なかよし2013年3月号感想
この漫画家セットの豪華さは凄まじいです。講師がえぬえけい先生、それもすべての実力を惜しみなく伝えてくれてます。
圧倒されました。
作品もどんどん面白くなっていますね。・・・変態がどんどん増えてる気がしますが。
出口ゼロ(瀬田ハルヒ)百鬼恋乱(鳥海ペドロ)わたしに××しなさい!(遠山えま)さばげぶっ!(松本ひで吉)ワルツのお時間(安藤なつみ)ドキドキ!プリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)キミが好きとかありえない(あおいみつ)クギ子ちゃん(PEACH-PIT)AKB0048(美麻りん)恋と軍艦(西炯子)かみかみがえし(遠山えま)蜘蛛女(秋本葉子)あみなの恋ネーム(木ノ下奈央)BUG(雛星シチ)予告
出口ゼロ
生きているけれど…医学的には、これほどの短期間で完全に人格を破壊することは可能でしょうか?
電気ショック療法、ロボトミー手術、覚醒剤、幻覚剤…それらを大量に使えば可能でしょうか?
先生も結構暇人ですね。
天井からの…圧迫感がある分きついかも。
残りの一年も頑張ってはいます、が…
ドアからの食事、これも…前の、塀の金属のように罠ではないか、と思わせます。
みんな、まだある程度精神がある、というのも何をどうやっているのか…
手をつかまれ、脅される…それが成功できてしまったことが意外です。でも、これも、より深い絶望に落とすための罠ではないかと思ってしまいます。
笑い声だけで手を離させる、というのも恐ろしい演技です。
ここからの展開…一人だけの一年を集中攻撃、背筋が寒くなる展開ですが…これで、裏切り者設定が事実上無意味になった気もしますね。
逆に、二年から一年への降格は、この学校ではあるのかが気になります。
あと、椿ちゃん一人だけが特別で、他の子の個性が弱すぎる…それも罠でしょうか?何もかもが罠に思えます。
百鬼恋乱
冒頭からいきなり大惨事…つまずく人は二枚持ちもしないほうがいいです。
あのイケメン二人と知り合いじゃあ、そうもなりますよね。
教頭先生の不気味さはお見事です。
魔の気配を見てすぐついていって、毒牙に…彼女が何でこれまで無事だったのかがとても不思議でなりません。
蛇の描写もすごいですね。その中の顔も。
というかおかしくしたのは十くん…
でも、デキレースとは違う別の脅威。ここからの緊迫感、不気味な感じはうまいですね。
「いなくならないで」「わたしを…たよって」という教頭先生の心の闇もうまいです。
ココちゃんがいるだけで力が増す、というのもわかりやすいです。
そして飴のような光の描写もうまいですね。
「乱れてやるよ!」というのがまた強烈に色っぽいです。
表現は過激ですが話そのものがとてもスタンダード、というのはすごく入りやすいです。
わたしに××しなさい!
またやばそうな男、さあどうなる?と思っていたら…
晶…典型的な浮気の言い訳です。これは大笑いしました。
ちゃんと手をつないでいるのも、浮気後と考えれば笑えるだけです。
結局マミちゃんは奴隷のまま、ですか…
ゲロ甘、いいですよね。僕は大好きですよ、ゲロ甘。
今度はどんな罠が仕掛けられているのでしょう。
抱き枕の首を握りつぶして「なんだろね?」というのはうまく邪悪さを出しています。
本気で告白しようとするところに、別の男がいる時点でかなり異常ですよね。
そしていきなり縛り上げられてどうなるのか、と思ったら…ここからの雪菜ターンは驚きました。
さらに歪んだ愛情を学んで小説にしよう、ってこういう相手にはとことん強いんですね…
さばげぶっ!
ガトリングのエアガンは確か実在します…
「合法的に人が撃てるぞ」は爆笑しました。
というかアメリカでは、あの事件を受けて、何百万人が乱射犯を射殺しヒーローになるかっこいいオレを夢想して、拳銃用のスコープが何千個売れたでしょうか。奇妙なことにそんなケースはないんですよね、知る限り。
本当に不審者ですね。
いきなりぱっつん前髪、ものすごい不審者ですね。
「なにをいってるのかわからない」…ジャン・ピエール・ポルナレフですね。
弾をまとりっくすのように回避する変態…そしてガトリングすらジャンプでかわして、正体…
ひでえ、笑い死にしそうでした。この母親がいちばんの変態だったとは…まあ、今までの過剰なまでの了承といい、とんでもないキャラなのは片鱗出てましたが。
オチも強烈でした。
四コマも相変わらず楽しいです。気がつかないにもほどがある…
ワルツのお時間
…ただただ、ご愁傷様としか言いようがありません。
ホラー状態の悪夢から…
勇誠くんが声をかけてくる展開は少し意外性ありました。
お金持ちに、という表現がとても面白いですね。
そして運命の人、というフレーズが、どんな結果につながるのやら。
「手をさしださなきゃ」というのもすごく素敵な言葉です。
まかせとけ、って勇誠くんに任せたのが間違いですね。彼には、たんごくんのダンスをまた見たい、という善意以外何もないんですから…
ちゃんと努力している姫愛ちゃんをしっかり描いているのも素敵ですね。
学校でも、なぜ子供って努力すること自体を嫌うんでしょうね。
憎悪からいきなり奇妙なことに…笑われることも、注目として快になってしまう、というのはすごい強みかもしれません。
飛び出してしまう、たんごくん…そして今回他に出番がなかった菫ちゃんが、泣いている過去?
伏線がしっかり組みあがっていて、これからが楽しみになります。
ここで飛び出してしまって…
「甘いスイーツに囲まれてるみたい」という表現もわかりやすくて素敵です。
そして、この笑顔の可愛らしいこと!
「やっちまった」まあ自分の行動による結果ですが。
まさに人生終わった感。
さらに「運命の人に」…
もう、オイディプスなみに運命に首に縄つけられて引きずり回されてます。
ご愁傷様、お気の毒に…大笑いしました。いやこの作品、めちゃくちゃ面白いですよ。
ドキドキ!プリキュア
またなんで単行本でないんだ問題になるのはわかってますから出せばいいのに。
トランプをモチーフと言うのも面白いですね。
カッコよさがすごいことになってますね。
もう冒頭の二ページ半、「あなたにもっと近づきたいのに」の時点で、原作二か月分ぐらいにはなっていそうですね。
メンバー紹介も楽しいですね。それぞれの個性がよく出てます。
あちこちに、多分アニメの一話分ぐらい回想にして押し込んでいるのもわかりやすいです。
今回はちゃんと原作もわかってもらう、って感じですね。
ダイジェストによるオープニング、というのも面白そうですね。
キミが好きとかありえない
変態…そりゃまあ、「宮原、出頭しようか」になりますよね。
ゆるすまじ、と言いながら飲み終えたパックを懐に…そりゃ「許しちゃいけない存在」ですよ。
守り隊もすごい発想と経済力に大笑いしました。実行するには何万円かかるのやら。
あやしい人がいる、このホラーじみた描写も実にうまいです。
変態と思ったら宮原兄で…
かなでちゃんの変貌妄想が楽しすぎます。
ツインテールだから、ここからの流れは正直頭がくらっとするほど面白いです。
変態へのおしおき、宮原兄が敵に回ると怖いです…
そしていきなりとてもいい話になっていく…
で、今度は暴走かなたん。ツインテールが勝手に動いて…怖い、かなり怖いです。
前のフロント低空ジャーマンといい、かなり怖い子ですよねこの子…
クギ子ちゃん
妖魔の世界に関わって無事戻れたのが幸運なのに、まだ関わる気ですか…?
ネジが普通に出てくるとか、全然妖魔とのかかわりは切れていませんね。
無事突破できるでしょうか?
AKB0048
現実AKBはいろいろばたばたしているようですが、こちらもじたばたしているようで。
まあ人気はあるようですが。
最終回を生放送、ってかなり思い切ってますね。
スパイも大変ですね。膝痛くなりません?
妨害に協力しろ、って本当に協力したら、それで弱みを握られてとことんむしられるだけなんですが。
引っ掻き回している小さい子供、これはこれでネットの実況ではどんなことになるんでしょうね。
たのまれただけ、囮…うわ、やられましたね。
必死だった乃愛ちゃんが壊れていくのは見ていられないですね。
というか、「あんなになったら」って現場の全体は誰もわかっていないんでしょう?機械の破壊なんて、ほんの細い焼きつき一つで何も動かないこともありますし、外から見た外見はめちゃくちゃなのに動かしてみたら問題なく動くこともありますよ。
「それがアイドルだよね」…この、圧倒的なセンターパワー。これを近くで見せつけられたら、ゆがみもしますよ。
内部で人を疑い、魔女狩りが起きたら…それがいちばん怖いですよね。
恋と軍艦
えらくすっきりと返されましたね。
この先生も、そうなるのはわかっててやったのでは?という気がします。まああまり考えず、感情だけでやったんでしょうね。全部演技だとしたらすごいですが。
二人とも大変ですね。その挙動不審の時点で終わってますが。
グランドピアノの下、って隠れようがないようにも思えますが、隠れられるもんですね。
リコール、という、それどころじゃないことになればどうにかなるもんですね。
ま、人間どんな悩みがあるとしても、交通事故で足一本失えばその悩みが消し飛ぶのは間違いないですが。
顔を上げてみたら、確かにすごい風景ですね。
今は、津波食らったら終わりだとしか思えませんが。
踏み出した一歩、それがどんな実を結ぶか…陽くん、ナイスアシスト。
さて、どんなことになるのやら…
単純なこと。大人も、中身は子供なんですよ。洗脳、通過儀礼によって別のルールに頭を染められ、自分を自分でごまかし続けている自称大人もいます。でも、一皮むけば子供なんです。
かみかみかえし
指きりの契約、というのは面白いですよね。吉原の歴史を調べればわかるように本当に指切断ありでしたし、さらに誓約の歴史を調べたらそりゃもう、それこそ魔術の歴史そのものと言っていいぐらいに面白いです。
父親のいた場所に…さてそれもどんな罠なんでしょう。
ましろちゃんはあくまで、神を大切にするというのに忠実になろうと…でも、遅いんですよね。今この場をコントロールしているのは…
「ボク以外がおそうのは」単純な罠ですね。
人間が本当にほしいのは何か…それさえ見抜ければ、どうにでも操れる…
ま、次はイケメンたちのターンでしょうか?どんな罠で迎撃するかが楽しみですね。
蜘蛛女
嬉しいですが、秋本先生の資質は本来もっと広いですよ。別作品での本格連載も楽しみにしています。
やせてるほうが、…摂食障害はとても死亡率の高い危険な精神病です。
何気なく痩せ衰えてるのを見せるのはそれだけでも強烈な恐怖でした。
彼氏に服をどんどん買ってやるとか、将来が怖いですよ。
「彼氏いないそっちのほうがかわいそうじゃん」…すごい正直。
金づる、と言われて怒って別れたり殺し屋雇ったりせず、料理作りに挑戦しようとする…すごくいい子じゃないですか。心配なぐらい。
心がスマホに表示される、これもうまい罠ですね。
皮膚に痛みと共に文字、これも面白いアイデアです。
「いてくれてよかった」って、そういう言葉って麻薬同様の快感ですよね。そりゃ、承認を快感とする遺伝子が群れ動物の暮らしでは生き延びてきたんですから…
というかこれ、着信するかしないか、制御できないのでしょうか?
どんどんエスカレートするのも、まさに罠です…
包帯少女になってしまっては、本末転倒というか冒頭の拒食症の少女が、まさにその本末転倒なんですよね。
彼の心の声が、「キモイ」から「わかれたい」…絶望に狂い壊れていく、そこの描写はさすがに見事でした。
「あなたのため」の恐ろしさ、それなら『春にして君を離れ』(アガサ・クリスティー)にかなう作品はないです。ホラー表現でどんなに頑張っても、結局アレにはかなわないんですよね…
これからもこの作品が続いてくれるとしたら嬉しいです。
そして新しいシリーズでもっと秋本先生が活躍できたら、もっと嬉しいです。
あみなの恋ネーム
西尾亜美菜ちゃんは漫画大好きな小六。リレーで続きを漫画で描いていく交換ノートをやっている。
励ますのかからかうのかしてくるのは、近くに住んでいるお母さんの弟で、オネエな鞠緒ちゃん…プロ漫画家の雨宮マリー。
交換ノートをみんながやめると言い出して、落ち込んでいるのをマリーの仕事場に押しかけて漫画を描いて復活し、プロになると決意。
そして、クラスメートの詠太くんを妄想のネタに、ひたすら漫画を書き続けている…ところでからかわれて、つい暴言を叫んでしまった。
それさえ全部漫画にし、詠太くんとも仲良く登校していく亜美菜ちゃんを、鞠緒さんは温かく見守っていた…
すごく素敵な作品です。
ありのままの激しい情熱もいいですし、周囲の大人の優しく見守る目線が素晴らしかったです!
らんらん…「るんるん」はもうあまりにも遠い昔になってしまいました。
冒頭、「ここでつづくのか」という言葉、これも読み返すとうまいですね。彼女自身も漫画を描くし、その作者とも知り合い、だから出る言葉というわけです。
鞠緒ちゃんもかなり面白いキャラですよね。男と女の両面があるので、すごく自然にこの特殊な立場に収まります。
ペンだこを見て、それほど鞠緒ちゃんが頑張っているのを見る…そういうところがあるのもしっかりした土台ブロックになってます。
交換ノートをやめる、それこそ世界が終わるようなショックかもしれません。
詠太くんもすごい美形ですね。
仕事中のプロの、「キモイな」と真剣な、楽しそうな姿の両方を描いているのもすごく、伝わってきます。
そして、へこんでいたのを漫画で…すごいですね、つくづく。
投稿、という別の目標を見つけることができる…漫画家の難しさをどれだけ説いても、意味はないですね。子供には。
付録と関連付けるのもうまいです。
男に戻っての暑さ、これも楽しいです。
そして詠太くん、と結構いろいろな人が来る家ですね。
ここからの妄想は…なんというかすごい。
小学生の絵もしっかり描いているのは、逆に大変だったのでは?
妄想しながらいろいろ描いているの、小学生の心理がすごくよく伝わってきて読んでいてとても面白いです。
そしてこの暴言で、どれだけ落ちこむか…それを「まんがに使えそう」と言ってしまう鞠緒ちゃんの暖かさと洞察がまたすごいですね。
大人を魅力的に描くことができる、というのは心底すごいですよ。
それを拒絶してしまうほど激しい感情…そこから、またペンを手にするまでの心の動きが、すごく簡素な描き方だけにすごく伝わってきます。
「ぞわっ」とする、ホラーじみた表情がすごいですよ。
母親も、優しく見守っていますね…これがまたすごい。
最後の、鞠緒ちゃんの亜美菜ちゃんを見守る表情がたまらなく優しくて、すごく嬉しくなります。
BUG
乙女ゲー大好きな桜木色羽ちゃんの、ちっこい幼なじみの黒凪一弥くんが今朝、ラブレター今から渡すんだと自慢げに笑っていた。
スマホに新しく入っていた恋愛ゲームに、要求されたアンケートを入れていたら、いきなり爆発して煙から「バグ」を名乗る奇妙なモンスターが出てきた。
失敗したらお前も消える、といろいろな選択肢を出してくる。
最初の選択で、色羽ちゃんは体が小さくなりかわいい服になって、それで正解。
このゲームのタイトルは『ミッション』、ストーリーは主人公が学校内にいる男子の恋をかなえること…
一弥くんの頭に、「ボクがターゲットです」というフキダシ風船が見えて、さらに小さくなった自分も見つかって、天使のふりをして協力することに…
あっさりしていますが結構読みやすい絵ですね。
男の子の表情も魅力的です。もちろん最初は、幼なじみのこの二人でくっつく、と思ってしまいました。
スマホの画面もわかりやすくて楽しそうな感じです。
出てきたお化けのデザインもいいですね。怖さと可愛らしさがうまく調和してます。
「おまえ消えるぞ」というのもいきなりハードな話で…
選択肢を出す、というのも面白い発想です。
いきなりゲームオーバー、ってクソゲー扱いされかねないハードモード。
「こいつがアホでよかった」ってアホすぎるでしょう。
昔の約束、それがキーになる…
50回手紙渡して返事がない、これには笑い転げるしかありませんでした。
体が消えかかっていることで危機感…バグが選択肢を、実は出していない。
ゲームマスター自体が不正をする、というのはただでさえハードモードなのに強烈ですね。
そして彼の夢、昔の約束がキーワード、と真実がわかって…
それで、ゲームオーバーを回避したことにバグが「おもしれぇ」となる、さりげないですがうまいですよね、ここ。
「友だちになって」という告白、そして…思い出してみれば、色羽ちゃんと一弥くんはまったく恋愛なしの関係、というのも意外性があって面白い展開でした。
ゲームオーバー、と一瞬思わせて、また衣装を変えて、思いっきりアクションで楽しませる…蛇足かもしれませんが、それもまたデビュー作ならではですね。
夫婦で漫画を描いているのを見てしまう、というのも抱いたんですね。
しかもものすごい美形で、なんというかすごく楽しい作品でした。
次回作がすごく楽しみです。どうしても機会の少ない雑誌ではありますが…
来月号、ついに高上先生本誌!もうどれだけこの時を待ち焦がれたことか。
まあ名前を変えて姉妹コンビとかいろいろありますが、それでも読みたくて読みたくて仕方がなかった作家が来てくれたことには変わりありません。
「小学生のヒミツ」も来てくれるのがまた嬉しいです。
星野リリィ先生…さてどんな作品でしょう。
とにかくすごく楽しみばかりで、たまらないです。