なかよし2024年9月号感想

なんでこんなことをするんだろう、というのが正直なところです。
いや、確かに「さくら」頼りがそれなりに成功したんでしょうけど、ならミラクルガールズでもなな色マジックでも…

いや今実力がある作家たくさんいるんだから中国SFでも…

付録の小ささにもある意味驚き。

しゅごキャラ!(PEACH-PIT)花に噛みぐせ(壱コトコ)新婚だけど片想い(雪森さくら)プロミスオブスターシード(立原翠十/小麦なぎさ)お嬢サマは初恋にご執心(丸太菜摘)わんだふるぷりきゅあ!(上北ふたご)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)ぴちぴちピッチ(花森ぴんく)魔王メイドは女王の秘密を知っている。(遠山えま)お金のコンパス(伊藤みんご)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)おとなりさんはキスより甘い(咲良加那)好きな気持ちは止められない!(みかわ蜜柑)次号予告

しゅごキャラ!
伊能忠敬や北条早雲みたいに老人になってもたまごをもってた人もいますね。小沢一郎も持ってるみたいですが、悪い結果ばかりで特に最近は何もいいことがない…
…僕にとってはお久しぶりですが、読者の大半にとっては全然知らないでしょうね。
自然に小さいのがいて、少し動かしてから説明、というリズムはいいです。
いきなり転校、というのも…学校はギルドというか宗教団体というか暴力団みたいな、成員は家族同然、という面もあるのに…
「君のナイトに立候補」すげえ。
これまた豪華な学校…学校が豪華なのは高額の寄付…と、アメリカの名門大学と超格差の問題についての知識が…
全校集会もまたすごい規模ですね。
変身シーンからアクションも素早く、って見事に全校生徒に見られてますけど。
さらに怪しい人もいて、全員が…
なんでその役目に従わなきゃいけないのか、って昔読んだクライトンの小説を思い出します。単なる弁護士なのになぜか世界中連れまわされ銃撃戦させられ…いつ入隊宣誓して、脱走は死刑だと叩き込まれたのか、と突っ込み続けてました。
知らずに読んでたらあれだけ王子王子と言って海外に彼氏がいるのかとびっくりするでしょう。
スマホも盗聴されてるかもしれませんね。理事長室も。
まあ普通に面白い作品として楽しむつもりです。作家の実力は折り紙つきですし。

花に噛みぐせ
面白い子が入ってきましたね。
すごい強引に引き込んだんですが…いろいろ考えてしまって楽しい。
すごく楽しいようです、が…「美少女おる」を聞いた時の奇妙な表情、気になりますね。
と思ったらそういう噂がある子ですか…
声をかけられそうになったら強引に連れ出す、面白い流れです。
空を見るとすごい星、都会の光害の恐ろしさがよくわかります。
で、陽菜乃ちゃんを助ける…
この膨大な本音はめちゃくちゃ面白い。で、やっちまったと…笑うしかない。

新婚だけど片想い
本当に長いこと…支えてくれましたね。おつかれさまです。
湯気が多いサービスが甘い、と思ってしまうのは…というかコマが小さい。
婚姻届け、そりゃ嬉しいですけど…式でも…
キスシーンはしっかり描いてますね。
あ、式も…花嫁姿も実に華やかです。幸せそうな表情で…
式の言葉を結構丁寧に描くのは素晴らしいですね。
じっくり、という言葉しかない幸せ。
本当にお疲れさまでした…番外編?楽しみです。次回作も。

プロミスオブスターシード
何十年か前の宝塚音楽学校のカリキュラムは少し読んだことがあるんですけどね。
いろいろな人がいますねえ。
他撮り、というのも面白い題材です。
人物小さめの教室から、見開きで思いっきり大きく写真を出すのもびっくりする演出。
自分を理解する、というのも面白い発想です。
「可能性を狭めるところだった」と、素直に認められるのもすごい。
驚かせる、と何をやるかと思ったら…いきなりめちゃくちゃな色気に。
この小テストが意外と重要だった…
潰す、という結構な試練にも。
期待とは違うところに入ってこられているような。

お嬢サマは初恋にご執心
冒頭から、失恋してるけど、あきらめない、ととんでもないことに。
いろいろと偵察していた…それはこわい。
なんかわけがわからないことになってます。
女の子同士で出かけたり、彼女がいるはずなのにデートしてたり。
で、「諦めなきゃいけないのに」…どういうことなんでしょうね。
予想を裏切りまくる作品です。

わんだふるぷりきゅあ!
冒頭、さりげなくてものすごくすっきりした構図。
浴衣姿、その次は水着、と繰り返されるのが素晴らしい。
離岸流の恐怖は本当に大きい…無理に戻ろうとしないこと、疲労で溺死するから。流れと垂直・岸と並行に泳ぐのも正解の一つ。飲んだ後のペットボトルでも浮きになるものをもっていること、防水袋入りのスマホなど、そして同行する家族などと頻繁に連絡していること…流されてから救助までの時間をできるだけ短く。
「吸われたかった」が苦笑。

どうせ、恋してしまうんだ。
みんなで…逃げましたねえ。
いろいろなシーンのダイジェスト集、またきつい。
えらく長い時間を詰め込みますね。
どんな病気も…これはとんでもない。
でも、崩れかけている…そこから…奇妙な関係もあるものですね。

ぴちぴちピッチ
動物になっても歌えるって便利ですね。まあサイレン音聞いた時の犬は明らかに歌ってましたけど。
可愛い、で暴走してますけど…
今は母親がちょっとおとなしいですが、前は…
花嫁と言われて企んでいるとしか思われない、まあ日頃の行いでしょうね。

魔王メイドは女王の秘密を知っている。
身分がばれたのにメイドの仕事をしようとしてしまう…はは。
国民も生き返らせるって危険すぎますよねえ。
「何もいわずに一緒に」と、ここは男を見せてます。
嫌悪感じゃなくちゃんと伝わっているのはほっとします。
針子と金細工…そのお金ってどこから出てるか、中世の経済を学ぶほど背筋が寒くなるほどの貧しさとあほらしさ。
騒いでるメイドたちも年に何日の農奴か、下級貴族の行儀見習いという名の…と思うと乾いた笑いが…
変身でごまかして…本当に連れて行ってくれたと思ったら、これまたえらいことに。
ああ、巨大な魔力をどちらに使うか、と。

お金のコンパス
なるほど、もらったお金となくしたお金の…
うまい。これは感情的に実感できるでしょう。損失回避、という人間の最も重い感情の一つ。
期待値で言えばプラマイゼロなんですよね、このコイントス。
ポイントカードって恐ろしいですよね…逆にその店にまた行け、ということに。ついでに財布が無限に膨らむ。金額的にはわずかでも失うのが嫌。…レンジフードで一万円のポイントを、カードを持たないために捨てるのってすごい勇気が必要でした。さらに客の住所電話番号メールアドレスを手に入れることも。
財布を開けたら、これは大笑いしました。
逆に、かつやの実質無期限券は、そういう制約がない、得だ、と思わせることで選ばせる、…他のポイントカードの類と比較させる、といううまい手です。
サブスクもいい例です。退会・無料契約切り替えは、実際にはコストが低くても、面倒作業だからやらず払い続けてしまう、というのはナッジにも似ています。
ここで現状維持バイアスに、お見事。
古代エジプトという、数千年間本気で現状維持をつづけた例もありますから…
逆にポイントカードを利用する、というのも面白い発想です。
とにかく成長する、というのがすごくうれしいです。今は本屋もネットも、定常文明・脱成長・資本主義の終わり、とまさに現状維持バイアスの塊のようなのばかりで。
意外なテーマから、読者全員に素晴らしいプレゼント。ありがとうございます…一人でも挑戦したら、僕にさえもおこぼれがある可能性は高いですから。

千紘くんは、あたし中毒。
「だめだ…あれは」「しかも彼氏のほうが」はなんとなく面白い。
同棲を考えているというのもすごいですねえ。
ケーキを持って誘いに来るとは…お見事。
ちゃんと三つ用意しているというのが用意が良すぎます。
さらに親指を口に…うぐ。
「オレのお金でいちゃいちゃ」は大笑い。
進学、どんな学部でしょうね。本当に美学的な視野を広げるなら数学とか神学とかも…工学で素材について本気で…
そして海外、思いもかけず…モデルとして同行+同棲することはできなくなさそうですが。

おとなりさんはキスより甘い
退散してくれました、ありがたいのが良く伝わります。
写真…はは。
「がまんとか」から、さてここでどんな邪魔が入るか楽しみですが…理性が勝ったようで。
で、これからというところで電話…はは。
隣というのも便利なものです。
実に甘い…最初にめちゃくちゃにえげつないことをされたのでおびえていましたが、ひたすら甘い作品のようで。
次回作も楽しみにしています!

好きな気持ちは止められない!
おもいっきり派手に着飾ってうきうき気分で登校した松本玲奈ちゃん、でも校則違反だらけ。
教師が怒って、風紀委員長の橋田くんに奉仕活動と雑用で使ってやってくれ、と。
厳しいけどイケメンの橋田くんと、着飾るのにしっかり理由があって仕事は全力投球の玲奈ちゃん…

素晴らしいリズム。これは文句なしの最高傑作ですよ。
冒頭のスパンコール過剰な華やかすぎる空気。さらに教師のゆがんだ表情。あえて最初の見開きでは、読者の軽い負の感情がたまる…
風紀委員長、どんなひどい人かと思ったら美形、という意外性で感情が少し変わる…
顔が整ってる、まずそれを見ている…はたかれたり、最初のほうの関係の悪さもお約束です。はたく表現にスピード感があるのも。
仕事をちゃんとやっていること、そして窓を見て気持ちを上げているのが読み返すとちゃんと後に響いているのが絶妙。
下着が見えていることをとがめる…ここで、「好きな格好を」ときっちり言葉で…
「自分を守るためにも」と言ってくれる、両方しっかり言葉を使うのがこの作品の素晴らしいところ。真剣だというのがわかるというのも。
普通なら、偏見と敵意で互いの言葉なんて聞かない、最初から言葉を使おうともしないでしょう。
厳しい規律で、兵の心が守られるというのが「自叙伝キャスリン・ジェインウェイ」や「宇宙軍士官学校」にありましたっけ。
しっかり働いている彼女、思いやってくれる彼、という関係性もお見事。
そこまでする利点…「自分の機嫌」とちゃんと説明があるのがすごい。相当頭がいいですよ。
毎日何時間もかかる、女性の自分飾り…表現の強さもすごい。
ネクタイを結んでやる、手と胸が近すぎる感じもあって少しドキドキします。
機嫌が悪い、そして悪いことは悪いと動いてくれる…ちゃんと判断の芯があることも伝わる、これもいい組み立てです。
で、雨で濡れてしまったのをふくのにかなり濃厚なスキンシップ…偏見が強い、別の教師からかばう…わかりやすく的確な組み立て。
「見た目で損するのもったいねぇなって」…ため息が出るほど思いやりが深い。
で、熱が下がってすぐ…告白、と思ったら風紀委員に…この微妙なすれ違いがある告白がまた素晴らしい。
…校則に男女交際禁止がなくてよかったなあと思うと苦笑。
とにかく組み立てがとことん的確、男側の心理がきっちりしていて、本当に実力が高い。
もう連載でいいと思いますよ?

月号は…特に何もなしと。
読み切り枠がもっとあっても罰は当たらないと思いますけど。

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