なかよし2011年春ラブリー感想

あおいみつ先生、そして山田デイジー先生も協力してネットで発表された、作家陣の生存確認がなによりも嬉しかったです。この場を借りて心より御礼申し上げます。

今回はちょっと暗さが出てしまいましたね。

なし崩しシリーズがいくつか終わって、寂しい反面次に何が出てくるかが楽しみでもあり。
あと作品点数がなんだか少ない気がしますが、いつもより薄い…わけじゃなさそうですが、ページ数の多い作品が多いのでしょうか?新人作家デビュー作がなかったこともあるかもしれません。
本誌連載の番外・元本誌連載・レギュラーの読みきりが多いからかもしれません。

野ばらの森の乙女たち(白沢まりも)小川とゆかいな斉藤たち(茶匡)ご指名ありがとうございます(美麻りん)かみかみかえし(遠山えま)1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)AEISA(安藤なつみ)うさ番!(瀬田ハルヒ)ごくゆめ(大塚さとみ)世界で一番悲しい失恋(高上優里子)彼氏はアイドル(寿えびす)ウェザーガールりいな(みつき成流)高橋さんちの家庭の事情(栗沢じゅん)妄想クローバー(瑞樹しずか)海鈴のジャンヌ(菊井風見子/阿久根治子)蜘蛛女(秋本葉子)GO!GO!ラブリー団(紺のんこ)

野ばらの森の乙女たち
相変わらず殺人的な甘さ!
雰囲気が受け入れられない子もいるのは分かります。
気持ち悪い、には僕も大笑いしました。
いきなり脅して仕事を押しつける、というのもひどいですね。
スキンシップで同性にも感情が動くのは当然です。誰でも人は、100%異性愛と100%同性愛の中間のどこかですからね。自分は100%異性愛だと否定しすぎるとそれはそれで抑圧になって、どうなるかわからないです。
この先生もどういうキャラなのやら。
「女子校なんだからなれるしかないわよ」…男子校では男子同士がべたべたするなんてことはむわったくありませんので。
耳を噛むな耳を…
学校に馴染んでない、ってこれに馴染む必要はないと思います。
で、いきなりなんですかこれ…
かなり強引に引きずり込まれたような感じですが、まあ考えるのを辞めたほうがよさそうです。
とにかく全体の甘さと美しさがものすごいのでただ酔うしか…

小川とゆかいな斎藤たち
同じクラスがいい、ってそんなことでなにやってるんですか。同じ学校というだけでどれほど幸せか。
「おれら「友だち」だよなぁ」がなんか笑えます。
物産展、とごまかそうとか、なんかこのリズムだけで意味もなく笑えますね。
妹は初登場でしたっけ?この思いやりっぶりがすごいですね。まさに神と書いて妹と読む。
もう二人がいない、さて後が怖いですね。
手をつなぐ、というのがこの漫画であることが信じられません。
でも「お友だちです」…ひでえ。
ペアペンダントを買ったところで、二人とレンナ、さあどうなるやら。
押し倒した、というかこれ普通に死人が出かねない危険な事故なのですが。
妹が「しーらないっと」と離れているのが笑えますね。
サーターアンダギーというのもおいしそうですね。
守ってくれたからおk、というのも、なんというかいつもとはちょっと違う、ほんわかですごく楽しい話でした。

ご指名ありがとうございます!
本誌登場とか、かなり力の入ったシリーズですね。
勉強自体を楽しくする、というのが本当にうまいですね。
胸を触るようにして血液循環…卑怯なまでに覚えますねこれは。
親が来てくれたことのない子、ですか。
いきなり学校に赤い車で押しかける、というのは笑うほかありません。
お祭りセット、そりゃ楽しいですしね。
この人のルール違反しすぎは見ていてすごくはらはらします。というか教師何やってるんだまあここはファンタジーで。
昼の光に弱い、消滅して、ここも大笑いですね。
応援団の中で目立つ、というのもいろいろと難しいですね。
藤乃先生、協力しすぎというか…単に落とされただけでしょう。
この涙ぐんだ表情は反則ですよ。
ホストではなく家庭教師の名刺、ってそりゃ信用できませんって。
とにかく力ずくにもほどがあります、この作品は。

かみかみかえし
ごめんなさい。僕は弓道経験者なので…実質零点。
和弓は下より上が長い、大三では小笠原・日置ともに馬手は額の少し上、前から見えるのは弦をねじるので親指の腹と握られた小指。弓手の上押しもしていないので腕を弦で怪我して矢も飛びません。ありえない腕力引き。というかどうやってこれで弦を支えているんでしょうね。
見た目だけで適当に描いたのでしょうが、本物が一番美しいのです。ちょっと調べれば正しい八節があると思います。
すぐそばに矢が刺さって無反応というのもすごい。
「一人で風呂入れているか」「頭ん中が心配」…ロリコン談義もどうしようもないですね。
それにしてもこの、静かなのに残酷な…というか法律も何もない…
今度は剣?一体何人出てくるんでしょうね。

1年5組いきものがかり
人をこうやって投げ上げたら、その加速度だけで首とか骨折れませんか?
まあ四階建て屋上から落ちた子をお姫様抱っこで受け止めるなんてことは少女漫画ならよくありますが、実際やったら受ける側も受けられる側もどうなるんでしょうね。
後ろからの襲撃、なぜ血を吸うというのはこうエロいのでしょう。
この嘘も卑怯ですね。全部嘘なのに、なぜ「ほかの男に汚された」は信じてしまうんでしょうね…ショックが大きすぎて?
逆方向キスも色気のある構図です。
さてどれだけ次に出てくるのやら。

ARISA
頼りになる美形青年教師、がいきなり「ボクのクラスにはいらないな」という根本的に教師失格の台詞…
毬子ちゃんは、ある意味相手が悪かったというか…根本的に、なんというか…
…ホラーとしか言いようがありません。
でも最後の「ずっと高木さんのしたこと見てたよ」がギャグにすらなっている…
決定的な、大人に対する全面的な不信…「全ての大人が悪・ハズレ」その前提は、地獄少女とも共通しますよね。

うさ番!
小左田宇紗(おさだ うさ)高一、背も声も態度も小さくて気弱。学校内では空気。
それで憧れているのは無敵番長、榊銀士狼。
ある日彼と話すようになったけれど、直後自分の席を占領している三人組女子に文句を言おうとしたらいじめられるようになって…

何でも小さい、というのも僕は結構タイプのようで困ったものです。
まあ昔の僕は、積極的に女の子を守る行動は一切できませんでしたけどね。
あこがれてる人、がこの派手な人じゃなくて…番長?
今時珍しいというか、今の学校を千個見たわけじゃないのでどれだけあるのか知りません。
本当はやりたいことと現実のギャップが大きいというのもいいですね。
いきなり上から人が振ってくるとか、こういう豪快さもさすがです。
こそこそ、って釘バットは人を殺せる凶器なんですけど。
弁当の弁償にメロンパンをくれる、というのも優しいですね。
あこがれてる、と堂々と言って、ここからの卑屈な言葉のラッシュ、分かりやすい作品ですね。ホント基本できてる。
かわれるさ、という言葉、これはすごい強さになりますね。
で、人の席を…どうしてでしょうね。動物としての強弱なのか、それともこれまでの人生での行動・報酬の循環か…
自分をロボット扱いする、というのも一つの手だと思います。
でも何か言おうとしたらそれだけでいじめのターゲット…
体が大きく強い人には弱い子の気持ちはわからない、それもその通りですね。彼の残酷な言葉、とことん強者の論理です。
でも相手が百人で鉄パイプ、本当に自分より強い敵相手でも…
ここまでの、魂の強さは、自分で獲得するのかそれとも与えられたものか、どちらなんでしょう。
そして、その姿を見ての覚悟、どこまでやれるでしょうか?
とにかくカッコいい構図です。
で、本当に暴力をふるえるとは!
でもよかったですね、地獄少女の敵たちじゃなくて。連中だったら暴れたらそれを逆手にとって追い詰め、番長ごと集団で埋められていたところです。やはり頑張れば何とかなる世界のほうがずっといいです!
そして番長の、恋愛面でのウブさも意外と言うか。
とにかくとことん正統派のストーリーで、持ち味出し切って、すごくよかったです。
もっとこんなタイプの作品読みたいです!

ごくゆめ
絵の面でここまで成長が見られないというのもある意味すごいです。潔いまでに背景がないとか。でも漫画としての読みやすさはものすごく成長してるんですよ。
冒頭から爆弾発言、「男の人と結婚したいので」「あんたじゃないわよ」…
世界一の美女、と言い切れるのがまたすごい。
それにしても、この簡潔な「これまでのあらすじ」いいですね。
宮瀬くんも苦労しますね。
そりゃ、テレビに普通に出るようなトップモデルの結婚相手が極道…大騒ぎですよね。
先にデート、となんとかごまかして、瑠架くんもとことん災難ですね。
で、彼女にできることは服を作ることだけ…
無理やり引きずってくる、ってさすが姐御。
うちのお父さまのブランドの下で修行…経済的な細かいことはどうなるのでしょう?
瑠架くんが聞いていたかどうか、というのもやきもきさせますね。
新しい仕事、って実際に遊園地関係とヤクザってどんな関係なんでしょう。
ま、気にしすぎないほうがいいですね。
「イギリスいくのどう思う」とぱっと自分から言ってしまえるのも強いです!
これで安心、と手錠をかけるのもなんというかすごい。どんなプレイでしょう。
宮瀬くんのアプローチには少しびっくりしました。
運も実力の…そうなんですけど。
組長自ら、弱小組というのも暴対法以降本当に大変です。
「世界一の美女の夫になれるのに」…まあ、確かに普通は嬉しいですよね。なぜ嬉しくないのやら。
断られても、ぱっと切り替える藍子さま…タフですね。
いきなり額にキスされるのもびっくりしました。というかよくコンクリ詰めになりませんでしたね。
お互いに寂しい、という気持ち、最後には血を見て、忘れられたと思ってましたよこのネタ。
なんというかすごい作品ですけど、とにかく第一回を除いてとことん楽しくパワフル。充分に楽しめましたよ。
次回作がどうなるか、今から楽しみです。

世界で一番悲しい失恋
読者手記作品は元々感想を書きにくいです。
とにかく、A.O.さん、あなたが生きていてよかった…それ以外には言えません。
いじめを克服する方法も一つじゃない、というか自分が変わればいじめから逃れられるとは限りません。どう変わっても徹底的な攻撃が続くこともありえます、そんなときには迷わずどんな形でも逃げてください。
魂を殺されないことを最優先して、いじめでは奇妙な精神状態になるのですから、相手の良心はもちろん、人は反撃を恐れるという安全感覚すら期待しないで。「AすればBなる」発想は全部捨てたほうがいい、いじめ心理は人間にコントロールできるものではありません。
いじめられている側がすべき、たった一つの「変化」…それは、単純に人はいじめる動物であり、自分はいじめられている、ということを認めることです。その上で、自分が悪い、という考えを捨てること。自分で自分を拷問しない、生き延びることに全てを集中する。生命だけでもいいですが、生命は生きていても魂を殺すやり方があるので、魂も殺されないように。
あとは、どんな手段を使っても、どこへ逃げてでも生き延びる。教師が敵になれば学校から、親が敵になれば家からも逃げる。警察でも児童相談書でも何でも利用して、どこまででも逃げて、自分が生き延びることを何より最優先して。
生き延びて。生き延びて。生き延びて。生き延びて。それ以外、僕には言えないです。

カレシはアイドル☆
トップアイドルの花園光はCMにドラマに大活躍。姫香ちゃんが彼の話に関心があるのは、ファンだからではなく、彼女だから!
いや妄想じゃなくて、しかも親戚で家庭の事情で前から同居していて、ちゃんと告白して両思いでつきあっている。
で、今度のドラマでキスシーンがあると聞いてしまい、さらに相手役が共演者キラーと聞いて、ついスタジオに行ってしまうが…

絵がぐっときれいになりましたね。
冒頭の耽美はいつもながら強烈です。
かなり鋭いですがきれいな感じの女の子の反応、こう殺気向けられたらちょっと怖いですよ。
キスしていない、という話からすごい露骨なガールズトーク…なんかごめんなさい僕は聞いてません、と耳を押さえて立ち去りたいです。少なくともちゃんと避妊はしましょうね。
なんだかんだいってとんでもない作品ですねこれ。
さて、この妄想は具体的にはどんなでしょう…でもアイドルだろうと、男は男で女は女と僕は確信しています。
共演者キラー、というのも要するに事務所公認の作戦でしょうけど。
スタジオに来るというのは止められているのでは?というかスタジオのセキュリティが甘いですよ。アルコールである香水と、そこらに落ちているライター一つで人に大怪我させることは簡単なのですから。
このヒステリー、どちらかというと母親たちに共感されそうです。カレシに冷たくされていると思っている女子たちにとってもでしょうが。
好きすぎてどうにもならないほど…そんなどうしようもない気持ちが伝わってきます。
ここからの光くんの色気攻撃は凄まじいものがありますね。
彼の思いも、こうして描かれてみると胸が痛くなりますね。
トップに立つ、姫香も幸せにしてみせる、という決意表明の強さも圧倒されます。
やはり男の子の魅力を描き上げることには圧倒的な力がありますね。

ウェザーガール☆りいな
今回も素晴らしかったです!テーマがとことんしっかりしていて、説得力が豊かで。
というか、「オトナ」というのは第一回から、一貫したメインテーマなんですよね、この作品全体の。その中で一つ一つサブテーマを追求していった…つくづくすごい構成力です。
春、梅の、そして桜のつぼみが膨らむことほど大人への道を気づかせることはありませんよね。
「マコトさんと見にいきたい」という思いが、どう育っていくか…
矢印で構成された扉絵もパワフルです。
取材に喜んでいるりいなちゃんの服装もかわいいですね。
「話題のあたし…っスvテvキ」とうかれてるのも、いい意味でも悪い意味でもとても子供らしい心理ですね。でも本当に幼い子なら、そんな自意識もまだないですから…成長の証でもあります。
マコトさんのまわりがキラキラ見える、という恋心の描写、めちゃくちゃ赤くなってる顔、口の中で弾ける感じがすごいんですけど。
くどくど言ってくる言葉も苦笑しかしません。
「オトナだもん!」というのがすごく彼女らしいです。
それでいて「「いま」がつづけばいい」…そんな気持ちも…
ワッキーへの反応もいつもどおりというかなんて贅沢な話。
片思い同盟、というのも強いですね、二人とも。
どんどん自分独自の魅力を開発して生き残る、というのも前向きですね。それが本当のオトナなのかもしれません…あ、それを捨ててるのは年齢問わずただの老害ですので。
自分の魅力が何なのか、客観的に自分を見ようとするのもオトナの第一歩ですよね。
さらに他のお天気お姉さんたちと比較できる、というのも。
小学生という肩書きがなくなったら、と子供らしくする…その間違った判断も子供らしい半面、でも仕事を続けるために何かしようと考えること、それ自体もまたオトナの一歩ですよね。
間違った判断をするのを、大人が勝手に判断してやるのではなく見守ってあげなければ…
ここからの、無理に子供のふりをする彼女は痛々しいほどですが、それをしっかり描くのもこの作品の強みです。
それを冷静に見つめるマコトさん、でも…彼も若いですよね。彼女の心理を理解できない…
桜に咲くなと祈る心理も、すごく共感できる子供たちは多いと思います。
子供でいようと思っていながら、ひよりさんの大人の美しさにも憧れる、この複雑さもリアルですよね。
インタビューに答えていないのに、勝手に記事にされてしまった…子供であるということは人間として認められていない、根本的なところでおろそかにされる…選択させてもらえない、尊厳を否定される。たとえば子供が犯罪を犯した時には「公正な裁判を受ける権利がない」という重大な人権剥奪が行われています。たとえば人種を理由に公正な裁判を受ける権利を奪われたら、それはきわめて重大な人権侵害とされます。
この激烈な衝撃に、ここでマコトさんがそれだけ見て連れ出してくれて、そこで思わず告白してしまって…ここから一気に成長していく彼女は見ていて胸が熱くなりました。
そう、告白して大人扱いしてほしい、と思って仕事場を見回すと、どれほど自分が支えられていたかが分かる…まわにそれこそオトナの一歩ですよ!
それで卒業式、強引にキスしてからの決意…
素敵な桜、そしておそらく、彼女の人生でまったく質の違う真剣さで仕事に取り組み、原稿を事前にきっちりと暗記して、最初とは全然違う語彙力で…
制服のままランドセルを背負う、というのがまた素晴らしいアイデアです。オトナとかコドモとかにこだわるのをやめて仕事に全力投球すれば、それはもうありのままの一人の美女。大人っぽいとかそんなのすらどうでもいい、ひたすらに魅力的。
それで仕事を辞める、というのも子供らしさもありますが大人としての自覚もしっかりあって、とても彼女らしい決断だと思います。
そしてバイトとして戻ってくる…その彼女の大人の魅力、胸が熱くなってため息が止められません。
なんて魅力的な女でしょう。
本当になんて素晴らしい作品でしょう!大人、という読者にとって最も強く意識している言葉を、これほど深くいろいろな面から掘り下げ、組み立て、描ききるなんて…
とことん心の動きが、キーとなる何かに沿って組み立てられているからものすごく説得力が毎回高いですし。
次の作品、というかもうすぐ本誌連載で大丈夫ですよ、これだけ組み立てられるなら。余計なことは考えず、本誌で一人でもたくさんの読者に、このすばらしいプレゼントを与えられるようにしてください!
というか単行本出せ。

高橋さんちの家庭の事情
五年前に両親が他界し、主夫をしている五人兄弟の末っ子の明太くん。
そんなところに、海外飛びまわって仕事している長男の娘、のばらちゃん(七歳)が押しかけて預かることに。
言葉は生意気だけれどおねしょをしたり、子供というもの自体に慣れない明太くんは苦労ばかり。
あるとき、のばらちゃんを連れて買い物に行っているとき、彼女の母親かと思える女性を追って、勘違いとわかって戻ったらのばらちゃんがいない!

冒頭はとことん男の子ばかりで、それも生活観のある話の泥臭さ、この変な雰囲気にまずびっくりしました。
明太くんと他四人のギャップはかなりすごいのですが…
というかフリーカメラマンって、儲かるかどうかはかなりピンキリですよ。
それにしても無責任な話です…
小さい女の子がこうして座っている姿は実に印象が強いですね。
イケメンだから許す、はあ、女の子って本当に残酷な生き物です。
なれてるから平気…なんというか、意地張ってますね。
子供ならおねしょぐらいしますよ。別に騒ぐことじゃないです。悪いことでもなんでもない、とどうすればわかってもらえるのやら。
とにかく「メータが!!」と押しつける、というのも子供らしいですね。
ここでかばうのは確かにお人よしですけど。
このヘアアクセは読み返すと苦笑しますね。
本当は淋しいんじゃないか、と察するのも、この年齢でよくできるものです。
まさか彼女の母親か、と思って追ってしまうのも間抜けではありますがすごく共感できます。
そしてどうしようもない、と思ったところでの兄たちの冷静さと行動力!
すごいですよね。
しっかりタクシーで帰っていた、というのばらちゃんの判断力、反面待っていたという言葉を恐れるところ…女の子というのはつくづく複雑です。
七歳の頃の僕はただ泣きわめくだけの獣でしたよ?
待ってた…という言葉が地雷だったとは。
明太くんの激しい感情表現も素直ですね。よくよく親と兄たちがよかったのでしょう。
何気ない話ですが暖かさと訴えかける力は素晴らしいですね。

妄想クローバー
まさかこの作品に続きが出るとは…このままシリーズ?
あの、二人きりって両親も少しは心配してください。
というか李下に冠を正さずで、みつばちゃんだけ泊まり旅行プレゼントとか。
この妄想はどうにもなりませんが絵の成長はさすがですね。
女の子のほうから男の子の部屋が気になる、というのも恐ろしい。
というかさっさと寝る…笑うほかありません。
音楽とかゲームとかチェックして、エロ本やエロDVDはしないんでしょうか?
寝顔を見てたらふと至近距離、ここでの二人の顔がやたらきれいな感じなんですけど。
ここで母親が帰ってきて…これは笑うほかありません。
母親、濡れ場を期待してたりしたんでしょうか。
確かにあれで見つかったらこっちがやばすぎます。笑うほかないぐらいに。
いきなりの誘いには驚きました。
僕がいた幼稚園も潰れていた、というのが結構ショックだったりしましたね。
タイムカプセル、よくうまく見つかりましたね。プロフィールでの好きな人の名前が気になる、というのもうまいネタつくりです。
「もう部屋入ってくんなよ」…普通男子が女子に言う言葉じゃないような。
プロフィールを見て好きなものばかり作ってくれる、というのもいい子じゃないですか。
というよりこれだけたっぷりチーズがあるってのもすごいですし、これだけ料理ができるのも結構すごいかも。
まあこれぐらいならピザ用の備蓄がなくてもスライスチーズがあれば作れるでしょうか?
机のなかよぴラブリーの表紙、なにげなくかなり厚かましいことをやっているかも。こういう小さなネタがまた面白いです。
黒歴史がある、というのはあまりのことに笑えません。なんというか、ほとんど僕の女版じゃないかというぐらい、親近感と近親憎悪が…
この笑顔の魅力が素敵ですね。
それで先に帰って…この行動自体がもう黒歴史だと思います。
それを見てからのどうしようもない妄想も、悲鳴上げたくなります。
で、屋根に逃げると言うのもすごい。彼の運動神経も高いですが。
「かいたのおまえだから」は頭を抱えて突っ伏しました。その気持ちがわかりすぎて。
これからシリーズを続けて、まだまだ黒歴史を更新?
見たいような怖いような、面白いですが。で、読者の皆さん…どんな気持ちでしょうか?やはりみなさん、頭抱えてのたうちまわっているのでは…

海鈴のジャンヌ
すごい、としか言いようがないです。
初陣の大勝利、それでついに心が解けて、明成の胸に飛びこむ…この素直な思いがすごく強くて。
母親が素直に二人の結婚を許してくれたのは嬉しかったです。本来なら結婚を許すのは家長である長兄ですが…
人々の喜びの声、それでいっそう強まる武将としての自覚…日本の戦国はそれがあったから、そしてその残滓が幕末まで残っていたから日本は植民地になるのを免れたようなものです。
腐敗防止のために支配地域との縁を結ぶことを禁じられるのが伝統の科挙エリートに支配された昔の中国や、援助物資の横流しと石油やダイヤなど地下資源の売買で海外に資産を作り武器も海外から買うアフリカの武装勢力に、それはありません。
戦いの苦しさはありながら、今は幸せに酔っているところも、どちらの思いもすごく強く出てます。宝塚だったら舞台全体を回しながら二人だけで丸一曲踊り、銀橋を渡って主題歌デュエットをするぐらいに。
季節と戦争は、戦国ではかなり重要な要素です。兵農分離がされてないので、戦争は基本的に農閑期です。また雪国では雪があるうちは、家から出ることもできずまして戦いなど不可能です。
といっても「農閑期」は稲作民の歴史認識であり、雑穀やドングリの比率も高い昔の人々にとってどうだったのでしょう?
気配を感じられる、でも戦で兵力は失われている…敵は無尽蔵なのでしょうか?そしてなぜ、どんな口実で攻められているのか、敵の要求は何か、それがわからないのがもどかしいですね。
政略で敵の敵を味方として敵を包囲する、互いに飲める条件を出し合って講和する、などを考えないのは?
この婚礼衣装の華やかさは凄まじいものがあります。今の価格でも千万単位でしょうね。
かねさんの強さも印象が強いですね。
そして姫には婚礼のことだけを、戦は自分が…と考えてしまう、やはり男ですね。男はどうしてもそう考えてしまう…
少年のような姫がいないことに寂しく思い、でもそれでいいと…この、覚悟を盛り上げていくのがまたうまいです。最後の…
姫にさえ隠しての最後の。
陶晴賢、という名は毛利元就関係を知っている人にはとても大きな名前です。それほどの大物が、大内にとっても総力戦…逆にそれほどの戦力を割ける余裕ができたということですか。三島側が、勝利を外交につなげることができなかった外交政治力の弱さでもあります。強い伝統ゆえ歴史から取り残されていたのでしょうか。
敵の情報を調べ、外交ルートが広くとられていれば…もはやこれは大きな歴史の流れともいえるでしょうか。小さな独立性の高い海賊集団が、大きな戦国武将に、後の村上水軍と九鬼水軍のように統合されていく大きな流れ…
彼女を引き止めたい、という男の思いは痛いほど分かります。
そして、ここで「明成どの」と武将としての言葉で呼ぶ…武将と姫、どちらもとことんまで彼女…幼い頃からどちらの面も限りなく高くありました。
何もかも不利…その状況を許してしまったのはなぜでしょうか?やはり軍事だけでは勝てない、外交・経済・技術、そして歴史の流れ全体を見る目がなければ戦争には勝てない…詰んでいる、という感じが強くします。
今一つの戦争を切り抜けることしか考えていない、大きい歴史の流れに自分たちがどんなポジションに入るか、どのような講和条件を得るか、そのような視点がまったく見られません。
最初もそうですが、弓を引くフォームが完全です。背中からきれいに五重十文字が描かれています。
こうしてみると分かりますが、太刀は乗馬のみならず弓を引くにも有利ですね。打刀の突き出た柄は時に弦を引っ掛けます。
陶晴賢…あんたの栄華も長くないよ、いまのあんたには眼中にない毛利元就という小僧っ子に首を取られるんだ…でも相手が悪かっただけで、その前半生の戦績はまさしく無敵でした。
相手の大将が女だとも知らない情報不足、互いにろくな情報もなく殴り合っているような…?
美女の生け捕り、というと戦場の兵士は恐ろしく気合入ります。そういう生き物です、残念ながら。
この覚悟、息を呑みました。そして僕も同じことをするのははっきりしています。
小船に火薬、そして姫を見つめる目…呼吸もできません。
涙ながらの「退け」の合図…
爆発シーンの迫力も圧倒的でした。
この一つ一つの破片が、船にとっては悪夢です。
『海軍士官候補生(セシル・スコット・フォレスター)』で言われていたことですが、船には地水火風すべてが恐ろしい。地は暗礁や崖となって船底を噛み砕き、水は時には大波となって船を沈め、火は可燃物だらけの船を瞬時に全滅させ、風も動力のない昔は容赦なく岸に船を吹き寄せ叩きつける。それを知る若きホーンブロワーは、捕虜の身でありながらランプ一つで敵艦を行動不能に追いこみ味方の手に…
船は木製で、海水にさらされているとはいえ乾燥しており、ご丁寧にも防水塗料まで塗ってあります。衣類、寝床、縄、帆、松明、雨しのぎや防錆に乾性油を塗った布や紙…すべてが可燃物です。敵船を燃やすために放たれる火矢の材料も。
火に対する船人の恐怖は絶対です…やられる側にとってはこれ以上ないほど恐ろしい戦略です。
生け捕りのために密集した油断、結果的には姫が囮になったすらといえます。
でも風向きが不利だからこそ、自分でこいで行くほかない…有利であれば無人でも帆をかけ舵を縛って突っこませるのですが。
この茫然自失、それもまた…言葉になりません。
戦争の残酷さ、男というもの…これほどまでにまっすぐに叩きつけてくるとは。
それを読者がどう受け止めるか、でも男女問わず子はそれを受け止めるものです。それを信じましょう。
男はこうするためにできている、好きな女を守るために命を捨てるのが男…それがどんなに愚かなことだとしても。
なんという凄まじい作品でしょう。それが掲載される、なかよしラブリーという雑誌の懐の深さにも、作者の膨大な研鑽にも、原作者や歴史そのものにも脱帽するほかありません。
次回、やはり歴史の流れそのものは…これをやってさえ、反転攻撃できず退却が精一杯…ただ呼吸も忘れて見つめるのみです。

蜘蛛女
これが増刊で再開されるというのはむしろ残念です。秋本先生の実力そのものは、本誌連載陣よりむしろ上だということははっきりしています。それを本誌連載で活かすことができない、ということですから…いっそ、それ以上に広い世界で正当な評価を求めるほうがいい、とさえ言いたいほどです。
実力そのものは圧倒的なのですから。
ずいぶんと行方不明者の多い街ですね。
自分のほうが人気が出ない…これは大きな悩みでしょうね。
つい負の感情が出てしまうのは仕方ない、それはスタッフの感情ケアが弱いということでしょう。
事故で終われたのはむしろ運がよかった、とも言えるかもしれませんね。自分の限界、それも努力ではどうしようもないものを思い知らなくてよかったのですから…
彼女が望んでいるのはアイドルとしての成功、顔の傷が残らなければそれでいい…でも不老不死という過剰なものを、選択の余地もなく押しつけるのが残酷です。
そして立場が逆転する、こうなると人間は残酷ですね。
親友にしてライバルの引退で、一気にバランスが崩れて…これは責められません、人間はそんな生き物なのですから。
長い時間、逆に不老不死と向き合う余裕がなかったほど充実した、忙しい、全力を出しきれた十年二十年という時間…それだけでも人間に望める最高のものでしょう。
不老不死と向き合ってみたらそれは地獄…どれほど多くの人間が不老不死を激しく求めてきたか。どれほどの権力者が、どれほどの大金を払ってきたか。どれほどの生贄を捧げてきたか。
彼らの一人にであっても、実際にそれを与えてやれたら…始皇帝は二百年後には、匈奴に死という慈悲のない終わりなき拷問を続けられていたでしょうね。
それで方法を聞きだした匈奴も、次は我が身とも知らず…
それが人間のどうしようもない愚かしさです。不老不死が不可能であることがとてもありがたいです。僕にとって最悪に嫌な、ありえないのがありがたいことは、突然不老不死ウィルスが散布されて死なない身になってしまうことですよ。
といっても実際、不老不死は今生きている人に間に合う可能性もありますが。バイオテクノロジーやコンピューターの進歩が、最も楽観的なシナリオになれば、技術的特異点に達すれば。
永遠に食い続けられる…これも残酷ですが、余計とさえ言えます。不老不死としてただ生き続けるほうがむしろ残酷ですよ。
昔アイドルだったおばあちゃん。彼女は、相棒の運命を知ったら…もしそれが食われ続ける地獄ではなくても、うらやむでしょうか。
これほどの実力に活躍の場がない本誌は、一体なんなのでしょう?

GO!GO!ラブリー団
本誌でも暴走してますけど、紺のんこ先生を巻き込んでこんな形でやるとは。
いきなり「妊娠でもしたんですか」ととんでもないことを。
担当との掛け合いも大笑いです。
そして「BLって…なかよしでラブリーな」…コメントしようがないです。
紺先生の容赦なさ、ボケまくるタナカ担当…
さらに最後はしっかり、あまり動いてなかったハタノ先生に持っていかれるのも楽しいですね。
紺先生のギャグセンスは前から楽しんでましたが、こんな形で出てくるとは…

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