なかよし2015年10月号感想
表紙は、やはり「ちゃお」に圧倒されるだけです。
付録の短くカラフルなペンは目立ちますね。
占いブックも華やかでした。
あゆみゆい先生の昔話は心底うれしかったです。
*同じデビュー作ですので、『涙100万粒のリアル
まもりたい』より「灯りの先には」もここで感想を。
9/14、「キミについた嘘」も追加。
初恋はじめました。(山田デイジー)さばげぶっ!(松本ひで吉)FAIRY TAILブルー・ミストラル(渡辺留衣)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)プリンセスプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)わたしに××しなさい!(遠山えま)先パイ、教えてください(桜沢きゆ)伯爵さまは甘い夜がお好き(フクシマハルカ)ピンポンドライブ!(吉田はるゆき)嘘つき王子とニセモノ彼女(美麻りん)小学生のヒミツ(中江みかよ)思い出に花(はぎはら秋)かみかみかえし(遠山えま)灯りの先には(菊本さや)予告 キミについた嘘(花風あられ)
初恋はじめました。
一巻表紙のセンスがすごくいいですね。少女小説の表紙みたいな感じもします。
しっとの感情とか、感情自体がうっとうしい…
体操服でただ立っていると、ものすごくスタイルいいですね。
そして相手の態度に振り回されている…なんというか、手を合わせるほかないです。
いきなり後ろから抱きしめられる…しかも彼の目の前。
この学校の女子たちは幸せですね。これ以上楽しい娯楽にあふれた学校はありえないでしょう。
「こっち見ないとか」…ますます気になってしまう…ああ、たンまらねエ。
ふりまわされたくないからかかわりたくない、がわかる子もけっこういるのでは?
手がふれあって?…それどころじゃないですよ。
「試合に勝ったほうが」で、後ろの女子たちの真剣な目ときたら…
二人とも努力してきたことを見ている…なんというか、感情を切り離して考えることに優れてますね。
抱きついたり、半ば無視したりする彼らと、努力している彼らを分けている…振り回されている女の自分と、マネージャーの自分を分けている…
ぎりぎりでの失敗、これは悔しい。
つい、声をかけてしまう…
フェアに握手しようとする、ここがかっこいいです。
そして足を痛めたことも見ている…どれだけまじめにマネージャーをしているのやら。
「そんなことをかんがえてたの」…他人というのが、信じられないことを考えている…それが、人間の始まりなのかもしれません。
「自分自身に挑んでる姿が一番かっこいい」、このベストシーン力…さすが、としか言いようがないです。
王道少女漫画ってやっぱりいいですよ。
さばげぶっ!
原稿用紙というのは…もう少し、もう少しOCRが発達すれば…でもそうなったら何人が職を失うか…
僕の字を読めるOCRは決して出てこないでしょう。
ゴミ箱に入ったら当たり、確かにこれは楽しい。
課題を丸一個忘れる…まあ楽しんだんだから。
「少女まんがの主人公みたいな妄想」…すごいことを知られてますね。マヤさんの抑え笑いが妙にかわいい。
学校で犬が昼寝…それをとても細かく埋めていけばそれなりに文章になるでしょう。
おもいっきり少女漫画タッチから「金魚を飲みこんだ」は爆笑しました。
いつのまにか日常話になっているのが楽しいです。
「友だちいないんだなあ」って自分たちは違うんですか?
落ちも大爆笑。
回転すし…冒頭のシャレラッシュは楽しい。
アンドロイド、そのうちできそうですね。いろいろ終わりそうです。
カニで静かにさせるとは何という…
そしてもう一つの店、いきなりの出落ちが爆笑。
落ちは予想通りですがだからこそ大笑いです。
FAIRY TAILブルー・ミストラル
忙しい子ですね、あんな大事件を解決してすぐに…
ふわりと月を背景にして、子供が偉大なものを見るときの視線が素晴らしいです。
子供には嘘はつかない方がいいと思いますけど…
いきなり不可能、笑うしかありませんね。
二番目のお願いのわかりやすさも大笑いしました。さらに願い事リスト…笑いが止まりません。
ホームパーティ、自腹…あーあ。
そして、助けられたみんなからの恩返し…いいですね、人間の縁がつながるって。
さて、どんな事件が始まるのやら…
黒豹と16歳
みんなが大いに吹っ飛び…あーあ。
重いがどんどん重くなる…うん、この作家書く雑誌間違ってますたぶん。どんな雑誌が合ってる?僕の口からはそんなこと口が裂けても言えませんよ。
なんというか、みなさんとっても興味を持ってくださったようで…男女逆でこの立場になったら…かなり悲惨ですね。
学校外にまで権力、ってどうなってるのやら。
…「来る」「来ない」…というか警官に暴行…
被害者の会を作る、ってとんでもない行動力ですね。うん、みんながおびえてるの間違ってないです。
で…ますます傷が広がる、相手が悪いと。
女の子の集団のテンションで生きているだけでも超人です。オルフェウスよろしく八つ裂きにされていても驚きません。
そして餌付けをしているときになぜか女王様の目に…女の子って怖い。
爆発的な暴走、としか言いようがないですね。
出口ゼロ
出落ち芸、今回はいつもほどの水準じゃないですね。
「檻の外」、そういう解釈で…
わざと自分を低く評価して…その意図は?
まあここは、乙女華澄さんを信じるとしましょう。この人、役者を育てるためだけに体張ってるようですから。
プリンセスプリキュア!
この世界の慣習に慣れる、というのは不可能だと思います。僕には不可能ですし。
ひたすら女の子たちの善意が満ち溢れた話、これが上北プリキュアのすばらしさ…原作はさぞいろいろあるのを見事にはしょっているんでしょうね。
わたしに××しなさい!
卒業旅行って…それで二人きりで閉じ込められるとか、もう小説でやったら編集部に没といわれる水準のことになってますね。
作中作のややこしさときたら。
ずっといろいろミッションをしてきたんですね…もう三人ほど子供がいてもおかしくないと思いますが。
「おまえんちの新婚事情なんて」そりゃきついですよねえ。
「止まらなくなるだろ」って、こいつも普通に男だったんですねえ。
ノリノリ…読者はみんなこれこそ見たかったんでしょうね。
「高熱でたしなにもしてねーじゃん」ちっ、惜しい。
指輪までやってくれましたか…デザインはきれいですがとても引っかかりそうです。
これほど長く雑誌を支えてくれた作品はめったにないでしょうね。
さて、次回作はどんな作品になるのやら…
先パイ、教えてください
見事な対照と対称。なぜ軽井沢に飛行機…
夏の時点で事実上勝負が決まるとは。
中間テスト最下位って在学自体がやばい水準じゃあ…
エリカさん、今回は何をするつもりなのやら。
面白い子が出てきましたが、敵か味方か…
注目株、というのも…テレビ局ってとんでもないお嬢様ですよね。
「きみはダメじゃない」、小さい言葉ですがすごく素敵なメッセージです。
馬とポニーって大きさだけの違いですよね?
…陰湿というか殺人未遂ですよねこれ…そして失敗して証拠を押さえられた、その時点でバカです。
もう弱みを握られてしまった…
そして昴流先輩、というより鏡夜先輩はなぜタイミングよくこんなところに…
常に監視している?
…決まっているなら別に人殺しまでする必要はないと思いますが、そうせずにはいられないんでしょう。サソリとカエル…
伯爵さまは甘い夜がお好き
お菓子を作りたい、それだけなんですね…
というかとても今更ですが、なぜ彼女が未来から来たことを誰もわかっていないんでしょう。
一人一軒ぐらいで驚いていたら…
クレープなら確かに歩きながらでも食べられますね。
「あいつもつらいんだ」と、ほかの人も心があることを理解した…
そして、この強烈な悪意…そりゃそうですよね。異人に対する悪意は人間の本能に近い…
留可の母親…それもまたいろいろありそうです。
手切れ金…相手を見る目が全くない、調べが足りない、それだけです。怠惰の一言。人を買収するなら、相手が何が欲しいかを調べなければ。
彼女を買収するなら、帝国ホテルの菓子部門の長の座と菓子学校ですよ。
ピンポンドライブ!
確かにダブルスで中心だとお見合いのリスク…
データはしっかり見ているわけで。
ふむ、相手が目がいいことはわかってる…だったら返せるようになるのも時間の問題だ、ということはわかってるから、今のうちに心をつぶしておくと。バスケやラグビーのような接触可能スポーツじゃなくてよかったですね、それだったら首を折られていたかも。
…「返せなきゃ卓球やる意味ないよ」、完全に逆効果ですね。負けん気をあおってしまった…
じっくりと病室を描いているのが素晴らしい。
さてと、あとはじっくり基礎体力から、時間の分だけ有利、と。まあ問題は女の体では、いくら鍛えても純粋な体力では男に及ばないことですが…
しかし厳しい作品です。
嘘つき王子とニセモノ彼女
有名に…ってまああれだけやらかしたら…
で、変更のシナリオ…マリオネット、と。
本気すぎる、ってまあこの人たちはそれぐらいが当たり前で。
女装…ものすごい読者サービスもあったものです。
そして男装、…あれ?読者がキャーッと絶叫するような見開きぶち抜きは?
プレッシャーのさしいれ…はは。
「理事長に彼女をかえろっていわれたんだ」…言っちゃいましたね。さてそれでどんな行動を…
「べつに演技じゃん」とか、この甘い雰囲気!思わず魅入ってしまいました。
なんかこれからいろいろとムリゲーになりそうな予感がしますが、どうなるんでしょう。
小学生のヒミツ
女の子の親友…少女漫画を長年読んできた僕はこれっぽっちも信用できません。
…十分ヒミツあるじゃないですか。
それが同じ人で、ちゃんと同時に言ったのに「きこえなかった」…あーあ。これはうまい。
…はい、『星の瞳のシルエット』…最近「りぼん」でまたお目にかかりましたっけ…
ちくしょうわかってても辛い。
どんどん辛くなって…いやまあ、あの二人に比べたら…
で、上の空になっていたら腕をつかまれて…ああああ、これ以上先が読める話はないのに、なにこの昂揚感!
そう、音楽というのは先を予測させて、その予測通りにやったり予測を外したりして…幼児のいないいないばあの延長…だからパターン少女漫画ってこんなに心を動かしてくれるんですね。
そして、完璧にパターン通り…海原雄山渾身のサバの塩焼き定食。定番中の定番を、なんの余分なつけたしも小細工もなく、ひたすら最高水準で。素材の味だけをとことん引き出して。
まさに至高の味。なんという美味!一口一口、これ以上ない幸福感をもって噛みしめています。
思い出に花
高1にもなって男子恐怖症の平松うめちゃんの携帯電話にメール、小3の春に留学した幼馴染のみーちゃんが帰ってくる、と。天使のような女の子…だったはずなのに、長身ですごくかっこいい男の子?
しかもいきなり告白してきた。
そんな彼は優しく愛情を誓うけれど、恐怖はどうしようもない。でもふと気がつくと、小さな変化は生じている…
とても柔らかなタッチ…服や肌の質感の豊かさ、完成度の高さに驚かされます。表情も豊かです。
実は男の子だった、というのはまあ予想通りというか…ものすごいいい男ですね。
そしていきなりの告白、しかも彼女の母親の前で…もう会いたくて会いたくて気が狂いそうだったんでしょうね。ましてこの年齢じゃ…死にたいほど、タイムマシンを発明して新生児室の僕を殺してやることがずっと最大の願望であるほどよくわかります。
ぱにくってぽうっとなっている表情、ドキドキしてうずくまっている表情と力の抜けきった体、すごいうまさ。
つい、とすぐに距離が近くなる…抱き止めてくれる力強さ、二人の体温が感じられるような暖かな雰囲気、すごい。ここで線を強くしてるのがうまいですね。
図書館の本の描写も、さらっとしていてしっかり手を入れていて雰囲気が出ています。
背の高さで、高いところに本をしまう…それで「助けたかった」も素敵なシーンです。
いきなり部屋に入るのはNGにもほどが…
手紙も、どちらも相手を大切に思っていたことが伝わります。
そしてちゃんと謝って…ふと手を握ってしまう、それで抱きしめて…拒絶される…二人の心の動きがめちゃくちゃ伝わってきます。
「男とふつうに話せてる」…変わることについての話、そして美津くんに話していた…主人公の友達を大切に使っているのも、すごく丁寧な構成です。
そして、彼が暴力にさらされていると助けに行く…それも昔の習性だろうな、と苦笑します。
…小さいころのエピソード、この年齢でも、頭を打たせて平然としているってかなりたちの悪い連中ですね。
強さのアピールはちょっとわかりにくいかも。
香港に空手、というのもちょっとずれているような…中国武術ならわかりやすいですけど。でも香港でも空手道場は多くあるでしょう。武術では世界各地のマーシャルアーツが集まる最先端の土地ですから、日本より実戦的な道場があってもおかしくはないです。
これだけ強いのに泣いている…自分の努力はマイナスだったんじゃないか、と思って…
強く抱きしめる動きも、すごく躍動感があります。上履きの汚れも丁寧に描かれているからこそ。
ものすごい質の高さ。この才能が埋もれることなく、活躍の場があることを切に望みます。
かみかみかえし
…これ、単行本補正はあるんでしょうか、『ToLOVEる−とらぶる−』のように。
こいつらも助けるのは親切なことで。
「ラブコメならほかでやれ(しかも妻のいる前で)」は苦笑しました。
毎日人を千人…ええと、今の日本の年間死者数は…うん、百万人以上。千人の365倍で36万5千人…微々たるものとは言いませんが大したことじゃないですね。
悪霊を殴るとはさすが神社の…
気がついたらみんなが死んでいて、それで闇落ち、さらにアマテラス…まあお約束ですね。
闇落ち状態で三巻ほど引き伸ばさないだけすっきりしてます。
灯りの先には
雨漏り、エアコンなし、扉がたがたのぼろ家でおばあちゃん、おじいちゃん、お父さんと暮らすみこちゃん。
ぼろ家のことは誰にも知られたくない…
ある日、新聞の集金に出たとき、ドアの隙間から見られてしまった…クラスメートですごく怖そうな顔の神谷くんに。
なぜか彼は奪取してきて何か頼んだけど、とにかく撃退して布団にくるまって震えている。
神谷くんに翌日呼び出され、「あの芸術的な家におれの手をくわえたい」と。彼は大工修行中だったのだ。脅されて断る余地はなく、しかも自分では嫌で仕方ない家を褒めてくれる…
扉絵の完成度の高さにびっくり。木の質感、画面構成、女の子の服と体、丁寧で整った顔…
冒頭部、一気に雨漏りとか…でも驚くほど明るい表情ですね。
ぼろ家の丁寧な描写はかなりの迫力です。
…これ、大地震が起きたら死ぬでしょう。
あと男手があるなら、壁土なら塗れるはずです。
小中学校のころの回想は、あったら冗長になりしかも話が暗くなっていたかもしれませんね。行間を読めばいいんですし。
おそろしく冷酷そうな悪党顔にはびくっとしました。
新聞の集金、見られた時の表情がすごい…いきなりのダッシュにドアに足、いや思い切り閉めてますから骨折が心配…
「脱げ」という想像はかなりすごいですね。
…真相は想像ができないレベルです。「いますぐみんなにバラしにいく」は爆笑するしかありませんでした。…結局脅し。
お風呂と二層式洗濯機…なんというか某ビフォーアフターみたいなことになってますね。…匠気分なんでしょう。よし、BGM、あれの作業用音楽集たぶんあるでしょう…あのー、人の命を預かってる自覚あります?変に手を加えて崩れて死人出たら…
「バカにしてるんだろうな」と思ったら…でも遺影にちゃんと頭を下げている時点で、すごくいい人だというのはわかります。そして彼の言葉…何この暑い話。
身長の柱、それで家への愛着を…でもそれも勝手な解釈ですよね。
「男がくるのにおれたちがでかけなきゃいけねんだ」…クラスメートに家族を見られたくなくて追い出したんでしょうか。
事故で抱き合う形になってしまうのもお約束というか。
昔の回想…あ、このおじいちゃんの回想を入れたから、昔バカにされた回想は外したんですね。二つもいらないと。こっちのほうが必要でしょう。
彼の言葉に家の温かさが浮かび上がるシーンがまた素晴らしいです。
そして本田くんの悪いの表情…家をバカにするのが目的かと思ったんですが、そこまで極悪じゃなく「二人で抜けて」が目当てでしたか。邪悪そうな表情が強烈ですから過剰に悪く思ってしまいます。
結局家をバカにされて…堂々と「わたしの住んでる家だよ」と言い切る勇気と強さ、そして神谷くんの…お約束を最高の形でやってくれました。熱い!
いや…すごいですよこれ。これほど熱くてパワフルな作家、そうそういません。
次回作が楽しみです!
来月号は長谷垣先生と桜倉先生のW新連載、贅沢ですね。
木ノ下先生の作品もすごくうれしいです。
キミについた嘘
いつも琴音ちゃんに、気軽に呼びかけてくる片岡くん…
一緒に帰ることも多いし、意識してぼーっとして事故に遭いそうになったら助けてくれた。つかまれた腕が熱い。
それで呼び出され、告白かと思って応じたら、琴音ちゃんの友達、優里香ちゃんが好きだからとりもって欲しい、だった。
いい意味で「なかよし」らしくないタッチですね。といっても「なかよし」にはいつも、こういう大人っぽく抽象性の高いタッチの作家が華を添えていました。
キャラの名前をここまで説明朝にするのはむしろ大胆かも。
そしてひたすらセリフを詰め込む、これまた大胆な構成にびっくりしました。
読み返すと、この時点で女の子たちに一礼している…本命には礼儀正しくなってしまう、うまくやっています。そしてこりゃ誤解するよな、とも。
「絶対琴のこと好きだよね」といわれた時の表情もすごい。
あ、「ねー優里香」といわれた時の優里香ちゃんの反応も、さりげない伏線でしたか…お見事。
さりげない放課後下校風景もすごく印象がいいです。
抱きしめられた時の反応も鮮烈で、読み返すとまさかああなるとは、とびっくりしています。
「片岡がふれた所が…」の表情もすごくしっかり気持ちが伝わってきます。
そして告白か、と…ここでの優里香ちゃんの反応も、最初に読んだ時には気づかないほど。見事です。
「好きなヤツとかいる?」とまでやって、それでこれはないだろうと叫びたくもなります。
琴音ちゃんが必死で繕おうとして、笑顔のまま涙を流している…抑えようのない辛さがあふれてくるようです。
そして優里香ちゃんが責められるの、最初に読んだ時にはこのままいじめ話に向かうのではないか、とおびえていました。
無言で優里香ちゃんが去る時の三人の、沈黙の演技がまた絶妙です。
で、こんな形で話を動かすとは。由宇ちゃんというキャラが、読み返すとすごく面白いですね。
とことん恋バナ好きで、琴音ちゃんをばーっと暴走するように応援し、優里香ちゃんを攻めるかと思ったら、がーっと片岡くんを責める…いい意味でも悪い意味でもとことん欲望衝動に忠実なんでしょう。
泣き出す優里香ちゃんに、彼女のことも思いやれる琴音ちゃん…思いやりの強さがすごくよく見えてきます。
恋愛でここまで理性的になれる、ってとんでもないですよね。
「片岡のことべつに好きじゃないし」の表情もすごいですよね。
ここまで軽いコメディのペースで、でも本当の内心を思うとたまらないですよ。
「また明日ね」の笑顔…そして母親の言葉、家族や家そのものに支えられていることも…
この泣き方がすごい…目から上だけを見せているのがとんでもないです。
なんて、なんて強い子でしょう。
ため息しか出ない…ものすごい作品です。
ある意味問題作でもあるでしょう。
…次作以降どうなるか、可能性の幅が極端に大きいです。とんでもない傑作を出してくる可能性がある…