なかよし2018年7月号感想
「さくら」の表紙は、つくづくため息しか出ないぐらいずるい。
漫画家キットもどんどん進化していて面白いです。
以前の、四コマ漫画実質全滅期を思えば今月号はどれほどうれしいことか。
どれもとても楽しい傑作ぞろいですし、感想を書いていないショートもどれも本当に素晴らしい。
遠山先生の作品が両方終わるとは…どんなことになるのやら。
カードキャプターさくら(CLAMP)HUGっと!プリキュア(上北ふたご/東堂いづみ)ミラクルニキ(壱コトコ/Nikki. Inc.)わたしに××しなさい!(遠山えま)ブラッド・ハントちゅっ(山田デイジー)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)先輩!今から告ります(慎本真)キスしたいってねだってみろよ(三月トモコ)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)ねこ色保健室(松本ひで吉)家政夫さんは甘くない!(伊藤里)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)ご主人さまは気まぐれ(兎乃心)予告
カードキャプターさくら
戻れない、というのも怖いですね。魔法や神秘の本質に「戻れない」はあります。
エリオルは信用できる、本当に?
小狼くんも苦労していますね。
守る、でもその意思が裏目に出る可能性も…また苦しくなる夢を見たものです。
HUGっと!プリキュア
小さい子は食べないことがありますからね…
遠い未来から逃げてきた赤ん坊…
いろいろと苦労していますが、絆が強まってきているのがよくわかります。
ミラクルニキ
文明水準は現代と変わらないようですね。バターや生野菜、果物が手に入るというのはものすごいことです。
元気な子が来ましたね。それで見返すために、わかりやすい話です。
いや見事な蹴りもあったものです。
「自分の好きな服じゃないと」…僕は自分の好きな服を着たことがないですし、これからもないでしょう。オーバーオールは僕にはとことん合わないそうです。
裁縫ができないとやっていけない国、きついですねえ。
「かわいいんじゃねーの」は爆死しました。
わたしに××しなさい!
カラー扉は胸の大きさがすごく目立ちます。
ドライなのはあとの熱さの準備と信じてます。
「読者に悲しい思いをさせるために」そうですよね。
昨今は本当に読者を呪えば偉いという風潮が強くて…特に伊藤計劃以後のSF…僕も精神が崩れかかっているほど。
目隠しってまた…いったいどうやってこんな着替えさせたんでしょうね。いやもう知ったことか。
晶くんたちがうまくいったのはほっとしました。
なんというか…なんだったんだ、としか言いようがありません。まあ晶くんたちがラブラブしてたから…いやそっちこそ単行本に成年マークがつくぐらい暴走しちゃってください。
お疲れさまでした。
ブラッド・ハントちゅっ
なんかえらいことになってますねえ。
「宿題もキチンとできひんのに仕事なんか」なんて説得力。
違反した罰、というか使う気満々ですね上の方は。
「人の心をかってにのぞかない」、そりゃそうですよね。
ゴミ拾い、実際にはかなりきつくなりそうですね。
あたりまえ…軍隊のような組織では、最初にそれを捨てるように叩きこまれます。公・掟・上官・神・国家…それらがすべてに優先し、個人も動物も自分自身も使い捨て、仕事と割り切ってどれだけでも冷酷に扱え、と。
暴走、ここで組織を頼らないのが…
戦争同然の世界で「ぜったい」なんてないのに…結構重大な仕事になりそうです。
黒豹と16歳
ホラーですねほとんど。
犯罪の罪名は苦笑しました。「なかよし」には日本国の刑法は侵入できないとばかり思ってましたけどね。
「きちゃった」…こういう使い方をするんですね。すごい表情。
袋に入れたのは爆笑。
マネをする、というのも人間になる基本の一つです。
このラブシーンもすごいものがありますね。
で、案の定この状況で言ってしまった…「も」はちゃんと聞き取れていたでしょうか?
いろんな修羅場が始まりそうです。
先輩!今から告ります
すごいことになってますねえ。
責任、といっても妊娠出産となると個人で取りきれる責任じゃないですけど。あと犯罪系は日本が徹底的に連座制を取っている以上一人で責任とるのは無理です。
最悪ケースは笑うしかないです。
で、一部始終の報告をするって…人間かおまえは(僕にとっては人間は考えられる限りもっとも残虐で非道で邪悪な存在です)。
四コマも相変わらず楽しい。いっぱい食べて外出せず、太るだけですよね…
どこもいろいろと大変ですねえ。
キスしたいってねだってみろよ
海外…いい暮らししてますよねえ。ハネムーンプランってマスコミは大丈夫でしょうか。
キャンセルって金ないでしょ?
「この旅を楽しめるように」と人のために行動できるのも彼女の美点ですが…自分を忘れるんですよねすぐに。
ふたりきりを改めて意識するのはとても丁寧で、すごいというほど。
そして自分をコントロールできなくなって…これは男も落ちますよ。
ここでキスしてしまうとは。これでゲームオーバーか…
ゆずのどうぶつカルテ
動物の爪切りって結構重い問題ですよねえ。特に猫の爪が伸びるとすぐ怪我をしてしまいます。
「らんちゃんじゃないほう」ここで強引についていけるのも彼女の美点、ですが…それも彼女の年齢考えると重すぎる問題をいくつもクリアしてきたからですよねえ…
必死で探して、この中から見つけ出せるとは…
この大きさのアパートでブリーダーとは面白い商売もあったものです。見た限りそれほどひどい境遇ではなさそうですし…まあ病気には気づけていないにしても。
髪を切って区別させるのは単純ですが有効かも。松永姉妹だってそれで…って読者の親でも知らないかも。
毎回毎回、無事に済んでくれてとてもうれしいです。
ねこ色保健室
楽しそうで何より…
たこ焼きもイカ焼きも、スーパーで買うか家で作るかしたらどれだけ安いんでしょうねえ…
猫に金魚は危険すぎるでしょう。最後のページはすさまじいものがありました。
猫って本来水を怖がり魚では栄養が足りないのに、なんであんなに魚が好きなんでしょうね。
家政夫さんは甘くない!
前後編でも大きな成長がはっきりわかります。
下着を平気で、これは笑いそうで言葉が出ないというか。
「心配させるようなこと」…たまらないですね、この緊迫感のある感情は。
なんとか覚えようと…ため息が出るような、時間の密度の高さ。たまりません。
別れてから呆然として、そして誕生日を聞いて、この盛り上がりもすごく静かでしかも大きい。木管楽器に低音弦楽で静かに盛り上がり、金管が静かに入り、フルートとティンパニも……
そしてこの熱いラブシーン、期待通りで本当に最高です。
もう本誌連載行ける実力はあると思いますよ。
青葉くんに聞きたいこと
引っ越し、でぴたっと空気が凍る…本気で逆ハーレムですねこれ…
「お母さんだってわたしの大事な人だよ」がまたため息が出ます。
好きを取り戻したくて暴れてる時点で…
桜がきっかけで一気に…
「使えるようになったと思ったのに」これほどうれしい言葉もないでしょう。
「お母さんだけだと生活費」が実に生々しい。
二段構えのエピローグ、かなり急でしたがまあ終わりよければすべて良し。
お疲れさまでした。本当に難しい題材で…
ご主人さまは気まぐれ
犬居めいこちゃんは、彼氏の水城凛太郎くんにとことん尽くしている。でも彼は、あまりべたべたしてくれないところがある…優しくて甘くはあるけれど。
そして生徒会で忙しくてなかなか会えない、彼女の方から強く愛情を求めたら拒まれて、「カレカノじゃないじゃんっ」と泣いてしまった…
とんでもない味の濃さと甘み、このタッチは強く内角を攻めているにもほどがあります。
男の気持ちもしっかり考えて描いているのがすごくわかります。手や目からすごく愛情は伝わるんですよ。
猫を野良猫のまま、というのは…寿命が短いってこのあいだ「ゆずのどうぶつカルテ」にありましたよ…
犬のように豊かな愛情表現が何度も描かれるのがすごく楽しいです。
「けがしてない」とか、彼はすごく心配して思っているのは読者にはわかるのですが…愛情表現のすれ違い、というのが徹底していて実に転がれます。
避けている彼、それで彼女の方が勘違いする…ここは特に心が不安定な読者はすごく共感できるでしょう。
不安定な子供の心を描くのはそれ自体がすごいですよ。
それからの激しすぎる感情も…
最後のラブシーンも、どれだけ恥ずかしいか、どれだけ好きかめちゃくちゃに伝わってきます。
気持ちを伝える強さは類を見ないと言っていい…
これほどのとんでもない実力、もっと本誌で活かしてほしいです。
中江先生の新連載と小松先生の読み切りはうれしいのですが、また新しい名前が…