なかよし2022年9月号感想
シンプルな表紙、でもとにかく薄い印象が…
スパンクの付録は実に嬉しい。
四コマ連載まで、それもたかなし先生本人!これはうれしい。
ホラー前編などいろいろと詰めてきますね。
ただ、「なかよし」のホラーの伝統がどれほど乱暴に切られたか…何よりも夏増刊がないこと、オムニバスコミックさえもやめたことで。連載枠一本、毎年夏に別冊付録で読み切り三本、それだけでも維持し、新人賞で二年に一人でもホラー新人をデビューさせるだけでも維持できたのに。
全滅した海軍は戦艦をいくら買って徴兵しても伝統を再構成するのに膨大な年月が必要、一度伝統・積み重ねを断ち切ったら、それこそ編集にだってホラーを評価する能力は事実上ないはずです。
僕自身はホラーは嫌いですが、幼年少女誌にとってどれほどホラーが大切かはわかっています。「ちゃお」がホラーで伸びたのだということも、「りぼん」にとって「絶叫学級」がどんなに大切かということも。
カードキャプターさくら(CLAMP)新婚だけど片想い(雪森さくら)デリシャスパーティvプリキュア(上北ふたご)東京ミュウミュウオーレ!(青月まどか)千紘くんは、あたし中毒(伊藤里)香るわたしにキスをして。(壱コトコ)キミしか推せない(咲良香那)ぴちぴちピッチ(花森ぴんく)偽り姫の内緒ごと(桜倉メグ/雨川透子)呪われの本(みこまる/五味弘文)放課後の声(美山るこ)ギフテッド(雨宮理真/天樹征丸)次号予告
カードキャプターさくら
不幸…四苦八苦(仏教用語)?
歯車と階段と極端な三次元構図、CLAMP先生らしいです。
巨大な鳥と魚を合わせたようなのもレイアースを思い出します。
この階段を上るのは絶望しそうですが…
水竜どうしの争いも面白い。
一つ一つの絵が何を意味しているのか、考えるのが恐ろしくなります。
招かれざる客である小狼くんは実に大変…
クラスメートが出てくる、どこが劇なのか、というのもややこしいですね。
世界、という言葉の奥の深さ…
針と糸、アリアドネの糸…
さくらのために跳ぶ小狼、ひたすら迷っている…
「鏡」?
そしてどこに行くのか…
どれだけ深く掘り下げるのやら。それこそ魔法書や神話のような作品です。
新婚だけど片想い
妻の前でひどいことを言いまくってますねえ。
髪や体そのもので語らせる技術がすごい。ボリューム感のようなものがかなり高い。
「自分でいいのかなって」「それオレに言う」が苦笑。どんどんおごりが増えていくのも優しさですね…
対局が終わってからの食事、これも何とも言えないものがあります。
「皐月以外と結婚する気ないし」やってくれましたね。さらに名前…
相当この作品質高い…知られていないのが残念なぐらい…
デリシャスパーティvプリキュア
また何か月の内容を一ページに…
歓迎会、また楽しそうです。
いろいろとお菓子モチーフの遊び、これも楽しそうです。
食べ物しりとりも楽しい。
中華が「ん」に行きやすいのも面白い。
東京ミュウミュウオーレ!
元に戻してしまう力…自然も回復力があります。街路樹でも切った木の根株からすぐに芽が生えるように。問題は今の人間活動が回復力より多いということで。
あ、戦死者たちも…
「人間には未来を変える力があるんだって信じたい」これがすべてですね。それを信じなくなったら、人間はただの愚だ、としてしまったら事実上すべてが終わる…
今の人の大半は何も考えていないか、あるいは子に銃の撃ち方を教えますという学者たち…
これ以上傷つけない、という意思があったとしても手段が問題になるんですよね。ひたすらSDGs・風力太陽光と先進国人の改心を訴えるか、さらに過激な『人新生の「資本論」』か、それとも科学技術の進歩を信じるか…原子力を使うか、さらに気候工学を使うか、という問題。
キスでの復活もお約束で素晴らしい。
涙する唇がしびれるほどの美しさ。
エイリアンを受け入れる方向とは…
さらにそういう方向で活躍を続ける、…逆に軍や犯罪組織に撃たれそうな地域も世界には多数あります。そちらで戦いが続きそう。
出動をじっくりページを使って描くのもうれしいところです。
思いがけない形ですごい名作が生じてしまいました。
青月先生の新作、ものすごく楽しみです。どれだけ実力の高い作家かみんなわかったでしょう…
千紘くんは、あたし中毒
かなり宝塚願望があるタイプでは…
軽い態度でいながらかなり深くはまりつつある、見ている分には楽しいです。
体力がいる…アパレル系もブラックの話が絶えない業界です。ユニクロなどはかなり無人化が進んでいますが…五百円しない商品に使い捨てられる非接触コンピュータ入りタグというのも恐ろしい…
この挑発は押し倒すしかないですよねえ。
さて、というかまだやってないんでしょうか?何度もそうなったような感じが…
香るわたしにキスをして。
夏の外出は拷問としか思えないのが悲しい。いや彼女がいる大学生なら別…いや、今の現実の大学生は一年の時から就活がすべてで遊ぶ暇なんてないでしょう。
「見せて?」は絶妙なシーン。さらに脱がす…
…相当スタイルいいですよね…
ボディオイルでも香りがある、これも面白い使い方です。
とんでもない体の美女、これは楽しみな展開です。
そしてピアスを探して…いや遺失物のところに行く方が…
そりゃここまでしてもらったら吹っ切れますよね。
そして崖…というか今更ですが、なぜ砂浜の近くには常にちょうどよく崖があるんでしょう。…砂浜が、岬と関係してできるから?
さて次回はどの時間から始まるのか、このすぐ続きからか、別の日か…
キミしか推せない
アイドルファンの藤原あかりちゃんがある日、学校で有名な美形優等生の志月星波くんにぶつかった。
と思ったらその美形が自分のバイト先の新入りに。感じは悪いけど覚えはいい。
関係は悪いけど、助けてもらったり出待ちされているのを助けたりと、仕事上の関係は悪くない…
少し気になる程度だったのがあるコンサートで、なぜか隣に志月くんが…
稼いで積んで…ホストや宗教に貢ぐのと変わらない構造ですね…サンクコストがたまって抜けられなくなるんでしょうね。サンクコスト。払ってしまったけどもういらない、というときの失った金。もう失ってしまった、取り戻せない。それに執着したら地獄を見ることに…ギャンブルはそれで無限に金を失う。宗教も売春も、いや軍隊や悪質企業、犯罪集団の洗脳も。金も生命も、魂すら奪うのがサンクコストという、人間のバックドア。
たまにでも目…宝塚でとてもよく聞く話です。お気の毒に。
出会いで、てっきりそのアイドル本人にぶつかったと思ったら違う、ここは少し予想を外されました。
バイト先での再会から、仕事ではどちらもしっかりしていて良好な関係、個人としては塩、という関係が面白いです。
最初に髪飾りを見て目を背けたのは何の伏線か…
重いものを上に収納すること自体が間違いですね。再発防止を訴えましょう。まあ下は下で腰を痛めるリスクがあるのですが。
忘れ物か、という荷物関係も繰り返されるのが面白い。
学校ではスルー、助ける…これが何度も繰り返されるのも楽しいです。
手をつないで歩くのに全く感情がないのもある意味すごいかも。
そしてしっかりお礼はある…本当にどちらも礼儀と社会人意識が高いですね。
いじめられているオタクの男子を助ける、これはこれでかなり勇気が必要な行動ですよね。
気になる、が増えていく、と読むと本当にしっかり描かれています。
で、…どういうわけでここにいるのやら。
すごく構成が面白い、これからが楽しみな作品です。
ぴちぴちピッチ
新たな歌、アニメだったら…いろいろと。次回以降のOPとか。今は声優ライブも多い…
すごいのが出てきた、という感じはしっかりします。
さてどこに飛ばされたというか服はどこから出てきたのやら。
偽り姫の内緒ごと
国が亡んだら自分も、というのは王朝末期の権力闘争では全員耳ふさいでるんですよね。
探ることを禁じる…蒼焔が知っているよりさらに上の情報がある、という可能性は?
まあどうせそれはそれで自己犠牲でしょうけど。
信じるという手もあるのでは?信じていないのでは?
いや簒奪して粛清して返す、って成功例ありましたっけ?
昔の話…
皇帝自身をだます、いやいっそ全部打ち明けるほうがいいと思いますけどね。
皇太后による簒奪が成功するに賭けるでしょうね、この国のほぼ全員。龍脈?それまでに財産集めて別の国に逃げればいい。
呪われの本
靴を脱いで入る新感覚お化け屋敷、怨霊座敷。
嫌がっているアカリちゃんと、大丈夫と言っているオカルトマニアのサエコちゃん。
怨霊が本を探していて盗んだ人を閉じ込める、という話、直後にアカリちゃんが本を拾ってしまい、サエコちゃんが慌てて係員に届けた。
現実のお化け屋敷のアトラクションとのコラボ、というのは面白い。
ヘッドホン…夏は地獄でしょう。本当になぜ、パッドが金網になっていてどんな汗をかいてもいいヘッドホンが売られていないのか。
いや白粉なんて昔は水銀に鉛に…さらにトファナ水という…
床下に埋めるのはどうなんでしょう?動物が掘り出してばれるリスクは?
落ちていた本を…考えない、というのはいい防御法かもしれません。
寝床になってから一気に絵柄が変わって緊迫感が出てきます。
二転三転するのが苦笑、というかこれ連れて行ったサエコちゃんの責任重いでしょう…
放課後の哭声
日直でものを西棟備品室に運ぶ浅水ひなたちゃん。
ふと隣の部屋が気になって開けると、何かがお札で封印されている。
気が付いたら男子に介抱されていて、別に何もないと…
学校に忘れたものに気付いて戻ったら、校舎に閉じ込められ誰もいない。
落ち着いた無駄のない絵ですね。
何となく気になって開けたら、で返事をしてしまって…
今は誰もがスマホという小さい明りを出す装置を持っているのが便利です。
すごい封印ですが、ここまでやるなら物理的に開かないように…
子供の顔の怖さはすごい。
で、今回は無事…この男の子がまた悪霊じゃと思ってしまいます。
「知らない。」というのは怖いです。
この時間に学校に戻るのはきつい…今グーグルマップで確認したら歩いて片道15分…
何度も簡単に怖い顔が出ますね。
なぜ封じられたこの学校に彼がいることができるのか…いや結くんも何度かあれを見たのか…というか名前を聞くとか会話もしていたって…
学校図書館というのもすごい情報量ですね。いや、こういうのが多数あれば、逆に多少燃やされてもどれかが生き残るかもしれない…西洋で修道院で多くの本が残ったように。
次回はどちらなんでしょうね。これでバッドエンドだったら意外です。
ギフテッド
事件じゃなく、ホテルの華道発表会…
こういう形で昔の知り合いに会うというのも辛い。
家を出て、行き場がないのをうまく和洋折衷を立て直す…すげえ。
西洋では花を飾るというのは、日本のように華道とするのは…茶を飲む、を茶道にする…中国では?インドでは?イスラムでは?
無礼な態度を取っているという時点で終わっているんですが…
苦しみ方が実に見事。
茶を捨てる、って証拠をいじるな…
犯人が分かっていて逆算、フーダニットが消えてハウダニットホワイダニットだけに…
来月はうさぎ先生の新連載に電子からの出張と、連載終了が多い分変化があって楽しみです。雑誌が薄いのも何とかなればいいんですが。