なかよし2013年4月号感想

あ、可愛い、という感じで目を引く表紙でした。

スケルトン電卓!すごいですね。
電卓を用いる遊びというのも楽しそうです。
独自の数字を決めて、十二進法・十六進法の電卓というのがあってもよさそうですね。いや、十二進法・十六進法の数字は僕が知らないだけでもうあるのでは?

メンバーを一新するかと思いましたが、新しいメンバーは入るもののベテランもまだまだ健在のようです。
雑誌にとっては難しいことですよね。

恋するふたごとメガネのブルー(山田デイジー)少女結晶ココロジカル(高岡しゆ)つばさピチカート(春瀬サク)かみかみかえし(遠山えま)さばげぶっ!(松本ひで吉)AKB0048(美麻りん)きぐるみ防衛隊(星野リリィ)ワルツのお時間(安藤なつみ)クギ子ちゃん(PEACH-PIT)わたしに××しなさい!(遠山えま)百鬼恋乱(鳥海ペドロ)キミが好きとかありえない(あおいみつ)ドキドキ!プリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)小学生のヒミツ(中江みかよ)予告

恋するふたごとメガネのブルー
対照的な双子、頭はいいけど内気な春田ももちゃん、活発なさくらちゃん。
ももちゃんが初恋、ということで浮かれる家族。
それがきっかけで、さくらちゃんも恋に関心を持つようになり、ふだんじゃれているフジタくんにからかわれたりしている。
そんな帰りに、教科書返したいけどニキビができて彼に会えないから入れ替わって、とももちゃんに頼まれたさくらちゃん。塾で探し当てたメガネは、なんとフジタ!?
「なかよし」でふたごといえば、あれなんですよね。Special twins+1…もといミラガ。
というか対照的という時点でミラガ…まあ、あれの読者は今頃、今の読者の母親でもおかしくないでしょう。
小さい娘が読んでいる「なかよし」を見て、懐かしいわお母さんがなかよしを読んでた頃、ああ押入れの奥に…なんて話していると想像すると楽しいです。
…その母親は僕より年下でしょうね、当時の僕は高校から大学…考えるのやめましょう。
「ぜんぶはんぶんこしようね」が絶叫学級だったら、エロゲとは違う意味で男の子を半分こにしかねない、と目に見えてしまうので考えるのをやめました。
初恋を家族に知らせてしまう、というのもある意味すごいかも。
さくらちゃんが興奮して飛び跳ねたりしてしまう、というのはすごく明るくて楽しそうな感情が伝わってきます。ここは僕は大好きなんですよ。
十七歳で姉妹で風呂に入ってるという…十七歳というより十三歳ぐらいにしたほうが自然かもしれませんね。
サービスシーンのはずなのに驚くほど色気がないです。肌の柔らかさは伝わるんですが。
名前も知らない、というのも、ええ…読みきりならすごくドキドキするシチュエーションなんですけどね。この作者の連載だと、それこそ痛いのがわかっている治療の待合室や、拷問虐殺の本を読む前のように、感情を殺しておくことしかできません。
フジタくんとさくらちゃんの楽しいじゃれ合いも、どんな形で…と思うと悲しいですね。アンネ・フランクの小さい頃の描写のように。
いきなり「で?フジタとつきあうの?」とくる間はさすがに絶妙。
高二、って感じは全然しませんよねこの子。
そしてぽわぽわしている…ここからのイメージ映像も楽しいです。でもこの楽しさも今のうちだけだぜ、とルキーニの歌声が聞こえてきます。
さくらちゃん、空気が読めなくていつも教室を凍りつかせている、ということのようですが、むしろ見ていて楽しいです。
源氏物語には恋はないと思います。いろいろな意味で。呪いはありますが。
男の子三人が告白して来てくれたの…なぜ逃げる、という感じですけど。
というか昔そんなひどいフラグクラッシュをしてたんですか…
木からボールで撃墜するというのも中学生でもやらない気が。このギャップがまた楽しいのでしょうね。
頬にマジックで花丸マーク、というのも…いや中学生のラブコメとしては極上ですよね。
そして…双子入れ替わり。学力が違う子が授業受けても塾代もったいないと思います。いや、なんてわかりやすい爆弾。
で、その人は…フジタ?
いやこの意外性と楽しさ…そう。山田先生の連載作品でなかったら、とんでもなく期待してしまいます。何もかもが完璧と言うべき素晴らしいスタートなんですよ。
前の連載で、最初期待していて…でしたから…この予想が裏切られますように。祈っても無駄だろうと思いつつ…
しかし考えてみれば、同一人物なら、フジタくんも学校でさくらちゃんをからかうのにそのネタを使わないのが不思議…

少女結晶ココロジカル
甘くとろとろなのがいきなり恐怖に変わる夢、ビックリして起きる表情もすごく可愛いです。
ハルトくんがこころちゃんをかばおうとしているの、子供っぽいですがカッコイイです。
十月エリア、別のエリアもまた華やかです。
いきなり警官を突き飛ばすとは恐ろしい子です。
次々と出来事が起きるのがとても楽しいです。
初心者をカモにする偽警官…本当にGI級に恐ろしいところです。
ハンカチがちょうちょになってキスをする、ここの美しさはすごかったです。
そして…帰ろうとしても帰れず、突然巻き起こる悪意…すごく美しい気持ちも、醜い気持ちも両方しっかり描く、という気負いが素敵です。
ムツキさんがこころちゃんにキスして力を引き出すの、ここの表情がものすごく可愛いです。
全く先が読めない、洞窟探検とジェットコースターを合わせたような楽しさ。
本当に素敵な作品です。

つばさピチカート
北海道のバイオリン教室で研鑽を積む朝比奈翼ちゃん、小六。
でも、今回が最後…母子家庭、貧困のため。
翼ちゃんは諦めるのではなく、最後のチャンスに挑戦する。遠い札幌での、特待生選抜試験…
バスに一人で乗ることから不安と恐怖でいっぱいだけど、さりげない優しい励ましを受けて素晴らしい演奏をするが、保護者の同意欄を自分で書いたことがばれて失格に。
帰った彼女を待つ母の言葉は…?

春瀬先生の明るさはやはり素晴らしいです。
レッスン代を用意できない、という辛いことも、明るく言える強さには胸が痛みます。
そして、一瞬表情が消えるほど底なしの絶望、そこで風を受けて顔を上げる…強いな、と息を呑むほどでした。凄まじいほどの、伝える力です。
そして一人で札幌に行き、どうするのでしょう?
高速バスで四時間…東京駅から同じ高速バス四時間で行ける距離を考えれば、いかに北海道が広いか伝わってきます。
特待生の選抜、ちゃんとチャンスを見る目と決意もある…
そして、こわそうなおじさんの情けも受けて、試験会場。すごく子供の心理に寄り添っている、素敵な展開です。
蛍くんの励ましも嬉しいですね。
って、あのメガネの怖い人が審査員だったとは。
演奏に入ったときの楽しそうな明るさはすばらしいです。
演奏する喜びをすごく高く描いている、表現力には驚嘆させられます。
思いがけないことでの失格、子供がそんなことをするのは僕にも痛いほどわかります。
母親がこれにどれほど胸を痛めたことか…
「ヴァイオリンの勉強をやめる決心は」この言葉、母親にとってもどんなに苦しい一言だったでしょう。
審査員の先生から…音楽の世界は本来貴族のパトロネージですしね。
普通に中産階級が挑める世界ではない、だからこそ貴族がいかに才能を発掘するか、それがなければ衰退してしまいます。
東京で、どのような日々が始まるのか…胸が熱くなる作品です。
これほど、それこそ摩擦熱で燃え上がる剛速球をぶちこんでくれるなんて!ミットがぷすぷすと火を吹いているような熱さです。
嬉しくて絶叫したいぐらいです。

かみかみかえし
指切りの書と別の契約?楽しそうですね。
やたの鏡…一番やっかいそうです。
イワナガ姫、そりゃまあひがみもしますよね。
姉妹対決…あはは。
というか三種の神器を手にしている、って恐ろしい家です。天皇ですら目の当たりにすることは事実上絶対にないのですよ。

さばげぶっ!
サバゲ部の報告…確かにそうですよね。もっと多い気もしますが。
ホウレンソウ…シュウ酸が刺さるからでは?
そして、いろいろとわかりやすい恨みです。
お気に入りをかすめとる、といっても…なんというか、どんな悲劇が彼女を舞っているかを思うと、十字を切るほかありません。
あ、この程度で済みましたか。もっとえげつないことになると思ってましたが。
四コマ…XM8とは贅沢なことをしますね。
オチの正直者の国がすごすぎました。

AKB0048
条件をつけた時点で負けてます。
ファンの人たちも…爆弾を抱きかかえて花火だった、というのは緊張しました。
臨時のバイトもチェックしているとは…その場合に備えてセカンドプランを立てていないのが甘いんでしょうね。
そして、乃愛ちゃんよりファンを、舞台を優先しろという先輩の厳しさ…
その思いも歌声に乗せられる、号泣してしまうのではなく…それができるのは彼女の資質の高さなのでしょう。
帰ってくる、といってもそれができる相手なのかどうか。
意外なほうに展開していきます。

きぐるみ防衛隊
冒頭から妙に笑えますね。
濡れたら乾かせばいい、こだわらないおおらかな人ですね。
ボードをかさがわりにする、というのがまたあったかいですね。
ふいてもふいても、そりゃそうでしょう。
一緒にお風呂、って中身普通の男性?
裸を「キャー」と書いたボードで隠してくれるのが笑えました。
バジリコ…なんかすごい表情で固まってますね。
キスしたら男に戻る…あーあ、一緒にお風呂…まったくもう。
というかジンジャーと那須くんは…考えちゃだめだ考えちゃ。
なんというかふざけた、緊迫感のない作品でしょう。実に楽しいです。肩の力を抜いていられて。

ワルツのお時間
扉の構成がすごくうまいです。
「あ、姫愛ちゃん」で反応させる…すごくここ面白いです。
菫さんのセクハラも相変わらずです。
人生史上最大の目の大きさ…いえいえ、本当に目が大きいというのは(脳内では五十嵐先生のいじめシリーズ)…。
話を勇誠くんに聞かせて、そして「オレをしんじて」、こんな正々堂々とした策略は初めて見ました。
覚悟してね、って顔がすごいんですが。
本当にスパルタ…
靴が壊れてまめが潰れるぐらい当たり前だから人にもそれを要求できる、そこまで描いてくれるからすごくわかりやすいんです。
三角じゃなく丸、というアドバイス…たんごくんも優しいですよね、こういうときには。
さみしい、という言葉で階段で転んで、ここで思いっきり太く描いているのが…
そしてリズムに乗っていくときの美しさ!
会場にひっぱり出されたたんごくんが…え?…すごい…美しすぎる、すごすぎる…
これ、ビフォア・アフターの写真で教室宣伝したら長蛇の列ができますよ!
太っている人がやせた時に感動するのは、鎖骨よりむしろ肋骨です。そして逆上がりや懸垂が簡単にできてしまうこと。
勇誠くん、なんというかよくもまあそこまで…
目をそらすな、でなにをやらかすつもりなのか…胸がわくわくと躍ってます。
もうこんな毎回読んでいて嬉しい作品はないですよ。これが本来の安藤先生の世界なんですよ、「ARISA」しか知らない読者の皆さん!嬉しくて叫びまわりたいぐらいです。

クギ子ちゃん
ナメクジを持っている女の子がいたら怖いです。
そして一人で魔界へ…いきなりかなりハードな試練ですね。
なんかすごく熱い話になってます。

わたしに××しなさい!
あーあ、見ちゃいましたね。
二人を見ていられない、って、嫉妬心はあるんですね、晶くんにも。
大事な人、という言葉…逆にそれが、こいつの弱点ですか。
風呂でサービス、と思ったらぶばっと変なのが出て、それからじっくり過剰なまでのサービス…ここはうまいです。
「身体にふれていいのは」…お前が言うな、って叫びたくなりますね。
さんざん晶の目の前含めて別の男に身体触らせつくしておいて。
そして、晶くんがマミちゃんをかばってくれる、これはすごく嬉しくなるシーンですね。
「ずいぶん子どもっぽいんだね」ともろに急所を…
雪菜ちゃんが怪我をする、という展開は意外でしたが、それがどうなるのか…というか今回時雨くん出番ゼロ。

百鬼恋乱
すごい通り越してますね、サーブをダイレクトアタック…
別のほうではえらく色っぽいことになってますね。
気付かないでいいことも、って影で苦労していそうです。
十くんがキスするかな、と思ったら髪をいじるだけ、という、ここなんだかすごくしっとりしてあったかいです。
別の妖はこいつが食べているから…
アクションシーンの凄まじさは相変わらずです。
いきなり抱きしめられるのはびっくりしました。それだけで傷が癒えていく?
別の鬼が敵とは、一筋縄では行かないようですね。

キミが好きとかありえない
なにやってんだ、にもほどがあるというものです。
女の子のほうからつついて反応を楽しむなんて、すごいカップル。
「日々増えてるよ」に「ネームかいてるとちゅうですよね」…なんて華麗なスルー。
ラブシーンが恥ずかしくて描けなくなる、それ少女漫画家としては死刑宣告ですね。
…ホラーに転向すればそれはそれで売れそうですが。
縛ってさわりまくり、ってそれなんてフィフティ・シェイズ…
逆に、かなたんのほうが恥ずかしくなってしまうのは笑ってしまいました。
こっちまで激シャイ現象、とんでもないカップルですね。
そしてはちべを読むこともできなくなってしまう…
女友だちの前で、「っやだあ」…そのまま抱きしめて…
そして気絶まで、なんというか…楽しみましたよね、女友だち達。
さらにほっぺチューまで、ずいぶん進展しているものです。
いや、今回はひたすらな…バカップル。たまりまへんなあ。

ドキドキ!プリキュア
どれだけのダイジェストでしょうね。
いや、とにかく熱い。
いっそ、ダイジェストじゃない、全話のコミック版を見てみたいものですが…無理でしょうか。

出口ゼロ
…もう何も信じられません。
怪我人が出たら即興を一時中断、っていうのは意外でした。
クィーンがペナルティーを取らない…より大きな苦痛、屈服のために…
スタンフォード監獄実験…アイヒマン実験に並ぶ、人間の真実を人間全部に突きつけた悪夢。
いや、本当に鬼気迫る…で、全部演技。しかもたっぷりとライフを得て…
というか「わたしすごく救われたよ」というこの台詞も演技なんじゃ…
何も信じられません。
クィーンも、なんというか公平と言えば公平ですね。
そして、無意味になったと思われた裏切り者の話も出てきますか…今回はクライマックス級の盛り上がりでしたが、それ以上の即興舞台を見せてくれるでしょうか?
すごい作品、だからこそ次回が難しいところに来てしまっていると思います。

小学生のヒミツ
クラス替えが暗い…僕は好きな人と一緒かどうか以外、全部どうでもよかったですね。友だちという概念なかったですし。
えらく暗いことになってましたが…あーあ。
話しかけられても、うまく輪に入れない…両親としてもつらいですよね。
悪い心がどんどん出てくるのもよくわかります。
この自己紹介…これがわかる、という子もすごくたくさんいると思います。
そしてあんずちゃん、裏切ったと思ってしまう…
教科書を見せてあげるときの優しさに触れて、落書きがきっかけで話になる…るいちゃんもずっと気にしていて、逆に話しかけて迷惑がられないかな、とか悩んでもいたのでしょうね。
せっかく誘われたのに、落書きを見られたくないから強く拒否してしまって…ここもすごく共感でき、胸が痛みます。
そして登校拒否まで…内田くんの優しさがじーんとします。
それを見ている母親の目。何もできない、でも胸が張り裂けそうなほど心配…そんな思いがものすごく伝わってきます。
よかった…と、胸がいっぱいになるような幕切れです。
読者みんな、どんなに共感したか、感想なんて読まなくてもわかりますよ。

来月号はフクシマ先生…予告ではシリアスな、重みのある話のようですが。
紺のんこ先生のホラーは以外ですが、実力のある作家なのでしっかりしたのを描いてくれることは確信できます。

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