なかよし2012年10月号感想
引越のばたばたで、もう10月。前の引越しのときもそんなもんだったのでしょうか。
今月号で活躍されている、特に若い作家の皆さんにはいろいろ更新が遅れて申し訳ないです。
付録は、スマホそのものかと思いました。
今の小学生は、どれぐらいスマホを使っているのでしょう。
山田先生の優しげな印象の表紙は、思ったより目を引きます。
絵柄は常にプラスの感情を与えますからね、まず。
王子とヒーロー(山田デイジー)わたしに××しなさい!(遠山えま)さばげぶっ!(松本ひで吉)AKB0048(美麻りん)キミが好きとかありえない(あおいみつ)かみかみかえし(遠山えま)スマイルプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)さばげぶっ!(松本ひで吉)クギ子ちゃん(PEACH-PIT)スーパーダーリン!(硝音あや)甘い悪魔が笑う(鳥海ペドロ)夜色猫はキミだけにわがままに(前編)(桜倉メグ)小学生のヒミツ(中江みかよ)予告
王子とヒーロー
どわあああ、冒頭からものすごいことをかましてくれますね。
女の腕をつかむ王子!それを振り払うヒーロー!
それだけがもう爆発するほどドラマチックでした。
まあヒロイン蚊帳の外ですが。
結局、ヒーローを心配している花ちゃん…
針路、といってもこの時代、すごく大変ですよね。どれほど多くの仕事が「夢でしかない」「百に一人しか食えない」かわかっている子には特に。
「自分の人生を決めるのは自分なんだから」…カッコいい言葉です。
入るのを止めようとするめぐみさん…そして、布団と体の線が死ぬほどエロ。
彼女の言葉からいうと、ヒーローは特別な何かがあり、だから針路を選択できない…極端に言えば皇族のような?というかまさか、「めぐみさんの夫」というその時点で針路決定とか?
「不安で」と笑顔で紙を握りつぶす、これが苦手なシーンでしょうか…それとも、カエル?
そして、山を見ただけで、まあこうなりますよね彼女は。
顔面にカエル、って王子にそういうことをする子もいるんですね。
膝枕って…よく周囲の女の子達、花ちゃんを殺さなかったものです。
大きくなると木登りはしにくくなります。二乗三乗則、身長が二倍になると体重は八倍になり、筋肉や骨は形がそのままでも四倍でしかありません。一平方センチの筋肉は、倍の重さを支えなければならないのです。無論木の枝も、八倍の重さがかかります。
あっさり柿を…柿って皮ごと食えるでしょうか?まあヒロインに刃物を取り出させるわけにもいきませんし。
「いまの王子のほうが好きです」…この笑顔、極悪非道。
で、「めぐみさんとはどういったご関係で」…なんという恐ろしい言葉を直球で。
「さきにいっててくれるかな」を、あえて手を差し伸べる…こういうところはすごいですよね。
というかその肌の柔らかい香りがそのまま感じられるのがすごい。
そして…ヒーローの側も裏切る言葉を…
彼女に罪はない、でも彼女は…入り込みすぎる…
わたしに××しなさい!
うわ、見るからに邪悪って感じですね。
いきなり連れ出そうとして「うんざり」とか、自己中心的としか…
晶の家で身の危険を感じる、やっと少しは男として見るように?
ちょっと待ってて、で何があるかと思ったら片付けてない服の山、ここらは面白いです。
いきなり寄りかかるとか、誘ってますか?
で、「わたしが時雨の恋人になったら晶は一人ぼっちに」…だめだこりゃ。恋愛ってのは自分ではどうしようもない激しい感情で、降られる側のことなんか考える余地はない…
もう「二人ともとつきあう」ほうがまだましです。
ソファに押し倒して名前呼び、そして信頼壊す宣言。どれほどこのときをシミュレートしてきたんでしょうね、彼。
っていきなり縛りですか…さらに指の間。うわ濃厚。
「だれもこなくても晶がいる」…どうしようもないですね。女の子にはかなわない。
大事だから、という当たり前のことも、彼女は考えたことがなかった…
そして、恋人を決めた…さあどちらに転ぶやら。
さばげぶっ!
渋谷は…ミリオタにとってもかなり重要な街です。ええ、首都圏最大級のナイフ店も…
つか街中で銃出すな。それもデザートイーグル。
太ってた頃の写真、これは何も断れませんね。
実銃かどうかは銃口をのぞけばわかります。エアガンなら細いインナーバレル、モデルガンならしきり板が見えます。
あ、でもおもちゃだろうと銃の銃口は絶対にのぞいてはいけません。どうすればいいか?分解して後ろからのぞいてください。
店員の誤解が実に楽しいですね。
銃のかざりをかじってたり、銃を前に土下座したり、何かと笑えます。
それでいて実用性は悪くない…なんというか、いい仕事ですね。
で、これは…まあこれはこれで見ていて楽しいです。
AKB0048
いきなり爆笑されたら、そりゃもう泣きながら納得するしかないですよね。
うち、ってすごいうちですね。
現実のAKBのメンバーも、このようにうまいこと後半生を送れたらいいのですが…アイドルのその後は結構大変です。
若い、時には幼いときから桁外れの注目を集め、とんでもない金額の金を得ています。親以上の収入を何年も稼ぐことが、どれほど家族関係をゆがめることか。それでいて大卒を持っていないこともあります。
その点、宝塚歌劇団は「最高の花嫁学校」という小林一三先生の遺訓があるので、卒業後の生活も安定しています。芸能界で成功する人以外の元生徒たちも。
たかみなさんの激しい感情、でも先代あっちゃんは何も考えてない…
いきなり「自身ないんじゃない?」…強烈な美形ですね。
というかこの時代も、アルファベットで「co.rp」?
といってもそれ以上のシステムは思いつきません。
先代がAKBを目指し、引退した理由…
仲間じゃなくなる、そうだとしても友だちであり続けることは?
いきなり行動の彼女に、「十分だ、それ以上は待たん」…悪い意味で慣れましたね。
必死になった時に見える翼、すごいですね。
とにかく王道で押し通せるのは、やはり圧倒的な強さですよ。
キミが好きとかありえない
女子達みんな、そりゃ土下座です。
この二人でカップルコンテスト…もはや阿鼻叫喚大爆笑。
このナース姿はいろいろと犯罪です。宮原君にとってだけでなく。
人前で頬をなめる…かなりすごい。この実行委員カップルが。
真面目に変身シーンを描いてくれるのには笑い転げました。
そりゃみんな丼引きますよ。
脇をぺろぺろ、ってのも過激な…
ずいぶんと豪華な学園祭ですね。
触れただけで、この照れる表情がすごいですよね。
血の海で怯えるお化け、なんというかお約束です。
髪の毛をなめる、というのはかなり強烈ですね。
疲れやつれる表情がなんというかものすごいですね。
最下位…そりゃまあそうですけど、こんなコンテストにこだわるほうがバカです。
そして、わかってるけど叫んでしまう…人間の感情って本当に悲しいです。でも、感情がなければ愛することなんてできないでしょう。
この屋上、絶対構造が間違ってます。
これをつかまえて…どう見ても人間の握力では無理ですが、鼻血で解決とは。
この豪快すぎるギャグも、僕はすごく好きですよ。
「あれだけ大量出血して元気な宮原が」…まったくですね。
かみかみかえし
延々と理屈だけって結構いらいらしますね。
ま、「死んでて、そのことを知らせたくない」とか「邪悪に鳴ってるから知られたくない」…他に何が?
剣を抱きしめるのはとても痛そうです。
「楽しそうな宴ですこと」…あーあ。
すごい怖い笑顔です。
神社を掃除するのが巫女稼業の基礎、というか神道はよろず「清浄」ですからね。
初宮参り、って神社にとってもかなりのドル箱ですよね。
本物の神様が「二日酔い」じゃありがたさもなにもないですね。
ただ泣いている…こう、単純な感情を激しく描いていくうまさはさすがです。
そして…取引、それは悪魔の言葉のような気がしてなりません。
スマイルプリキュア!
なんというか、これがまた可愛いですね。
あらゆる物語のみんながチビキャラ、というのはどんな天国?
そして、まだ戦いは続きそうです。どれだけ続くんでしょう。
ふと思ったんですが、昔の「東京ミュウミュウ」って作品は、この「プリキュア」というものを人工的に作ろうとしたんでしょうね。
セーラームーンの大ヒットから、どうすればそれを安定的に再現できるか…「おジャ魔女どれみ」シリーズを含め、いろいろな模索があって、できあがったのがこの「プリキュア」…
1年5組いきものがかり
「オレが幸せにしてやるよ」…すげえ。いろいろと。
なんか絵の雰囲気が少し違う感じですね。違う面に、僕が気づいただけでしょう。
ダチョウのえさは大変でしょうね…量的にも。
今度は小さい子ロボッ来る、また楽しいですね。
小さくなったら、いろいろ苦労すると思いますよ。
「彼女鬼だね」「そうなんデス」…これ、のろけです。そうは見えませんが。
胸に噛みつかれるの、これ痛いですよ…
ポケットの中で彼の普段を見る、というのも素敵ですよね。
巨大プリン…そりゃもう夢ですよね。
あーん、でキスというのもお約束と言うか、単に隙が多いのか。
プリンにおぼれて死ぬ、というのもいいですね。
フィギュアの服、で、『甘い生活』で、「八分の一の太さの糸を八分の一の織機で織って八分の一のミシンで縫わないと」「石炭袋を着せられているようなもの」を思い出します。大丈夫でしょうか。
ウェディングドレス…確かにそれこそ夢ですよね。
「血が吸えなくても結ばれなくても」がカッコいいです。
嘘がばれて、そりゃ怒りますよね。
さて、これからこのコロボックルくんもメンバーに入るんでしょうか。
いやもう、今回はひたすら甘くて甘くて甘くて甘くて、最高でした。
さばげぶっ!
「わかんないんだから」といいながらノリノリ、楽しそうです。
でもモデルというなら部長のほうがずっと、というのはまあ言うまでもないことです。
からあげ…さっそくのごほうびにしてもひでえ。
死のカメラマン?どんなあほらしいネタやら…そういうことですか。
確かにこれは恐ろしい。
輪ゴムでこれだけ撃てると言うのもすごいですね。本当に天才。
というかこれで次回に続けるというのがひでえ。
クギ子ちゃん
ますます優しそうな雰囲気になってしまっていますね。
ヨモツヘグイ、かなりやばそうな感じはします。
七不思議コンプリート、楽しいときもいつか終わる、でしょうか。
最後がトイレと言うのもいいですね。トイレも異界への出入り口です。
厠神は結構重要ですよ。
スーパーダーリン!
さあ、どこに行くのやら。
三人の存在が消えてしまった…
そして、みんなに「見えている」ことも、違和感が強い状態…
「わたしがわたしを見えない」…自分の、像と言うか何かが変化してしまったのでしょうね。
誰にも見えず、四人だけに見ていたころの「自分」と今の自分が違いすぎる?
そして、花宮くんは探してくれる、と言ってくれた…この泣き顔、すごく素敵です。全身で泣いてる、って感じで。
きれいに消えれば、失った穴がくっきりする…なるほど。
千年桜のことも忘れていた、それほど魔力は強い…
呪いの強さには驚きました。
そして…風待くんの、意外な言葉と正体…何が、どう…
どんなクライマックスに向かうのか、ドキドキします。
甘い悪魔が笑う
堂々と「そのとおりです」と言ってしまえるのが強烈。
こうして放り出されて…影で酒瓶を操って明かりを消す、この鮮やかさと来たらないです。
酒の川の色気がまた強烈!
シルエットだけのキス、って宝塚みたいですね。
そして…左手薬指の指輪?
というか、全部口紅宣伝の芝居、ということになった、と?
「オレのことすごーく意識しちゃってるだけなんだ」…つくづくずるい男です。
そして、プールでの激しい…二人抱き合ったまま波に揺られて、なんという強烈にウェットな色気でしょう。
続き…しちゃうんでしょうか?まあいつものパターン、だとは思いますが…盛り上げてくれますね。
というか、今度翻訳される海外ベストセラー、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」をぜひ鳥海先生にコミック化して欲しいものです。
まあ、「なかよし」では無理な内容らしいので相応しい雑誌で。
さぞすごいことになるでしょう。
夜色猫はキミだけにワガママに(前編)
遠野結衣ちゃんは小さい頃両親を亡くし、兄と二人暮し。
その兄は変な発明家で、朝からネコ耳がどうこう興奮して叫びまわっている。
そんなある日、ひどい状態の捨て猫を見つけた。
その翌日、あこがれの千架くんに、猫のことで興奮気味に話しかけられる。
だが、帰ってみると、そこにはネコ耳尻尾の、裸の男の子が…兄の発明のせい、それも戻れないとか。
千架くんと急接近し、何度かデートするようになる。三人で遊びたいとも思うけど、レンくんは外に出たがらない。
そしてあるとき、デートを邪魔されて怒った弾みで、レンくんにマタタビ粉がかかってしまい…
遠く澄み渡るような美しさが冒頭から…口元の色気も素晴らしいです。
猫の描写の精密さと美しさには驚嘆しました。動きの隅々、骨格と筋肉一つ一つよく見ています。次はぜひ馬に挑戦して欲しいですね。
千架くんの、最初の印象と暴走モードのギャップがまた楽しいです。
「レンのおかげだよ」とにやけてる表情が、また見ていて楽しいです。
で、猫が人間の男の子に…そして胸もみとか、兄の裸とか…なんてことを。
千架くんの、猫男のネコ耳に対する反応がまたものすごいですね。
レンくんが行けないのに、二人でデート…というか好きでもない子にここまでする男はいないですよね。
二人で微笑んでいる表情も、すごく可愛らしいです。
猫のワガママを責めたらだめですよ。ある意味猫はワガママなのが仕事みたいなもんですし。
そして、マタタビを猫に嗅がせたら…そりゃもう。
「オレだけを見ててよ」…捨てられたことのある存在は、どうしてもそうなってしまいますよね。
帰ってきたレンの成長にはぶっ飛びました。とんでもないところで後編に続けてくれますね。
…というかどんな生活してきたんでしょう…人間社会のルールを理解できるはずもありませんし…
とにかく素晴らしい実力に驚嘆しました。僕が知らないうちに、新人作家たちは…増刊もない中、必死で研鑽し伸びてきていたんですね。
後編がすごく楽しみです。
小学生のヒミツ
小学五年生、月経の授業も始まっている。もこちゃんはもらったナプキンを興奮気味に見ている。
でも幼い外見から、生理なんてならないといわれるけれど、ある朝シーツにもパジャマにも血が…
恐怖で誰にも言えず、トイレでうなっているのを、大人っぽい水嶋さんにトイレの花子さんと間違えられ、それからナプキンをもらう。
そして姉のように頼るが、激しすぎる恥ずかしさ、苦しみに泣きつき、水嶋さんも怒らせてしまう。
Secret・1というのが連載になりそうで楽しみでもあります。
扉から「はじめての生理」と、テーマがはっきりしているのもいいです。
生理、というと興奮してしまうのはどうしようもないです。
しかし恐ろしいほど可愛らしい表情…
ナプキンは、本当は男子もある程度は必要だと思いますよ。結構汚していてわかってない子はいますから。
表情の激しさ、チビキャラの表現力もすごいです。
大人っぽい子に憧れるのも女の子らしいですね。小学校高学年から中学校、僕は「何も知らない純真無邪気」を徹底して演じ、自己暗示をかけていましたが、心の底では女子の会話に耳を澄ましていました…そう、だれがブラをしたとか、そういう話題も結構あったようです。
出血により、シーツや体が汚れているのを生々しく描く…小さい子が心の準備をするには、それこそ必要でしょう。本来の読者の子とを心から考え、丁寧に描いてくれていることがわかります。
理論より、「何が起きるか」のほうが重大なんですよね。それがどれほどショッキングなことか、逃げずに描いています。
水嶋さんの勇気と、さばさばした雰囲気もすごく魅力的ですね。
「お姉ちゃんみたいだね」っていうのは可愛いですが、でも…すごく後が大変だろうな、と苦笑します。
水嶋さんのほうの優越感と嬉しさを描くのも、とても女の子の心理が見えてますね。
生理用品を買うのが恥ずかしい、その凄まじいまでの恥ずかしさも、女の子が誰でも体験するものだと思います…男子には想像もできません。
いじけた言葉で水嶋さんを怒らせてしまうのも、なんだか見ているだけで泣きたくなってきます。
そして…水嶋さんが「まだ」だということも、もう読めていました。
泣くしかできないほど激しい感情…とことん子供なんだ、と胸が張り裂けそうなほど気持ちが伝わってきます。
素直な反省も、胸が痛くなります。
「辛い、でもまっすぐ向き合おうね」という、全身をぶつけるように強く伝えられるテーマ…ここまで描いてしまう勇気はすごいです。
子供が、今大人が見たらささいと思えることで、どんなに深く傷つくか。それをまっすぐ、そのままありのまま描く…すごい作家です。
あゆちゃんがまっすぐ抱きしめてくれた、このシーンはもう涙が出てきそうなほどです。
この作品は是非シリーズ化して欲しいですね。ものすごい力です。
また二つも新人読みきりがある!それだけでもうこの世は天国です。
瀬田先生の、凄まじい実力がどんな形で出てくるかもぞくぞくするほど楽しみです。