なかよし2024年12月号感想

肌がものすごく白いのがまず目につきます。

付録は面白いコラボですね。薄さにびっくりしましたが。

花森先生はどうぞお体大切に。

僕らが春を告げる頃(アメノ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)わんだふるぷりきゅあ!(上北ふたご)プロミスオブスターシード(小麦なぎさ/立原翠)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)新婚だけど片想い(雪森さくら)魔王メイドは女王の秘密を知っている。(遠山えま)変幻の半狐(いくたはな)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)花に噛みぐせ(壱コトコ)ギフテッド(雨宮理真/天樹征丸)お金のコンパス(伊藤みんご)次号予告

僕らが春を告げる頃
小さいころの期待から、さらっと何でもできる「みんなの恵比寿くん」を目指すようになった…
バスケでも努力はしてきた、のに目黒くんはそのさらに上を行く。
ただ、がむしゃらな努力を表に出すのは求められていない…と思っていたが、女の子にシュートフォームから努力を見抜かれた。
その女の子を、目黒くんをだしにして誘った彼。

冒頭が男の回想、というのも面白いですね。
クラスで1番、というのは逆に開成のビリは選ばなかった、ということです。
全部飛び越えてきた相手がいる、でも「求められてねえし」と、これも自分を制限するのが伝わってきます。組み立てがうまい。
ここで女の子が出る…シュートフォームから努力を、これもうまく話を動かします。そこからのいくつもの無言のコマの組み合わせもいい。
彼女を誘っている、どれだけ真剣に落とそうとしているのか、どういう具合なのか…彼のこれまでの女性関係…そのあたりが見えにくい、でもその分想像させる、というのも面白いポイント。
いきなり膨大な白抜き心言葉なのも面白い。
「自分で拭け」とかコピーがオフセットになりそうな。
恵比寿くんの心情、もっと、と欲があるけれど…好き、彼女、となっていないのも興味深いです。
「あの子はお前が好きで」と、結構丁寧に言葉にする、なんというか…前半の試合の忠告とか、この男子二人が本当に互いを思いやってる…
ここで「優しくあろうとする人を悪く言うのは」と、ここから試合にかなりのページ量を割くのもいいですね。
最後、強引に抱きしめる…ここで第一回を終えるというのも大胆な構成です。
…ただ、この学校が寮があるにしてもどういう学校なのか…バスケのどの程度の強豪なのか、勉強面でもどれだけ要求されているのか、それが見えにくい…ちょっと欲張りですが。
特にバスケシーンの質の高さは恐ろしいほど。楽しみな作品です。

しゅごキャラ!
何をしているんでしょうねえ…
スマホの重量の暴走はばかばかしいとしか思えません。親は重いからずっと首にかけてられないと言います。それで倒れて119できず死んだらアホにもほどが。
軽量子機があればいいのに。
次々と華やかな変身画面を出すのはわかってますね。
唯世くん、相変わらずやりすぎなまでに。
大画面で思いっきりテーマをぶつけるのもわかりやすい。
たまごごと消えてしまう、というかあれだけ虐待しといて…
イクトの登場はまさに千両役者。

わんだふるぷりきゅあ!
告白に対応できない…はは。
犬猫に相談したらえらいことになりそうで。
前の飼い主、というのも重い話です。そういうのをどうにかする方法もありそうですが、法や世間が許さないんでしょうか…家事ぐらいはできる準ひきこもりが、複数の買い続けられない飼い主の信託金で生活しつつある程度多くのペットを世話し、監視も受ける、と。
思いがけない形で気持ちが動きますね。

プロミスオブスターシード
酷いことを…
変わっていく、さて何が正解なのやら。
ややこしいゲームルール説明…これは好きな人は好きだよね、としか。
お遊び、ならなぜライオンは常に強いんでしょうかね。
ライオン側もものすごく極端に描いています。それで闇が深いから飲まれる、高評価の理由、など描くべきことはしっかり入れていますね。
他の寮も出すのが面白い。
本当の問題は、日本は里親が非常に少なく施設のままの子が多いことです。そのせいで平均収入も極端に低い、情緒も学歴も低い、資産もないので。

どうせ、恋してしまうんだ。
ははは…もう土下座してあいさつしたら?
「一方的にふった元カノの部屋で」うわあひでえ。
父親の姿を無言で描いているのが素晴らしい。
とんでもないことになってますけど…なんというか誰が悪いんでしょう。
男女逆ならハーレムルートにしろと言ってやれますけどね。

新婚だけど片想い
どちらも頑張ってますねえ…
AIと囲碁、そりゃ関心は強いですよねえ。漫画家も某所のAIイラストの氾濫を見れば…
ハワイは無理でしたか。あらら。
熱海…なんというか、日本の高速道路ってあちこち絶対足りないですよね。三倍は必要だったところが多数。今度千葉方面はできるそうですが。
やっと思いっきりキス、と思ったら…不安が長引きます。
「まいご?」と言われたのはうまい話の転換。
「嫌だ」となって「お母さん」…やってくれました。
これで泣き出すとは…
これはまた最高のエピローグ。次回作も楽しみです。本当に大きい作品でした。

魔王メイドは女王の秘密を知っている。
短剣の隠し場所、ここは抜きは早いんですけどね。転んだら鞘の素材によっては尻を怪我するか、鞘が頑丈なら最悪尾てい骨。さらにもう一方の手が無駄になり、二本必要になって重い。
みんな強いですね…
と思ったら結構あっけなく。いくら忠誠のはずでも利用されてますよ…

変幻の半狐
ここで決戦ではなく言葉を…
案外あっけなくすんだものですね。
それぞれいろいろ面倒な…しかもあっさりと。
この力を消さない、って他に利用したがる悪党が出てきたら…
最終回がとことん薄味。リソースが膨大な作品でしたが。
こういう本格派もあると雑誌は締まりますね。
次はどんな作品になることやら。

千紘くんは、あたし中毒。
薄絹のような柔らかい光に満ちた、恐ろしく無駄のない画面。これも今の少女漫画の表現力の最高峰ですね。
振り返って頭を下げるのが…
「結婚しようか」までやってくれますね。
今回の表現の凄み…こっち路線の技術もどんどんエスカレートしてます。

花に噛みぐせ
なしって…
夏休み、何が楽しみなのやら。もし僕が心配なく丸ひと月休めても、特に楽しいことがあるわけじゃないと思います。…いやむしろ冷房費の負担で死ぬ…
無数の風鈴のシーンはお見事。
記憶が戻る?
短冊を見て抱きしめる、そして手を…
どうなるんでしょうね。

ギフテッド
どこにそんな金があるんでしょうね割と本気で。
いろいろな思惑はある…
クマの描写がものすごい、となると木の描写もすごいことがわかります。
やたらとすごい行があるようですが…
「倭人の源流が持っていた」って『花と火の帝』の世界に行ってますね。というかこの流派は天皇とは無関係?
本当に来てくれるとは…
「最先端の物理学とかは」ってみんな言いますけどね…本当の最先端の人たちは?というか今物理学の最先端ってどこにあるんでしょうね。深いため息。
総選挙で自民がぼろ負けしても何の変化もない可能性が高いのに?
そういう存在だったんですね。でもこの会話を聞かれていたら?
さらにGHQやソ連は、そういう存在を野放しにするほど甘い存在だったでしょうか?
抜け穴…あ、死んだな、と思ってしまうのが悲しい。外れてほしいです。

お金のコンパス
また新章、今度は何をするのでしょう。うまい続け方です、行動経済学をやって、次。
カネ(黄金と区別すべき)なんて文明が崩壊したら…『北斗の拳』の冒頭。
新札が出て古い札は?これは素晴らしい切り込み方です。日本もアメリカも、物としての貨幣を作ること自体が相当大きい産業。
さらに歴史を見れば…ヨーロッパ、中国も、貨幣の生産がどれほど大きいか。中国を苦しめた銅不足、銅の使用禁止令が陶器文化を大きくした、錫の分布、など。というか本当は同等以上の歴史が、サーサーン朝・イスラム、インド、そしてオクスス・ヤクサルテス流域から中国北方に至る幾多の遊牧民帝国にもあったはずなんですが、その歴史はほとんど無視されています。
新札になる前、普段だってあれだけ酷使されていれば、ボロボロになる札もある…それは処分して新しく紙を作って印刷しないと、当たり前ですが考えもしないことです。
大金を手に入れたら、これはうまい。これまでもいろいろ経験しているからこそ理解できそう。
…無人島…なるほど、一発で分かりやすい。
原料を作る仕事の人が見える、というのは『ドラえもん』の、ノートが木になるライト、に似ていますね。生産者の姿を見せるのはよりわかりやすい。
膨大な仕事の集まり、その「協力」が作り出している…
ここで皆にも考えてほしいこと、僕がここしばらく考えていること。知っていたらだれでも教えてほしいこと。「協力」はとんでもない力を生み出す。でも、ヨーロッパと日本は、一度「協力」がある大きい国…ローマ帝国・大和朝廷…があったのに、それが崩れて中世になった。小さい領土の中で完結してしまい、互いに争った。
同じ時期、中国や中東は、何度か帝国が滅んでもまもなく帝国の形に戻った。インドや中央アジアは単に知らない。
なぜ?
これから新しい勉強、お金をあえて主役から外す?別の授業?何を始めるのか…楽しみで爆発しそうです。
この作品、もっともっと注目されてほしい。書店の経済の棚に置いてほしい。どこまでやってくれるか。

月号は新人読み切り、実に楽しみです。
そしてアニバーサリーカード。でも今・最近の作品が多いですね。かろうじて「なな色マジック」「おはよう!スパンク」はありますが、「キャンディ・キャンディ」「すくらんぶる同盟」などあってほしい作品が数多くありません。やや後の時代でも、「おとなにナッツ」「地獄少女」などが抜けているのは納得できません。
昔の作品は、作者が故人なのは仕方ないとしても、どれも見たことがあるイラストばかり。

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