なかよし2009年6月号感想
付録は体積の割にすごく豪華です。この素材をバッグに使うとは。
今月号は三誌ともホラーがあるという近頃珍しいことになりましたが、それを見ると三誌の雰囲気の違いがよくわかります。
わたしに××しなさい!(遠山えま)AEISA(安藤なつみ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)毛玉とおかしな大納言さん(茶匡)ボーイフレンド(山田デイジー)フレッシュプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)ツバキヨ(原明日美)妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)どきどき!たまたん(こげどんぼ*)不思議の星の天音ちゃん(白沢まりも)サファイア(花森ぴんく/高橋ナツコ)新・地獄少女(永遠幸)予告
わたしに××しなさいっ!
まったくこの切れ味ときたら…
いきなり一番腹が立つタイプの大人が出てくる、というのもすごく印象を強めてくれます。
このにらみ合いの迫力はすごい…さらに手でとどめというのも面白いです。
目つきから敵意を読み取り、また周囲の人の評判に同調して認知を曲げてしまう普通の人が怖いと感じるのはわかりますが、表情から感情を読むことや同調で認知を曲げる能力が低い…普通学級に支障がない程度に軽く自閉症気味にいる子なら、単純に観察しているだけだとわかるのでは?
晶くんのキャラクターが、今回はそれほど活躍しなかった分次からどう動くか楽しみです。
ケータイ小説、というのは僕の知らない世界です。まあ僕も一応ネット小説書いてますが(一応一つは完結させてますし、そういう資格はありますよね?誰にも読まれてないのは自覚してます)
いつも怒っている鬼田先生の笑顔は実に対照が強いです。面白い人かも。
いつも同じ物腰、同じ笑顔だからつまらない人、というのは普通はわかりませんね。人間観察の達人だから、ですか…
ラブ、と聞いたときのかなり極端な顔にはびっくりしました。何の話だか察していてやはり、という心の動きがまたいいです。
晶くんって結構大食漢ですね、地味に。
友情や夢は想像で書けるけどラブだけは…?恋をしているクラスメートを観察したり、多くの本から積み重ねたりはないのでしょうか?
告白されているのを見て「手をにぎられて」と形から入る、と認識する、しかもあとで弱みを握る伏線にもなる、とやはり組み立ては本当にうまい。
シチュエーションを体験すれば、って最低限の性知識はあるでしょうね…怖い。
「晶じゃかわいそーだし」というのが違う意味でかわいそうに思えるのは僕だけでしょうか?
金の斧銀の斧を用いたネタは面白いです。「殺人者が証拠を」という言葉も。さりげなくキャラとして魅力が出てきますね。
体験するだけとかヒマつぶしとか…この二人には性欲はないのでしょうか。
確かに猫をかぶってるほうが生きるのには楽ですね。
生徒手帳を取り返された、と思ったらきっちりと脅迫の基本どおり、ここはすごく気持ちいいです。
「好きになりなさい」というのは無理ですよね。それを経験しよう、というのも…無茶な話です。
「おまえが相手なら良心もいたまない」という冷酷さ…それも作家の資質でしょうか?
ゆっくり握っていくところで思わず喉が動いてしまう、彼も男の子ですね。
そして言葉がどんどん浮かんでいくところも見ていて楽しいです。それがケータイ小説になるのでしょうか…
どうなっていくやら、とにかく切れ味も組み立てもいいので先が楽しみです。
××はキス、そして「こい」が入るのでしょうか…
ARISA
ものすごいどんでん返しでした。
このあまりに危険な部屋の様子、そりゃ怖いですよ。
会話のスリルと迫力もすごいです。
緑くんが出てきたのも…どんな意味があったと後にわかるやら。
つばさちゃんの正義感がすごくカッコいい、だからこそ…後のどんでん返しの威力がすごいです。
体育祭を中止にする…誰かを怪我をさせる、となるとクラス、いや学校全員を守らなければならない、って不可能ですね。
「王様の勇者」というのも人間…いや動物、群れサルとしての人類にとってはすごく根源的なものの考え方です。
ありさちゃんが必死でみんなをかばおうとしているのは…読み返してみると切ないですね。
鏡を利用した攻撃…真鍋くんの動きも陽動でしたか。ここまでやられたらどうにもなりません。
そしてこのどんでん返し…あまりのショックに完全に頭がフリーズしました。
しゅごキャラ!
まさか…これまで考えていたように大人、組織の圧倒的な巨大さとの戦いではなく、相手が子供だったとは…
誰の前にも素顔を見せない、というタイプの支配者は多くいます。暗殺予防としても有効です。
御前がイメージされていたような大人の権力者だったら、あむちゃんたちにどう対決できたでしょう。言葉でも法律でも暴力でも勝てるイメージが出てきません。
無数の石のコレクション…僕も石集めが好きだった頃があります。というか、「桜井標本」とどちらが充実しているのでしょう…並大抵の権力ではあれは超えられないと思いますよ。
子供のきまぐれにすぎなかった?そしてなぜエンブリオは輝きを…
その子供の言葉に盲従する専務…これまでの邪悪さが逆に哀れにも思えます。アイヒマンの平凡でしょうか。
司さんの登場、というかいかにもダンブルドア的放任主義にも思えます。
そういえば、卵の形というのは…よく賢者の石が卵として描かれていたことを思い出します。
「夢をかなえる魔法のたまご」というのは人間の欲が想像した、安易な実現を求める道…
絵本を破るという…というか攻撃すること自体、何らかの関心があるということです。まったく無なら無視すればいいのです。
心がからっぽ、というのはゼロやブラックホール同様「ない」のではなく「ある」んですよ。
本当に「ない」というのは…
毛玉とおかしな大納言さん
いつもの小川斉藤とは全く違う、茶匡先生ならではの切れ味をたっぷり楽しめました。
どんなセレブかと思ったら猫…というか猫にカルパッチョは栄養とかで大丈夫でしょうか?
電話での一言で境遇が一転してしまう、というのもすごいです。でもセレブなのに一匹ぐらい、待遇普通にして飼い続けるぐらいたいした金額ではないのでは?
あと、捨てるより獣医で安楽死のほうがずっと人道的です!
というか野良猫になったということを認識できる猫というのがすごいんですが。
逃げ足の速さとか色々結構頑張ってますね。
三日間何も食べてない…それはかなりひどいですが、実際日本の子供の貧困はすさまじいことになっていますから…
野良猫を食べられるというのはかなり高い生活力ですね。
パンを分けてくれたのを食べて…ジャック・ロンドンの、慈善とは食べ残しの骨を投げてやることではなく、自分も飢えながら骨を分けることだ…でしたっけ?
この涙は実際感動しますね。
クラスメートの容赦ない言葉…どの時代も、富裕層の多くは貧困層を人間ではない、犯罪者・異人種・異教徒同様「罪人」「社会の敵」「人間の屑」として侮蔑・攻撃してきたものです。虐殺さえ正当化する思想家がどれだけ多くいるか。この心理がどれほど普遍的で現実の人間性なのかもよくわかっています…
野良同士、という境遇…このレベルの貧困も今現実にありますし、これからは何百万何千万と増えていくでしょう。
猫がネズミを狩るのは訓練が必要でしたっけ?
自信がなかったら努力して勉強する、と…勉強で貧困から脱出できる時代でしょうか、今は、そしてこれからは。
お礼のプレゼントもこうして踏みにじられると、善意とか努力とかの美徳が無意味に思えてきます。それほど、今の時代に漂っている闇はすごく深い…それはすごくリアルですけど…
まあだからこそ、通じる人には通じるというのはいいメッセージだと思います。
見直してくれるよね?という言葉はすごくむなしく思えますが…目標なしに努力することはできません。この作品は「とにかく努力しろ」というメッセージが強い…確かに子供にはそれが一番いいメッセージかもしれませんが、今の格差社会化は時代の流れで、それで努力主義はかえって個々を追い詰めて不幸を増やすという批判もある…これについてはどんなメッセージが正しいとはとても言えません。
とても意外な題材と描写の鋭さと深さ、すごい潜在力あるんですね。それがどう生きてくるか…
ボーイフレンド
好きな人がいる、ということがどうしてこれほど、というほど切ないのがすごく伝わってきます。
球技大会で、最低限プレイできるまでの障壁が一番少ないのは何でしょう。そう考えてみたことはなかったです。下手でも最低限ルールどおりプレイできる最低技術は…
おそろいのTシャツだけで嬉しい、というのは、僕は人間所詮群れ動物だな、と苦笑してしまいます。
「いっしょにがんばろうね!!」という言葉を言うだけでこんなにドキドキするなんて…
バスケシーンの楽しさもすごく魅力的です。
「一人くらいいなくても」というのもすごくわかります…僕の一番悪い部分の一つです。
自分のTシャツを脱いでかぶせる、というのも結構大胆な行動ですね。
足を痛めていることも見抜かれてる、というのがまた素敵です。
写真でさりげなく抱き寄せてしまうのもすごいです。
手を握られ、震える手で握り返すシーンもすごい!
そしてついにひじきちゃんの…真相が…これからますます目が離せません。
フレッシュプリキュア!
すごくうちとけるのが早い、というのもうらやましい特技です。
ダンスを教えるというのは人間にとってはすごく深いレベルのコミュニケーションです。人間の進化史における歌とダンスの重要性は軽視されすぎている気がします。
自分の幸せ…確かに。
リンクルンは悪しき心では触れられない、というのもある意味お約束ですね。
やはり彼女が四人目でしょうか?
ツバキヨ
確かにこういう状況だとテレパシーが使える人がいないと詰みですね。
「かわいいコだったらぼくが個別で」…確かに心を丸裸にされるのはいやです。
純情少女かと思ったら…これにはびっくりしました。
恋と鯉の勘違いはあまりにくだらなくて潰れました。
あっさり一件落着…これには凍りつきました。「しばらくおまちください」の繰り返しギャグもいいです。
いきなりとびこんでいく清衣ちゃんの行動力は相変わらずすごい…
おどされて、というので…中途半端な読み方するとこの能力も誤解の種ですね。
「恋愛ってのは〜」と、この言葉は実に重いです。確かに恋愛で本当にテレパシーが使えたら…地獄絵図ですね。
「恋愛したことないのに」「おまえ真顔でケンカ」はその突き放した感じが面白いです。
「ホントにおめーわかってねぇな」と、わかってる成二くんは一体…
新聞部のふりをするというのも…脚で止めるというのもすごい。
というか成二くんが真相を理解したのは単純推理だけとは!
電話でウソを吹きこんで携帯電話を逆に折る…恐ろしい。
たしかにフォローがないと役に立たない能力ですね。今回は全員野球じゃない全員生徒会での見事な解決でした。これからもこの調子だと面白いのですが。
妖界ナビ・ルナ
いきなり変なところに…そしてついにルナちゃんの初恋とは!
南の島に行く、というのがちょっと意外な展開でした。前も海に関連していますが、やはり海関係に妖怪は多いのでしょうか?山にも妖怪はいますが…
色気より食い気、と繰り返していながらこうなるのはちょっと苦笑します。
ボロアパートが空いているなんて結構大きい島なんですね。どこぐらいの規模でしょうか?
「ねるまえに漢字のかきとり」としっかり勉強しているのが嬉しいです。
綺麗な海も汚い海もありますよ。といってもその汚いというのは…大腸菌数?でも南洋の雰囲気はよく出ています。
抱き上げられるところは完全に子供扱いですね。
美しい島が汚されていく…あまりにも人間の活動は激しすぎる…
神がいなくなる、というのは気が重くなります。
ゴーヤチャンプルーとかは沖縄料理ですね。
「ルナにはすこしでも楽しい思い出」という親心が暖かいです。あ、ちゃんと家事もしているんですね。
木の悲鳴を聞けるとはさすがです。
この洞窟は確かに…迫力ありますね。でも入りたくなるのもわかります。
妖怪でなくても、洞窟に下手な装備で入るのは危険ですが…
幹太郎さんの厳しい表情にはびっくりしました。それが突然解けるのも。
淡い初恋がどう動くかがまず楽しみです。
どきどき!たまタン
経験を吸収する…人は経験でできていますからね。
それぞれの望みも楽しいです。実際小さい子がペットを飼う時なんて、こんなふうに話しているかもしれません。
でも現実の子供は…汚いことも多いですし、何より思い通りには育たないという一番厄介な点があります。
学校が終ったら会って、ってまあ普通に考えればデートですね。
あ、この服すごくかわいい。
デートじゃなくて服を見て欲しい、でしたか。彼も年頃の男の子ですね。
どんどんあっちこっち飛んで茜くんの質問には答えていない、というのがちょっと苦笑します。
あ、ちゃんと「制服似合ってる」とはいってましたか。まあ萌え萌えは余計ですが。
そして兄上の登場…そして月神を手渡してしまい…というかいつまで、とちゃんと期限を切るとか…いや、全面的に信じてしまうのは仕方ないです。
確かに警告しなかった茜くんのミスもありますね。
さて、どうやって取り返すのでしょう。ほかのメンバーの特殊能力もあるでしょうか?
不思議の国の天音ちゃん
今回はすごく楽しい番外編でした。
さすがに大きいブランドだけに、かわいいキャラクターがたくさんありますね。
これを自在に使いこなす白沢先生もすごいです。
一生分のドーナツ…ドーナツって確か、揚げ物ですよね?それも内部に油が浸透しやすい?ただでさえクッキー級の高カロリー生地の?
いきなり逮捕されたのもなんというか…
なんというか色々楽しかったです。
サファイア
結局悲劇とは…
とにかく最後まで、やり残しのないよう暴走してください。
今回の暴走は結構読んでいて楽しかったですよ。
新・地獄少女
やっと終わりが見えてきたでしょうか?
どんな方向に進むのか…とにかく一回でも早く終わって、永遠先生らしい素敵な作品をまた読みたい、それだけを願っています。
来月号はフクシマハルカ先生の新連載…絵の感じがかなり変わってますね。前・前々作同様のせつな系か、それとも何か新しいことをやってくれるか楽しみです。絵の感じはかなり変わりましたね。
やっとサファイアも終り、何か風が吹いてくれるといいのですが。
「セレブな奴隷」が本誌で最終回というのは次回作を期待させます。本誌連載も期待できそうです。