なかよし2021年6月号感想

表紙は差別化としても強力ですし、やはり目を引きます。

今月号で、三誌とも別の制限が入るようになったことに気づきました。
セルフレジが多くなったため、裏のバーコードをふさいではならない。だから付録を表につけるか、あるいはかなり小さい面積にするか。
それは表紙の構成をどう変えていくのでしょう。
今後、非常に大きな付録を考えた時などはどうするのでしょうか?
そして将来、たとえば極微の遠隔通信タグなどでバーコードが不要になったら?

付録は本当はすごく豪華なんですが、とにかく体積が小さい。

カードキャプターさくら(CLAMP)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)シャーマンキングアンドアガーデン(鵺澤京/武井宏之/ジェット草村)ヴァンパイア男子寮(遠山えま)アンライバルドNAOMI天下一(上北ふたご)開廷!こども裁判(伊藤みんご/山崎聡一郎/飯田亮真)新婚だけど片想い(雪森さくら)トロピカルージュ!プリキュア(上北ふたご)見下ろして、恋。(やまもと桃)魔女怪盗LIP☆S(壱コトコ/鏡はな)顔だけはイイ天沢くん(あかちひろ)王子が私をあきらめない!(アサダニッキ)予告

カードキャプターさくら
大きすぎるたこ焼きは火が通らないと思いますが。電子レンジなら?それも限度がありそう。いい漫才です。
なしくずしのダブルデートになるのか…
さらに兄まで…普通なら阿鼻叫喚地獄です。
こんなことが鍵になるとは思いませんでした。

どうせ、恋してしまうんだ。
ちょこちょこあることなんですね…
試合がなければ記録会、…野球とかバスケとかはどうするんでしょう。
昔から支えられていた…
「いつか彼女になる人です」はものすごいです。
ガリ勉の理由、それもまた面白いもので。
「無力な子どもより早く大人になりたい」この言葉もものすごい言葉。

千紘くんは、あたし中毒。
いろいろ楽しいことになりそうです。
二人とも二人きり旅行がよかった、というのは苦笑します。
いまはこういう旅行も難しくなっているんですよね…気がついたら旅館業も壊滅していそう。
温泉で期待したら男の裸には爆笑しました。で、なにこの過剰サービス…
合わせを直す…これはものすごいことを。
友達…ねえ…
完璧扱いされると孤独になるのが人間のややこしいところで。

シャーマンキングアンドアガーデン
シャーマンでなくても普通の人と仲良くするのって難しいと思いますけど?普通の人でいるのはもっと難しいんでしょうね。集団がジェノサイドモードになったらあれこれ考えずに虐殺する側にならなければならないぐらい。
そしてシャーマンの能力を用いる治療…もろ魔女裁判…
受け入れてくれる人がいる、それさえも争いの種になる…もう一段深い。
ジャックってまさか…と思ったら本当に。
でも、そんな殺人鬼の霊などより、魔女狩りの方がよっぽど怖いです。
すべての連続殺人犯が殺した人数の合計より、魔女狩り、ユダヤ人虐殺、民族浄化などで殺された人数の方が何桁も多いのは知れています。

ヴァンパイア男子寮
なかもう頭がいっぱいになったような。血糖値が心配。
で、金は?まあこの作品の人たちはみんな、ハリウイ店ごと買っても平気そうですけど。
小さいころの縁があった、わかりやすいですね。
もう何が何だか分からないのが正直なところ。

アンライバルドNAOMI天下一
ただ頑張る、輝く…それが光なんでしょうね。
サラさんのものすごい摂生と努力、これが描かれているのは素晴らしい。敵の強さを強調するほどに…
そして弱い部分を攻撃してくる、これもまた楽しみな地雷です。
いや一睡もできなかったら能力半減ですって。ちなみに飲酒だけじゃなく限度を超えた睡眠不足でも自動車運転は禁止だったはずです。
サーブ一つでこれほど…流麗、そしてすさまじい強さ。
本気になってくれていることがうれしい…だからこそいろいろな地雷が怖い。
どれほどのことが待っているのやら。

開廷!こども裁判
実際にやってしまった。それが拡散…これも法の根本問題ですね。
ちょうど、『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』が文庫化されたばかりでしたっけ。
悪いことをした人には何をしてもいいのか。今の日本では「悪人に人権はない」という『スレイヤーズ!』の言葉が、ものすごく根本的な規範になっています。悪いことをした人間にも、その家族にも、何をしてもいい。どれほど痛めつけても足りないし殺していい。
ネットの書き込みも、実際には匿名ではない…文書でも、今の警察の捜査を完全に抜けるのは困難極まりない…
最初の、「なぜわたしが「被告人」で」という言葉、人間の自然な道徳感情だけだと納得できてしまうのが最大の問題。
〔人間の自然な道徳感情〕それだと足りない、というのが立憲主義の、また近代法の根本的な主張。だからこそ、人間はそれに反発してしまう。いくつかのケースでは、むしろ国家や法が暴虐にさえ感じられる。
膨大な悪口…しかも本人が悪事の自覚があるからよけいにダメージは重いでしょうね。
日本国憲法31、法定の手続き…罪刑法定主義。先進国と後進国を分ける本当の壁。日本が不平等条約を押し付けられた根本的な理由。西洋法の本質の一つ。
ただ、「個人的に裁く権利なんてない」という言葉に対して、『復讐法廷』『さまよう刃』という二つの本も読むべきです。「個人的に裁く権利なんてない」が、どれほど重く恐ろしく、ある意味おぞましいものでさえあるのか。どれほどの犠牲を要求しているのか。
本質的には、国家という超怪物による暴力の独占。それまで当然だった、仇討や決闘などを否定することがどれほどの暴虐か。
さらに、国家、警察が信用できない場合は?警察だって本当に、絶対に正しいとは限らない。世界の多くの国では、警察に賄賂を渡さなければ冤罪で処刑されるし、警察が夜には強盗になる。日本の警察も冤罪を起こす構造を決して手放さない。
「正義は使い方をまちがえれば危険なもの」これだけでも読者の心に残ってほしいものです。
最後の解説も、正義の危険性を丁寧に書いてくれた素晴らしい文です。
自力救済の禁止…ただし、家族を殺そうとした強盗を殺したのに、それでも過剰防衛で実刑になったケースもあるそうです。また日本では、敗戦で米軍に「武装解除」された歴史、また憲法九条が生んだ政治文化などで、正当防衛に異様に厳しいという面もあります。今の日本の体制・法を無批判に正義と思うこともまた危険です。
この作品が終わるのはとても残念です。ものすごく貴重な試みだったのに。
ほかにもやってほしかった話は無数にあります。
憲法九条と、現実にある護憲派・政府双方の欺瞞。軍における服従と、どこまでの命令なら服従すべきか。原爆を落としたパイロット。正しい拷問はあるのか、拷問が何をもたらすか。ほかのあらゆる義務、国家そのもの。国家の怪物性と、無政府社会の残酷さ。いくつかの、西洋法の源泉……ユダヤ律法、ローマ法、ゲルマン民会……。日本及び中国における、西洋現代法とはまったく異質な法思想。イスラム法思想。
今回の話だって自力救済、冤罪、魔女狩り、仇討、名誉殺人、宗教指導者の命令による暗殺などさまざまな応用が容易に思いつきます。
まったくもったいない…これほどの話が…
次回作、どんな素晴らしいものになるか楽しみにしています。

新婚だけど片想い
手をつないで歩くだけでこんなにも幸せ…たまりませんね。
それ以上を期待してしまうのは苦笑しました。
で、仕事が多いと…うん、ワーカホリック夫は気持ちの有無とかは関係なしと。
そして仕事を増やす方面では快諾、と。
お迎え新妻…こんな素敵なものもない。新しい時代ではもう限られた男しか得られない分余計に。
いきなり裸を見てしまった、まあ笑うしかないですねえ。
そして押し倒されて期待したら…いや誤解ちゃんと解かないと!大事にしたいとか!
と思ったら「好きだから」と入れてくる…たまりません。さらにとどめに「キスとかしたいんですが」とまで。はは…

トロピカルージュ!プリキュア
今を楽しむ部…それはそれで楽しそう。
一番重要な、何が起きてもへこたれない、あらゆる理不尽に耐える、となると…自衛隊のひたすら長距離走+いきなり部屋を荒らされて無理な短時間で完璧にしなければ徹夜で罰とかの理不尽試練が正解…
いろいろなことをしたがってますね。こうしているのがいちばん楽しいでしょう。
こいのぼりもまた楽しそうですが大変だったでしょうね。

見下ろして、恋。
可愛いものにしか興味がない花ちゃんは身長175cm。154cmの瞬くんにヘアピンをつけようとしたり…
幼なじみでもあり、小さくてカワイイと思っていた。が、ある日バスケ部で活躍する彼を見て…
一読してとにかく呆然とした、というのが正直なところ。これほど素朴でストレートな作品だとは。
タッチもなんとも面白いです。
恋もまだで手芸好き、前のページでは十分カッコいい男の子にヘアピンとかいう飛び具合でまず呆然。
彼女の中での彼、としっかり描く分かりやすさ。
と思ったらすごくカッコいい、なぜこっちの面をずっと知らなかったのか…「尊い」とか「推せる」とか、ずいぶんそういう言葉も変わったものです。
届かないなら踏み台があるんですが…恥ずかしいですよね。
本を取るシーンもまた映えます。
「デカけりゃよかった」「自分の好きなアクセサリーとか似合う子に」とお互い素直に言うのがすごくいい関係。
頑張ってるのは認めてくれる…男の側の気持ちもしっかり描いているのがまたポイントが高い。
気分の変化、そしてかけてくれた服に彼の匂い、ここからの畳みかけが完璧に基本通りで最高。
ハンカチの柄という小さい部分が素晴らしいです。
山田先輩自体が出てこないのは少し寂しいです。
告白シーンも自然で、とてもまろやかな感じで…圧力鍋でしっかり煮込んだタマネギの味のような。
ヘアピンのシーンもまた素晴らしい。
とにかく滋味、という感じ。ラストで抱き上げてしまうのも苦笑はしましたがすごく納得する感じがします。
確かに実力は素晴らしい、とても楽しみな作家。

魔女怪盗LIP☆S
扉絵は血まみれ感が素晴らしい。
そろった女の子たちの華麗なこと!
ここで正体がもろにばれて…この回想がまた素晴らしいです。
「おれに捕まれ」…セイントテールを思い出します。オレのものになれに等しい。
神、…いろいろな神話のクソとしか言いようがない奴らならそれぐらいやりますね。
さてどんなクライマックスか…

顔だけはイイ天沢くん
モデルもしていて顔の良さと塩対応で知られる天沢くんが、いきなり窓から落ちてきたかと思ったら抱き寄せられた詩織ちゃん…女の子から隠れたかったからかくまってほしい、と。
ミーハーをむき出しにした彼女に、盗撮の罪を出してきた彼。「なんでもするので許してください」と言った、それでまた窓を割ったボールからかばってくれ、さらに「おれの彼女に任命する」と…
冒頭部、どうやってそんな男に縁ができるのか、何が起きたのか…というかクラスメートだけどモデルもしている、というのは説明してほしかった気が。あと主人公の名前がなかなか出てこない…
なになに、と思うわけのわからない展開。一瞬後に考える余裕が出て、やっと彼の動きの意味が分かります。この超スピード感はたまらないものがあります。
顔がいい、と叫んでしまい、さらにこの熱い叫び…うわあ、とあきれました。
警察に…「鬼!!」となったところでまたかばってくれる、なんというか天丼の面白さ。かばうシーンがキスしているようにすら見えます。
「女の子なんだから」と扱ってくれる、これも後になるとうまく効きますね。
さらに「彼女に任命する」、そうきたかと。
冒頭部がなにがなんだかわからず次々いろいろあるので、どのパターンになるか考える余裕がない。しかもきっちり男女両方心の動きも仕込んでいる。実にうまい。
早速任務…これ、かなり過酷な任務なのでは?声かけてきた女性もすぐわかるでしょう。
「外見で人を決めるの好きじゃない」とか、しっかり男の内面を出す言葉を積み上げている…表面の流れが激しいから見えにくいですが。
「世界でいちばん天沢くんのこと見てるもん」もまた強烈なセリフで…「中身見ようとしてなかった」もさりげなくやってくれます。
スマホでの「炭酸買ってきて」「部屋着の自撮り」…これがまた苦笑。これ一つで、偽彼女の時間がしっかり見えます。
そして、本当はいろいろなことを知っているのに、人に言いたくないから顔だけと言って別れを告げられる、ここがまたお見事。
逆に男の側からもそれがどれだけ傷ついたか見えてくるのがまた…
それで削除したフォルダ、これはまた見事でした。
正直序盤ではあまりいいとは思えませんでしたが、読み進めるうちにどんどんよくなっていく。素質は本当に素晴らしい。
これからこの素質がどれだけ伸びるか…次回作があってほしいです、他の雑誌でも。「なかよし」はもう育てる気皆無ですし。

王子が私をあきらめない!
「誇りを傷つけることになる」というのが素晴らしい。
気になる…単なるゴシップ好きでは?
武器を捨てて手を…はは。
政略結婚についても話せる人がいていいですね。まあ恋愛結婚でも不幸になることはあるし政略結婚でも幸せになることもあると。クリスティの何かに、どう見ても財産目当てだろと言われた若い嫁が実際には最高だったという話が…現実にもそんな話ありますね。
「自分の目で」「ついていってあげる」という野次馬根性が大笑い。
男役もできる身長…
取り押さえられましたかw
そして聞こえないところで男の別の面…これはやばい。
さてどうするのか…いやもう「もうちっとだけ」モードな気もしますけど、だからこそ好きにやれて楽しいというもので。

月号の読み切りも楽しみです。いや少しは読み切りがないと雑誌が終わりますって。

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