なかよし2017年3月号感想

やわらかな表紙は好感が持てます。付録も華やかですね。

評論されないのが惜しい作品が多いです。

キミと最後の恋をする(中江みかよ)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)カードキャプターさくら(CLAMP)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)氷山くんは家庭教師がお好き(三月トモコ)同級生に恋をした(美麻りん)キスする街角(西炯子)先輩!今から告ります(慎本真)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)プリキュアアラモード(上北ふたご/東堂いづみ)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)そのボイス、有料ですか?(甘里シュガー/さなだはつね)花と忍び(長谷垣なるみ)ワタシガリ(秋本葉子)予告

キミと最後の恋をする
千堂メイ14歳、毎朝隣の家の幼なじみ…響真・蒼真の男の双子を起こすのが日課。
でもその日々ももうすぐ終わる。月末には引越し…
蒼真くんのことが好きなんだけれどなかなか言えない、でもある日ひょんなことから蒼真くんとキスしてしまい…
そして引越しをやめて、一年間双子の家に世話になることにする。でも彼女には秘密が…

なんかタイトルが「ちゃお」で今続編をやってる某作品のタイトルと副題を混ぜたようで苦笑します。
冒頭の強烈な熱さ…いきなり幼なじみにベッドに引きずりこまれるというおいしいシーン。
双子のモテっぷりがまた強烈です。こういう、やや幼児向けの表現のうまさは素晴らしいです。
読み返すと、引越しで「…うん」と答える、それを見る蒼真くんの表情…それをどたばたでごまかすのがまた見事。
そして響真くんも、メイちゃんがうざがられているのをちらっと見てふざけている、また芸が細かい。
トラックからかばって、そこからキスになる流れがまた濃厚というか…男の理性が吹っ飛ぶところが見事に描かれてます。
あきらめるな、というメッセージもわかりやすいです。
病気という真相…それも成功率が低い…父親も…二人だけの父子家庭でその子が絶望だなんて…思いがとても伝わってきます。
そして、ガチャと共に入ったメッセージで、とんでもない行動…
激しすぎる言葉に圧倒されます。そして響真くんの表情も…
なんというか、大上段からまっすぐ正面を打ちこんでくるような迫力を感じます。
前作で磨きぬいた実力、それでも逃げずに大きな賭けに出る…とんでもないことをしてくれました。

青葉くんに聞きたいこと
修羅場ですなあ。
びっくりしたとか、何をいまさら…
クーラーなしって今は死刑に…まあ軽井沢なら避暑地…でも今の温暖化は…
ワンマンプレイで負けとはカッコ悪い。
G様をちゃんと描くとはさすがプロ。
そしてこの状況で、ライバルを応援する…
「オレがこのまま桜田さんのこと」と、こうきましたか。わかりやすい。

カードキャプターさくら
みんな楽しそうに青春を満喫してますねえ。
心の中で思った時記録できる…実際には可能ですが、断固としてメガネや、重い部品を分離する品が出てこないだけです。
大切なひと…誰でしょうね。
食事中いきなりはびっくりしますね。
兄はさすがにここまでは干渉できない?

出口ゼロ
なんかすごいことになってますね。…要するにこの三年間、夕日ちゃん一人壊せれば十分?
別の選択肢があったか、という自問自答は面白いです。
王子さまのキスをギャグに持っていくのは苦笑しました。
そして対決…さて、どれだけやってくれるやら。

氷山くんは家庭教師がお好き
扉絵がとても柔らかくなっています。やはり連載の成長は大きいですね。
あくまで教師と生徒、それで植物観察をデートにとは…乙女ですねえ。
デートの姿は素晴らしい!
宿題をまずやるのは、だいぶ彼に慣れてきていますねえ。
一年で枯れるメカニズム、って…
この靴で足を痛めるのは、まあ仕方ないです。そして服まで破れて…そう、この服装にここは合わない、それだけですが…
デートしたいという乙女心を全否定するかと思ったら、率直な言葉!
結構すごい作品になってきています。

同級生に恋をした
なんというややこしさ。泥沼万歳。
ここで臨時マネージャーとは、泥沼に重砲をいやというほど叩きこんで数万人突撃させるようなものです。…ぬかるみ地獄。
仕事は、変な方向で一生懸命…
相合傘の前にずぶぬれになっているのは実に楽しい。
レモンを取るのにここまで顔を近づけるとは恐ろしい人。
「ペキ」という音が実に雄弁です。たまらぬ、これはたまらぬ。
余計に怪我が悪化して…「手段えらばないタイプ」は痛いですね。
そして、おためしつきあいを終える、でも全部彼のために…
これこそまさに正統派少女漫画。
普通の意地悪役とは違う、心が不安定だからこそ、すがれると思った男を強く求めて手段を選ばない…これはこれで面白いです。

キスする街角
同居している祖母の幼体が悪くなった…看病をしていた小春ちゃんは、ふと祖母あての手紙を見つけてしまう。
まだ存命の祖父とは違う、別の恋人との手紙?祖母が亡くなってからの小春ちゃんは、手紙を捨てることができない。
秘密の重さに耐えきれず、旅行に出かけてしまう。
そこで出会った少年の祖父が、手紙の宛先…彼女は行くつもりだったが、同僚だった祖父が事故にあって、どうしようもなく遅れた…

冒頭の意味はかなり読まなければわかりません。
容態が急に悪くなった…季節感も強いですね。
小春ちゃんの体つきが面白いです。子供と大人の両方が混じっているのがわかります。
花瓶を倒したことから見つけてしまった手紙…
それで読んでしまって、いやーもうなんという濃厚さ。
手紙を捨てられない、大人の恋に圧倒される思いが本当に見事に描かれています。
友達に離さなかったのは賢明ですね。
この祖父がまた魅力的な人間ですね。
そして、大きな嘘を…
ここで祖父の回想が入るのが、読み返してみるとつくづく見事です。
そして台湾で、男の子の出会い。期待させてくれます。
母から見ても、通りすがりの少年から見ても、なにか辛い思いをしているのは見え見え。これがまた面白い。
そして、耐えられず恋についての話をしてしまって…そして彼の案内で…
「胸が苦しくてがまんできなくて…あなたに伝えるしかなかったんです」この、ものすごく勝手で率直な言葉、今の若者の精一杯の誠意でしょう。…祖父母の時代では、たとえ十歳でこの倍の重さだろうと一生耐えるのが当たり前、と切り捨てられるでしょうが。
この男泣きがまたものすごいですね。
「旅にだしてくれてありがとう」という言葉も、すごく重みがあります。
そして預かりものが、西洋の騎士のような手へのキス…これは持ち帰るのが重いものでしたね。
祖父の言葉も、たまらないものがあります。
男の子とくっつけなかったのも、大胆なまでの割り切りです。
なんという人間の深さと重さ…とんでもない作品です。
幼稚園の女の子が読んだら消化不良になるよ、という声すらしそうなほどの重さ。でも、だからこそ今読者の心にこれを置いておけば、長じた時まで熟成してすばらしい花が咲くし、大きな栄養になってくれる…とも思います。
前作もそうでしたが、本来の読者に最高のものを与える、このことに徹しているのが強く伝わります。
すべての読者の親にかわって感謝を。

先輩!今から告ります
本人にそれを聞く…この会話、周囲の人間はどう見ているんでしょう。
名前では呼んでもらえる、ずいぶんな進展ですね。
謎の人、かなりインパクト強いですね。
幼なじみの…うわあああ。
トリセツ…あの名曲を流しながら…すごい、すごいことをやってのけました。
打ち上げ…まあ、加わる分にはとても楽しかったでしょう。大穴に賭けて大損した人がどれぐらいいたか…
一ページ漫画も楽しいです。

黒豹と16歳
「ペットになるくらいの事情が」という言葉、むしろ意外でした。
「胸くそ悪くなるもんとも」…ごめんなさい僕はそっちがとても大好きです。理想の死に方は二都物語。
体が冷えていることに気づいて…この妄想は実に楽しい。椿がないのが画竜点睛を欠きますが。
いい雰囲気はうまく描かれています。
彼からの熱い告白…これはしびれました。

プリキュアアラモード
今回はバトルありなんですね。
相変わらず華やかです。
すっきりした今回の話の紹介、感動もさせてくれました。

ゆずのどうぶつカルテ
生きもの係…そりゃあそうなりますよね。
動物が苦手、そんな子もいるんですね…
噛んでしまった犬が処分されていなければいいんですが。僕は犬に小さい子が寄ってきたときは、犬の口周辺に触れてガードし、背中から触るように言っていました。触らせないのが正しいのでしょうがね。
本…どれだけの水準の本でしょうね。大学用だったら爆笑。
これほど頑張って、それでも噛まれて…僕も、一度頑張ってダメだったら二度とやりたくない、となるのですごくわかります。
大人側の対応を描いたのも、すごくリアリティを高めてくれました。
そしてハッピーエンドに収めてくれたのもすごくうれしいです。

そのボイス、有料ですか?
色香がどんどん深まっています。
「「恋」と「萌え」は別です」これは名言。
超感動大作…そのまま楽園でもグローリーでも笛吹でも投稿したら?
これだけやって棒読み…
後ろから口をふさがれる、まあこれ客観的には暴行罪構成してますけど…恋する乙女にとってはたまりませんよね。
聞かれてしまってストーカー扱い…というかすぐ誰の声かわかるのがすごい。
麻里子さんの正体は笑いが止まりません。

花と忍び
この影下という男が実に見事。彼が主役でもよかったかも。
結構簡単にみんな変わりましたね…
最後の甘さも素晴らしい。
最終回で一気に水準を上げてくれました。次回作も楽しみです。

ワタシガリ
邪魔、と言われて他者を攻撃してしまう、とてもわかりやすい心の動きです。
「イタズラして迷惑かけてばかりいるやつ…ほんとうにかわいい…?」と自問自答できる、でも秋本先生の場合、ここでもまだハッピーエンドかバッドエンドかはわかりません。
完全な破滅、と思ったら枝を治すのに…でもまだわからない。
結局死んでいなくて、アプリも消えていて…まだわからない、と最後のページまでハラハラして、そして心底ほっとしました。
デビュー作から、ハッピーエンドかバッドエンドか読ませないスリル。そしてあらゆる総合的な実力の、桁外れの高さ。
絶対本誌レギュラーであるべきですよ!

月は松本ひで吉先生!これは嬉しい知らせです。そして新人の読み切りもうれしい。

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