なかよし2013年1月号感想

新年でAKBの表紙というのも「なかよし」らしいというか。まあ「娘。物語」の時代にも…
それを知ってるのもいい加減オールドファンだよな、と思いますが、少女漫画の世界では田渕由美子・陸奥A子・太刀掛秀子…の時代を知らない僕は「少女漫画ファン」の資格がないそうです。

立体シールとか、それこそプリントゴッコすら思い出させる楽しさですね。
カードとかも、とても楽しい構成です。

そして何より…読みきり三連発!これ以上のお年玉はありません。
…増刊があってもこれほど新人読みきりたっぷりはなかったでしょうし。廃刊前の増刊は本誌連載番外編にページ取られて新人読みきりほとんどなかったですし。

キミが好きとかありえない(あおいみつ)AKB0048(美麻りん)王子とヒーロー(山田デイジー)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)スマイルプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)わたしに××しなさい!(遠山えま)クギ子ちゃん(PEACH-PIT)1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)さばげぶっ!(松本ひで吉)恋と軍艦(西炯子)小学生のヒミツ(中江みかよ)占いと0の君(長谷垣なるみ)風紀の鬼!(紺のんこ)予告

君がスキとかありえない
…僕はBでした。
ちょっとこの妄想…
こいつに母親がいた、というのがむしろ違和感あるぐらいです。それもご多分に漏れず超美人。
これを容認してるってどんな親じゃ…
で、朝から女体化とマニアックにもほどがありますね。
いや、凄まじいまでの美少女で。
そしてかなたんも男に。いや、すごいやこれは。
ハイスペックな男かなたん、いや乙女チックしてるこっちも相当…
作中の漫画シーン、しりとりで「好き」…これは死にます。
そして…完璧というべきだった男かなたんが、逆に普段の自分と同様に…
ざまーみろ、と叫びたくなりますね。それこそハイ・セプトンの「だめです」ぐらいに。
そりゃまあ、心の底から反省もしますよね。
漢になる、という目標はいいのですが…彼女待たせてますよ。
変態卒業宣伝を連続見開きでやっておいて、女装…だーめだこりゃ、といかりや声で言いたくなります。
なんというか、もう今年もガンガン暴走してください。

AKB0048
ふれあちゃん、覚醒しすぎ。すごい部分が隠されたんですね。
というかあれだけ練習しまくって、その熱でぬれるとかは吹っ飛んだのでは?
会場のデザインが笑うほかないです。
熱い、というのもお約束ですね。
チーム赤、いきなり爆発してくれました。
乃愛ちゃんの迫力がまたすごかったです。
一言も、ふれあちゃんらしい、弱い感じだけど真っすぐで…
で、お約束どおり高熱でバターン。
乃愛ちゃんの、優子先輩への言葉がなんだかため息が出ます。
今回は納得がいってる、というかついていくだけで精一杯だというのが正直なところでは?
まいちゃんのおかげで助けられましたね。
そして…ステージへの凄まじい執念。ここはもう全力で魂叩きつけて描いてる、というのがビシバシ伝わってきます。
そしてステージに立てば、もう全部吹っ飛ぶ、それがセンターのパワー、と。
大島さんに「ほんとうのセンター」と認められる、というのがまた迫力ありますね。
そして強烈な絶叫と、強烈な光…もう、ものすごい表現力。
同点というのも話のツボとしては完璧。そしてここで卒業宣言…
本当にすごい作品です。もう、一気に「なかよし」のセンターに躍り出てますよ。

王子とヒーロー
今の救急救命ってすごいんですよね。
交通事故死者がすごく減ってるのも、シートベルトや飲酒運転規制もあるにしても、かなりの部分は救命医療の進歩です。
いや、これはあなたが罪悪感持つことじゃないですよ?というかめぐみさんは罪悪感で人を操るのうまいですし。
この修羅場、病院にとっては迷惑でしょうね。
王子を近づけさせないヒーローの決然とした腕、強烈でしたね。
みんな、どうしてこんなに罪悪感に支配されて…というか、今回の作品のテーマは「罪悪感」?
「つらくても二人のために生きてください」…これだけ責められて、翻弄されてそれをいえる…
めぐみさんの心が開くことはあるのでしょうか。他のみんな、少しでも…
罪悪感や憎悪に塗りつぶされているみんな、でも…花ちゃんだけは、ひたすら光を放ち続けている…
それがみんなを導いてくれますように、と祈るほかありません。

出口ゼロ
あ、いたの、って感じですよね、咲良先輩。
最下級、絶対的に服従…
それでいて、「青春」というずれたようにも思えるテーマ、歓迎ムードの拍手、と違和感が強まります。
クラス全員のライフも一つずつ減っていく、それほど常に演技をし続けなければならない…
二年生の課題は、どんな手を使っても…
それに、徹底的に演技を貫くことで、交渉決裂を選ぶ、と。
しかも、裏切り者がいるという凄まじさ。
緊張感と底なしのパワー、どれだけこの最高の舞台で、何を描きつくしてくれるでしょう。

スマイルプリキュア!
なんか面白い番外編もあるんですね。
「Dr.スランプ」で「ミュージカル・シンデレラ」があったことを思い出します。
というかこの作品自体、「くるみと七人のこびとたち」を思い出させますね。どんどん童話が改変されていくとか。
あれは超のつく名作です。是非文庫化してください。

わたしに××しなさい
それぞれの気持ちを考えず、ひたすらドキドキを追求していた…まあそれでやっていけたんですから、作家としての才能はあるのでは?
お盆は校内への立ち入り禁止、って二人きりであーんなことやこーんなことをするためにあるようなシチュですね。
真剣に勉強、というか、客観的にはずっと脳みそ桃色でしたしね。
「あいつが帰ってきてる」って、また問題になりそうです。
失恋しても入る余地がない、でもそれ、恋人にはなれないけど家族には、という感じなのでは?
ここでいきなり晶ちゃんに声をかけられてのオーバーアクション、見ててすごい楽しいです。
で、「なんでもするから」って何をやったんでしょう。
つぐないを、でも「晶のところに帰ってくる」ってできるんでしょうか。なんか時雨くんの災難はどこまでも続くんですね…
ボディーガードって、彼女がいる男に…というかいろいろやばすぎます、その…名前も出てない誰かさん。
って、それ…この、時雨の弟…それにとんでもないことを言ってしまって…
さあ、どんな嵐が起きるのやら。まあ彼女は、それも全部小説のネタにしそうですが。

クギ子ちゃん
なかよしになったら、でちょっと笑いました。
元に戻れない、まあ妖魔に関わったらそうなるのはわかりきったことで。
あべこべばかり、というのは人間はみんなそうですよね。そしてむいてもむいても、その芯には何もない…タマネギ同様。
そう指摘されたらそりゃ、おばけになりたくもなりますよね。
でも、友だちがいる…さあどんなクライマックスに持って言ってくれるのか。
他社とも共同でのフェアというのも大胆ですね。これほど幅の広い作家もいません。

1年5組いきものがかり
なんて夢を、でも…
で、まあなんというかとんでもない動物が…
バク…獏、のほうですね。
みんなのメイド服女装、なんかすごいことを。
夢がエサ…さあ、えるちゃんの夢がいいエサに、その食べられるところをすごくラフに描いているのがなんだか可愛いですね。
夢の中でのバクとの会話がなんだか楽しいです。
吐き戻してしまったのは、イチローの…
それに、真っすぐ飛び込んでキスで応えるの、なんというかすごいです。
そして、結ばれそこなったから、消滅する?
さあ、それからどうなるのやら…なんというかすごく幻想的で楽しいです。

さばげぶっ!
親切ですねえ、この女の子たち。
流れないはともかくバーを折ってしまうって…
「あなたがたとはまた別の機会に」…どうやって回避したんでしょう。
というか何があったかは、流れていないのを見れば一目瞭然…
なんというものすごい身体能力。
モモカちゃん、これを見て大笑いっておいコラ。
鏡でSOS、というのもすごいですね。
で、ヘリ出撃。それも殺る気満々の戦闘ヘリ。
美少女です、という妄想から、「なぜあんなところにいたんですか」…凄まじい絶望と恐怖が伝わってきます。
ちゃんと、パイロットは助かったんですね…
そして、布が用意されているのに…見事に戻ってしまう、ってあれって、やったら手が折れるんじゃ?
いっそここから、って…あんた、石仮面かぶりました?吸血鬼じゃないとそれは…
冷えると弾が出ない、というのはガスを使う場合です。電動なら…でもバッテリーも温度で結構性能変わります。
谷間は強烈ですね…
七福神に隠れている、というのは実にうまいネタでした。

恋と軍艦
陽…なにやってるのやら。そしてそのJoJo立ち。
なんかあちこちでいろいろな人がいろいろしてますね。
三人で料理、って相変わらず仲がいいですね。
なんというか、さらにややこしいことに…
結婚の話をふられたら、漫画の話で返す…かなわないですね。
盗め、というのもまあ正論ですが。
このタイプのピアスがこうやって落ちて、なくさずにすんだのはすごい幸運ですよね。
町が派閥で二分される、物を売ってもらえないほど…きついですね。
「この町には希望がないわ」…どこの、地方にも希望はないですよね。希望は東京が独占してしまっている…
おばあちゃんも、それに巻き込まれて…きついですね、これは。
先生も思い切ったことをしますね。町の派閥対立とかが、いちばん強く出るのは学校ですし…

小学生のヒミツ
前すごく楽しかったので、今回も楽しみです。
背が高い、とか優越感が多い…そして男子にも強烈、と何から何まで強い子ですね。
でも本当は、…かなりギャップもあるんですね。でも胸以外は完璧なんですから…
「淳太くんとなかよしで」というのも、後にどこに出てくるか楽しみです。
成長、っていろいろあるでしょうに。背が高いなら十分ですし。それこそプレイメイトでも自分の体に不満があったりするもんです。
姉もひどいこといいますね。つい数年前まではこんな状態だったでしょうに…
「母さーん」…残酷すぎます。
意地を張った結果、自滅。楽しすぎます。
店員も親切ですね。
で、そこになぜか…あーあ。
翌日、「ひんにゅーやっほー」って、なんてすげえ男子でしょう。同学年だったら心から尊敬します。家来にしてください。
さらに、しっかり脅迫して…
ブラが透けるのを見てしまって、というのも見ている分には楽しいトラブルです。でも本人には、それこそ生きる死ぬの問題だということもわかっています。
「そこまでいうことないじゃない」と叫ぶ表情、すごく素敵です。
姉も、ちゃんと相談したら応えてくれるんですね…ここからのよくわかっている暖かい助言がすごく素敵でした。いい女ですね。
男子のほうも、どんなふうに成長していくんでしょうか。最後にかわす笑顔もすごく素敵です。
すごく真っすぐで素敵な、女の子達の心に全力で寄り添った、最高のシリーズです。次回もすごく楽しみです!

占いと0の君
占い大好きな雅日六花ちゃん、今日のラッキーアイテムは赤い手袋、運命の人があらわれるかも…でも朝からその手袋を落としてへこんでいる。
でも、えらくかっこいい男の子が手袋を拾ってくれて、でも彼女は何も思わずお礼を言うだけ。友達に指摘されて、それが運命の相手なのかと会いに行く。
注意散漫で全然話がかみ合わないけど、彼はとても優しくて、帰りにも強引につれて行って…でも、また会話がかみ合わず…

なんて繊細なタッチ…
災難、ですけど、こうしてかっこいい男の子が拾ってくれていれば、そりゃもうラッキーアイテムそのもの。
友達に指摘されるまで、それが運命の相手だと気がつかない…確かに頭のネジは抜けてますね。
確かにどうリアクションとっていいかわからないですね。
会話が全然かみ合ってないのがとても楽しい。
棚から本が落ちかけてかばってもらうのもいいシーンでした。
鉢を落としてしまっての、すごく申し訳ないという感情もさりげない描写ですが強く伝わってきますね。
いきなり連れて行かれるのにはびっくりしました。
彼の激しい情熱、もう一度彼の立場で読み直したらどんな話になるでしょう。
六花ちゃんが自分の気持ちに気がついてからの、彼の回想…強い情熱が伝わってきて、すごく胸が熱くなります。
最後の、すごくストレートな好きの交換も胸が温まります。
すごく暖かい、そしてさわやかな、素敵な作品でした。これからも一層の成長を楽しみにしています。

風紀の鬼!
私立北東高校。小鬼ヶ島に立つ、全校生徒五十人ほどの学校に転校した葛葉つづらちゃん。
それも、霊にとりつかれる体質に苦しんでいて、占い師に「北東」「学校」がキーワードだといわれたから。
そこで見たのは、遅刻というだけで人間をバットで文字通り空高くぶっとばす男子と、その隣のスマホ一つで小さい頃のおもらし画像まで調べだすメガネ男子。
恐怖の風紀委員コンビに見つかり、まあそいつらにかかわらなければ、と思っていたら自己紹介で霊にとりつかれて…
その二人にいろいろ言われて落ち込んでいるとき、妙な霊につかれたつづらちゃんは翌日、メイド服で学校に行って痛いことを始めた。そこに魔法のバットがぶちこまれ、悪霊だけが出てきて…封鬼委員!?
いや…そりゃもう、すごく期待してましたよ。
その期待を、さらにぶち抜いてくれてます。
冒頭の、物陰からのぞくような姿が実に可愛い…そこから、すごくわかりやすいとりつかれ。
占い師の化粧がまた凄まじいですよね。
人をバットで吹っ飛ばす、確実に死にますよね。
さらに顔だけでプライバシーまで全部暴く、こっちもまたインパクト強いです。
担任の鬼塚、のインパクトがまたもんのすごいですね。ゴリラなのに明るく優しそうな感じで怖さがない…
そして、昆虫標本のような風紀のおしおきを目の当たりに。これがまた強烈なインパクトでした。
そして、自己紹介でこれ…事故紹介ですよね。
あ、あのバットは…都合のいい設定ではありますね。
北東方向を、地図で定規で測ろうとしたら間違いますよ。地球は丸いので。
で、妙な霊がやってくれること…また面白いことを。
霊だけが出てきて、「風紀」ではなく「封鬼」。これは実にうまいです。
「おまえの能力!オレは好きだぞ」というストレートな言葉も素晴らしい。
鬼の憑いた左腕で殴る、というのもとあることを思い出しますが。
そして、「超動物好きのヤツがいたとする」…これが実に良いですね。どうしようもなく何かが好きな人は、それをすれば居場所ができる…
すごく楽しくてパワフルな、期待以上の作品でした。これからもすごく楽しみにしています。

来月号は安藤なつみ・鳥海ペドロ両先生のダブル新連載…なんという豪華絢爛なことを。

それだけでなく立樹まや先生の読みきりに「小学生のヒミツ」も、もう豪華すぎて破裂しそうです。うれしいなんてもんじゃないですよ、どれもこれも!

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