なかよし2017年1月号感想
目を引くからといい頼りすぎてません?
かなり大胆な付録。攻めていますね。
とてつもなく質の高い作品がいくつもあります。それがもっと、外に注目されればいいんですが…どうして「なかよし」はこれほど漫画評論界に徹底的に無視されるんでしょう。
カードキャプターさくら(CLAMP)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)先輩!今から告ります(慎本真)魔法つかいプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)そのボイス、有料ですか?(甘里シュガー/さなだはつね)花と忍び(長谷垣なるみ)ワタシガリ(秋本葉子)危険なサンタはお断り!(あおいみつ)同級生に恋をした(美麻りん)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)さばげぶっ!(松本ひで吉)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)ロンリーオンリー・クリスマス(花風あられ)予告
カードキャプターさくら
アニメ化は当然ですね。
なぜ鍵が呼ばれているのか、なぜだめなのか…
そして仮面の下の顔。
すごく意味が深いです。
ブロッコリーが嫌いならなぜ自分の料理に入れるのか…それにしてもいい家族です。
転校生は面白い展開ですね。そしてさくらちゃんの本名に、奇妙に近い名の転校生。
「あの子…背が…わたしと同じくらいだった」という言葉を思い出すと、さくらちゃんと非常に深い関係のある存在のようです。
それにしても素晴らしい美しさ!
魔力は感じない、占いにも…さて、それが…
いきなり木が動き出す、豪快なことになりました。
青葉くんに聞きたいこと
試合前をじっくり描くのが実に緊張感あります。
いきなりのスリー、これはダメージ大きいですね。
トラッシュトークもきついですね。
どうしようもない休憩の終わり、ここで「好きですよね」から、「みんなも同じなんです」…ほかの人の心の動き方も理解しろ、と。
考え抜いているからこそ、でしょうね。
インターセプトされたボールをキャッチしてのダンクは強烈でした。
部長のデコピンがかっこよかったです。
「マネージャーごときが」という言葉に、みんなで支えてくれる…
質の高い青春部活ものになってますね。
そして逆ハーレムさらに増加?
先輩!今から告ります
大女優の「イイ女ってのは男に振られたりなんかぜったいしないの だからわたし人生で一回も失恋したことないわ」という言葉を座右の銘にして、不細工な男子とばかりつきあってきた小春ちゃん。
ある種の賭けとして、二年の超美形の神鷺先輩に告白することに…だが、彼はみなまで言わせず「ごめんなさい」の連打。
だが、彼女はあきらめなければふられていない、というとんでもない発想でネバーギブアップ…
振られたくないから…悲惨としか言いようがないですが、でも男子とつきあう経験値はありますよね。
それをちゃんとした恋に育てたことがないという時点で、女としてはとても終わっています。
そしてとんでもない美形の男、「きみかな」というセリフが、不思議なほど美声を描き出しています。
最初からの連打はびっくりしました。
「先っちょだけ」は笑い転げました。
そうか、あきらめなければふられたことにはならない…笑うしかないです。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」にはひたすら抱腹絶倒。
うん、十秒だけつきあって円満に別れれば問題ないんですが。
ぬいぐるみ造りとかが苦笑します。と言うか完全に心開いてますよね、これ。
破いたら「予備もたくさんあるんで」、わかってるにもほどがある…
あ、その母親が例の大女優…
さらに、彼が好きな相手も二発とも的中…鬼です。
「全身全霊で伝えるものだからだ」と、彼の誠実さもしっかり出している、ここも素晴らしい。
そして、やっと自分の気持ちに向き合って…本当の、告白…
彼の反応、読み切りだったらそのままキスして終わりですが、寸止めから頭突きで連載…
いや、思いがけない拾い物というか実力ありますよ。楽しみです。
魔法つかいプリキュア!
靴下の大きさは欲の大きさ…
悲しそうに靴下を抱きしめるのが可愛すぎます。
すごい素敵な魔法使いですね、誰かを幸せにできるなんて。
黒豹と16歳
男同士の会話にとても力を入れていますね。
選ばせるつもりないですね、杏璃くん。
三人デートって、ほかの人から見ればとんでもない眺めでしょうね。殺されないのが不思議なほどの。
怒っているところの、猫か何かわからない描写も面白いです。
で、突然の女王モード…確かにとんでもない世界ですが、直前にやらかした女の子たちを侍らしているのもすごいですよ?
そして、黒鉄くんに話しかけられてカーテンの下に…職員室の机の下シチュ…って本当にやりやがった。
というかやりすぎでしょう。
これがわからないって黒鉄くんも女性経験少ないですよね。
一つだけなら何でも…ask the right question…それがどんなに難しいことか。
そのボイス、有料ですか?
結局ごまかしましたか…そして自覚したと。にやにやしますねえ。
母親を気づかっている、それがどう動くのか…
恋心に気づいたことで、ほかの人の気持ちも思いやれるようになった、というのは素晴らしいです。
沖縄物産に詳しいですねえ。
逃げるから追いかける、見事にパターン。
良心が吹っ飛んでしまう…
というか公衆の面前で女の子を寄りかからせるなっての。
嘘がばれてしまって、素直に謝れるのもドキドキが止まりません。
そして一気に告白…意外すぎる返事。
とことん次が読めない作品ですね。
花と忍び
女のほうから脱がすとは…
二人しか使えない…そりゃそうですね。…父親を脅迫するとか絶対服従するまで拷問するという手もあるんですが、殺す方が簡単ですよね。
強者の意志を完全破壊するには半月は必要でタイムアップですなのもきつい。
だますのはもっと難しいでしょう。
やっぱり味方化しましたか…味方化は弱体化のはじまりなんですがね。
「あやしい…」で刃の柄に手をかけている人も約一名いるのが大笑い。
危険…ああ、ヴィクトリア・イフィゲネイア・ウォーショースキーに危険だからやめろと言うのと同じぐらい逆効果確実です。
百万冊…木を隠すなら森の中ですねえ。
五日間の徹夜は結構危険ですよね。というかもう思考力内から続けても無駄です。
で、協力すると言えば術を見つけてくれる…ああ、あやしいにもほどがある。
なんか絶望的ですよねえ。同盟者が一片も信用できないんですから。
ワタシガリ
もう本当に…デビュー時から連載できる実力を持っていて、一体何年?
自撮りができない、というのも読者にはすごく共感できるでしょうね。
魅力的な三人のキャラクター、そこに出てくる誘惑。いい導入です。
執行、そしてものすごく華麗な姿…
でも今現実に、「コスプレして写真を撮る」場はあります。
さっそくいじめが始まっていましたか。
着替えたら体が壊れかけのロボット、これは豪快なことをしますね。
心を読んでくれる…これは恐ろしいです。
自分の心の恐ろしさを理解して、ここからハッピーエンドに行くかバッドエンドに行くか、読みにくいのが秋本先生の恐ろしさ。「絶叫学級」ならバッドエンドしかありえないのである意味安心できるのですが。
…毎回、「主人公が冤罪で死刑になる」と「真犯人が捕まる」がランダムに切り替わるドラマがあったらとんでもなく恐ろしいですね。
そして城田さんが邪魔をしてきて…そしてとうとう…
改心して、ハッピーエンド。と思ったら対価…これですよ、これ。ハッピーエンドかバッドエンドか、いつまでも決着しない恐ろしさ。
圧倒的な実力の持ち主がついに本誌連載。これほどうれしいことはありません。
危険なサンタはお断り!
こっそりついていく時点でアウト。
「デートしてほしいんだ」…笑うしかないです。
フォローのための苦心がすごく面白いです。
「オレはいまこの子といっしょだから」…少しだけ人間にランクアップしましたね。
そして幸知ちゃんに何があったのやら。
「好きじゃなくなっちゃった」という言葉に、彼女がいう言葉じゃない、という違和感がすごくあるんです。
やはり気づいて…優しさと友情の深さがすごく強く伝わってきます。
実に見事な作品でした。ベテランの正統派作品って本当にいいです。
同級生に恋をした
いきなり困った相手に見つかりましたね。
男なれじゃなくて泉なれ…大笑いしました。でもここの二人の男子とも普通に会話できてるじゃないですか。
そして、「きょうは佐田くんと」…誤解が、誤解があああ。狂喜乱舞している自分にとても自己嫌悪。ええ、拷問シーンめあてにイヤミス買ってる人を軽蔑できません。
元気の元、まさに…女子の、裏アカとか悪い面も知っていて女好きをやれている…結構偉大かも。
女の子を得顔にする、これもまあ基本というか…
「二人がいっしょにいるのいやって」、ここで優しくする佐田くんの包容力がため息が出ます。「自由に決めていいんだよ」という言葉も。
さらにそれがもっと誤解をひどくする…
それで、応援すると決めてしまう…抱きしめてしまうのもわかります。それぐらい魅力的。
先が読めない、実にいい作品です。
ゆずのどうぶつカルテ
ペット自慢大会…ああ、昔からカメラつき携帯電話があれば…なんで犬が生きていた頃の、僕だけでなくうちの一家はあれほど写真を撮らなかったのか…
HDD持って行って、できるかぎりの画質で動画とデジカメ撮りまくりてえ。
パピーウォーカー、また重い問題を出してきたもんです。
二度と会ってはいけない、知っていれば知らせないという選択肢もあったのでしょうがね。
さらに盲導犬に対する暴力という悪夢のような問題も…なんて作品でしょう。
それがきっかけで、盲導犬について学んでいく…
そして、「返してください」…そりゃそうですよ。これを否定できる人間はいないでしょう。
盲導犬関係者全員、絶叫するでしょうね。
ひなこさんが、彼の言葉を肯定して…ここも胸を打ちます。
そしてあくまで主人を守る…「だから…ありがとう」という言葉…
城戸くんもひなこさんも、どちらもすごく素敵で…涙があふれそうです。
そして笑えるようにもなる…
ものすごい作品ですよ。動物についての重い問題を、これほどわかりやすく胸を打つ形で…
さばげぶっ!
ついに最終回。
わかりやすいドラマに、ないないと笑う転勤族のモモカ…
そして転校、誰も本当だと思っていない…それで本当にいきなりいなくなってやる、と。
荷物を片づけて、しょうもない走馬灯、そして置手紙。泣き顔がものすごいです。
そして押しかけてくる全員登場状態…
からあげ氏、最後に大活躍ですね。ほかのみんなには恨まれそう。
「ゲスの方」は爆笑しました。
そしてこの人文字…そして左遷で帰って来る、と見事な定番。
最後にはお約束をしっかりと、本当に…
というか先生は知ってるでしょう。言ってはならないツッコミですが。
四コマも頭から…死亡事故になりかねないことを。
挨拶もうれしいです。
初期の頃、これは爆笑できます。
本当に素敵な作品でした。この作品の存在が、「なかよし」とその読者にとってどれほど大きかったか…
次回作もぜひ来てください。
出口ゼロ
繰り返せばクリアになる組み合わせ…数学のやりかたとは。
そして最後に残るのが愛子…というか、確実に暴かれる方法を取られたのになぜ誰かが行動しなかったのかが不思議です。
それで、特別課題終了。教師に戻ったレディ・クイーンがまた見事。
全員が卒業、それでデビューできるんでしょうか?
最後のサムズアップ、これも…
オオカミの本性、っていつこの作品ホラーになったんでしょうねえ。あ、最初からか。
本当にこれだけの実力があって…「なかよし」にいるのが間違ってます。そのせいでまったく評論されてません。
ロンリーオンリー・クリスマス
部活に熱心すぎて彼氏と別れた杏ちゃんは、青春は部活に捧げると決めた。
でもクリスマスに一人はさすがに寂しく、そこで休みのイブに、気になっている深見くんに「みんなでクリパ」と誘われる。
その予定が、つい「二人ですごさない?」と言ってしまい…のはずが、急な練習試合。
わかりやすく親しみやすいタッチです。
回想もとてもわかりやすいです。
肉まんにかぶりついてくる…いやこれ、恋人じゃなくても親友でしょう。
「二人ですごさない?」と言ってしまうのもびっくりしました。
耳に至近距離から「連絡する」も強烈でした。
そして突然の練習試合。…先生もお気の毒に。というか恨まれますよねこれ。
「好きな人優先で動ける子」というのも、しっかりテーマを引き立てています。
練習試合とその結果そのものを描かなかったのはある意味大胆です。描くべきところを絞るにしても、ここまで…
というか、練習試合をしたらその後には大量の仕事で、帰るのが22時になっても驚かないんですが。…マネージャーと顧問が完徹するんですねわかります。
「きょうすごしたいのは柚木だし」とストレートな…
告白、二人の幸せな雰囲気にページをしっかり使うのもいいですね。
高い実力とわかりやすさ、これからもとても楽しみです。
来月号は三月先生の読み切り、若い作家の活躍の機会があるのは嬉しいです。
遠山先生はお体が心配になります、他誌の連載もあるのに…まあ、「ちゃお」レギュラーから見れば大したことないでしょう。