なかよし2011年11月号感想
奇妙に目を引く表紙ですが、他二誌が今回やや弱めだったのに救われたとも言えます。
スマホって、今何割でしょう?ほとんどは普通のケータイ、いやケータイを持っていない子も多数いると思いますが。
この時期、冒険をしないことを選ぶのは、果たして来年以降どんな結果をもたらすのやら。特に大物連載が終わってから。
「遊びにきました」はレギュラー以外も公開してくださいぷりーづ。
セイントテールの新装版、というのはどうしてでしょう?嬉しいのは嬉しいですが。それより「夢食案内人」未収録分をお願いします(何十年前の話じゃ)。
わたしに××しなさい!(遠山えま)甘い悪魔が笑う(鳥海ペドロ)AEISA(安藤なつみ)キミノネイロ(フクシマハルカ)めろめろメリィ(茶匡)ミスプリ!(青月まどか/Ruby Party)ふたりのヒミツ。(茂呂おりえ)恋と軍艦(西炯子)スイートプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)荒野の恋(タカハシマコ/桜庭一樹)さばげぶっ!(松本ひで吉)予告
わたしに××しなさい!
巻頭カラーのサービス、露出率は低いのに…
いい人にしか見えないことほど恐ろしいこともないです。
晶くんのナイトぶりがすばらしいですね。
そして時雨、ここまで…すべてが彼女を守るために。
ここでマミ、確かにこれは仲間はずれですね。
携帯電話があると「いっしょにいる気に」…魔法道具なんですよね、携帯電話も。
「あとなんか水野もいて」…どんな関係なんでしょう。
幼稚園のほうに向かってしまう、というのもやっかいな。晶ちゃんにそばにいてもらえばいいのに。
「勘ちがいすんなよ」ってなんてツンデレ。
好き、と思い出してしまう…
あれ?別に悪人じゃなかったオチとか?…僕の中の邪悪な部分を投影して、悪そうに見える人を増幅しちゃうんですよね。
地獄の果てを覚悟し、あらゆるストレス解消ツールを準備していたらとてもあっさりハートウォーミング…やられました。
甘い悪魔が笑う
男にとっては一番楽しい、んでしょうが女の子はこれ見てて楽しいですか?
「男相手に何」…この期に及んで押し通すのが潔いですね。
イケメンコンテストってどんなことになるんでしょう…
そして女子を隠すなら女子の中…といっても彼女は女子の中に入れても面倒なことになりそうです。
それで「ハルキ」を呼び出して、なんというか面白いだけで世界ができてるってうらやましいですね。良心がない、って。
「あなたの票をうばわせてくれませんか」…で、この上着を投げ与える仕草で、もう腐女子たちみんな大満腹。
なんというか、どれだけ続くんでしょうねこの厄介ごとは。
ARISA
どうして学校に…本来、そこで大人に引き渡すべきなのに、誰もそれを考えない、徹底的に大人が存在していない…
冷たい目、それも何かあるのでしょうか?
「操られている」その言葉も危険です。オウム事件のように、操り手すら人間集団の、創発的な力に操られていた、ということもありえます。
誰か悪者がいる、というのが子供の思考です。
なぜ、ありさの彼氏のはずの緑がつばさを抱き寄せるのか…それもまた恐ろしいですね。
無数の時計、そして誘惑の言葉…たまらなく怖いです。
王様の正体…でも、それも本当だか。
一体どこに着地するのか、それとも着地できるのか…
僕に、本当の意味での「評論」の才能がない、またミステリ・サスペンス・ホラー作品の積み重ねが圧倒的に薄いことが残念でなりません。僕には、これほどの作品を受け止める力がないんですよ。
キミノネイロ
人気絶頂なのに早めに終わらせる、というのもかなり大胆です。
冒頭の表現力にはつくづく圧倒されます。
どれほど好きといえば伝わるのか、見ていて苦しいほどです。
女装男子にしたのはあんた、とそこまできたらそりゃ倒れますよ。
この回想…そういうことでしたか。
この笑顔は極悪非道通り越して殺人です。
水滴の表現がまたすごいですね。
そして起きてすぐに迷わずキス、これがまたすごいとしか。
花火もまたとても叙情的ですね。
さてどんなクライマックスに…
めろめろメリィ
可愛らしい部分が最大に出てます。
キタキツネって確か伝染病の媒介獣じゃありませんでしたっけ。
牛馬が公道を歩くのには実はルールがあります。運転免許のために習った道路交通法に、冗談抜きにその項目があったのは思い出すだけでも大笑いです。
イカす乗り物、まあ馬はとてもイカしてますが、バイクなどよりはるかに手が届きませんね。
表情の可愛らしさとはつらつとしたパワーはものすごいです。
全員順番に愛して、って年長者(あえて大人とは言わない)の世界では別の意味になるんですが。
いきなり牛、というのもすごい。手が荒れている、というのがとても実感させる力ありますね。
やばいとかそんなレベルじゃない…
男のオトし方…いろいろと怖いんですが。
こんなの一口で…意外と冷静で楽しいです。
おかずのため死んでくれ、には本気で爆笑しました。
畑仕事と牛舎そうじ…働き者過ぎます。働き者…昔は本当に高い価値だったんですけどね。
「子づくりするか」というのがまたすごすぎました。
男嫌い、というのもある意味楽しいかも。でも、女に囲まれていて、女を嫌いにならないのもすごい感性ですよね。
いきなり抱きついて泣くのも、いや…これ、彼女に離れてもらうチャンスだったのに、結婚してないと普通に言ってしまう…不器用と言うかマヌケと言うか。
「大嫌いなヤローどもが一生彼女つくれねぇように」…バカにもほどがあります。
そしてイイハナシダナー、と思ったら、なにこのオチ。
やっぱりすごすぎますね、このパワーは。いろんな意味で面白すぎます。
ミスプリ!
疲れて効率が下がる、と確かによく見てますね。
施設で子供たちと遊ぶ、というのも、この二人にすごく合ったデートかも。
やはり、そういう過去が…
話しながら寝てしまって、それから「演武」…彼女が本当に得意なこと。
この迫力、ものすごいですね。
ステップはその応用、というか相当いい道場なんでしょうね、重心のとりかたを徹底的にやるなんて。
ものすごい積み重ねがある、あとは…それさえ思い出せば…
みんながやらかしたお出迎え、というか男の嫉妬がかわいいです。
それぞれの「おとなしくオレさまに甘えてろ」…しびれますね。
ここで判明した別のこと、でも今はあくまで甘い雰囲気に…
いや、本当にすごい作品になってきてます。
ふたりのヒミツ。
教卓に隠れて手をつないだまま、というのが妙にエロシチュ。
ここで鈴を渡して、告白!?
それで「かわってない」というのも、姫々ちゃんの目の前で…
そして、やっと実験できる?と思ったらキス発言を聞かれて、さてまたやっかいなことに。こういう時限爆弾は楽しいです。
「今回はおまえから」というのも、男心は面倒ですね。
タイミングをミスって、結局失敗と。
しかも入れ替わりもばれている…さてどんなことになるのやら。
なんというか、何がどうなってるのか把握しきれないぐらい密度高いです。攻略本が欲しいぐらいですよ。
恋と軍艦
牛乳を飲むと胸が、って何が大元なのでしょう。
本来は肉を飲み牛乳を飲む西洋人の、身長と体力を理想化した…植民地的身体についての定型議論は牛乳同様もうおなかがうけつけません。
東京に比べると制服が、そんなに差はないと思います。
多分、「東京は圧倒的に多くの学校がある」「多くの学生がいて、当然ファッションに熱心な学生も多く、彼女たちは制服を美しく見えるよう微妙に改造したり工夫している」「東京にはトップデザイナーを使っている高学費私立校も多くある」というだけのことでしょう。
やぐらから港に飛びこむ…通過儀礼の意味もあるんでしょうね。
東京都杉並区で沖縄…笑うしかないですね。
「いい気味」と見てる表情がすごいです。
先生に頼まれたり雑誌に興味があったり、という普通の学生らしい生活って、「なかよし」の生え抜き作家はもう描くことが一切許されてないんでしょうか。
陽くんの哀れさがいろいろ楽しいです。
祭りというのも、大人の世界は大変です。権力抗争が露骨に出てますね。
呉服の生地…これ、一反いくらするのか考えるのも怖いです。
宇宙飛行士柄が最高、というのもずいぶんすごいセンスですね。
この町がどうなっているのか…その不安、特に…日本の沿岸の五分の一ぐらいが、根こそぎ地震一発で破壊しつくされたのを見れば…
大人二人の雰囲気、余計なことを考えなければ見ていて楽しい。こういうところもさすがに鋭いです。
軍艦の部品工場、それで、もめられたというのがすごいなと今の僕は思います。戦争に協力することに反対できたのか、と。
でも、あの戦時中でも、いろいろな人がいろいろな力を使い、反対したり賛成したりして、なんだかんだで動いていったのでしょう。
原発などでも似たようなことがおきますし…
地味で上品、その美しさを理解できるのはずっと先…僕は、好きなだけさせてやるのがいいと思います。それで損をするのは本人なんですから。致命傷にはならないように、ですが。
さて何の会話なのやら。今回はとても興味深いシーンが多く、面白かったです。
スイートプリキュア
なんかまた色々省略されていたようです。
チートパワーに頼ってたら、ろくなことにならなさそうです…
掏られたのには苦笑しました。もう鉄人28号のテーマが頭に流れてしまいます。
しかし、上北先生がこういう、仮面とボンデージ気味の服を描くとつくづく凄まじいカッコよさとパワーです。
…「またたびシスターズ」単行本化を是非…
荒野の恋
呆然とした感じの描写がさすがにお見事。
いきなり、壁に押しつける体勢になって…どうするのかドキドキしていたら…何もなく回想の言葉だけ、というのがまた切ない。
「台所には一人の女がいればいい」…独占欲を自覚できる、というのも悲しいことです。
最後のご奉公が、ブラジャー…「性からも悲しみからも」という言葉、さすが次世代型作家のリアル・フィクション。「スレンダーは秀才巨乳は天才」というのも。
「隔離しろってさ」というのも、なんというか素敵な置き土産ですね。
雨の表現がものすごいです。
愛人の一人…いろいろと大変ですね。男にとってはうらやましい限りですが現実には大変さのほうが大きいでしょう。
つけまつ毛でこれほど騒ぐ、といってもまあ…僕も親族の結婚式で、タイピンが必要かどうかで大騒ぎした記憶があります。
完全でなければならない、というプレッシャーは凄まじいですからね。
「子どもはなにもしらないなんて思わないで」…これも迫力ありますね。
五千円も、まったく…五千円が、身分によってどれほど違うか。小学一年生にとってどんな価値があるか、そして大人にとって…絶妙な額です。
いきなり男の子の激しい感情が叩きつけられる、隔離は…逆効果だったかもしれませんね。
疾風怒濤、Sturm und Drang…
桜庭先生の感性がすごく強く出ている気がします。それに触れるのは、小さい女の子にとってはとても大切な体験、財産となるでしょう。
さばげぶっ!
無駄に迫力のある冒頭部。
解放されたい、なんて無駄なことを言ってももう遅いのは自覚してるでしょう。魂の底まで染まった巻き込まれ型ヒロインだと。
カラスが標的、ってそれはサバイバルゲームではなくハンティングでは。
というかエアガンでのハンティングって法律上どうよ。
あとカモノハシの毒蹴爪はかなり強烈なので心配ないんですが。
スコープつきのG36、ってスコープ使ってないんですが。
というか弾頭密度自体が低く球形のBB弾で狙撃は不可能なんじゃ…
自分を信じる、というかそれは単なる槇村香です。
回想はうざいだけなので…と思ったら「クマがほしいんだろ」…
素晴らしすぎるオチです。
来月号は山田デイジー先生の新連載…今回は明るい作品であって欲しいですが、無駄な願いでしょうか。