なかよし2010年冬ラブリー感想
今回もまた素晴らしい作品ぞろいでした!何より、多くの作品が圧倒的なほどに面白いのです。
混じるホラーや重苦しい作品も、多くが大爆笑だったり胸キュンだったりするからこそ、フルコースの中の辛味と酢味が強いドレッシングのように絶妙に効くのです。
読んでて面白い、というのはまさにこういうものですよ!
これまでの登場実績がそれほど多くない作家に60P大作を与えたり、作家たちがのびのびと力を発揮し、成長しているのが目に見えてすごく嬉しく楽しいです。
もういっそのこと、「なかよし」なんて無視して別の「少女漫画らしい少女漫画」の専門誌として分離独立したほうが絶対いいですよ!
かみかみかえし(遠山えま)ご指名ありがとうございます(美麻りん)1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)初恋ランチボックス(小鷹ナヲ)妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)ミラクルボイス【八分音符】(紺のんこ)妄想クローバー(瑞樹しずか)ごくゆめ(大塚さとみ)魔法使いと恋の味(あおいみつ)ウェザーガールりいな(みつき成流)海鈴のジャンヌ(菊井風見子/阿久根治子)コンプレックス!!(木ノ下奈央)恋v温(渡辺留衣)若おかみは小学生!(おおうちえいこ/令丈ヒロ子)神裂島(カンナ)あいちゃんの観察日記(日向きょう)
かみかみかえし
巫女服でこの髪色だと某聖地の柊一家を思い出してしまうんですが。しかもこの髪型だと母親のよん17歳…でも性格は違いますね、きついところは三女に近い、でもかがみは仕事も真面目ですから…
普通に空を飛んでいる…UFO扱いされそうです。
人がたくさん、というか世界人口は三十年で倍増するのを続けてますからね。止まったんですよね…2040年に150億は…ないですよね…
見るな、と目を閉ざすのも過保護なことで。
そりゃまあヒノカグツチさまなら全国各地にあるでしょうが。
神と知り合いの神主というのもなんかすごい。
このおじいさんと孫の会話は見ていて楽しいです。
まだたくさんの神がはいってる、というのも物騒な話ですね。
テレビを見て箱の中に人、というのもある意味お約束。
神は疑うのに式神は疑わないんですね。
燃やすの専門、というのもある意味使えませんが、…放射性物質を原子番号変わるぐらい燃やせますか?
あたたかいごはんすら生まれて初めて…
虐待が普通、というのも…
風呂でいきなり大人になるというのも、サービスはともかくどんな騒ぎになるか…
で、これからは刺客たちが…次々と入ってくるんですね。家計大変だこりゃ。
ご指名ありがとうございます!
入学以来ビリ独走、ついたあだ名は底辺の海月姫奈ちゃん。彼女に新しい家庭教師が…高級車から崩した服のサングラスに派手ブローチ、豹柄ネクタイに十字架ペンダントに花束とどこの…な美形の若い男が「ご指名ありがとうございます」…
現役東大生でナンバー1ホストでもある彼はほんの気まぐれで家庭教師をするとのこと。勉強を嫌がる彼女に「勉強がいやならほかのことを教える」と押し倒してくるのであわてて勉強やりますと…
彼の奇妙な教え方で楽しくなり、それで成績は上がるが、それで底辺仲間だった友達に嫌われて…
…なんであれだけ連載で成功しておきながら本誌連載じゃなくて?まあとにかく…
すごくしっかりした作品だと思います。なぜ子供が勉強しないのか、というのをあらゆる方向からしっかり暴き、一つ一つ丁寧に対処し、強い信頼感さえあれば、といいメッセージを伝えています。
叱っても無駄なのはわかるべきでは?「高得点取りたくない」「どうしたら高得点取れるかもわからない」じゃ。
「Xの正体なんて」とか、全部読者みんなすごくわかると思います。僕はそれらが役に立つ場を知ってますけどね。Xはともかく数学は、少なくとも地図や下水道を作ったり迫撃砲で山越えて敵陣狙ったりには絶対必要です。英語ができなければナイフに関する情報の99.9999%は読めません。昔の人のことがわからなければ、次の選挙でこれヒトラーと同じパターンだな、と気づくことができません。
底辺仲間がいれば、逆に点の低さは高評価になる…恥ずかしいとは逆なんですよね。
新しい家庭教師、って金持ちですね。母親が何気なくいいキャラしてます。
いきなりスポーツカーから、これはものすごいインパクトでした。
この花束はとてもジャマですよね…
いきなり「ご指名ありがとうございます」おいこら。爆笑するしかありませんでした。
というかよくこの外見から、その経歴確認できましたよね…
ホストでもある、というのがまたすごい。
「もうおれに興味もってくれたんだ」というのがうますぎます。なるほど…暇つぶし。
なんでもできる?この世にあることのごくわずかしか知らないからでしょう。百万分の一ミリの精度で旋盤を動かすとか木のへら一つで巨大な金属板を高精度に成型するとかどんなに奥深いか。
勉強なんか、ってそれまでの家庭教師の質が悪いんじゃ。わかるところまで戻ってそこからやり直すだけなのに。
いきなり押し倒して「勉強がイヤなら」…なんかとんでもない家庭教師に…男女逆なら純粋に男の妄想になりますけど。
参勤交代…これ、漢字の読みから問題ですね。
この教え方は実にうまいです。
なんでそんなめんどい規則…それに興味もってくれる子なら簡単です。さらに世界各国で参勤交代に類似した制度があった国を探して世界史にも、さらに現在の国会に会期があるのも交通が不便な時代の、実質的な参勤交代の名残ですから公民にさえ広げられます。
ほんっとに、こういう年号だの言葉だのどうでもいいんですよ。僕は流れしか興味がないので、年号はまったくできませんが、順番問題は完全にできます。
できたことの感動はとても見事に伝わってきます。さすがにすごい表現力。
変な授業…あくまでホストなのが楽しい。
「寝たらキスするよ」というのも、よくまあ母親も放置してるもんです。
勉強をしないことが規範になってしまう、というのが辛い。不思議でなりません。昔は親が子供に勉強するなといったりしたのも今では想像できないのと同じでしょうか。
全部わかってしまう、その感動の強さ…伝わって欲しいですね、読者にも。
この教師の、成績が悪いのを悪とみなして叱る姿勢が悪いのでは?
ここからの…価値はない、というのが恐ろしく残酷でした。
呼ばれたら来る、って早いにもほどがあるのでは…
女の子が悩んでいるのは全部お見通し…そこにつけこんで搾り取る仕事なのでは?
ぎゅっと抱きしめてくれるのはびっくりしました。なんかすごいオチというか…一番すごいのはこれを採用した母親ですよ。
実力的には何の不安もありません。楽しみなだけです。そして、少しでも読者たちが学び方を知り、将来の可能性を増やしてくれたら…
1年5組いきものがかり
動物にはリンゴはご馳走ですね。リンゴが毒になる動物はいないでしょうか?
「こっちのほうが」ってまあいつもどおりで。
ダチョウをこのスペースで飼うのはほとんど虐待では…
アダムとイブの木の実がリンゴかどうかには議論があります。イチジク説など。
妄想していて怪我、かなりこれ背筋ぞっとするレベルの傷ですね。
で、なにとんでもないところを噛んでるんですか。さすがにこれはぶっ飛びました。
それで生徒会長が…「アダム見つけてどーするの?」って言われたら確かにそうですよね。
というかこれほど狙われてるのなら、この部に入るまでなぜ無事だったんでしょう。
怖い怖い助けて、となるほうが自然ですよね。
いきなりえるちゃんのほうがからキスするのはびっくりしました。
それにしてもずいぶんと数が…次は何が来るんでしょうね。バチカンや裏高野は動かないんでしょうか。
初恋ランチボックス
つくづく安心します。
ラブレターを代理で渡せ…自分で渡せよ、といいたいですけど、サエちゃんの影響なら仕方ないですね。
いきなりサエちゃんが真っ赤になって彼を避ける…ふふ、まあ何があったかはわかりますけど。
誤解が広がって…そういうことでしたか。というかお互い両思いで、あと一歩のところでのラブレターだった…なんかずるいなとさえ思います。
それで笑った顔がみたいから自分も…
で、飛び込んできたサエちゃんが逃げようとして、ここは見ていてすごく楽しいです。
味見ってもろに間接キスなんですが…
なんというかなんでしょうこの幸福感。本当に素敵な作品です。
妖界ナビ・ルナ
見事な大団円でした。これも本誌でやってくれてもよかったかも…
ソルくんの行動はびっくりしました。
願ったことを叶えてくれる…実質全能ですが、使いこなせなければ猿の手になりそうです。
「王にさからったのなんて生まれてはじめて」という笑顔、子供らしさがいっぱい伝わってきます。
自然に抱きしめるのもちょっとびっくりしました。
思い通りになれば危害を与えないこともできる…それも子供らしさですね。ただ、その点では大人といえる人のほうが少ないんですが。
膨大な数の妖怪たち、欲描いたものです。ある意味すごい。
月が重なったとき…
この強大な力に触れて、タイが復活した…これは衝撃でした。
腕と土から、って命をもてあそぶにもほどがあります。
王になることのみを考えている、その後どうなるかを考えていない…グイン・サーガのイシュトヴァーンのようにも思えます。
そしてその力すら吸われ…利用されつくす、としか…
ソルくんの最後の願い、整理されすぎているような印象もありますが…
タイの姿が復活し、その一撃、この迫力はさすがですね。
そして最後まで「ソルくんはあなたを心から慕っていたわ」…優しさもどこか忘れない、すごく高い強さが伝わってきます。まさに「ゆるせる心とまわりの人を好きでいること」という教え。
しかし、政治的にはどんな風に落ち着いて釈放されたのやら。
仇、という感情を否定するのも…ただひたすら、二人の弟を失ったことが悲しい…
あくまで人間界にとどまる、それがとても苦しい生活だとわかっていても。
静かな終わり方がとても印象に残ります。
とても大きな原作を徹底的に表現しきった、菊田先生の素晴らしい力に心から拍手を!
これほどの力がまた、素晴らしい作品として出てきてくれることを心から願っています。
とにかくお疲れさまでした!次回作を待ってます。
ミラクルボイス♪
地声は汚いが男女問わずあらゆる声を模写できる稲葉豊くん。いつも教室のワンマンショーの〆はプレイボーイで知られる小田武蔵くん。
その小田くんは半ば腹は立てているが、七股をこなすアリバイ作りに稲葉くんが便利なのでまあ許している。
ある夜、いつもどおり小田くんのPHSでなりすましていたら、隣のクラスの吉岡という女の子が告白して即切った。稲葉くんは吉岡さんがちょっと気になって、つい小田くんのふりをして話し続けるけれど…
いやこれめちゃくちゃ面白いです。
冒頭の「姉ちゃんのふりして〜(あとでボコボコにされた)」から意味不明に笑い転げました。何でそんなことがこんなに大笑いなんでしょう。それがどんな楽しいことか、なんとなくわかってしまうからでしょうね。そしてどんなひどいめにあったかも。家族の一番深いプライバシーなんて、そりゃ踏みこみたいに決まってますよ!
IKB…AKBを知らないのが我ながら残念。
将来は声優で決まりですね。これで、声優が何人死んでもスパロボは安泰!ブライトもセイラも、古代だって何の問題も…
魔女っ子ミグ…なんというか、今の読者知ってます?いや愛と勇気を振りまくのはサリーじゃ?
毎度毎度地声の吹き出しにすごい手間かけてますね。
なんというか面白い共生関係もあるものです。
警視総監とかヤクザとかお姫様とか…なんというか小田くんのほうがとんでもないキャラなのでは?
吉岡ゆあちゃんの可愛らしさは即死ものでした。
おとなしくて地味、というだけでパス、面倒だって経験上わかるとか?しかしもったいない。
「ごめん」に「ありがとうございます」というのは逆にたまらないでしょうね。それで友だちに、って…あの、それ現実の小田くんに吉岡さんが声かけたりすれば即破綻しますけど。
自分の携帯から、二時間も…その金額を想像したら怖いんですけど。漫画やおもちゃが売れないわけだ。
姉も結構美人。
そして前の作品のひなこちゃん再登場、なんか嬉しいです!
ずっとモノマネでしゃべる、ってかなり負担かかるのでは?
地声とかのコンプレックスも素直に話せる相手になっていた、と気持ちの変化を丁寧に描くのがまたいいです。
で、本当に声かけて…そりゃ破綻しますよね。全部ばれなかったのが不思議なぐらいです。
ばらして嫌われると知らん顔…確かにその二択ですね。
で、決まってる…あーあ、もっとすごいことになってしまいました。
すぐ人にぶつかる、というコンプレックスをここでうまく生かしたのもすごくうまい。
結構ケンカも強いんですね。後ろからとはいえ一撃で人を気絶させるなんて。
女のふりをして逃げて、捕まったところで…なんかあまりに豪快なスケールに大笑いすることしかできませんでした。
完璧にBGMは、ドリフの盆回り(「イチローのレーザービームで人類滅亡」で検索すれば曲が出てきます)。おそろしい。
で、最初から「小田」自体が勘違い…構成がうますぎます。お見事。
「あなたはだれですか」と今更になって聞いて、そして…最後の暖かさも素敵でした。
しかし小田くん、これでどうなるんでしょうね。
いやー本当に、こんな楽しい作品ってそうないですよ!
妄想クローバー
数年前。名前が「みつば」よりよつばがよかった、とわがままを言っているのを、いとこで幼馴染の猫谷くんが三つ葉のクローバーに小さなハートのアクセサリーをつけてよつばにしてくれた。それ以来彼が特別なんだけど…
今、お約束のように恋人に、なっていない。だがお約束な奇跡はやってきた、猫谷くんの親が海外出張で、同居することに…そして部屋に挨拶に来た彼に、雑誌を見られた勢いで告白するけど、自分じゃなく物語に恋してるだけだろ、とかわされる。
そこに猫谷くんの、うまくいっていない彼女がからんできて…
いやすごい!あえて絵柄を壊す方向に成長して、こんなに面白くて、一人一人がすごく生き生きしていて、そしてテーマがもう、今すぐ相対性理論の教科書引っ張り出してタイムマシン作って十歳から二十歳まで、相手の迷惑考えたら九歳ごろの自分を殺してやりたいぐらいにいたたまれない!言い換えれば誰にでも死ぬほど思い当たるところはあるはず!
小さい頃の、よつばがよかった、主役でいたい!という思いもすごくわかります。僕だけじゃなく絶対読者もみんな。じゃなかったら結婚式があんなばかばかしい産業になってるわけないです。
お約束なんだから恋人になってるはずだろ、というのもいやというほどよくわかります。
ラブリーに「妄想しほーだい」とあるのも爆笑。妄想を楽しむ雑誌、それでいいんですけどねラブリーは。
お約束としては、と物語のお約束を現実に当てはめようとするのは、小中学校の頃の僕もタイムマシンで行って五行掌ぶちこんで蹴って刺し殺したいほどにしてました。
激こわストーリーもある、というのが徹底してますね。
で、この奇跡…すごすぎる。
この、にへにへした、ある意味脂ぎった顔、これを少女漫画でやるなんて…本当にすごい度胸というかパワーです。
「そんなおもしろいの?」って、あんたが読んでるのも彼女から見たら…いや、実際少年誌は女子にも売れてますね。もうヤングがつく雑誌でしょうか?
現実に、一応は頑張りましたね。この告白すごくほわっとする感じできれいです。
「物語が好きなんじゃない?」そう、昔の自分にどんなに言ってやりたいか。殺すついでに。
まあ彼にとっては、好かれている分嫌われて追い出されるよりましかな、でも誤解されて責任取らされないように注意しないと、って感じでしょうか。
で、風呂といえばお約束…結構手足だけでも色気ありますよね、この絵。
お約束を妄想してのぼせる、って男の側がまったく妄想しなかったはずはありません。男のほうの内心もえらいことになってます絶対。
ついおしゃれしてしまう、というのもマヌケな話ですがある意味リアルです。
この会話は大笑いです。「男の子ってやっぱりのぞきたいって」…もちろん。当たり前だろう。だからってそう認められるわけないんじゃこの年齢の男子は。好かれてるの分かってるのに手を出さない、というのもかなり必死かも…
「おまえの妄想に」と大声出すのも…笑うしかないですね涙出るほど。
主役は見た目が可愛い、って今更気づいたんですね、といっても昔の自分も似たようなものなので何一つ笑えません。ひたすら隅っこにうずくまって壁を見つめるか、それとも何も考えられなくなるまで運動するかどちらかです。
でも少しでも目に見えるところも頑張る、と…告白したりおしゃれしたり、自分でも何か動いている、というのが昔の僕との違いです。
「お約束に期待すんのって」…確かに。でもそれが人間ですよ、自分の生命より物語を何より重視するのが。自爆テロをやるほど。
ラブリーを学校まで持って行っているとは。
「猫谷がおしえてくれたんだよ」という会話がすごく素敵です。お約束に恋していたのが、生身の人間との本当の恋に変わる…うらやましくてため息が出ます。
「無関心よりずっと進展してる」というのもそうですよね。いい忠告してます。
そして戸田先輩が出てきて、それで…この妄想、さすがですね。
あ…まだつきあってる、って…ひでえ。
変えられる現実もある、なんて素敵なメッセージでしょう。これ、十二歳ぐらいの僕に見せることができたら…少しは何か変わっていたでしょうか。ま、あの頃は少女漫画好きでもありませんでしたし、タイムマシンがあっても見せること自体が無理でしょうけど。
戸田先輩のほうから声をかけてきて…いいにくいから、というのもなんかわかる気がします。その二人がどんなふうに出会ってつきあって、そしてぎくしゃくしていったのか…
みつばちゃんの暴走は見ていて楽しいというか迫力に呆然とします。
本当にこの先輩もみつばちゃんも、そして猫谷くんも本質的に自分勝手で、本当に中身がある人間だな、って感じがすごくするんですよ。
ここでのぶっ壊れた顔もものすごいですが、実際恋愛関係でばたばたしてる人は、こういう顔のほうが多いでしょう。実もふたもなく言えば。
追っかけてくることを期待している、というのも人間らしくて…
猫谷くんが抱き寄せて…びっくり。それでも「同居してようがうったえる」ってそれも彼らしいですね。
でもまあ、抱き寄せた時点で終わってます。いろいろと。
更に後ろから抱きついて…「さっきの告白じゃないからな」とやったところで…帰ったら一晩二人きり。これは笑い転げるほかありませんでした。
これはもう主役以外のなんでもないでしょう!主役にもほどがあります。
「帰る。」が大笑いでした。
本当に楽しくてすごく深い、大胆に崩しまくってそれをものすごい表現力にして、描くほうがものすごく大変だったと思います。
これからもこの調子で、どの方向だろうととことん暴走してください!ものすごく期待しています。最高。
ごくゆめ
冒頭でやられました。
死んだ目に見事な黒和服に傘、このあまりに見事な極妻に腹が痛いほど笑ってしまいます。
仮装ファッションショー、実際にはコスプレもかなり大きな産業ですし、そちら方面も職は多くありそうです。技術的にも、普通に使われる服とは系統が違う服を作るのは刺激になるでしょうね。
で、何のコスプレと思ったら…そりゃないですよね。
アドバイスは確かなのに外してくれる、というのも見ていて楽しいです。
いきなりすんごいきつそうな美人!これとつきあえる男って若くて50、襟章の星(将官位)または一千億円以上の資産は絶対必要ですね。
一家そろってすごい。
自分もコスプレする、ってずいぶん贅沢な話です。トップモデルとこういうイベントができる、って学ぼうとすれば学べるものはすごく多いでしょう。
で、「さつきのお姉さん」…なんというかえらいことに。
滝沢くんもなんというかお気の毒に。「さつきの写真大量にとってこい!」というのも素直ですね。
確かに美人ですが美人であればあるほど気の毒な。というか誰か男だと見抜けないのでしょうか?早織ちゃんあたりは見破っていそうです。
組で禁煙して学費…うわ、そりゃ責任重大ですね。
トップモデルを相手にするというのもすごい度胸ですね。
で、ヤクザご一行様…笑うしかありません。そして血を見て、この迫力が凄まじい。
くじが逆に幸運というのも大笑いです。
何で男だってバレるがそのまま極道だってバレるになるのかは知りませんが。
「誰かを傷つけにきたんならいますぐ帰って」というのも、真実ではありますが。
男姿も見られて、なんというか…いろいろと疲れることに。でもヤクザだってばれたら…
直人くんに服をもらって嬉しいと喜ぶ表情、すごく素敵です。やっぱり連載での成長はものすごいですね。
すごく素敵な作品になっています。これからも事実上連載として、そして別の作品でもすごく楽しみにしています!
魔法使いと恋の味
長いウェーブ髪にマントにも見えるポンチョ、前髪が長くて目が見えず、いつも何か変なものを作って首から瓶を提げている…魔女と呼ばれる少女、佐藤しずく。
実は単に無愛想で冷え性で飴作りが趣味なだけ、でも魔女と呼ばれるからこそ、呪いなどを頼みに来る人もいる。そう、ちょうどぶつかって「ふられた」と泣く橘健太くんも?
でも彼は呪いではなく、彼女の幸せを願うだけだった。
そんな彼に、しずくちゃんは一個の飴を渡して去る。そして魔法使いと呼ばれた彼女は、元気を出すためにと魔法の飴を作ろうとするけれど…
やっぱりすごくいいですね、このほわほわした空気は。
冒頭からかなり不気味な眺めですね。でも読み返せば、怪しい匂いじゃなくて甘くておいしそうなにおいなんじゃ?
このポンチョが制服の学校というのもいいですね。
いきなり男の子が泣き出している、というのもすごい…僕も泣き虫だったのでよくわかります。ただ、僕が泣かなくなったのはかえって悪いことなんですが。
呪いの薬を頼まれたことがある、というのも悲惨ですけど、ありそうです。人間って本当に迷信深い生き物ですから。
相手には幸せでいて欲しい、というのも…そのきれいさがうまく伝わってきます。絵柄の透明感あってこそですね。
名前で呼ばれるのが初めて、というのもすごいですね。
あめを自分で作る、というのも材料は水と砂糖と香料だけですからね、簡単といえば簡単です。
しずくちゃんから見ればひどい話、というか別に、どっちもどっちですけど。
彼女の回想もなんだか暖かいです。砂糖は進化心理学的には最も生存・繁殖確率を高めるもの、その喜びはある意味麻薬と言っていいほど大きい…
優しい魔法をかけてくれる…白魔法、ですか。それまでの黒魔法のイメージが一気に白に変わる、見事なイメージ操作です。外の雪の風景もまたそんな、優しい感じが一気に…
そして…さとみさんが話しかけて、「わたしのせいなの」と…しずくちゃんには彼女がひどく見えてしまうというのも偏見で、さとみさん自身は別に悪人じゃない、という感じが僕はします。
だから…このハバネロはある意味暴力なのでは。そう…飴は人を幸せにする、という初心からもこれ以上ないほど離れてます。
気持ちを忘れるあめを作ろう、というのも無茶な話です。
自分は魔女だから一緒にいたら悪い、とつっかえ棒までして彼と会わないように…あまりにも真っ直ぐであまりに愚か、見ていて本当に胸が痛くなります。
そして、忘れたふりをして「つかまえた」と抱きしめる…ずいぶんと大胆な人ですね。
なんというか最後まで甘くて…(ヒロインが実質いわれのない暴力をふるっているなど)人間臭さもあって、素敵な作品でした。
もうこれほどの実力があって本誌連載がないなら…まったく。ため息しか出ません。
ウェザーガールりいな
今回はもう胸がすごくいっぱいになるぐらい好きって気持ちがあふれてました!
普通はこんな占いは出ないですよ。というか天秤座は全人口のほぼ十二分の一…
ちゃんと勉強しないとこの仕事は…もう。
扉絵のクリスマスも嬉しいですね。
本番中に転ぶというのもいろいろ大変でしょうね。
そりゃまあ占いのせいにするのは子供ですが…アメリカ歴代大統領のどれだけが占いに…
靴を履かせる、というのもシンデレラになるのが女の子という生き物ですね。
アイドルにからまれるのはわるい気しない、ってミーハーなのも可愛いですね。でもそれ、アイドルロリコン疑惑とかそんな感じになってなきゃいいんですが。
ドキュメンタリー映像祭に出す題材を探している、というのがAD残酷物語ですね。映像の仕事をやりたくて、でもADは薄給激務で創造性など見当たらず、とにかく何か賞とってもっといい仕事もらえないかな、とぐらいにしか頑張れる方向がない、と。
カップルじゃなくて小学生と…って現実にそうなんだからしょうがないです。その子供が背伸びをする、というテーマが本当に毎回きっちり描かれているのが、このシリーズに芯を通してくれています。
ひよりさん…巨乳に加えてさらに子持ち未亡人とは、どれだけ属性つけるんですか。
ここでなにげなくマコトさんの寂しげな表情を出しているのがまたいいですね。かなり無神経な問い…それが必然的に出てしまう、と読んでなんでしょうか。
力不足、その点はりいなちゃんとも同じですね。だから彼女のことをかまうのかもしれません、意識していないかもしれませんが。
胸が痛い、それも占いのせいにするというのも…
車にひかれて…『アイドル人身事故、被害者は小学生お天気キャスター』。ええと、ものすごく見出しになりそうなんですが。
車にはねられて無傷というのは確かに運がいい。
胸の痛みを恋という名前にしてもらえる…そして彼のきつい言葉も、関西弁が逆に心地よく響きます。
それで失恋には新しい恋、と誘うのも…「サイコーにハッピーにしたる!」という言葉もすごく魅力的です。自信が中から輝いているよう。
避けていたところで、あまりに直球な思いつき。それを薦めているほうは…もうできているのか諦めたのか、どうなんでしょうね。
いきなり壁を蹴るワッキー、ここは印象強いです。
学校に許可取ったりも大変でしょうね。
ファインダーは嘘をつかない…漏れてしまった本当の気持ち、すごく胸が締めつけられます。
あまりにも強い思い…
そしてクリスマス、それで大事なディスクを壊してしまって…HDDにバックアップがないというのも恐ろしい話ですが。
占いのせいにしていたのが、ふと占いが先月のことだと気がつく、ここからの盛り上がりがすごくうまい!
運勢なんて関係ない、こうして走り出したときのりいなちゃんは無敵ですよね。
そして…うわ、なんてことを!スペシャルライブで「ごめんなさーい」…こうあっけらかんとやられたらどうにもなりませんね。本当に魅力的な笑顔です。
というかこういうゲリラライブって警察関係でえらいことになるそうですけど、りいなちゃんは知らなかったんでしょうね。
ワッキーも…いい人になってしまったのが不本意、でもどうしようもない…そのクールと熱さの両方があるのがすごいです。
元の素材で三日徹夜…お疲れさまです。
そして最後の意味深な言葉と、寄りかかって眠る…たまりませんね。
初恋の切なさがあまりにいっぱい詰まっていて、胸がはちきれそうです。
海鈴のジャンヌ
相変わらずすごい!
ため息が出るような美しさ。
兄同士の話も結構しっかりしてますね。
「気にしないタチ」っておおらかな人ですね…
どちらも、縁談はどうするんでしょう。まあどのみち政略結婚以外ないんですが。
ちなみに数え年は、生まれた時点で1歳です。
二人、顔をあわせただけで…明成のほうの想いの強さ、静かですが強烈な熱さが伝わってくるようです。
かねが、そのことを伝える時に一瞬見せた苦慮…すべてわかっている、という、すごくしっかりその心情も伝わってきます。残酷な事実だからこそはっきり言う、その勇気も。
狩りは頼朝の富士の巻狩りの話にあるように、武家の軍事訓練としてはきわめて重要でした。元々モンゴルをはじめ騎馬遊牧民の強さは、集団で家畜を扱い狩をすることによって磨かれたものでもありますし、馬を操り指揮者が集団を統制し、また地勢や天候、獲物の情報を分析し活用する、それこそ今の軍事用語で言うC3I…Command(指揮)Control(統制)Communication(通信)Information(情報)の元祖でさえあります。
今馬を使わず銃で熊を撃つ山の狩猟民マタギも、やっていることは見事な指揮・統制・通信・情報ですし。
命に関わるほど危なくなったのも通信外に出たからであり、だからこそ戦場で同じミスをしないと期待できます。戦場でやったら多数の部下を死なせかねませんから。
また神事としても娯楽としてもとても重要な意味を持っています。
弓を腰にしっかりひきつけているのがいいですね。弓道では弓を引いていないときはそうするのが基本です、身長より長い厄介ものですし引っ掛けて弦を痛めたらいざというときに命に関わります。
鹿という生き物は実際、危険なときはとても危険です。鋭い角と強力な力。奈良などでは当然のように人に馴染み、僕も丹沢の大山で人馴れた鹿にドロップを手から食べさせたことがありますが、その巨体はそれなりに恐ろしいものでした。
馬の迫力がまたすごい。
そして…別れを告げることも本来許されぬ、だからこそ危機に応じて鮮やかに助けただ一言…男の中の男です。この一瞬の姿もまたすごい迫力。
そして思いが雪の中に…このさりげない描写もたまりません。
雪の中に立つ彼女の、もう大人の女性らしい姿…後ろ姿だからこそ余計に、その気品さえある美しさがはっきりわかります。宝塚だったら銀橋回って一曲ソロが入るところです。「この恋は雲の果てまで」や「愛の巡礼」なんかが合ってますね。
恋を自覚して、かねと話す…ここもすごいシーンでした。すべてわかっているかねの暖かい思いやり、そして真っ直ぐな目に真っ直ぐ答える人としての高さ。
女の生き方もただつまらないだけではない…これも、読者にも伝わって欲しい、いつの時代でも決して変わるものではない…
季節だけでなく時代も流れる、細川と大内…応仁の乱で乱れた世、でも信長らはまだ生まれたかどうか、古い伝統などは残りながらも急速に変化していく時代。特に時の流れからは取り残された面が強い大三島。
自分なら自由に動けるから、と自分の役割を探し、次々と人を呼び、命令して動かしていき、それだけで城の空気を一変させる…将器。それを見抜く安房も見事。とても高い説得力で伝わってきます。
船にも矢を防ぐ板を立てる臨戦体勢。そして死んだ人、壊された板、そして焼けた里…
残虐性を最低限に抑えつつ、戦争そのものの悲惨も伝える、そのぎりぎりの努力がすごくよくわかります。これまでは現実感がなかった戦争を現実として受け止める、それがはっきり伝わってきます。
母を案じて飛び込んでみたら、このようなこと何度もあった、とばかりに炊き出しで民を率いている母、そして武家の強さ!
ほんの一瞬子供に戻って抱きつき、そして即座に「手伝います!」と武家の女の強さを肌で学び取る…胸が熱くなるほどに。
つれてこられた部下も即座に役に立っているのがまたいいですね。
この女の強さ、それがあるからこそ男は戦えるのですね。先の戦争の復興でも。
このまま屋敷に戻る、そのことはおそらくついていた手紙にもあったのでしょう。
そして三年、またなんと美しく。
恋心も形として固まり、それをそのまま笛として…母親もそれを察していてもどうにも。
この時代、この年齢で縁談があっても別におかしくありませんが、それがないのは…周囲の情勢がそれほどに悪いのか、それとも…
大内家の海の覇権を求めるエネルギーはきわめて強い、それが…後に陶、そして毛利にあれほどあっけなくとってかわられるとは誰も思わなかったでしょう。
厳しくなる情勢に、城主代の重責。残酷な問いですが、安房も明成も武将、どちらも私情よりも政略戦略で考えられる…ものすごいいい男。
ただし、安房の立場で考えれば今の段階で息子がいないのはきわめて重大な危機といえますし、さらに鶴姫が城主代として、自分が近く男子を産んでその子が成長したら、鶴姫またはその夫と自分の息子の抗争になりかねない、きわめて微妙な事態です。
鶴姫には父との約束、そして平和の祈りという導きがあって、だからこそ女の身でその重任を。
そしてこの明成との再会、圧倒されました。あまりに強い思い、でもそれよりも城主代としての立場を優先して堂々と受け答える。凄まじい強さ熱さが伝わってきます。
どちらの美しさも凄い。
「命にかけて」その一言がどれほど強い思いを込めているかも。
でもまた恋する乙女に戻って、笛で…「おぼえていたどころか」なんて不器用な、そして真っ直ぐな、実質的に告白!
ほほえましくさえ、そしてたまらなく悲しくなります。
天文十年…1541年。武田信玄が父信虎を追放して家督を奪い、二年後には鉄砲伝来。信長はまだやんちゃ小僧…ですがそれは後の目から、そのときにはただ激しい歴史の嵐があるのみ。今年だって後の歴史書になんて書かれるか誰も意識なんてしてませんし、今のどの子が後に活躍するかも予測しようがありません。
六月十二日、というのも、ちょうど田植えが終わってからと興味深いです。
安房の出陣の迫力が凄い!この太鼓の音も、単なる合図や儀式ではなく海上における重要な連絡手段。
鎧もしっかり調べてますね。兜と袖(肩を守るやや柔軟な盾)はありながら両脇を守る板はなく、しっかり脇腹も守る新しい時代の具足。刃が下を向く古い太刀をぶら下げていながらその上にはより機動性が高く、安くなった鉄の鎧を貫く厚みがある刃を上に差す打刀。
そして実在の、女物の鎧…おそるべきさだめ。
出陣のときの覚悟、それを受け止める姫の強さ…
明成を迎える、かねも薙刀を持ち鎧を後ろに控え、いつでも城を襲う敵と戦う覚悟がはっきり見える…
明成の残酷な報告、家族の死…それを拳だけで受け止め、ただ「つづけよ」と、明成のほうがむしろ痛いほどに。
だからこそ…余計なことを言うのではなく、ただ武将としてすべきことを伝える…
兄と妹、でもあくまで大祝職と城主代、覚悟がひしひしと伝わってきます。
太刀を渡すところにその古さを感じさせますね。
そして多数の将兵!それに圧倒されおびえてもおかしくないところ、あの戦の悲惨から愛する人々を守るためというはっきりした動機と、神を身に入れる素直で真っ直ぐな器…何という迫力。
いざ出陣。凄まじい覚悟と迫力…明成の、死んでも守るという覚悟も恐ろしいほどに。
なんというものすごい作品でしょう。ただただ圧倒されるだけです。
コンプレックス!!
巨乳で男子にからかわれるのが悩みの豊橋桃ちゃん、男子も自分の体も嫌い。
その彼女が角を回ったとき、いきなり男の子が胸に顔をうずめてきて…さすがに切れたら事故とのこと、さらに相手の男子の「キミの頭がそんな高さに」と、彼が145cmと小さいことを言ってしまう。彼は「それ気にしてるから禁句」と軽く流してくれ、その痛みをよく知っているからこそ誤ろうとしたが、彼は笑っていた。
その綿貫真白くんはその後も助けてくれ、また低身長を気にもせずに活躍する姿を見て、桃ちゃんも「気にしてるから禁句」といえる強さをつけていく。
そして恋になるかならないかのところで、真白くんも「あーゆー体キライな男いるわけねーじゃん」というのを聞いてしまって…
しっかりしたテーマ、絵の表現力、すごく素敵な作品です。
ややエロ気味、でも少女漫画らしさがしっかりあってテーマはまっすぐ、そういうのも好きですよ。
扉の柔らかい感じが服からも伝わってくる、風呂に直接ラベンダーオイルを垂らすような色香の強さがまずたまりません。
確かに素晴らしいとしか言いようのない体ですね。胸だけじゃなく脚も。
男子はそれをからかうしかできない、でもその年代だとそういう動物でしかないんですから仕方ありません。中学の頃の僕はからかったりする輪には入れませんが、そのかわり見ないようにしながらついついヘドロのような目で見てしまうだけのことでしょう。
「なれてるから」という悲しげな目…それが変わっていくのが本当に鮮やかでした。
「エロイ話してる自分たちがカッコいい」と、それは男子集団のどうしようもない価値観ですね。男子から見れば女子集団も変な価値観で動いてるところ、けっこうありますよ。
胸に顔直撃、それでさっきちらっと見たカップルがびっくりしているのがまた苦笑。
確かにそりゃ…というかまず土下座でしょう。
気にしてるから、で自分も体に、自分の意思ではどうにもならないところにコンプレックスがあるのに他人の体を責める、その罪に気づける…その心根のよさを彼もすぐわかってくれる、それがつくづくいいですね、お互い内面の美点を理解するというのが。
暗いところのある自分と明るい彼の対比が気になって、ここもはっきりしていていいです。
先生までセクハラとは。本当におっぱい星人だったら…まあ「彼と彼女のホント」という漫画のくだらなすぎるネタなので自粛。
綿貫くんの助け方は見事です。セクハラにはセクハラで、嫌な思いをさせないようにしっかり先生に謝らせる…
この綿貫くんの笑顔も、桃ちゃんのドキンとした表情もすごく力強くて、わかりやすいです。
バスケシーンの迫力も素晴らしいですね。スピード感も躍動感も。
身長でからかわれてもあくまで強気、本当に強い…その強さが伝染したように、巨乳と呼ばれて「気にしてるから禁句ですっ」と返せる…強さを人から学べる、そしてそれを見た綿貫くんはますます桃ちゃんの内面の豊かさと強さを知っていく…ため息が出るほどすばらしい。
そして…気にした、そして追いかけるという行動が出たところで聞いてしまった言葉…すみません男子という動物なのでどうしようもない、性欲のない男子なんてほとんどいませんし、いるとしたら…ある種の病気とされるんです、性の多様性として理解すべきではありますが。
中学の頃までの僕は、主にDr.スランプの影響で自分は性欲がないと強力に自己暗示をかけ、エッチなものは見ない聞かない読まない、全ての話題はわからないと主張していましたが、今思えばものすごく不自然で悲惨で見ているだけで不快だろうと思える状態でした。
男子だ、ということだけで人格を全否定されたら、男としては正直どうしようもないんです。
誰も中身は見てくれない…そして「へーきなれてるから」と、最初に出た一番悲しい言葉が出てしまう…この絶望は影の使い方、顔を出さず体だけ出すうまさも含め胸を打ちます。
そして、つい「ちいさくてたよりないもん」という残酷な…誰よりも残酷さを知っている言葉の暴力。
普通なら致命的になるのに、「理由もなく桃はそんなこといわない」…内面をしっかり見てくれている、という…でも嬉しいと思う以前に、自分を卑下して拒絶してしまう、それで去っていく綿貫くんの、自分の無力を苦しむ痛みもすごく伝わってきます。
そして…「カワイーとこそこしかみえてないなんてかわいそ」…これ、胸がいっぱいになりますね。
桃ちゃんの、飛び出して叫ぶ強さも「カワイイ」というのがまたすごい。
後ろから抱きしめての「好きだからだよ」も胸がいっぱいになります。
彼が落ちこむのもわかりますね。男にとってはどうしようもなく恥ずかしいところを見られるようなものでもあるんです、平気でエロ話しまくるのとは矛盾しているように思えますけど。でも女子だって、一人だと恥ずかしくて弱い、でも集団になると恥も何もない、そんなところってあるでしょう?
それだけじゃない…そして、「胸はカンケーあるか」と落としておいて、ここがまたうまい。
胸パンクしそう、と最後まで胸にこだわって、さらに考えてみたら体育倉庫…笑うしかないオチでもありますね。
色気も、そして女の子の…胸の代償に関わらない普遍的な悩みも、そして男の子の強さと弱さも、全部ぶちまけるように出し切った、本当に真っ直ぐでいい作品でした。
これからもこういう路線で、読者に強さを伝えて欲しいです。
恋v温
大きな桜がめじるしの小さな学生寮、春晴荘に暮らす木村あおいちゃんと浅野太一くんはじめ、みんな家族同然に仲良し。太一くんは転勤族で、みんなにパシられることが多い。
そんなある日、太一くんがあおいちゃんにキスをした。
混乱するあおいちゃんだが、昔の話で彼の想いを確かめ、言葉にはしないが受け入れそうになる、そこで太一くんが、両親が転勤族でなくなるため出て行くという話を聞く…
ため息しか出ないほどすごいですね。
さやえんどうは子供のお手伝いの定番です。僕も散々やりました。ちなみに一人暮らしではまったく食べてません。
みんな寄ってたかって、家族といっていてもひとつ間違ったら被害者意識でえらいことに…
賭けておいて「ヘビだ」、ずるいというかこうして抱きつかれて、そこから一気にキス…しかもすごい熱い、強烈に情熱的でした。
突き飛ばされてからの太一くんの後悔か何か、つらそうな雰囲気がいいですね。男側からも気持ちをたぐれるように。
それでいつもどおり…
後ろから抱いて「あからさまにさけんな」とやるのも、また大胆。
回想もものすごくエネルギー伝わってきます。なんというか全体に、抑えたものすごい情熱がこもってますね。
手をつなぐでもなく指だけ触る、この恐ろしく微妙な、ギリギリまで薄い氷みたいに微妙な関係がすごくいいです。
そこでこの話、やられたというか。
「オレのことすきなんじゃねぇの?」「すきになるわけないじゃん!」とこの会話、お互い何を求めているのか分からないような圧倒的な若さ…子供と大人の境界、胸がわけもなく激しく騒ぎます。
圧倒的なほど膨大な思い出。うらやましい…現実の僕にはたった一枚か二枚の写真しか、形に残る思い出はないのに。どれほど現実に足をつけてなかったかわかります。
このたくさんの写真の表現力は恐ろしいほどです。
伝えようがないほど激しい気持ちを、何かを投げつけてぶつけていく…混乱したままの気持ちがとても大きくて、圧倒されます。
あまりに熱い思い…本当にすごい作家です。それを活用できない本誌にはため息しか出ません。というか今までの作品単行本で出してください、せめて。
若おかみは小学生!
なんかいそうな若者ですね。でも整えたら美形だったりして…まあそれが繰り返されてきましたからね。
一切サービス不要、というのも客商売にとっては楽そうで厄介ですよね。
昔の彼を知っているとはさすが。
「申しわけないといいつつ自分の好きなようにする」が大笑いです。はい、サービス業は基本そうです。客の内心など知ったこっちゃない、マニュアルどおりにフロアを片付けることこそ最優先。あ、そんな人ばかりじゃないと思いますけどね。
「よろしければ系のサービス」…これもサービス業にとっては耳が痛いですね。
「それだけはできません!」と、譲れないところでは譲れない…それが「心配してました」から…でも、サービス業で客を下手に心から心配すると、噛みあわなかったらものすごいクレーム食らうことになるんですけどね。ま、あのときは「早く片付けて帰りたいんだ眠いんだよ明日も授業だし」という本音がなかったといえば嘘になりますけど。でも泥酔運転で死人が出たら寝覚めが悪いというのも本音でしたけど。
あくまで強気、本当に強いところは強いですね。
「ウリケンもいいけど鳥居くんもいいなってv」見てるだけの立場は楽しいですね。
胃腸が弱いから余計食べたがらない、というのも厄介な悪循環ですね。
調理師もこういうのが挑戦しがいがあるようですね。
パソコンの横に水気…そりゃ怖い。結露すら大敵なのに。
確かにこれはすごく消化よさそうですしおいしそうです。僕も今晩はこんな感じにしようかな…
ちっちゃい子どもみたいなとこある、って見られちゃったら終わりですよね。特に女の子には。
幽霊という強力なのぞき屋がいるというのも有利というかずるいというか。
朝から…なんというか、笑うしかないぐらいのおせっかい。
この朝もすごくいいメニューですね。小鍋立ての湯豆腐というのも贅沢です。
学校では相変わらずの美少女で、このギャップが毎回楽しみになっています。
鈴鬼くん…何山キシン?笑うほかありません。奇跡の一枚、すごすぎますねこれは。
うっかり送ってしまって、なんというか妙なことに…ユーレイ話がばれるとか?
それにしても安定した作品です。
神裂島
西崎つかさ(女)、幼なじみの南波サトル(男)、東堂萌(女)、北里信彦(男)の四人組、全体に萌・サトルが強く横暴、信彦をパシリにしてつかさがとがめる、そんな関係。
その四人が近くの神裂島にキャンプに、近所の青年直也さんに連れてきてもらったが、ついでにテントを張ってくれるという彼は四人が戻ってみたら喉を切られて死んでいた…その島では昔連続殺人が!
さらに奇妙な幽霊も出てきて、恐怖は募る。
冒頭から凄まじい迫力と切れ味。
何よりこのページ数がすごい!これまで増刊連載の経験もない信心に欲これだけのチャンスを与えたものです。編集も恐ろしく大胆なことをしたものです。
この四人の関係も一目で分かりますね。
このロケットがどんな役割を果たすかも楽しみです。
大人たちにとってのタブーである島、逆に気になりますね。
振り返ったときの表情、そして霊の気配…盛り上げがうまいです。
突き飛ばしたら、この血…すごい血の量と黒の使い方、胸がゾクゾクします。
携帯電話に頼っていると問題ですね。
ボートがこわされてた、というのも読み返すとうまい…状況を支配しているのが犯人、というわけですか。でもそれだけならこの島でのキャンプを思いついたつかさちゃんが…
ボートの残骸でもシェルターは作れるのでは?
あとキャンプのための食料やテント用布など重要物資も失われたんでしょうね。
亡霊に殺されたんじゃ、というふうに情報で恐怖を煽り人を操るのも読み返せばうまい。
一人ずつ、というのも定番…ここでわらべ歌がないのが残念なぐらいです。というか「そして誰もいなくなった」を思い出しますね。
激しい叫びの文字の強さも圧倒されますね。というかこんな大フォント貼り付けるの勇気要ったでしょうに。
相互不信が激しくなるのも見ている分には…だから僕はこういう状況になったら、完全に群れから抜けて一人で森の奥に消えてまず棍棒、次に弓矢を作ります。まあどうせそれも死亡フラグでしょうけど。
後ろから亡霊が迫る…一人にならないほうがいいことははっきりしています。
次は自分、という恐怖がじっくり伝わってくる、黒を最大限に活用したパワー。
そして真犯人…あまりに単純なトリックとストーリー、なのにこの画面の激しさ、パワーがすごく面白い作品にしてくれるんですよね。
証明されても死刑にはならない…死刑になった後のむなしさも悲惨ですし、裁いてから殺してもいいのでは?
「友だち」という言葉の重さ、ここで自分を反省して、自分も共犯になってでも…子の決意は強烈なほどでした。
幽霊の涙に、「ぼくのために泣いてくれるの?」という信彦…胸が痛くなりますね。
すごいとしか言いようがないです。ひたすらパワーだけで圧倒されたという感じです。
このパワーが次回作ではどんな形で生きてくるか、今から楽しみです。
あいちゃんの観察日記
成宮あいちゃんの趣味はカップル観察。鼻血出るほど好き。中でも最も好きなのが水城・沢村カップル、なのに見ている前で「わかれよ」…
落ちこんだ彼女は何をとち狂ったか、水城くんに「つくりましょうっ彼女!」と手を握り、まるで選挙運動のように彼の魅力を宣伝する。
それを止める彼と話したり一緒にいたりしている間ドキドキするけど、沢村さんがまた近づいてきて…
年齢ばかりが話題になりますが…でも若くしてデビューした作家には素晴らしい逸材が多いことも確かです。でもまあひたすら作品を楽しみましょう。
カップルを観察するのが楽しい、というのも面白い趣味ですね。
にぎりつぶしたくなる…僕は関心持たないので。それより猫やカラスや街路樹の芽を見てるほうが楽しいし。
この表情が極端なのが楽しいです。
いきなり「わかれよ」ってあっさりしすぎてますね。そっち側ってそういう生き物なんですか…
「よっちゃんだってビーバーズが」、ここの意味不明な熱さがすごく楽しいです。
彼女を作りましょう、って自分がその彼女になるという発想がひとっかけらもないのが酢晴らしい。
そしてこの行動、普通の人間には思いつかないですよね…すげえ。
ゴミ袋が大きすぎます。
「もらえる幸せの量が全然ちがうんです」と、ここまで異性のことほめあげたら…人間がどんなにほめられたがってるか分かってるんでしょうかね。
回想の中のウォッチングしてるあいちゃんの目がどう見ても恋する乙女の目なのも。この表情の甘さはすごい。
水城くんの表情も印象強いし、心の動きがよく伝わってきます。
校舎裏の焚火って見つかったら…しっかり水バケツを用意している用意のよさがまたいいです。
「見てるだけで幸せなんで」という笑顔にまた水城くんが惹かれてしまう、そして返事でくらっとしちゃう…この二人の表情の変化を見ているだけで幸せです。
沢村さんの動きは必要なのは分かりましたけどむしろ余計にすら感じるぐらい、この二人を見ていることが僕には楽しい…って僕もある種のカップルウォッチャーなのかもしれません、二次元専門の。
電話での通じない話、自分でも理解できない感情…見ていてすごくもどかしくなります。
はじめて「もっとやだ」と思って動いてしまう…ここからの水城くんの言動にはびっくりさせられる、次がどうなるかどんどん飛んでいって、このジェットコースターも楽しいです。
「ほんとにきいてないね」とか、水城くんのこの奇妙な冷静さも面白いです。
「ほんとよかったぁ」という笑顔もすごく魅力的…それを見守る水城くんも。
最後まですごく笑顔が魅力的で、見飽きない作品です。
年齢など忘れて楽しめる完成度と絶対的な面白さ。これは先が楽しみです!