なかよし2024年10月号感想

付録で品切れになるほど売れ、電子で無料公開する…なぜ重版しなかったのやら。

そしてなぜこれがそれほど売れたのか。
「しゅごキャラ!」というコンテンツが今もそれほどの人気だったとしたら驚きなんですが。

今月号も同じ発想の付録と表紙…これからは「さくら」のかわりに「しゅごキャラ!」?

前回の感想では次回予告の読み切りを見落としていたみたいですね。すみません。嬉しい喜びです。

ギフテッド(雨宮理真/天樹征丸)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)わんだふるぷりきゅあ!(上北ふたご)魔王メイドは女王の秘密を知っている。(遠山えま)プロミスオブスターシード(立原翠十/小麦なぎさ)花に噛みぐせ(壱コトコ)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)変幻の半狐(いくたはな)お嬢サマは初恋にご執心(丸太菜摘)お金のコンパス(伊藤みんご)高鳴れ!!ゆゆちゃんの恋の一矢(iM:O)次号予告

ギフテッド
思いがけないことになりましたね。それでも虫が飛んでいる…
「なんならご一緒させて」と、それができる人って相当すごいですよね…
これで三千円は安い。
小麦粉で足跡が出ないようにしてアイスピック…いやアイスピックがこの深さだと致命傷にならないのでは?普通より長いのでない限り。
いや裏から近付けばいいし、上からワイヤーアクションで…
こっちでも思いがけないことになっていますが…
普通に文明生活で育った人は人を殺したがらない、その心の壁を壊す技術を手に入れるのは現代軍も苦労したんですけど。

しゅごキャラ!
メカクレとはやってくれますね。
スマホ…いや説明聞いてなかったんでしょうか?
あと、その旨を連絡する時間をくれないとトラブルになるのでは?
校内端末…
しゅごキャラそのものを学科に入れている、たまごが統一されている…怖いですね。
なりたい自分、欲望さえ統一する…ユヴァル・ノア・ハラリの世界に。
ポイント…
アルカナ、はタロットカードの用語なのにトランプ?つまりその関係のように裏がある?トランプはタロットカードの小アルカナを変形させたもので、普通タロットカードと言われてイメージする大アルカナは隠されている…
剣、ワンズなどはタロットカード小アルカナ。トランプでは隠されているものです(スペード・ハートなどに対応します)。
メイクものの要素も入れるのでしょうか。
風呂シーンのサービスまで…
とにかく読者サービスに溢れた作品です。
…「トランプに隠されている大アルカナ」これはこれで面白いオカルトのテーマになりそうです。

どうせ、恋してしまうんだ。
すごい表現力ですね、つくづく。
こういう古い大型集合住宅は、今の眼で見るともったいない気がしてしまいます。でも当時の技術ではこれが限界だったのでしょう。
試合シーンも難しいでしょうに、お見事。
コロナの影響で無理を…これはまた現実にありそうな話です。大人としては世代ごと捨てたほうが楽でしょうね。切る理由を探しているのが大人ですから。
忘れられない、ということは…

わんだふるぷりきゅあ!
ゲームの紹介とか、そういうのがあるのがこういう作品の面白さ。
動物と人間…工場畜産とか動物実験とか…早く細胞培養とシミュレーションで不要な技術水準にしましょう。人類全部改心させるってそれろくなことにならないので。…奴隷制廃止、というのはあるにせよ。
「もう遊んでくれなくなったら」なるほど。これはうまい。
以前のメンバー、これは嬉しいサービスです。マジンガーや戦隊など、オールスターができるのも子供向け長期シリーズのいいところ。
…そのときには寿命だと思います…

魔王メイドは女王の秘密を知っている。
枕の下に短剣、さすがにいいたしなみです。
いや即口封じしないと…
こちらも素性を打ち明けて…ちゃんとアドバイスしてくれる、いい人ですが…王族が善人であることはむしろ…
影武者の苦労は笑えます。
ここで…全部ぶちまける?
普通に裏切りですよねこれ。
特に悪人はいないですがいろいろな思惑が…いくらでも悲劇にできますけど。

プロミスオブスターシード
すっきりして面白い扉絵です。
字が小さい…担当者は泣いたでしょうね。
これで「超特別なイベント」というと炎のゴブレットを思い出して嫌な予感が。
ローズのアロマは鎮静最強で値段も超絶ですからねえ。本物なら。
それぞれの個性が面白い。
ちゃんとバレエの授業あるんですよね、この学園?無かったら終わってますよ。
きっちり合わせる…
さて、何が正解なのか。勝った者が正しい、と。

花に噛みぐせ
好き嫌いのある子にはバイキング形式はありがたい。
すごい嫉妬の強さ。よっぽどおびえてますね。
雪の結晶のキャンドル、何気なくすごく難しい技法を連発してますね。
お気の毒に…思いっきり限界だったようで。

千紘くんは、あたし中毒。
ちゃんと言ってくれる…
大きいチャンスですが、経済的なこともちゃんと考えたほうがいいでしょう。
間違ったことはするなよ、と言いたくなります。
ここで彼女にも…とんでもないチャンスが、強引に二人の道を別れさせようとしている…
本当に経験というか実力が高い、それを実に丁寧に。絵そのものの透明感も魅力的です。
それでモデルを決意し、彼も…嘘をついて傷つけるよりずっといいですよ。…ラ・ラ・ランドを思い出してしまいますが。

変幻の半狐
代償は払う…どんな代償なのやら。皆も迷わず賭けますね。
敵の強さもうまく出してきます。
生命力を使い切るつもりで、支配の力…でもそれに対策があったら?
自分の負け筋に対策をしていないとは…
まだ勝っていない、相手のターンが続いている、ここは面白い。

お嬢サマは初恋にご執心
明らかにカロリー過剰な気がします…ステーキってカロリー過剰を避けると悲惨なぐらい小さくなるのが欠点。
ジンクス、というのも面白いですね。どれもよく考えられている、適度な難易度です。
フランス語をちゃんと学んでるというのは素晴らしい。昔は貴族の国際共通語でしたし。
あ、習ってなかったんですね…辞書引きながら読むことは?
「あの人にわたしのこと」ここでこれをやってくれるとは。で「本当の彼女になっても」…うわあやってくれます。
ピアノのシーンは素晴らしい。迫力も高いです。
両想い、でも「ドロドロで重たくて」と…こうきましたか。
これはとても面白い作品だと思います。ここから、本物のどろどろした思いを受け止められるまでの成長を10話ぐらいじっくり読みたいぐらいです。

お金のコンパス
前回、感想を書いてアップロードしてしばらくしてから気づいたこと…前回の、アイデアポイントカード。
それは、脱成長に反する態度です。
アイデアはもうない、求めること自体が禁じられる、というのが脱成長・定常文明の、隠された前提なのですから。グレタの夢のようなことを言うな、考えるな、という命令も。

実際には、必要十分な成分だけでもっともコスパがいいハンドクリームを調べる、って無理なんですよね。だから宣伝で見るか、店頭で一番目立つところにあるか、子供の時から使ってるものか。
のえるさんはハンドクリームの評論家でしょうか、というのが…ふふ。「違いがわかる男 ゴールドブレンド」は見事なCMでした。
苦手な香りがある人っていますよね。相当ダメージ大きい。
レビューサイトで見比べる…その時間も時給換算しましょう。その時間に和歌ひとつ、英単語ひとつ覚えるだけでも違います。
「確証バイアス」、なるほど。
それを見せるため、ショッピングモールで興味がある店しかない、パーティで興味がある単語しか耳に入らない、これは素晴らしい。この表現はなかなか思いつかないですよ。
情報を選んでいる、なら極端な例としてゴリラの話もありでしょう。
カクテルパーティ、ハロー、としっかり関連したことも。完成度高いですね。
多くの売れるハンドクリームなどは、大きい店なら「お試し用」もありますから…苦手な香りがある人は確認するほうがいいでしょう。
コンパス…これは素晴らしい。…クリティカル・シンキング、論理、もそれに近いと思います。でもコンパス、というのが一番いい表現。
ただ、コンパスと思っていたのが操られていた、ということも現実にはたくさんありますから…国に逆らって自由を求めたつもりがソ連に操られていた、とか。

高鳴れ!!ゆゆちゃんの恋の一矢
千年に一度の美少女ガール(自称)愛々咲ゆゆちゃん…でも彼氏がいたことがない。
ある日、スカウトかナンパのあんちゃんに泣きながらそのことを言って、彼は近くを歩いていて流れを見て笑ったイケメンとくっついちゃいな、と言って逃げた。
「ありえねぇから」と去るその男…
怒り心頭のゆゆちゃんは翌日、彼氏を用意すると言われるが、顔と性格のギャップを控えろとも言われる。
カラオケでの3ON3決戦…

美人なのに彼氏がいたことがない…はは。というかマンジはとってもまずいですって日本の伝統的な公式地図記号さえ逆なのに許さないんですからあいつら。
さすがにこの作家、このめちゃくちゃな画面。前作でぶっ飛ばしまくりましたからね。
このお兄さんもすごいキャラ。
顔と性格のギャップ、これはわかりやすい。
「人が欲しいわけよ」を「あOKだって」とスルーしてる友達、いい性格してますねえ。
カラオケでの決戦…二人のほうが得をしている、は苦笑。苦行…ひでえ。
「媚びてる感じ」の画面がものすごい。
で、南無…お気の毒に。まあ人選ミスで…ふたりの般若顔がまた大笑い。
媚びてもダメ、素でもダメ、って確かにどうしろよと。詰みですね。
で、ゆきずりの小学生を相談相手にするというすばらしさ。これは正気じゃ思いつけないですよ。
「絶対僕の兄だね」は笑い転げました。
…こんなことで彼の深いところを知れるなんてたまたま飛行機事故に居合わせて極秘書類を拾って追われるぐらいのありえなさ。
で、ここで兄上。やってくれます。「にぃちゃん 帰ったらたっぷりお話し」…これがまた大笑い。もうこの小学生が主人公でいいよ。
「弟くんに叱られたから謝罪」という悲惨。こちらも謝る…で、アフタヌーンティーで誠意、と…顔が「好」と爆発するのも素晴らしい表現。
「あさとよいがあんたに話」という死刑宣告。
それでソワソワチラチラからの大告白、やってくれたものです。
「あたしも“今”のあたしが」というのは素晴らしい。
これで「良き友人」という鬼畜な…で、いつ気づくのかと…
この表現の、本当にあり得ないぶっ飛び具合。そしてテーマの普遍性の高さ。まさか、というような調和。
もっとこの実力、多くの読者に知られてほしいです。

月号は新人読み切り、これは嬉しいです。

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