なかよし2024年12月号感想

またもどの店にも見当たらない。僕はいくつか大型書店を回って見当たらず、ほぼあきらめて帰りにのぞいた店で入手できましたが。
こういうことが何度もあったら本当に困るんですが…

表紙はあえてアップにしないことで上品になっています。

カードセットの付録も強調していますね。
…薄いですが。付録も本誌も。

花に噛みぐせ(壱コトコ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)わんだふるぷりきゅあ!(上北ふたご)僕らが春を告げる頃(アメノ)ギフテッド(雨宮理真/天樹征丸)ぴちぴちピッチ(花森ぴんく)プロミスオブスターシード(小麦なぎさ/立原翠)お金のコンパス(伊藤みんご)不可抗力の恋ごころ(やもと風夏)次号予告

花に噛みぐせ
髪に触れる態度を父親が見たら、そりゃ切れますよねえ。
クラスメッセを眺めている…これはきつそう。
スマホがない人ってどうなるんでしょう。
浜辺を戯れるアップ、水着とかでなくてもいいサービスです。
そのあとにさらに写真としていい絵を追加してくれるのもうれしい。
「絵になりすぎてて近づけない」は苦笑。
花火で遊んでいるのも見ていて楽しいです。
線香花火の使い方も実にうまい。
ものすごいうまいシーンが多い回でした。

しゅごキャラ!
メンバーが集まってきてますが…
「持っている側」、なりたい自分すら、持っている側だからこそある。徹底的に現実の人間は魂レベルの身分で、身分が低い人は心の奥の奥まで、ないことが多い…
何が正しいのかわからなくなる、さらに和解もできないまま、残酷な動きです。再登場はあるんでしょうか?
多数の鏡、これも華麗なながめです。
「カテゴリが違う」…身分、がでる言葉が多いですね。それがテーマでしょうか。
怪盗、さて誰なのやら。
さりげなく出てくるとか…話の運びはうまいですが、あまり前作履修前提だと…

千紘くんは、あたし中毒。
ものすごい扉絵。現実感と迫力のバランス。
本気で大変なことを…まず基礎体力トレーニングがえげつなかったでしょうに。
カメラ越しに撫でる、というのも面白い。
問い合わせもあるという、ものすごい人気。
人間の手がやることって本当はすごいんですよね。逆にそれをいかに潰すかが産業革命史。
「連絡とるのやめよう」は正しいのかどうか。というか普通に相手は別れ話としか思わないでしょうに…説明が足りない…

どうせ、恋してしまうんだ。
何かと思ったら…まあ何というか日本最高エリートのひとつ…東大・京大と比べてどうなのかという問題もありますが。
自分が必要じゃない、と思ってしまってどんどん、ここはうまく穴を描いてます。
男の和解、簡単すぎるというかなんというか。
みんなが「未来は変わっていたんだろうか」と。…コロナに翻弄された、本当にどうしようもなかった人たち…
次々と時間が変わる、ついていく必要はないのかも。
「自分のこと好き」とくるとは。で…とんでもない…

わんだふるぷりきゅあ!
普通にいちゃラブしておる…
人の姿、さらに人が犬猫に…
まあ戻れてよかった。戻れなかったら寿命が短いという…

僕らが春を告げる頃
やらかした…
こそこそするのはなぜか大笑い。
とても普通、どういうことでしょうね。彼女の昨晩はどうだったのやら。
いろいろと彼女のために何かする、これもいいですね。その程度の頭があればいいのに。
で、おまじないは爆笑。
「それが出来れば苦労しねーよ」がまた大笑い。
練習はちゃんとやってる…
ここで手伝ってくれる、友達と言ってもらえる、で練習してたら押し倒してしまった…後頭部売ってなければいいんですが。
三人でのグループ連絡先、これ策略だったらえぐい。
まず犬をなでる目黒くん。そりゃこういう生活してたらもふもふに飢えます。

ギフテッド
琵琶ってよく仕込みになりますが音響大丈夫でしょうか?剣の握り方が思いっきり違う…
幻術と雷、かなり水準が高い戦いになってます。…少なくとも男塾レベルのオカルトはある、と。四角枠の解説は民明書房になりそうで。
構成員をどうやって維持しているのか、経済、忠誠心の維持、報酬などは…実際悪の組織って難しいですよね。
戦闘犬は本当に恐ろしいですからねえ。描写が軽いですが実際にはR-18Gの地獄絵図になってるでしょう。
親子の和解をうらやましそうに見る…
ラテン語を即座にソフトで翻訳できるというのもすごい時代です。

ぴちぴちピッチ
本当に派手に画面を使いますね。
こっちのメンバーもそれぞれいろいろ考えているようで。
あっちこっちでいろいろ動いていますが、どう集まるのやら。

プロミスオブスターシード
こういう団扇の文化っていつできたんでしょう。
結構ファンがいる、それで挨拶の練習とかも、機会を逃しませんね。
「ファンの前では笑顔」はきつい。
離された二人の歌声。これは見事。
禁止令、解除条件も、うまい飴と鞭。
(負け続きじゃ由月の横に)が苦笑。両方肩を並べたがっているのがいい。
紙袋の人が思いっきり出てくるのも面白い。
レッスン自体の描写もいいです。
さてどんな陰謀が…

お金のコンパス
いつも大きい書店で、「金・貨幣」についての本のコーナーがあるたびに「情報収集弱いな、なんでお金のコンパスここに置かないんだ」と内心で叫んでます。
ずっと見てきたのに、「前回のあらすじ」があったことに気づいていませんでした。今までも…
うお、無料というもっとも魅力的な罠。
無料ティッシュ、しかも人件費つき。なぜそれが経済的にペイするのか…広告。
テレビにユーチューブにも広告があることを補足しているのがいい。
いい無料と悪い無料、海賊版…著作権の問題に踏み込むわけですか。なるほど。
海賊版サイトを見るだけでも、という警告が強烈。
ダウンロードが刑罰のある犯罪になる、という警告もありがたいものです。
盗みと違法コンテンツのダウンロードが変わらない…法と罪悪感の関係、これまたやっかいなことです。実際には違法でも罪悪感を感じられないことは多い…いじめであれば傷害・器物損壊・強盗でも同情だけでなく違法だという感覚さえ消滅するのが人間心理…
結構最近読んだりした話で、人は善人と悪人の一本の数直線にいるわけじゃない、要するにカンニングは平気でやるけどつまみ食いはしない人も、その逆もいる、と。『ハーバードの個性学入門 平均思考は捨てなさい』『徳倫理学 ケンブリッジ・コンパニオン』など。
昔から、創造とお金の関係がとても厄介で…発明したのに貧乏に終わった『栄光無き天才たち』も多数…それで著作権のある近代社会ができた、と。
でも、その著作権や特許が厳しすぎ、強すぎても、アマゾンの奥地の人が先祖代々使ってた薬草を飲もうとしたら犯罪、病院で検査して取られた自分の遺伝子からできた特効薬がよその大企業の特許になっている、とかのバイオパイラシー系理不尽も。
著作権で文明がめちゃくちゃ厳しい、超金持ちに都合がいいものになるかもしれない、という予想もあります。『四つの未来 〈ポスト資本主義〉を展望するための四類型』『Mine! 私たちを支配する「所有」のルール』など。
考えるくせをつける、という忠告はありがたいです。日常の何気ない行動が犯罪である可能性の指摘も。
もっとやっかいなこともありますけどね、このあたりの話は。
無料が罠、というのでてっきり、無料に強く惹かれる人間の心理をやるかと思ってました。そっちも重要なんですけど。
やはりとことん質が高い。

不可抗力の恋ごころ
空気を読み話を合わせる。中学の時はそれができなかった…と優花ちゃん。
中学の時は、ちょうど女の子同士で友達が話題にした男子が、優花ちゃんが好きだと吐かされ聞こえて孤立した…
そして今。空気を読んでいたはずなのに、女の子が「ウチの彼氏に手出したでしょ」と…しつこくネットでメッセージを投げられるだけなのに…
叩かれそうになったのを助けてくれた男子、でも「ヘラヘラして馬鹿じゃねえの」と…

扉絵の空気感じがとても涼しげ。
冒頭の、相当深刻で普遍的な心のありかたは気が重くなります。
中学時代の、災難としか言いようがない…さらに今も、むしろ被害者なのに…どうしろというんじゃと叫びたくもなります。
結局身代わりを強制される、本当は友達じゃなくて奴隷なんじゃ、とも思ってしまいます。
「あの子は違うもの求めてると」という話の転換の仕方も面白いです。ものすごく細かい。
「それでも必要なの」という言葉の重さ…「ありがとう」という言葉も。
おびえていた自分がむしろ人を遠ざけていた、というのも恐ろしい深さ。
そして恋心に…踏切と寒さの描写がまた素晴らしい。
ストレートすぎる「好き」、ここがまた衝撃的な。
ものすごく精神を揺さぶってくる作品です。これからがものすごく楽しみ。

月は…特に何もなし、と。

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