なかよし2017年11月号感想

実に華やかな表紙。
付録もスタンダードでいい品です。

先月号目次にミスが…すみません。
僕のサイトの作り方って、どちら側から見ても腹立たしいでしょうね。フロン〇ペー〇でコピペを使っているって…タグ打てというhtml組も、ブログ機能使えというケータイ以後組も。

またシルバー賞からのデビュー…増えましたねえ。
本誌読み切りしかない現状で、それだけの作家を育てられるのかどうか…畑がないのに種が多すぎるのは残酷なんですが。

同級生に恋をした(美麻りん)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)あやかしお薬手帳(久世みずき)カードキャプターさくら(CLAMP)キミと最後の初恋を(中江みかよ)さみしがりやのクリスマス(丹沢ユウ)ねこ色保健室(松本ひで吉)はちみつトラップ(甘里シュガー)先輩!今から告ります(慎本真)プリキュアアラモード(上北ふたご/東堂いづみ)キミはおひさま(兎乃心)予告

級生に恋をした
番外編があるのも贅沢。
渡良瀬さんが引きとめたのも短時間ですが…
大切にされている、愛されていると実感して手をゆだねる、この心の動きが実に繊細です。
それでも突き放してしまう、罪悪感がはっきり背中から感じられます。
「オレのこと以外にもなにか」って、確かにそうなんですけど…逃げてますよね。
「わかった」は衝撃的でした。もう自分の気持ちは自覚しているのに…
そして、本当に自分の気持ちがはっきりしたすなおちゃん…先にこちらが…
いうのを止めて、どうするのでしょう。
ものすごい緊迫感です。

番外編、肝心な時の怪我…ここで無理したらそれで終わりますが、厳しい世界です。頑張っても運が悪ければ…
陰口とは違う、認めたから全力を出してくれた、恨んではならない…ここがまた繊細というか。
そして挙動不審な存在、もう何なのかははっきりしてますよねえ。
「がんばったって一瞬でムダになる」が、実に実感がこもっています。
キーホルダーは…なんかもっと小さいころの番外編もありそうです。
オリオンの神話ってほかにもいろいろバリエーションがありますよねw
太っているから、って…それで本編ではあんなに…

葉くんに聞きたいこと
ここまで病気が重いとは。
一位じゃなきゃダメ、その呪縛ですか…触れていても入ってしまう、というのが無常。
そして、理由が分かったのに呪縛を破ろうとも思っていない…女の子を好きな気持ちまでなくなる、というのはもう魔法の域ですねえ。
後ろから包んで…どうなるかと思ったら治す、って…というか結構簡単ですけどね。

豹と16歳
なんか殺されそうな雰囲気ですが、結婚式…
そしてされているほうが別の男の膝の間という。
そりゃたいがちゃん、どこかに行ってしまいますよねえ。
「杏璃さんのことは」…今更ですねえ。
なんというか頭の中に花が咲いていすぎて笑うしかありません。
チャペルの描写がお見事。
そしてドレスの試着…女の子としてはこれ以上ないほど幸せですよね。
ここでラスボスとは。いいラスボス臭です。

ずのどうぶつカルテ
けっこう負担大きいですよねえ…
元気なわんこですね。
スマホのGPSって実に便利です。
…目が見えてない…
目をつぶって歩いてみる、というのは実に重要な訓練ですね。
心配性の親と気が弱すぎる子、犬にとっては最悪かもしれません。犬にとって運動は栄養同様に必要、運動させないのは虐待なのに…
あきらめない犬の姿で、自分を振り返る…ここは実に素晴らしい。
母親も改心したのが、甘すぎるほどですがそれもまたこの作品の魅力。

やかしお薬手帳
代々続く薬屋で、父親が出張の時に店番もする古月亜海ちゃん。
薬屋といっても妖怪の薬屋。
見られてしまったクラスメートの天乃くんも妖怪天邪鬼。
彼は人間になりたい、と言ってくるので薬を作ったら…女の子になってしまった。それからもなかなかうまくいかず…

いらっしゃーい、大歓迎です!本誌での連載は単行本も買ってました!
いやーなじんでますねえ。
薬屋で店番、といっても薬剤師免許は…とか思っていたらこういうこととは。
実にいろいろな顔、いくつかは独特の久世節という感じの空気が漂っていてたまりません。
おもいきりみられてどうするんだ、と思ったらこちらも…天邪鬼、って確かラスボスだった漫画もあったよなー、という気はしています。何だったか思い出せませんが。
女の子…このままでも別にいいのでは?
チャラ男なら事実上成功なのでは?基準高いですね。
あぶない気配、で止めている…ああ、天邪鬼ってツンデレなのね…はは。
とろけるような笑顔、お姫様抱っこの柔らかな空気、これこそ久世先生だなと実感します。
素直にはなりたい、でもチャラ男は嫌なんですね。
彼の気持ちがとても分かりやすくて楽しいです。
毒と言っても熱と気絶だけで下痢も吐き気もないとはとても都合のいい毒ですね。宝塚での毒も常にそうですが。
蔵で、とんでもない…と思ったら助けに来てくれた…というかこれ、せっかく封印されていた魔物を野放しにしてしまったんじゃ…
そして口移しで薬、というのもやってくれます。
夢だと思ってまたキス…もうとろけるようです。
いやーたまらないです。次回作も楽しみにしています!

ードキャプターさくら
楽しそうですね。
というか魔法系超常現象を全員に見られてしまっている…というかこれまでにも、何回も見られたりしてますよね。
…今そういうのを意識すると、協会と聖堂教会に街ごと消されるとか思ってしまいます。
その場でいきなり寝たら結構危険はないでしょうか?
うまい組み合わせです。完全に使いこなしていますね。
こういう、「少ない戦力を工夫して、新しい戦力を手に入れ、それを使って徐々に複雑なことができるようになる」というのは実に楽しい。
楽しそうな会話から意味深な…さて、どんなことにカードが必要なのやら。

ミと最後の初恋を
完全拒絶じゃない、思いやってくれる…それだけでも救いですね。
だから「思いださなくてもいいよ」と返せる…「わたし千堂メイ!蒼真くんが好きです!」と直球、これはびっくりしましたし心臓がはねました。
「死ぬよりこわいことなんてないよ」…これは僕は賛成できません。人間の邪悪さは、底なしですから…
加害者家族の土下座…まあ無事で何より。
そしてつきっきり、迷惑をかけたかと思ったときに「きょう一日助かったけど?」と、誰にでも優しい…
しかもそれが記憶にもつながる、実に複雑な…
苦悩を通り越したナニカの表情も強烈です。思い出したのではなく、まだ苦しくてたまらない…
ここで衝動的にキスしてしまうとは…なんというかすごい子ですね。
で、ここで告白して彼女宣言…なんというかそんなのあり、と絶叫したくなりました。
…長い我慢でしたね。お疲れ様。
予想をはるかに超えるとんでもない作品です。

みしがりやのクリスマス
クリスマスはパン屋も忙しい。店員の、やや消極的で割を食うことが多い美沙ちゃん。
人恋しさがかなりやばいところまで来ている…
そんなときにすごいイケメンが入ってきて、王子さまだと浮かれる彼女…
だがちょっとトラブルが重なり、軽く自己嫌悪で泣き出した、そこで彼が支えてくれた。

なんともいえない雰囲気のよさ。
「いろいろやばい。」で父親に触ってしまう…これを思いついて描くのがものすごい。
「王子さまっ」と叫ぶ表現の激しさも面白いです。
どちらも入る、ってすごく積極的ですね。
仕事が早いのをちゃんと見てくれている、店の側もいいご褒美もあったものです。頑張っているからですが。
すごく親切な対応、といっても髪に触れた手は…大変なことになるんですがね。もし完全消毒してなかったら、少なくとも僕の母が見たらそんな店には二度と行かないそうです。
きちんとフォローに入り、それで連鎖反応…これは店全体の問題ですよ。
それで泣いてしまった…確かに全部背負いすぎですよね。
おすすめスポットで慰めるのは見事でした。
すごく素敵な二人…なんとも胸が暖かくなります。
缶コーヒーひとつでこれほど、これがまた読んでいてたまりませんね。
そしてクリスマス…と思ったら、まああるある…
ここで待ってないなんて。そしてみじめの極まで落としてから、お姫様抱っこ…ああもう…たまらない演出。
まさに王道。
「抱きしめてもらってもいいですか」がまた…胸がいっぱいになります。
32ページ、長めにじっくり描いたのも正解でした。
圧倒的な実力、これからも楽しみにしています。

こ色保健室
本音が出るのは、そりゃ松本先生ならそうなるでしょう、と納得しました。
「ぐうの音もでないほどかわいくない」がまた強烈な。
まさか人語を解する猫又とは…合掌。
さらに全裸までかましてくるとは。「なかよし」には当然例の券は発行されないんですね。
やっぱりアイドル生命は終わるんですね…

ちみつトラップ
結構受け入れられている…
カップルコンテスト、ってまたどうなることか。
…そりゃ怒りますよね。
「ずうっと大事な友だちだよ」…かわいい女の子って悪魔ですよね。
下から恥をかく…確かに鬼です。
で、本当に全部言ったら「それくらいにしとけ」とキス…とことんやってくれます。
これで「オトしてひれ伏せることを」…まさかそっちにいくとは。
二度目のキスは画面から香りが漂うようでした。
やってくれますね。

輩!今から告ります
「この瞬間から」それが言えるとは…それからの正直な言葉、綾さんも黙って受け止められるのがすごい。
こんな愛の言葉があるなんて…
そして綾さんの返事もまさにパーフェクト。
渋谷じゅう走り回る、って大変ですよね…地味に坂が多いし、人が多いからエネルギー使うし。
で、突然般若…ははは。
そしてぎゅっと抱きしめる、ため息。

リキュアアラモード
というか太るという問題ありますよね。
と思ったら恋の悩みで太っていたとは。
犬、上北先生の犬もものすごく魅力的です。ディズニー的な躍動感がありながら、首の皮がたわむのが見えるようなリアル。
これはすごいお宝です。
失恋でしたが…はは。

ミはおひさま
結構もてる張田太陽くん。ハードルで頑張っているのを、描くのが美術部の花織ちゃんの楽しみ。
ある日、描いているところを彼に見つかってしまって…彼も二軍だけれど、次には試合に出られると聞く。
友だちに背中を押してもらい、応援の横断幕を作ることになるけど、彼は怪我をして…

印象に残るということでは近来稀です。
太陽、というテーマで読み返しても実にしっかり作ってあります。
男の子の、指や顔のパーツの大きさが強烈ですね。大胆ですが力強い。
ラブレターのつもりが失敗…というか、花織から張田くんに、というのは何人も知っている…なんかもう…悲惨すぎる。
像を抱えているのにすごい、と両手で窓を…像は無事でしょうか。
妄想で抱き合う絵を描いているのも、これを見られてしまうのかと先の話を予想してしまいます。ミスリードでしたが、隅々まで読み返すのに耐えますね。
背中を押してもらえるのも幸せですね。
「もったいないよ教えたい」「ひとりじめもしちゃいたい」という気持ちの描写がまたすばらしい。
怪我の事を知って、告白した女の子の言葉…普通ならこれは単なる悪役で終わるところですが、穏やかに「押しつけがましいね」「逃げ場なくてかわいそう」…これはこれですごい子です。
完全な間違いとは言えない…単に生きている世界が違うだけで、ある程度の正しさもある、完全に正しいか間違っているかではない…
人間の複雑さをさらっと描いているのが、恐ろしいまでに大胆です。普通なら単なる悪役で済ませてしまうのに。
片足がやられてもできることはありますよね。
まず風邪を心配してくれる彼…そしてこの横断幕、彼一人だけのための…
こりゃ抱きしめもしますよ。
そして、お互いに言わせて、と…これがまたたまりません。
男の立場から読み返しても素晴らしいです。無理をしすぎだと言われたのかもしれない、才能がないと言われたのかも…そういうのが画面から伝わってきます。
とんでもないデビュー作。これからどれだけ化けるか楽しみです。

月号、なんか暗い話のようで…「出口ゼロ」の抜けた穴を埋める、ということでしょうか。
相変わらず読み切りが多い、そういう形に固まったようです。

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