なかよし2016年11月号感想
表紙はとにかく目を引きますね。
二十年も昔の絵…というのなら、種村先生がデビューし、三誌ことごとくあのタッチに染まってからも二十年。
これだけの間、塗り替えられる天才が出ていないことを嘆くべきか、武内・CLAMP・種村と超天才が何人も出た90年代をすごいと思うべきか。
少なくとも目を引き、美しい。僕にはそれで十分です。
付録もわかりやすいですね。
新しい作家の出自はどんどんわかりにくくなっていますが。
「初恋はじめました。」と「小学生のヒミツ」が終わるのはすごく勇気のある決定でしょう。安定した人気がある作品です。
それで何が来るかが問題ですが…今のところはかなり無差別に新人を出しているようですね。まあやらないよりましなことです。
カードキャプターさくら(CLAMP)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)そのボイス、有料ですか?(甘里シュガー/さなだはつね)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)小学生のヒミツ(中江みかよ)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)闇みくじ(咲夜ゆき)同級生に恋をした(美麻りん)さばげぶっ!(松本ひで吉)花と忍び(長谷垣なるみ)魔法つかいプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)初恋はじめました。(山田デイジー)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)氷山くんは家庭教師(三月トモコ)予告
カードキャプターさくら
うれしそうですね…こういう表情も懐かしいもので。
「もう部屋で」と、また意味深な言葉を。
この雨も魔法関係…でしょうねえ。
「あんな二人を見て心が痛まないの」は大笑い。
大きい方のカバンにこれだけの衣装…重かったのでは?
包み込む、かなり便利なカードです。
こんなこともあろうかと…すごい言葉が出てきましたね。
それぞれの心の流れを丁寧に描いているので面白いです。
黒豹と16歳
ものすごいお弁当ですね。
仲が良すぎるペットとご主人、この眺めに慣れている学校のみんながある意味すごい。
樹人さん、いまさらにもほどがありますよね。
それで二人でお出かけ…お気の毒に。いろいろと。
女装してまで尾行するって尾行道を究めてますなあ。いや思い切り目立ちますけど。
豊かな表情も楽しいですね。
「なんの話をしてるの」はびっくりしました。
貸切…恐ろしい人たちです。
杏璃の名前を聞いてこの反応、さてどんなことが…
むしゃくしゃしての人間手裏剣…怒らせてはいけない人ですね。
やっと話が動き出すでしょうか。
そのボイス、有料ですか?
学年一の美人だけど声にうるさい鈴奈ちゃん。それこそ中年男性声優の写真を待ち受けにするぐらい。
そんな彼女が購買の雑踏で、あこがれのキャラ「マオ」くんそっくりの素晴らしい声を聴き…
誰だったのか男を集めて、オーディションのように「ひじき」の一言を言わせる集いをしても見つからない。
そして屋上で、またその声を聞いた気がしてから、階段で転んで助けられ…「録音させてください」「課金してもいいですよ」とまで言ってしまってドン引きされてしまった。
鋭すぎる冒頭、でも3、4ページの鈴奈ちゃんがものすごく魅力的で引き込まれました。
どうしようもないオタぶり…
オーディションというアイデアが面白いです。うまく盛り上げてくれました。
そりゃみんな驚きますよね。いくら美人でもこれはご遠慮願いたいのが一般男子…
「引っ越してきたおとなりさん」と、読み返さなければ気付かない絶妙の伏線。
そして、オーディションではなく屋上で再会、運命的な…と思ったら「すみません
落ちます」。
とことん裏に回りこまれます。
さらに「録音」「有料」…呆然とするしかないですね。
で、家の隣…
「ゲームのマオくんとはちがって」というのも何気なくこまやか。
母子家庭…ああ、あのおっさん声優の隠し子、と。
「あ
そこに警察が」「ごめんなさい未遂です」…さて、なんという罪になるのやら。
弁当というのも…かなりページ数長めに取ってますよね。
必死で渡すのがすごくかわいいです。
そして糸電話がまたひでえ。
すごくこまやかな甘さがある、丁寧な作品です。原作と作家の資質がうまく合っていますね。
出口ゼロ
あくまでイエス・アンド…それで残ってくれた愛子。
やりすぎなぐらいに熱く甘く、それがやれるのもこの作者の恐ろしさです。
壁の背景に激突、というのはすごいですね。
狂信ぶりの爆発がまたすごいですね。ここまでやれるとは…本当に不思議でなりませんし、残念でなりません。これほどすごい作品が「なかよし」連載であるというだけで世間に知れていないのは…「モーニング」「ヤングジャンプ」だったら絶対話題になっていた、と思えるのに。漫画評論界のアンテナが鈍すぎるんです。
落ちてきた愛子、一瞬首吊り状態かと思いました。縛られているのは腕…でも、首のところにも縄がある…
さて、次に夕日ちゃんが実力を見せるのはどんな形でしょう。
小学生のヒミツ
小学生男子という生物(なまもの)がこうなのはどうしようもないんです。
二人で帰れ…いい友達ですねえ。
影で手をつないで、意識して壁に……殺す気ですか?転がりすぎて死んでしまいます。
そして簡素すぎる誕生日プレゼント…ああああ。というか最高のものを選んでますよね、どちらも長い年月に磨かれた、世界最高の名品です。
本人喜んでますし。
このおそろいでも、そりゃ恥ずかしいですよね…一太くんの表情がものすごい。
ついに手を握ってしまう…もう雷に打たれたかと思いました。
そして冷やかされてやってしまった…
机をくっつけて、もうだめ。体がとろけて床に広がっていく…死ぬ、死んでしまうう…
青葉くんに聞きたいこと
練習頑張ってますねえ。
ひどい賭けをするもんですねえ。というか高校生で簡単に転校はできるものでしょうか?
編入試験とかいろいろとものすごく大変だと思いますが。
確かに「なんでも屋」になってますね。
練習五倍って壊れますよ。
「つくしまくった末捨てられて自分を見失った」…まあその専門ですよね。
自家製マヨネーズ弁当…面白いことを。
尚くんに嫉妬しすぎてますよねえ。そして誤解を解いてもらって、まあそれはよかった。
「どんなことでも聞きます」、こりゃ抱きしめますよね。
好きが終わりの始まり…面倒な体質ですね。というか親も経済的に大変でしょう、そのたびに一式かかるんですから。
剣道と弓道、それぞれ一式いくらかかると?
…僕は小学校で剣道、大学で弓道やってました。いや成績は悪いですが。…今から思うと背筋が寒くなる金額です。特に大学の弓道は、親の金ですが財布から万札出したのは自分です…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…
まあどれも成果は出してるから文句は言いにくいですが、僕と違って。
闇みくじ
パワースポットとして放送された神社にはものすごい行列。
人が少ない道もあるけど、なんか不気味。その途中にあった地蔵にぶつかって、地蔵の目が崩れてしまった…
それでおみくじを引いたら、真っ黒な紙。怒って捨ててしまったが…
とてもくっきりとして丁寧なタッチです。
中身は…いや盛り上げていく技術は大したものだと思いますよ?
同級生に恋をした
…いや、だから彼の求愛から逃れるためですって。
三枚に…いや、魚と違って大型哺乳類は肋骨が太すぎて無理。背骨をのこぎりで縦割りにするのが基本。
「どこがわからないのかわからんのだよね」の強烈なリアル顔、こういうことをしてくれるから…
すごいスパルタもあったものです。
源氏物語が嫌い…まあそりゃ女の子はねえ…
「にげてていいのかよ」はかなりの殺し文句ですね。
泣いてくれる人もいる…そりゃすっきりしますよね。…聞き屋にいっても良かったかも。今の桜田さんなら同じように大泣きしてくれそうですし。
この村瀬という人、思ったより活躍してくれそうです。かなり予想を外した悪党…どうなるのか期待できますね。
好き、という気持ちにも気づいてしまって…まるっきり先が読めない、一つ一つがめちゃくちゃ面白い。
もっと注目されていい作品ですよ。
さばげぶっ!
強烈な拳、殴る方が心配です。
「渋谷区とか世田谷区とか」はひどすぎ。
十年後…なんてわかりやすい標識看板。現実の十年後には、もう看板なんてなくなってるかもしれないのに(全員ウェアラブルが当然なら)。
そしてきれいな皆さん…
招待状を破って縛られて…なんて簡単な展開。
そして十年後の本人。
「まちなさい「わたし」」という言葉が実に見事。
と思ったら皆さん…最初からそのつもりで…うわああ。
オチが実に気持ちいいです。
頑固の再現…いや、刃物使えよ。
うどん看板の中…いや、電気でもエンジンでも動力使ってる時点で、奴隷を何十人も使ってるのと同じなんですよね。
本当はスパゲッティ屋になりたかったオヤジが楽しいです。
爪楊枝ごと…よく生きてますね。
白だからカレーうどん…鬼か。
花と忍び
遊園地…まさに飛んで火にいる夏の虫。
…まあどうせどうやっても死ぬなら楽しもう、と。
思う存分デートを満喫してますね。
忍術を奪うとは…ええと、本は開かなくてもいいんですか?
術は使えなくても運動能力はあるんですね。
術を破ったのは見事でしたが、二段構えも忍びの常。
さて、誰が助けてくれるのやら。
魔法つかいプリキュア!
カラーがすごくうれしい。
ものすごい華やかさですね。
楽しくパワフル、すごく楽しめました。
初恋はじめました。
慰めも拒否して…強い子ですね。怒りの方が今は出ている…
「魔法をかけてちょうだい」という言葉、なにをするか…
「どうせ勝ってるわ」と、信じきっている…そして今の彼女をなかなか出さないのがふるってます。
飛び越える姿の描写もまた素晴らしい。
説明をきちんとしろ、というのは正しいアドバイスですよね。
魔法がかかった彼女…想像とは少し違うような、そして想像より…迫力の方がすごい。
くどくどくどくど…よっぽど怒ってますね。
「わたしはあなたをキライになれないもの」…そしてあんなかっこよかったのがぶっ壊れて靴を落として、まさにシンデレラ…
もう結婚式状態ですね。
なんて素敵な…遠距離恋愛の番外編も楽しみにしています。
ぶっちぎりの最高傑作。ここ数年の少女漫画全体でも。
次回作も楽しみにしています!
ゆずのどうぶつカルテ
転校した人にはつらい話ですよね。相手のほうも、思いやりから手紙を出さないこともありますし。
大盛況…大変ですね。
冷たすぎる子、さてどんな…
すごくかわいがっていた猫がいて、それが死んで、そのあと…そりゃ複雑にもなりますよ。
「まわりにあわせて笑ってる」といってもほかにどんな選択肢が?
電池の誤飲…この題材を選んだのはすごく適格だと思います。本来の読者層に、身近にある大きい危険を知ってもらう…大切なペットや幼い弟妹のために、危険に気をつける習慣をつけてもらう。それができたらどれほど大きな貢献になるか。
本当に心を開いてくれた、というのが実感できる泣き顔です。
えみちゃんが直接来てくれたのもすごくうれしいです。
すごく素敵な作品!
氷山くんは家庭教師
リサちゃんは心の声が全部出てしまう、「本能のまま生きてる子」とも言われる。
そのパワーで氷山くんが大好きなのだが、彼はとことん冷静。
そんな彼女はある日、小テストで赤点を取った。教師が新婚旅行で補習ができず、大好きな氷山くんに教えてもらうことに…
そしてしっかり家に呼んだリサちゃん、彼の奇妙だけど、いう前によく考えているし相手も思いやっている言葉にますます夢中。
そして家庭教師の延長を頼んだけれど、やはり断られて…
独特の雰囲気がたまりません。
冷たすぎる感じの男の子、読者の印象もすごく強いでしょう。
いや、ちゃんと補習してくれるだけでも熱心な先生ですよ。
氷山くんに頼むのは、たぶん先生もリサちゃんの気持ちを知っていての親切でしょうね。…別の問題が出そうですが。
家で、と教室で叫べるのは本当に本能だけ人間…
クラスメート全員、頭の中はその家庭教師で占領されるのは間違いないでしょう。
「返事の間がへんとか」…そういうことを整理して言えるのがすごいです。
考えてから話す、それができたらどんなに多くのトラブルを避けられるか。不可能なことです。
ハロウィンで楽しんで…「好きです」での二人の表情がまた見事ですね。
家庭教師を断るときの、彼の言葉の口調が耳に聞こえるようでした。こういう表現力がすごい。
そして、「すごいしあわせだった」これ以上なくストレートな告白…いきなり抱きしめる彼の行動はびっくりしました。
教師と生徒、という意識で我慢…ものすごいずれた認識。意外性があるのになぜか納得できます。
「このおあずけにたえられるでしょうか?」というかなり意外なラスト、独特の、たまらない味です。隠し味はなんだと叫びたいぐらいに。
次回作も楽しみにしています。
来月号はあおいみつ先生、それに菊本先生と、pixivの新人…ずいぶんと豪華ですね。
思い切った変化がありますが、それがどんな方向なのか…新連載が少ないため、雑誌そのものの動きは見えにくいです。