なかよし2014年6月号感想
表紙で、ふたごなのに一方を強調するというのも面白いですね。
付録はすごく華やかです。
最近、また雑誌全体が暗くなっていませんか?まあ、ホラーといじめのオムニバスコミックスが事実上の増刊、という状況ではやむを得ないかもしれません。
もしかしたら、それが新編集長のカラーなのかも。
ただ、今の「なかよし」の作家陣は、ものすごい実力者がそろっているんです。ベテランも若手も外でデビューした作家も。だからこそ、その力のある作家たちに、読者に嫌な思い出はなく素敵な感動をさせることに力を使ってほしいのです。
恋するふたごとメガネのブルー(山田デイジー)嘘つき王子とコウモリ彼女(美麻りん)呪われさん家の花嫁さん(あおいみつ)初恋少年少女(フクシマハルカ)さばげぶっ!(松本ひで吉)塾セン(立樹まや)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)きぐるみ防衛隊(星野リリィ)恋と軍艦(西炯子)百鬼恋乱(鳥海ペドロ)わたしに××しなさい!(遠山えま)クギ子ちゃんがいる!(PEACH-PIT)少女結晶ココロジカル(高岡しゆ)ハピネスチャージプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)小学生のヒミツ(中江みかよ)予告
恋するふたごとメガネのブルー
いや、あらためてカッコいいです。
「それは理由です」「気持ちで返してください」…重い言葉ですね。
さくらちゃんが喜ぶのもわかります。読者全員快哉を叫んだでしょうからね。
丸一時間、ワイワイと好きな子の悪口を言う…乙女にとってはある意味至福の時間ですね。
「なんであやまるの?」という目、もう最高。
「大好きなおねぇちゃんといままでどおりにいられてさ」が、すごくうれしい言葉でしょうね。一番それが心配だったでしょうから…最悪の場合を考えることもできないほど。
有永くんに「ありがと」というの、これまた強烈でした。
そして今度は塾…自業自得とはいえざまーみろ通り越してかわいそうになるほどです。
有永くんの「どっちとつきあうの?」は楽しい、というのがいっぱい伝わってきます。
「まちがってるかな?」…とっても間違ってます。
で、「ハルタはオレがもらうよ」…さあどこに飛ぶでしょう。
こういう正統派ラブコメ、やっぱり好きです。
嘘つき王子とコウモリ彼女
いきなりえらいことになってますね。
こういうペースの速さが読みやすいです。
剣道の防具やフォームがとても正確です。
うかつに話ができない相手、というのも厄介ですね。
で、きっちりのぞきはやるのがある意味乙女です。
「成海さんが好きなんだ」でわかるでしょうか?苗字もなしに。まああんな報道があれば有名人でしょうけど。
みんな外ヅラと家での姿が違う、楽しいですね。
母親に連絡するのが死ぬよりいやレベル…
階段から落ちたのを助けた、と思ったら「成海さんが不良だからって」…おひ。
怒鳴りつけてから優しくするのって、ある意味DV男のパターンなのでわ。
美麻ワールドはいつも序盤がつらいですが、こうなってからはひたすら楽しいです。
呪われさん家の花嫁さん
16歳になったら婚約者と結婚する、と言い聞かされて育った東雲杏ちゃんが、ついに(特別なイベントなしに普通の見合いみたいに)婚約者と会った。
その婚約の理由は、しっと深い女神の怒りを買った家系の呪いを解くため。
そしてその婚約者はアイドルだった…
拒絶する彼だが、拒絶すると呪いがかかるし、文字が浮かび上がる帳面の通りにして認められなければ死ぬとか…
婚約者との出会いなら、とあらゆるラブコメが思い浮かびますが、そういうの一切なしに普通に会うのがすごく新鮮です。
地味を極めているというのがまたすごく素敵です。僕は可愛いと思いますが。
それ以上に先祖代々清廉潔白、というのがほとんどありえないような…
面白い設定です。
アイドルとしての彼の努力をまずしっかり描くのがさすがです。
鶏をさばけるのはすごいですけど、どこで調達したのやら。
天罰があってもついてくるな、というのは無謀な気もしますけど、現実を拒絶したいのはわかります。
ライブシーンは、特に建物をすごく丁寧に描いていて、すごく重量感がありました。
「ふつつかな嫁ですが」がもう強烈で…
さてどんな指令があるのやら。三回連載というのが惜しいほどです。
初恋少年少女
あっさりと「高2になりました」とやるのがいいですね。
修学旅行…僕の高校時代にはなぜかありませんでした。あっても男子校だったので何の楽しみもなかったでしょう。
大河くん、お気の毒に。でもクラスが違うなんて大したことじゃないですけどね。
忍くんに、会おうと思えば会えるのになぜ会えないのか…と、高校生に聞くだけ野暮です。会おうとするなんてことがどんなに難しいことか。
いきなり男女混合でまくら投げとは、楽しすぎます。
で、当然お約束の…
神様に祈るしかない、この切ない思いの伝え方はすごいですね。
写真の思い出もうまい。
帰りに熱が出てしまって、「オレじゃダメなの」…そこに忍くんも、このすれ違いの切なさ!
すごいですねこれは。すごい。
さばげぶっ!
お嬢様じゃなかった、と科面白いことになって敷きました。
「条例により撤去されたはずの遊具」というのが妙にリアルです。
タイムスリップして昔の自分を見れば、そりゃ辛いですよね。
「ひとにこころみせたらだめだって」…そりゃそうなりますよね。
父親の現状、これはうららちゃんにとって幸せといえるのでしょうか。幸せですよね。幸せですよねこれは…
FM-SCARとはいいのを持ってますね。
「ウンコを経由する」って、ひどい不都合な真実です。
アニメでのカラーリング、そりゃ大金がかかるでしょう。
…これのアニメって人気出るんでしょうか。
塾セン
カラーページ、思わず「すげっ」と声が漏れました。
「口がかってにだいすきってェェェ」と、素直に口から出てくる…なんていい子でしょうね。
「授業終わったら」って、まるで理想的な姉みたいです。
すごい普通の先生、そして今更「えっちがっ」…とか。ため息が出るほどかわいい乙女です。
辻くんが一生懸命に盛り上げようとしてくれるのがうれしいです。
昔の、選手を忘れられないという言葉に…辻くんの表情、心当たりありますよね。
こういう表現がまたうまいです。
そして、やっぱり水野先生だった…
さらに、彼女が亡くなったんだ。
すごくショックを伝えてくれる描き方です。
「これ以上ふみこまれると」の迫力もすごいですね。背筋が寒くなるほどです。
さて、ここからどう展開していくか…すごい作品になりそうです。
出口ゼロ
「いまの仲間はわたしたちよ」…それもまた正しいのですが。
仲間と動くことを選択したのは、正しいと思いたいです。
「一位でゴールできたら」というのも…この先輩たちは、一年より多くの喪失と痛みを経験しているはずです。
レディ・クイーン…なんて女優魂…
ルールなどない、公平などない…そのことを学ぶ、というかこれはもう…読者に嫌な思いをさせるためだけの…
そのあとに「なかよし団」を割りつけた編集GJ。いい、ガリというかライムというか漬物というか。
きぐるみ防衛隊
いろいろと哀しい部屋です。
いきなり「もっと好きになった!好きになったよー!」と、素直な女の子。かないませんね。
「わたしたちで」というのはいろいろと不吉なフラグなんですが。まあのばらの第二段階フラグでもありますが。
恋と軍艦
海外旅行なんて普通なら一大イベントですが、のんきなもんです。
母親と三年ぶりというのもすごい。
すごく旅行そのものを楽しませてくれてます。素敵な服装、丁寧な建物描写、素敵な服。女の子の素直なあこがれかもしれませんね。
毛沢東ポスターが中国のリアルを感じさせます。
変身しての写真もすごいですね。
そして、香菜ちゃんの父親と愛人を見つけた晶ちゃん…ザ・苦労人タイム。
なんかこんなところまで来てもお疲れ様とは。
百鬼恋乱
消えることもごまかしてしまう、どこまでも韜晦ですね。
でも、意外と正直かもしれません。人間でも、死ぬのは初めてなんですから。
「信じないもん」といっても…
それで必死で看病するとか、かえって体調崩しそうです。
「なんでもするよ」って女の子が気軽に言う言葉じゃないですよ。
そして学校にも来て、なんというか思い出を作ることだけを目的にしてる気が。
「年号ちがうよ
オレ見てたから知ってるもん」が本当に歴史教科書のほうが間違っていたらえらいことですね。
妖のほうが頼みに来る、というのもすごいですね。
好き、と言葉で言っても救えない…でもあくまであきらめない、刀で自分を刺してまで。
本当に助けてしまったのは、どっちがよかったんでしょうね。
わたしに××しなさい!
ライクとラブ、って懐かしいですね。
「いつでもお姫さまだっこしてやるし…毎日バラの花送ってやる」これ、強烈な口説き文句ですね。
まあイケメンでなければストーカー防止法でおまわりさんこっちです。
あ、でも「おまえだけを見てた」って既刊読み返したら完璧に大嘘ですな。今の彼の主観的には真実かもしれませんが。
「いまのひーくんじゃ一生好きになれない」…どこが悪いか、それは本人には金輪際見えないところなんでしょうね。
そして幸菜・時雨サイド。なんかイチャイチャしてるだけって感じです。
「ほかの男の名まえ連呼してんじゃねーよ」は苦笑しました。
「いまのオレじゃ」は、要するに人をコントロールしようとするところが悪いんです。
はた目にはいちゃついている、というか胸に顔うずめてまで…
全員敵だ、ってそっちの発想も「一生好きになれない」理由なんですけどね。
小説にして考える、というのも面白いですね。
クギ子ちゃんがいる!
普通の小学校生活も一応送ってるんですね。
布団かけなおしたり、優しいですね小さいクギ子ちゃんも。
片っぽだけなくなる靴下…確かに僕も今、一つ靴下を探しています。一つはなぜか下着から出てきました。
洗濯機は危険ですのでお気をつけて。
妖怪バトルはさりげなく怖いです。
濡れた手でコンセントは本当に危険です。
今度は教師がどんな目にあうのでしょう。なんかスタンダードな妖怪ものになってきましたね。
少女結晶ココロジカル
すごい格好してますね。そりゃハルトくんも逃げますよ。
で、何の呼び出しかと思ったら…のんきな人たちです。
食生活も異文化体験できるんですね、BOXは。なんて便利な。まあ今の中東に豚の丸焼きはありえませんが。
ムツキが音痴、それにカゲツが嫌い、というのも何か面白い伏線になっていそうです。
そしてすごく接近してしまってドキドキ、このシーンのかわいらしいことといったら!
「じゃあムツキもいっしょに」は爆笑しました。
言語トラブル、それって将来自動翻訳が普及してからですが、インターネットでも大変になりそうです。
そして言語担当…すごくうまくいけば面白い話になりますよ、これ。
のんちゃんの、ポジティブな離脱がすごく心温まります。
三月は、言語というだけでも面白いのにしかもバレエ?
バレエって踊りが下手な子には最悪ですよね、真似してみるじゃ絶対勝てませんから。
さあてすごく面白いことになってきました。
ハピネスチャージプリキュア!
不幸の源の箱…パンドラですか。では希望はどこに?
プリキュアハンター、というのも考えましたね。
神様といちゃつく、ってそれこそイスラム過激派が心配です。
小学生のヒミツ
おまじないってみんな頼りますよね。告白の決意の、ちょっとした後押しになればいいです。
学校で教わらなくても、図書館には書いてある本がいっぱいあるのでは?
先生が杉田さんにノート持っていけ、と行ったのって、わかっていて気を利かせてくれたのでしょうか。
母親が風邪を引いたから学校を休んで看病する、それができるってすごいですよね。小学校六年の頃の僕は絶対そんなに信用されてませんでしたし、実際に家事能力もなかったです。
僕も好きな子が休んだ時にはすごく丁寧にノートを取りましたっけ。彼女の友達がやってくれるというので渡せませんでしたが。
…恋人同士で、相手のために丁寧にノートを取り合えば、すごく成績が上がるんでしょうね。
料理もなんでもすごい、なんという…でも母子家庭、というのはさりげなく重い言葉ですね。
「いちごのあこがれだった」、これ事実上告白になってしまっていますね。
そして「なんのために告白をしたかったの」…また重い言葉がぶつかってきて、その直後男の子におまじないの紙を見られてしまった…いい展開です。
「はずかしいのはおまえらやろ」はカッコいいですね。
それに告白で答えちゃういちごちゃんも素敵です。
両想い、ではないんですね。誠実ですが。
でもこの態度は明らかに…あとは彼がいつ自覚するか、ですか。
やっぱりこの作品、すごく好きです。
来月号は長谷垣先生の、しかも原作つきですか。なるほど。
確かに原作つきでより伸びるかもしれません。
そしてまたとおやまつり…本当はほかの作家たちも実力はすごくあるのに。