なかよし2012年4月号感想
AKBの表紙はわかりやすいというか。
コスメ系は化学物質なので心配ですが、付録になくても子供たちは使っているでしょう。
細かい記事のカットでは結構新人作家が出てきていますね。
増刊はないのですから、もっと派手に出る場を与えてください。それこそイラスト一枚ずつでも。かなりの人数入れても連載一本分程度です。
それにしても、読者ページ交替とは…僕は一人の作家が何年もの間やっていることに馴れてしまっていたようです。「ちゃめっこクラブ」時代から。
あの頃はとことん長期間でしたからね。
増刊をなくす代替、公約ともいえたオムニバスコミックス。ですがどちらも読者手記です。
確かに制約の中創造性を出すのも作家の力量ですが、オリジナル作品を発表する場が全くない、というのは明らかに異常です。
スーパーダーリン!(硝音あや)王子とヒーロー(山田デイジー)AKB0048(美麻りん)スマイルプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)甘い悪魔が笑う(鳥海ペドロ)クギ子ちゃん(PEACH-PIT)わたしに××しなさい!(遠山えま)1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)キミが好きとかありえない(あおいみつ)恋と軍艦(西炯子)さばげぶっ!(松本ひで吉)AEISA(安藤なつみ)荒野の恋(タカハシマコ/桜庭一樹)予告
スーパーダーリン!
運命って信じる?
空気系、存在感がなさすぎて見えないレベルの新入生、遠野さくやちゃんはステキな運命が待っている、と全寮制秘密主義の超エリート校、高天原学園に送り出された。
存在感がないので寮の部屋は物置状態。それで昔の日記を見つけた…「裏庭の散らない千年桜の伝説。その下でねがうと永遠にいっしょ」…
そして友だちを願ったさくやちゃん、翌朝いろいろやってみるけどからまわり。
それで、桜の花びらを追って裏庭へ、桜の中一人の美形男子に見つかり、「オレの運命の女?」とキスされる…それから次々と、とんでもない美形男子に言い寄られる…それぞれの背景も桁外れ!
母親の第一印象から凄まじい透明感。
学校がすごすぎる…日本で二百年の伝統、というのはもう江戸時代に入るのでは?まあ現実にも、藩校や剣術道場由来の名門伝統校とかはあるかもしれませんが。
超極秘の新入生、というのは読み返すと見事な伏線です。
強い感じとはかない感じの上手いミックス、おそろしく細い体の線がまた魅力的。
存在感がどんなになくても出欠は必要だと思いますが、それをぶっ飛ばしてしまう暴走ぶりがさすがです。
部屋を物置にするというのも、官僚主義すら超える存在感のなさ…
日記の話もたまりませんね。というかこの貴族軍服じみた制服は日本の伝統には絶対ないと思います。三次元には。それ以前に共学すら最近ですし。
わすれられている、という思いを強調するのもうまいですね。
頑張ってみる、でもうまくいかない、というのも面白いですね。
パスのつもりが手が滑ってシュートが決まった、ここの表情はとても甘くかわいいです。
バナナとか、結構バカなことをしてますけど…
罠ってかなり危険なところに…髪型や化粧すら無効だとは。
馬に落とし穴は人命や馬命に関わりますから、重大にもほどがあります。
ここでの勇敢さが、それすら報われないというのはむしろ意外なほど。
馬に蹴られこの距離を飛んだら、絶対死にますがタフですね。
その報われない行動から、桜の花びらで…ここからの凄まじい展開には呆然としました。
「セカイにいていい」…それが中心テーマですか。とても普遍性の高い、強いテーマだと思います。
いきなり見つけられて、「運命の女?」とキス…まずこれだけでぶっとびました。
パニックになった表情もかわいいですが。
いきなりまぶしいオーラと激しい抱擁、無数のスイーツ、さらに空からの…あーあー、ストックを肩付けしないのは少女漫画の伝統なんでしょうか?実際これで実弾撃ったら事故にすらなりますよ。
しかしAUGの、グレネード版?散弾?あったらいいですよね。
四人とも設定が暴走しまくってます。すばらしい!
で、四人とつきあわないと呪われる、もう凄まじいともなんとも。
とんでもない作品です。ま、少なくとも邪悪な空気じゃないだけいいですよ。
王子とヒーロー
…書き始めるまで一時間近くかかりました。前回までは、もしかしたら今度こそは読んで気持ちいい作品かも知れないと思ったのですが…
当然のように抱きしめる、二人ともスキンシップにすごい抵抗がないです。子供のような状態だから?
ヒーローの言葉は?
王子の「くそっ」という言葉…
さらに写真をばらまかれ、そしていじめに…誰を責めるべきか、となると鎖の弱い環、ダムの弱い部分…
この状態でも守ってくれる友達がいる、というのがほっとします。
出席者名簿で、一体何を見たのか…その、陰謀に気がついたのでしょうか?
そして「きみが花ちゃんの招待状をぬすんだんだね」と、抱き寄せキスギリギリで聞く、というのもぞっとしました。
「取り返しただけだもの」…自分が悪いとは思えない、邪悪…
この会話から「利用」だけしか聞こえない…つくづく、人間は眼も耳も言葉も、部分だけだとおそろしく不完全です。
花ちゃんがこんな強い言葉をいえるなんて。
聞いているヒーローの反応は?
ただ、どうしていつも…そればかり思ってしまいます。
KAB0048
ライバル宣言、それでも彼女にもいろいろなものがあるから。
正々堂々ライバル、となれるのもいいですね。
完璧な乃愛ちゃんと…見事な対照です。
握手会というのは現実のAKBでもよく話題になりますね。
あっちゃんマスター、というのも爆笑ですね。
完璧な「あっちゃん」になる、というのも考えてみれば無茶な話です。
宝塚が襲名制だったらそっちのプレッシャーもあったんですよね…
人を助ける、というのが…まあ、読めました。
「そんな顔しかできないなら」、というのは、一人一人のファンに向き合えって言ってるんですけどね。聞こえないですか…
曲そのものを利用して演出するのも見事でしたね。
そして、一人一人の背景まで見て、と、展開が…舞台が回ってからの輝きの強さ!圧倒されますね。
「なぜ最初からこれができないんだ」というスタッフの言葉が苦笑します。
マスターはあの老人だった…見事に予想通り。
逆にこれは、乃愛ちゃんにとっては悪夢でしょう。どんなに努力し、圧倒的な実力差があっても全部無駄、ってことですから。
アレ、って一体…まさか、秋元康氏も襲名とか?…別の星では「娘。」もつんく氏ごと襲名されてるかも。…「ねずみとり」はまだ上演されてるんでしょうね。
スマイルプリキュア!
楽しそうですねいろいろと。そしてプレゼントって楽しい!
自分のしたことを覚えていない、それほど打算がない…
離れろ、というのは共感できる人は多いでしょうね。
変身シーンがじっくり描かれているのも嬉しいです。まあ一人足りない気がしますけど。パピヨンというか蝶野攻爵というか。
それぞれについている言葉のわかりやすさも素晴らしいです。しっかり子供向けしているなと嬉しいぐらい。
隠れ家はどうなるのやら。歴代にはありましたよね?
甘い悪魔が笑う
まあ基本このパターンですよね。
というか色気が強すぎて人間の生気じゃないです、この扉。
冒頭からおもいきりバスタオルサービスとは…
三人暮らしというのも大変ですね。
寂しいよりパニックの方が強いというのも奇妙な…
そして、目がなくなったらすぐに抱きつくと。
一心の外し方がまたすごい。
アロママッサージってこれまたエロな…ま、楽しませてもらいますか。
胸でうらやましがる、というのが子供っぽい、としたら男はみんな子供…はいそういうことです。男はみんな、年齢関係なしにおっぱいにめがない子供なんです。
バカでお人よし、と思って接し、つまらない…と思ったら何でそっちに飛ぶんでしょうこの人は。
というか抱きついたりしても、結局何一つ香月さんの言葉は聞いてない…
たしかにとりこですね、これ。「あなたがおとされてしまった」状態…
クギ子さん
秒速五本…ネイルガンを使えば?
さらに妖怪シールを増やして何にするつもりでしょう。
自慢のためだけにそこまで?
釘は冗談抜きに重量物です。
いらいらすると暴れてシールになる、って…というかこの模型、すごくいい人じゃないですか。
わたしに××しなさい!
で、手を出したというのは全部誤解でしたか。まさかそうなるとは…
よくもまあ何もかも、こっち方面で修正されるものです。
晶くんの行動が最強にカッコいいです。
泣かせるけど大事にする…そのほうが誠実ですよね。泣かせない、なんてことは人間にはできませんから。
ラブと好きが違う、ものすごい解釈ですよね…
「オレはおまえのためだったら」…この告白はぶっとびました。
それで走り出すのも男ですよね。
それでも安心しきったように晶に身を委ねている、というのも怖いぐらいです。
そして一体、病院では何が起きているのでしょう。
悪と思った人が悪ではなかった…では?
1年5組いきものがかり
ヴァンパイアが痴漢扱い…されないほうが不思議ですよね。
あっさりさらわれてしまうのも、なんというかヴァンパイアものらしくなってきました。
人間の男の子、そりゃまあ目がハートにもなりますよね。
誘惑に負けるか勝負、というのも勝ちを確信した賭けですよね絶対。イカサマで。
さらに眠らせて…
警察に捕まったヴァンパイア、というのもある意味前代未聞です。
日本の警官で、即座に発砲できる人ってどれぐらいいるでしょう。警告射撃とか始末書とかの官僚的感覚が強すぎるのでは。
えるちゃんの心配、ってなぜ警察署に簡単に入れるのかを疑うべきでしょうね。
この誘惑はまた強烈です。
で、実はぜんぶわかって鼻をかじっている…
婚約者に結局捕まる、というのもかなり悲惨です。
説明するとき目をあわせられないのがかわいいです。
「オレは本物?」って毎回相手が本物かどうか考えていたら神経が持ちません。
キスはしっかりしたんですね。
キミが好きとかありえない
なんというかすごいワールドを作り出してしまってます。
夢、というのは…だったら石投げられますけど本人には最高でしょう。
夢と思った朝。…夢オチでいさせてと叫ぶのが涙出るほど笑えます。
というかそれを彼女の親の前で見せますか…
舌出して走っているところとか、こういうギャグ表現、どこでこんなに開眼したんですか?
自然に、ネームを見たり普通の彼氏彼女ですよね。
いきなり笑顔でカバンに手を突っこまれて目玉が飛び出る、これ「なかよし」でやっていいのかレベルですよね…
「ごはん十杯」…ひでえ。ひどすぎる。
学校での壊れぶりも凄まじいです。
学校中のみんながあれを見ていた…おそろしい。
手を打つ、ってどんなふうに?
というかマンガの側はステキなんですね。ため息。
そして、あの変態が描いたとわかっていてもあくまでこのコミックス、読むんですね…
振り返りざまのいきなりキスもすごい展開です。
そして彼の態度の凄まじい変化、ここで普通の少女漫画の素晴らしい実力を出してくれるのが逆にびっくりします。
それで、すごく怒った表情…かなでちゃんのイメージも変わっちゃいますよ。
彼の切ない表情。そして本当の彼…傷つけたことが苦しくてたまらない、という繊細さ…
そしてガラスに押しつけて、ガラス越しのキス!これはなんというか…少女漫画すぎます。
このネームも。
そうまともにいったとおもったら、ガラス越しの鼻血に飛び出す目…なんというかとんでもない作品ですよねこれ、つくづく。
おそろしい…とにかくすごい作品です。
恋と軍艦
すっきりした部屋とすっきりした体の線、非常に印象が強いですね。
牛乳だけですごいカロリーですよね、絶対。多分、この目玉焼きとソーセージよりも。
転校生じゃないのにパンをくわえて激突?
キスの話を聞かれていて、それで男クラスメートにからかわれる…見ていて楽しいです。
「だれとしてたらあんなラブシーン」…笑うほかありません。
身近な人たち、みんな「キスをしている大人」として意識してしまう、というのもすごく繊細です。
そして鏡相手にキスの練習、これもみんなやってますよね。
さらに、キスの練習してたことまで見抜かれてるというかどこからいたんでしょう。
くわしそうな人たちが…女の子の好奇心って怖い。
言葉だけで子供たちを破壊できる、まあこれ金取れますよね。
なんというか、こんなふうに大人と子供が交流できる社会では今はなくなっているのが悲しいです。
男の子は…基本すごく単純で乱暴、繊細な部分はあります。でも怖いのが、その繊細な思いやりが実質ない邪悪な子もいるし、その影響力が強い、邪悪な文化に染まった集団もあるということです。
なんというか、すごくそれぞれの感情が素直に描かれていて、見ていてとても楽しいです。
つくづく質の高い作品ですよ。
さばげぶっ!
この子達がこんなに怯えているなんて…
鬼軍曹、ではなく普通の女教師…いや普通じゃないですよこれは。
ジッポーを使うとは、煙草も普通じゃないですよね?確かオイルライターで普通のシガレットを点火すると匂いがつくと亡父が。
まさに嵐を呼ぶ…欠席が多くてよくクビになりませんね。
スズメバチの巣、ってそれ危険通り越してます。
リアルな方のスズメバチがまた強烈ですね。
格って、おそろしすぎます。セミオートで兵隊を落とせる、ってそれもう人じゃないレベルです。
それで撃墜できるって、救急車呼ばずに済んでいるのは、F18で巨大UFO撃墜するよりありえません。
「あの先生がからんでる以上」…確かに想像をはるかにしのぐ…
単純に、ドジとか不運以前に危険安全がまるでわかってない…
そりゃ気絶しますよ。
そして火炎スプレー。それがスズメバチに効くかどうか…
勝利の美茶はいいのですが部室全焼は笑い死にしそうでした。
ARISA
冒頭から凄まじい表情ですね。
つばさちゃん、復活?
えらい噂が流れてますけど、まあそれも日ごろの行い…
この手紙も、どこから嘘なのか疑ってしまいます。
できることはなにもない、というのは本当でしょうか?
本質的な、おそろしく深い邪悪…なにをするかわからない、それこそサミットで自爆テロをやるかも。
つばさちゃんがまた動くことも、緑にはお見通しで…
育った家。そこには何があるのか…日本の、先進国などと呼ばれる資格はないと断言できる孤児政策の貧困さをきちんと調べて描くことができたら素晴らしいのですが。
荒野の恋
屋敷の階段の雰囲気がすごく素敵です。石一つ、木一つ、板一つが生命感を持って生き生きと描かれています。
誕生日にお出かけ?
よく似てる、ってありえないんですが。
贅沢な、レストランでの正式な料理…これって精神的にはきついですよね。
不安な感情。
そんな中、自然に海に誘われる、すごくわくわくします。
クラスの人に見られたら…だからこそ一人分席を開けて…
みんな一人一人の気持ちがまるでわからない…そう、素直に口にできるのはすごい成長だと思いますよ。
「この夏のことわすれないと思う」…僕に、忘れられないような夏って、一度でもあったでしょうか?
なぜ、妹といわれてこれほど怒るのか。二人の間の緊張感が、道筋の描写で見事に出てます。
そして、突然の留学。そりゃまあ、離れでもまだ近すぎる…
呆然とします。
来月号、最も重要な新学期号、また「とおやまつり」ですか。
どれほど…レギュラー以外の、新人賞受賞作家陣が信頼されていないかよくわかります。
今のレギュラーがいかに磐石かも。
「王子とヒーロー」がどうなるのか…ただ胸が痛いだけです。