠が少ないのに!
まあ今月は青月先生、来月は茂呂先生と連続で嬉しい登場はあるにしても…

問題は長期連載が多すぎること、連載を短期で終らせる力がないことです。
終らせるところでしっかり終らせ、どんどん新しい血を入れて試行錯誤しなければ!
いつまで同じ作家陣、同じ連載が続くのか、という気になってきますよ。

AEISA(安藤なつみ)妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)Yes!プリキュア5GoGo(上北ふたご/東堂いづみ)AAA(フクシマハルカ)小川とゆかいな斉藤たち(茶匡)マジカルダンス!(小鷹ナヲ)セレブな奴隷(青月まどか)ふあふあコットン(ハタノヒヨコ)こどもじゃないから!(瀬田ハルヒ)新・地獄少女(永遠幸)サファイア(花森ぴんく/高橋ナツコ)予告

ARISA
すごい作品が始まりました。何よりものすごいショックです。
冒頭ではまず絵柄の変化にびっくりしました。新連載のために相当試行錯誤したんですね。
このすごく可愛い女の子らしい女の子が…
あ、僕はちゃんと牛乳パックは開いてスーパーのリサイクルゴミ箱に出してますよ。ただ洗う水・リサイクルに使われるエネルギー…まあそれを言うときりがないので。
それにしてもいきなり暴力はないでしょうに。
舎弟が自然に多いというのもなんだか面白いです。かなり気持ちのいい性格の子なんでしょうね。
健くんはどんな立場で話に関わってくるのか、次以降が楽しみです。
日本では離婚すると一生会わせないが普通なのはかなり大きい人権問題だと思います。一体なぜなのでしょう。
読み返すと「最近すっごくつばさに会いたくて」はSOSサインでしたか…。
ありさちゃんの登場シーンはすばらしかったです。すごく印象強いです。
「いそがしくてほとんど帰ってこない」というのも読み返せばSOSサイン…どうして人間って自分でもそれに気づかないのか。
この夜の楽しさは読み返してみると怖いですね。これだけのものが全部演技とは…。
「いーよなー」という言葉に、初めて見えた闇…初読時は全く感じられなかったほど軽く。そして入れ替わり、普通なら互いの入れ替わりでしょうが、つばさちゃんは休みだからすごく一方的なもの…
いきなり不良座りは爆笑しました。
可愛い物を見たときの反応もすごいですね。それほど可愛いものに憧れているとは…ツレションへの憧れも見ていて楽しいです。
僕はどれだけ憧れがあったのでしょうか。
緑くんの弓道の描写は…残念ながら経験者としてはダメ出しするしかありません。根本的に弓道の引き方じゃないんですよ、残念ながら。正直頭抱えました。
まず左右の手の肘は一直線、最大限左右に張り切って。
左手(弓手)で弓は親指と人差し指の股と小指で握り、親指で押す力をかけて弓全体をねじり弓の上端を前に押し付けます。ねじる力がないと弦が頬や腕を傷つけて力を失いますし、上を押す力がないと上下非対称の和弓からうまく矢を放てません。また矢は親指の上に乗ります。
右手(馬手)で弦を引くのは親指の付け根近くの、厚い皮手袋についているくぼみにひっかけてです。人差し指・中指は弦を親指に押し付け、親指を軽く押さえているだけです。和弓は根本的に素手で引くものではないのです。
最後に羽は頬に密着する…羽の矢じり側の端が唇の右端につくぐらい、この絵は引きすぎ。
ちゃんと本で調べるか、僕に一言相談してくれればよかったのに…こう言わなければならなかったのは心苦しいですが、でもこれから弓道シーンを使う作家・作家志望者でこのサイトを見ている人がいたら、その人にだけでも正しい形で描いて欲しいんです。どうか理解してください>安藤先生
緑くんの台詞はかなり強烈です。
いきなりもう一人の男の子が飛び込んでくる、しかもこの顔寸前…うわああああ。
読み返してみるとこれまた何があったやら…。
クラスのみんなが集まってくる、というのもすごいですね。というか「数学の問題」はどうしたんでしょう…つばさちゃんも頭はいいのでしょうか?
そのきらきらな世界が、突然…悪意のこもった目で暗転する…すごいショッキングですね、ここは。
帰ってから…ただ笑っているつばさちゃんに、ありさちゃんが絶望していることが…読み返すとわかってしまいます。
僕は、もちろんありますよ…消えてなくなりたいと思うこと。でも誰もがそうでしょう。人間の存在自体に根本的な矛盾があるんですよ…
最後の表情、そしてあまりに…信じられない行動…あまりのショックに言葉もありません。
なぜ…それだけです。
この手紙の悪意?それとも…あの明るいクラス、素敵な二人の男の子、全体に何が…
来月号が待ち遠しくてなりません。そして恐ろしいです。

妖界ナビ・ルナ
すごく複雑な話になってきました。
しずくさんの内気なしぐさがとてもうまく性格を描いています。
犬にかまれた、という報告を真に受けるなら狂犬病検査が必要です。
リボンなどがちゃんと処理してあるのは、ここはしずくさんとタイのどちらなのか首をうまくかしげさせます。
彼のことを考えると胸が…ふふ、正体がわかる日が楽しみです。ちなみに僕は原作は読んでいません。
リボンをちゃんとつけたのは彼でしたか…。
おじいさんにルナの正体がばれていたのがちょっと意外でした。
この人魚の話はうまく天人羽衣の話を換骨奪胎していますね。
海でのルナちゃんの言葉、彼女ももう半ば妖怪ですからね…。
でもドーナツでころっと転ぶのは全然小さい女の子ですね。
ユイちゃんのきつさもかわいいです。
ドーナツも考えてみれば揚げ物ですね。揚げ物ならできたてのほうがおいしいのは当然です。
しずくさんとユイちゃんの話に、おもいがけずルナちゃんが入ることになるのが実にうまい。
読み返すと出会いでの言葉がうまい伏線になっています。
この火事はただの事故でしょうか?それとも妖怪の攻撃?
しずくさんの術にはびっくりしました。
でも油火災を水で消して大丈夫でしょうか?
ルナちゃんが脱出するのに封印を解除するのは必要だったのでしょうか?
「わたしはなにもしてないし」というのは…ぎゃくにしずくさんも、ルナちゃんが純粋な人間ではないことを知っている?
ここでの妖艶さも見事でした。
悲劇にならないことを今から祈っていましょう。

Yes!プリキュア5 GoGo!
いやもう、この朝の伸びだけでおなかいっぱいです。すごい迫力。
体の内側からの力が、負の方向にも働くことがあるのが思春期というもので…親としては心配で仕方ありませんよ。
よみきかせ会とか、みんなが前向きに進んでいるのがすごく見ていてまぶしいです。
長い戦いもすごい迫力で描かれています。
そしてココとの再会もすごく素敵でした。
蝶の羽化が丁寧に描かれているのも素敵ですね。
成長したいという気持ち…よりも、自分の体が勝手に成長していく…体と心は別じゃないですよ。
なんというかとんでもない作家です。
次もまたプリキュアシリーズ?それももったいない話ですよ、これだけすごい力がある作家を。

AAA
しかえし…そんなくだらないこと?まあ本人にとってはすごく深刻なことで…多分、誰でも本人にとっては死ぬほど深刻で、他人から見ればごくくだらないことがたくさんあるのでしょう。
親が離婚しても…ここでも離婚から面会権を認めない日本の慣習…
血縁は簡単には切れないでしょうか?確かに法的には非常に強いですが、精神的には、特に犯罪や借金などでは簡単に切れてしまうのでは?
全く問題にしていない黒田隼人、でも本当はどれほどそれが問題だかはわかっているはず…
もう青依ちゃんは素直に好きといっていますが、黒田くんは決して「好き」とは自分からは言いませんね。
クラスメート二人があくまでもみ消そうとする、これは確かに彼女を思ってのことですが、二人ともすごく傷つけてしまうでしょうね。
AAAとCCC…まるでそれが、宗教上禁じられてでもいるかのように…
それで悪徳に行ってあっさり変装がばれて、大問題に…
悪いのは黒田くんだと思いますけど、もう途中からは脅迫なんてどうでもよくなってましたね。ある時期からは責任は青依ちゃんにありますよ…
先に帰って、と彼のことを心配して突き放そうとして、そしてまたやはり離れたくない…この心の揺れ方がすごく見ていて胸が痛みます。
そして脅迫をやめる、子分を解消する…そばにいる理由がなくなる…
悪徳の廃校、ついにクライマックスに向けて歩みだすのでしょうか?
でも一番肝心な、なぜ黒田くんが悪徳に入ったかはまだ語られていない…

小川とゆかいな斉藤たち
今回はかなりの異色作でした。
成田さん自身の言葉での内心描写から始まる…ここまで何でも自覚しているとは。
無視したほうがいいこともわかっていて、毎回ひどい目にあうのは承知でやっている…そこまでくると何もいえません。
しつこいのも自覚している、なんでも自覚して開き直られていてはどうにもなりません。
「無自覚天然迷惑娘」は言いえて妙です。
幽霊調査?楽しいことになりそうです。
トイレに閉じ込められるというのは、大人が考えれば一番問題がなさそうに思えます。
トイレの心配はないし、水は…水道部を分解すれば便器の水ではなくきれいな水も得られます。水とトイレがあれば、凍死さえしなければ数十日間生存できます。
天敵に閉所恐怖症を知られても、彼女が悪用するはずはないことぐらいわかるのでは?
小川さんに押しつけようとしたら二人でエレベーター…開かない、呼び出しに応答がないというのは深刻な大問題ですよ?幽霊どころじゃないですって。
笑わせようとして余計怖くなるとか、小川さんが助けようとしたらやはりろくなことになりませんね。
なんというか怖がり方がすごすぎます。
いい香り…おちついて、トイレ芳香剤は爆笑しました。
上から脱出しようとしたらゴキブリ、これもある意味ホラーですね。もしエレベーター室に大量に入られていたら…下手すりゃ正気失いますね。よく閉めるのが間に合ったものです。
そして停電で風邪とか、こういうときには成田さんも親切…単なる邪悪じゃないんですね…
小川さんのマイナスイオンは相変わらず強力なのも苦笑します。
そして色々話して、「どうどうとしているところ」を褒められて、これで色々自覚するかと思ったら…
結局恐怖体験で憎しみは変わらず、ですか。
でもパン買ってこいに金を出すだけ今までとは違いますね。
すごく異色で面白い回でした。

マジカルダンス!!
確かにものすごい量です。カロリー計算したら恐ろしいことに…このサンドイッチ一つで十分一食の食事になりそうです。
そりゃもう太りますよね。
まあ確かにダンスはすごい運動ですが…
カメラマンを意識して、声をかけられて「ちょっとどいてて」は当然とはいえ笑ってしまいました。
でもカイ、やはり優しいなあ…もうラブラブ?
飛んでいった帽子が、確かにすごいところに。
僕なら飛び道具で落としますけどね。
食べすぎで木登りができない、というのはそりゃショックでしょうね。
ティガーのキャラクターがすごく楽しいです!
何度も繰り返しても飽きない、ということじゃないと「好き」とはいえない…どうなのでしょう。
子供は必ず反復練習を嫌がる時期はあります。この作品だけだと、誰でも一つ本当に好きなこと…天職があり、それだけは何度繰り返しても決して飽きない、と言っているようにも思えますが、そうではないと思います。
手でのアシストより、手をいっぱいに真上に伸ばしてそれをジャンプ台にしたほうがいいのでは?
でもスカイラブハリケーンも懐かしいですね。大人の橘兄弟はそれで体を壊しましたが。
ちゃんと地道な体力トレーニングもやる、と少しずつリンちゃんも成長してきました。その成長が形になる日が今から楽しみでなりません。

セレブな奴隷
このシリーズも絶好調ですね。絵の成長もすごいです。
三人それぞれの鬼畜ぶりが冒頭の短い時間でよく出ています。
みんなに接するときのお嬢様ぶりがまた素敵です。
いきなり出てきたこのさわやかな男が…読み返すって怖いです。
そんなパーティぐらい、この三人ならいくらでもどうにでもなるでしょう。
道也さまの動き方が見事ですね。
「お嬢さまに戻ったみたい」…一番幸せだった時代に戻る…切なくなります。
プロポーズを断った、ってその時の事を見てみたいものです。
「あの三人だって」というのが、読み返してみると道也のずるさがわかります。三人とも華ちゃんのことを思っているから手放したわけですよ。
そして、あまりに突然の突き放し方…これがまた読み返すと切ない。三人の乱暴さがよく出ています。
華ちゃんの寂しさ…そしていきなりの暗転にびっくりしました。
すべてをうばう…もうすでに彼女はすべてを失っていますが、考えてみればほとんど何も失っていませんね。顔も手足も貞操も…誇りも。
「よろこんですててやりますわ!!」という叫びは確かに素晴らしいですが、僕はそれさえ跡形もなく壊す技術を知っているのが我ながら呪わしいです。
この戦闘機は…知っている現用機・試作機にはないです。
垂直着陸能力があるのはすごいですが、ステルス性があるようには見えません。でも難しい前面図をしっかり描いているのはしっかりしています。
この王子様三人…やはりカッコいいです。
いろんな国の…ははは。やはりやることが豪快です。
この優しい条件には心が温かくなります。
三人それぞれの強烈な攻撃力、これは笑うほかないです。「おどしはオレの得意分野でな」…脅迫ネタ集の分厚さがすごい。
素直に戻ってこいといえない、というのもすごく面白いです。
恋の奴隷、という落ちもなんだかすごく甘やかですね。
成長著しく、これからが楽しみなシリーズになってきました。

ふあふあコットン
羽…大階段を下りたくなってきます。
ミンクのマダムというのは豪勢ですね。
いや人間は、何であろうとミンクと見ると…毛皮が同じ重さの純金と取引できるとしか見ません、はい。ごめんなさい。
ドレスショップの後継者、って結構コットンって腕が良かったんですね。
糸の染色がしっかり描かれているのが素敵です。
このドレスはすごく上品でいいですね。
鳥の怒った顔はうまく描けています。びっくりしたコットンの表情もいいですね。
エプロンサイズの作業着、でもそれは…いい人情話でした。
今回は特に、絵のいい意味で大げさな部分が良かったです。
これからもどんどん成長が見込めそうですね。

こどもじゃないから!
井ノ口くんのほうが誰より大人ですね。すごい。
証拠隠滅って…ひどい話もあったものです。
犬猫みたいに子供一人を隠す話がエスカレートしていくのは、まるで子供向け小説みたいでなんだか楽しいですね。
記憶喪失…教師→警察では?
優河くんは全部知ってますね、これ。
よろしく言っといてとか必ず返すとか、プライド高いですね。多分交換の世界しか知らないのでしょう…人間には金銭など等価交換の経済と、家族などの無償贈与を主とする経済があります。昔は長屋のような地域も無償贈与が多かった…代わりにその中のルールが厳しくプライバシーもなかった、という感じでした。
母親が酔いつぶれて寝ているのは…友人がいないのは仕方ないにしても、マネージャーの力が弱すぎるのでは?マネージャーが人間として信頼されていないとは…。
みんなで大騒ぎになっているのが何かと楽しいです。それはもう…犬猫でも大騒ぎする年頃ですから、こんな可愛い女の子だったら大喜びしますよ。
フェルディナンドが濃いのを一発決めてくれるのはやはり話に入りやすくします。結構いいキャラですよ。
倉庫がすっかり自室化されているのは笑うほかありません。
展開の激しさはかなりびっくりしました。キモオヤジをフィアンセにというのはひどすぎます…日本国憲法なんて誰も守る気ないんですね。
「飛びおりる気もない」はちょっとひどすぎるのでは?
まあ…なんというか、優河の鞭と乙姫のアメは無敵ということで…
いきなりのキスはかなりびっくりしました。
というか優河の母親は無責任すぎますよ。
本当にこの作品、どこに行くやら。

地獄少女
要するに…この第二部(三鼎)が読者に伝えたいのは「この世は地獄だ」ということだけでしょうか?
そんなメッセージを子供に伝えていいのでしょうか?
このような取替え子…なぜか人に愛されず、どうしようもなく世界との信頼関係がない子はどこにでも存在します。
でも多数の人との出会いがあれば、その多くは人との信頼関係を学び、世界との信頼関係を取り戻すことができ、多く子はそうして社会に復帰します。残念ながら制度的にそれを保障することは難しいのですが…不思議にも悪の世界に染まることから、そこで信頼を得ることさえあります。とにかく視野を広く、多数の人との出会いが必要なんです。
わざわざそれがない、最悪の場合を描く必要は?
そして一花…人を呪う必要はなかったのでは?強姦されてはいませんが、心的外傷はあるでしょう。きちんとしたカウンセリングを受け、妹が何に傷ついているかも理解する努力をすればいい…
全く必要のない事件でした。というか地獄に落とされた男がある意味とばっちりですよ。だからあいも苦しめずただ流しただけなのでしょうが。
実際の世界ではどちらの傷も、長い人生と多くの人との出会いで治せる可能性が常にあることです。運命さえ微笑めば…でもこの世界では、その「運命」そのものが敵なのです!
単純に「いくら努力しても無駄」という、最悪の闇のメッセージを伝えたいとしか思えません。
いつまでこれが続くのでしょう。いつまで読者に闇のメッセージを伝え続けるのですか?

サファイア
とにかくのびのび描けているようで嬉しいです。
力を抜くところではうまく抜けていますし、「リボンの騎士」という言葉を完全に忘れたら面白いかもしれません。
好きにやってください、何をやろうと止めません。

来月号、茂呂先生の本誌登場には大ガッツポーズ!
今すごく伸びている作家ですし、一気に前面に出してください!

他にも伸び盛りの作家はたくさんいるので、なんとか、新人・若手作家が出ていない月のほうが少ないぐらいにしてください!ちゃんと枠を確保して!

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