なかよし2017年5月号感想

ほんっとうにさくらの表紙は反則なまでに無敵…「ちゃお」「りぼん」編集部一同は頭を抱えているでしょう。
付録に録音、そっちがエスカレートしたらどうなるのやら。

「新人チェッカー」としての僕は、成功する新人作家を見る目はありません。大好きになった作家が本誌レギュラーになれなかったことが、どれほど多いか。
でも、大好きになった作家には、「なかよし」で成功しなくても漫画は続けている人が多い……ふとそれに気づきました。
あきらめない、情熱の強さを見る目はあるようです。

…太った女の子が二度も出てくるって空前絶後なのでは。

カードキャプターさくら(CLAMP)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)はたらく細菌(吉田はるゆき/清水茜)キミと最後の恋をする(中江みかよ)ねこ色保健室(松本ひで吉)同級生に恋をした(美麻りん)思春期女子のあるきかた(雪森さくら)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)氷山くんは家庭教師がお好き(三月トモコ)プリキュアアラモード(上北ふたご/東堂いづみ)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)先輩!今から告ります(慎本真)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)そのボイス、有料ですか?(甘里シュガー/さなだはつね)予告

カードキャプターさくら
月さんに相談している、これは心強い。
ケロちゃんがカバンに飛び込んでぬいぐるみの振りをするのがいい。…校則が厳しい学校じゃなくてよかった…
エリオル家の…縁が多い子ですね。…性別すら疑いたくなるぐらい。
デートの誘いで二人とも真っ赤なのがもう飛び回りたいぐらい。
美青年の登場、CLAMP先生らしいです。
はにゃーんというのを我慢している、というのがまたかわいい。
すごい図書館…
ふと「あれ…?」と感じる、ここが実にうまい。

青葉くんに聞きたいこと
はい「聞き屋」失格。
嫌いな部分を増やす…いや懸垂百回はできる人間いるんでしょうか。
というか
他の高校も…わかりやすいフラグもあったものです。
「いまの青葉くんなら向き合えます」と背中を押す、ここの二人の雰囲気がたまりません。というか二人とも体の色気がすごい。
「おかしくなんかないです」と、今回は完全に彼女のターンですね。とことん全部わかってくれる…
「ライバルにもならない」という言葉がまた見事。
それから抱き寄せて甘い言葉…とんでもないですねこいつ。
告白しない宣言とは、なんて楽しい泥沼でしょう。
それぞれの魅力がいい音楽のように響いてきます。

はたらく細菌
腸内には、とてつもない数の細菌がいる。
善玉菌を増やすためには、宿主が野菜を食べてくれることが必要だが、宿主さんは肉ばかり食べる…
肉を腐敗させて作った毒ガスが、街を焼き尽くしていくのだ。対抗したくても、善玉菌の武器である酢酸を作る材料がない…そして集まった毒ガスは、おならという悲劇を生み出すのだ…

熱い、熱いっ!
ほとんどが男というのがまず爆笑。
まあ肉が悪で野菜が善、と単純すぎるのは…まあわかりやすいほうがいいでしょうね。
男子のカッコよさが実に強烈。
ウェルシュ菌の熱い男らしさが強烈としか言いようがないです。
…皮膚常在菌の話は出てこないんでしょうか。そっちも重要なんですが。

キミと最後の恋をする
踏みとどまってよかったですねえ…あはは。
響真くんにまっさきにつきあう宣言、牽制というには強烈。
いろいろしたいって…なんかもう頭が沸騰しそうです。
放課後が楽しみで仕方ない…これもたまりませんね。
手をつなぐ、が指をつまむ、絶叫しそう。
…抱きしめてしまう気持ちはいやというほどわかります。
キスを見てしまい、感情が爆発する…というか今回の冒頭で爆発しかけたのに、これ以上…
なにこの破局噴火寸前のとんでもないエネルギー量。沸騰してます。

ねこ色保健室
いろいろと大変なようですね。
石鰹さん、見た感じは普通なんですが…
猫の前で五円玉を揺らすのは…というか僕は、輪ゴムに五円玉を結んで遊んだせいで、上の前歯の先の裏が少し欠けました。
すごいリアクションから、スリッパでフレーメン…それを「キメてんですか」がひどすぎます。
冷蔵庫を開けっぱなしにしても部屋は冷えません。熱力学第二法則の根本で。
本当に寒さで安眠というか永眠できそうです。
しかし…裸なのになんて色気のない…

同級生に恋をした
利用を断るのは、佐田くんも人間と思っているから…確かにこれはずるい。ますます好きになっちゃいます。
で、ここで別の女の子が出てくるとは…
成績がた落ちは笑うしかありません。
やっかみで部内でいじめられている…これはまたきつい。というか聖奈ちゃんはそれをどうかしようとはしないのでしょうか。
「いまの彼」という時点でいろいろ終わってます。
…そこで切りこんでくれる、さっきの気分の悪さがうまく晴れました。こういうところが実に読者に親切です。
そういう人間もいる、と考えるしかないんでしょうね。
抱きしめはしない、でもとても深い…情け、それにすがりついてしまう…振り払えない…
さて、誰に目撃されているんでしょうか。
…ミステリをたくさん読んだ人間と同じなんですよね。パターンを知りすぎてしまっている…「記憶をなくして『アクロイド』『ABC』『オリエント』『そして誰も』を読みたい!」という叫びがとてもよくわかります。

思春期女子のあるきかた
太っているあかりちゃんは、いつも明るく笑っていて、女子のみんなには頼られている。
コミュ力が高いからイケメンの一ノ瀬くんの情報を得てほしい、と言われたりもする。
それで利用されたりもするけど、それでも明るくしている…

冒頭からとんでもなく難しいことを…
そして太っているのにかわいい、という難題を見事に処理しています。食べているときの幸せそうな顔ときたら。
すごく重い、黒の多い制服も面白い印象になっていますね。
「お人好しはバカを見るなぁ」、さらに保険医の妙な動き、気にさせるのがうまいです。
人の悪い面を見ても、波風立てないことを優先する…ここまでくると、あかりちゃんの善良さも歪みに感じます。
そしてうっかりの送信で、悪いうわさになってしまう…
自分に自信を持ちたい…一度はやせたけど、それでもモテなかった身としてはそうならないことを祈るしかないです。
金を使うのはどうかと思いますが。
…一ノ瀬くんの、佐藤くんに山川さんの正体をばらす…こういう復讐をしてくれる…
「中身がくさってる者どうしお似合い」…えげつな。
本当にめちゃくちゃかわいくなってしまった…連載ではなく、次には夏に同じような読み切りを?それとも今回の続きで、あかりちゃんと一ノ瀬くん?
とても面白い形です。楽しみですね。

出口ゼロ
五十年間…というかたった五十年、一代で、事実上国家権力を笑い飛ばせる権力を…
あたたかいココア、意外と友好的な接し方です。
演劇形式でアカデミーの歴史、実に盛り上げがうまい。
一人で演じてた、というより…パパラッチという名の吸血ヒルども、どんな弱みも金になると群がる暴力組織というナンキンムシどもを封じ切った権力操作のうまさがすごすぎ。
理解したうえで対決する、というのもうまく乙女華澄についての話を受けています。
命がけの即興、すごく急な展開ですが…どれだけ熱くなるものか。もはや問答無用、という声がしそうなほど熱い。音楽が処刑用BGMになりそうなほど熱い。

氷山くんは家庭教師がお好き
みんな元気ですねえ。「二人じゃねえし」というツッコミなんて、耳に入るはずないですよね…
…うん、避妊具渡す以外のツッコミは不可能です。
失敗の連続、もうしゃれにならないというか先生方の睡眠時間というか来年以降の校外学習の開催が危ない域に入ってる…関係者一同の絶叫と悲鳴が目に見えるようです。
いっそ、この二人は校外学習休ませて一日中図書館でいちゃつかせる方がよかった…
お姫様抱っこは強烈ですが。
二時間の二人きりがなくなる、むしろ接する時間はほとんどない…現実的に考えるとそうなんですよね。
…いや、これ…病人を見ていた教師か班長か誰かが泣き叫んでいると思うんですが…
責任者一同の、もうご冥福を祈りたくなる状態です。

プリキュアアラモード
メンバーもそろいましたか。
パティシエもあこがれる人が多いわりに食える人が少ない職業、激戦区…
宣伝と広告の原則は覚えておいて損はないですね。

黒豹と16歳
杏璃のことで、と聞いただけでぼんっと赤くなる美人…思っていたより面白くなりそう。
生徒会長の顔を知らなかったって…もう今朝の騒ぎは学校中の噂になっていたでしょうね。
うしろから「たいが」と呼ばれてドキドキして振り返ったら…雰囲気がシリアスのままやってることがギャグなので大爆笑。
ミニブタ…はは。
のんきに恋バナしてますねえ。
…え、彼の実家とか身分とか忍びとかじゃなく?
隣に座るだけで…ここのどきどきはたまりません。
杏璃ではなかった、というのがまた面白いです。

先輩!今から告ります
ゼッケン…そんなことも乙女にとってはおかずになるんですねえ。はちまきとかもありますし。
糸くず、ってスキンシップには抵抗ないんですねこのひと。
監視下、って一緒にいられる時間が長くなりますよね。
自分から身を引いた…これまた…
ふと泣き出してしまう、すごい恋をしていますね。
ここで、彼の恋をこうして描くとは…
先輩の裸が危険物質、というのは爆笑。

ゆずのどうぶつカルテ
太った犬…ああ耳が痛い。ごめんなさい。腹かっさばいてあの世で土下座したい。
飼い主も…
かわいがってはいるけど、迷惑がられていることをわかっていない…ああとても耳が痛い。
注射もさせられない…これ、ペットの飼い主だけじゃなく…読んでる読者の親も耳が痛いのでは。いや、そういうことをする親は漫画雑誌は子供に読ませていない可能性が高いですね。
治すのは飼い主…今回はとても分かりやすく核心に入っています。
事故でやっと、いい飼い主にならなければ犬が幸せになれないと…
…今回を切り取って、犬を飼うと決める直前の自分に読ませてやりたい。
ごめんなさいごめんなさい…

そのボイス、有料ですか?
彼が学校に来ない…どうしたんでしょう。
本家、結構厄介なことになっていますね。
まるっきり時代が違いますね、明治時代か江戸時代で脳みそが止まってます。
で、この子たちはどんな資格でそんなお家騒動に顔を突っ込もうとしているんでしょう。
母親を人質にした説得、すごい卑怯さというか…
もう一人来てくれた人がいるんですけどねえ。

月号はジミ婚、そして出口ゼロのクライマックス…楽しみですね。

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