ちゃお2004年5月号感想
付録は無駄がなくてすごくいいです。
ただ、ペンはジェルも香りもなしにしてくれればすごく使えたのですが。
最近結木くんといいみけねーさんといい、これまで成熟した大人のようだったキャラの弱い面も見ることができてちょっと複雑ですがうれしいです。
ぼくのプラチナレディー(八神千歳)きらりん☆レボリューション(中原杏)ミルモでポン!(篠塚ひろむ)ビューティーポップ(あらいきよこ)ふしぎの星のふたご姫(阿南まゆき)モンスターキャンディ(おおばやしみゆき)こっちむいて!みい子(おのえりこ)レクターのいた日々(藤代ありす)スパーク!ララナギはりけ〜ん(もりちかこ)くれない花吹雪(にしむらともこ)ぷくぷく天然かいらんばん(竜山さゆり)次号予告
ボクのプラチナレディー
これから本格的に格差社会、階級社会になったら、また少女漫画も昔のように階級を前提にしたシンデレラものが中心になっていくのでしょうか。
冒頭の元気な笑顔はやはりほっとします。
こういう大家族もなんだかいいですね。三歳の割りにちょっと知能高すぎる気もしますが。
僕も安い買い物は好きです。一円でも安く、と妙な情熱がわいてしまいます。
学費免除、そして奨学金…僕はそれこそが格差を緩和するキーになると思います。欧米は格差社会、階級社会とよくいわれますが、充実した奨学金が教育を支えています。
タダといっても、名門校に通うには目に見えない金がものすごくかかると思います。制服やバッグの価格も公立とは桁違いでしょうし、それ以外にも…
このリムジンの扇状配置から畳みかけていく大金持ちぶりは見事。
というかここはどこの宮殿でしょうか…すごいですね。
普通じゃない、という感性のずれもまあうまく描けています。というか現実の超上流階級が集うイートンはいろいろすごく厳しいですし某王子がバカやってますが…
場をわきまえずにぎゃあぎゃあ騒いでしまうのは面白いですが、雰囲気で萎縮したりはしないのでしょうか…そういう心理が働かないタイプ?
一年間だけ、というのは…まあタダほど高い物はないとかうまい話にゃ裏があるとか、ぶっちゃけていえばちゃんと募集要項読め…奨学金とって公立というルートはないのか…それが機能していないのが日本の最大の欠点なんだよな…というか公立高校と国公立大学の上半分は学費公負担にしろよ…
このケンカは、女の子に頭を下げられて拒絶するのは紳士ではないと思います。ちょっと嫌な感じですが…その嫌な感じから次回以降それが転換されるまで、感情の流れを読者に共有させるとしたらうまいですね。
ズボンを脱がしてしまったのは笑えました。
相談できる大人がいないというのも辛い状態ですね。家族の温かな言葉に救われるのはうまく描かれています。
態度で減点されるとしたら…それはまあどうしようも…
で、男の風呂シーンは、読者にはうれしいですか?
「玉子は一人一個よ!!高いんだから」、それよくわかります。一人暮らしを再開して、一番ダメージが大きいのが玉子と鯖の高値です。
家族の暖かさにほっとするクリスくんの笑顔もいいですね。
いきなり「結婚しよう」は吹っ飛びました。
さてどうなるやら。出だしはいいですし、今度こそ前作の課題…魅力的なキャラが先行しすぎて使い切れない…を克服して、いい作品にして欲しいです。
きらりん☆レボリューション
うわ〜、おいしい状態になってきました!
ふぶきちゃんもずいぶん思い込みが激しいというか、濃いキャラですね。
断ろうとしたときの挑発もうまい。まあ弱肉強食ですからきらりちゃんの名前と勢いを食うのは正しい戦略でしょう。
自分の宣伝にもあるというのはうまいですが…あ、それで思いついたのですが、きらりちゃんはここでは「事務所を通してください」というのが模範解答だったのでは…
モデル、ファッション、CD…どれも圧倒的にふぶきちゃん有利のような。ネット投票など一応フェアに思えますが。
ウェディングドレスに宙人くんがぼーっとするのはもだえました!
きらりちゃんが「星司くんが好きなんだから」で迷う、宙人くんが譲る、それできらりちゃんの胸が痛む…この展開はもう潰れて、塩かけられたナメクジ状態です。
ミルモでポン!
こ…こうきましたか…ある意味卑怯ですよね、『キャンディ』のあれじゃないですが怪我したほうの勝ちということもあります…
地蔵は崩笑。一体どこで地蔵三兄弟と知り合ったのか…違う?結木くん、どんどん壊れてきています。
自分で自分の気持ちがはっきりしないことはわかっているんですね、結木くんも。
そして…落ち込んで涙ぐんでいる良ちゃん、やはり女の子の魅力があります。
「5時間も落ちこんでりゃ」って、アニメのキンタと気が合いそうですね。「昨日は昨日、今日は今日ダス!」…
女装は期待していました。だから…もっとインパクトのある形で、とんでもない美少女として表現して欲しかった…十分きれいですけどね。
本がさかさまになっていたり、これまでとても人間的に成熟していたような結木くんが、自分に迷っているのを見るのは少し意外な眺めです。
悦美ちゃんの見方は、他の子が楓ちゃんたちをどう見ていたかなんとなくわかってとてもうれしいです。
「あの人やあの人」って…住田くん、あきらめたんじゃ…というか僕は森下はるかさんとくっついていると勝手に思ってました。あのかっこいい身の引き方が台無しになってちょっと残念。
「友だちから」「ごめんなさい」って、今時の読者に通じるネタでしょうか…
ミルモの励ましはすごく大人で素敵です。静かな気分転換と、温もり…なんだか涙が出そうです。
あ、「さよなら私のプライバシー!!」というモノローグの感じって、なんだか…某種村先生お得意の表現では…
二人とも自分の気持ちを思い通りにできない、それに惑って…ここはミュージカルみたいに歌で表現してほしいぐらい、切なさがあふれています。それを受け止めるミルモもすごい。
それで…事故を「楓様と車が衝突」と表現するのは面白いですが、まさかそうくるとはという思いが強いです。
結木くんの行動はほっとします。
大変なこと、といっても…最悪でも結木くんのことだけ記憶喪失か救うのに結木くんに大きな代償を払わせる魔法が必要な意識不明でしょう。死ぬこともないでしょうし、容貌を損ねたり全身麻痺などもないでしょう。
でもやはり心配です。
ビューティーポップ
ナルナルが笑い出すまでのタメとそれぞれの反応はさすがです。
大笑いして…自分も負けるとはかけらも思わず勝負しろ、って彼の頭ってどうなっているのかな、とちょっと力が抜けます。
用事のくだらなさもいいです。ぞんざいなトロフィーの扱いに父がいかに昔の栄光にこだわっていないか、そして綺里ちゃんにとってそれがどんなに憧れだったかを描くのはこの父子の絆をうまく描いていますね。
でも、本当にいまさらなのですが…鳴海、小柴ともに親の仕事を子供が継ごうとしていますね。これってひねた目でなら、世襲制社会の象徴などと読めるかもしれません。
千佐美ちゃんの身勝手も、相変わらず見ていて気持ちいいです。
先生に捕まるとプードルに変わるのも可愛い。
さて、千佐美ちゃんは新生SPのデビューにどんな邪魔をする気でしょう。
おっちーがうろうろするのは見ていて楽しいです。クールに見える彼も、恋の女神の前では…
どんな依頼なのか、千佐美ちゃんがどんな邪魔をするのか、ナルナルが納得するか…難問山積ですね。
ふしぎの星の☆ふたご姫
面白い関係になってきました。本来の華麗さを出しにくい子供も少しづつこなれています。
竜など、ファンタジーの生き物の描写も結構迫力がありますね。
ファインちゃんが本当は怖がり、というのは面白いです…それでブライト様が…男って馬鹿ですね…
「見に来ただけだ」というのは正直ですね。男としては情けないですが。
「どんな強い力も意思の弱いものが持てば何の役にも立たない」というのは事実です…なのに力だけを求めてしまう愚かさは、ファンタジーの基本的なモチーフの一つですね。
レインちゃんにこうして切れるところがあるとは。これまた意外です。
「だるまさんがこーろんだ!!」という魔法はかわいらしい割に迫力も効果もいいです。
決める魔法もとても華やかでした。
しかし…まあ、なんと面倒な四角関係。
モンスターキャンディー
ええと、まず…女子更衣室をチャイブが、がらりと開けるのはどうなのでしょう。みんなも平気ですが、いいのでしょうか。
「その快楽で血を吸ったラキュラ星人に恋をしたような錯覚に」というのは、性体験が低年齢化する少女たちに対する警鐘でしょうか…いや、それはないでしょう。大抵始めは苦痛なだけです。
ここまでされてもなぜか憎めない、というのはなぜかと思いましたが、うまい伏線でした。
三千光年と三kmって、とてつもない航行精度の宇宙船ですね。
「〜オレ自身のことよりも大切なんだ!!」はさすがにかっこいい台詞でした。
攻撃がいまいち迫力なかったのが残念。
何トンもある瓦礫にはさまれたら、プレスされて即死では?
昔の彼女はそうしていたのですか…小さい子、幼いところが残る子には本当によく分かる気持ちです。
タイムの真相は、なんというか…心当たりがあるのでちょっと見ていられません。
しつけのつもりが虐待に思えてしまった、というのはどうすれば伝わるんでしょうね。
「姫香が死んでたら兄ちゃんは殺そうと」が笑えました。正直な奴。
それで、食事よりキスのほうを選ぶのは…やはり本物ですね。
さて、これからどうなるのでしょう。
こっちむいて!みい子
吉田くんが素直に喜ぶのは見ていて恥ずかしくなります。
で…確かにこれは残念。でも逆に考えてみると、遊園地にとってもすごく残念では。ものすごいお天気商売なんですね…
二人きりというのは吉田くんにとっては嬉しいですが、この雨はちょっと苦笑します。
傘をさしてジェットコースターは無理に決まっていますが、まあギャグですね。
特進クラス、ということは必然的に中学は私立…階層格差の足音がひしひしと…
結局告白はさせず、竜平…これはちょっと卑怯ですよ!自分の気持ちは全然出さずに…
三人ですがこうして遊べたのは、吉田くんにとっては最後の子供らしい日になるかもしれません。これから本格的にエリートコースに乗るとしたら。
いい思い出になればいいのですが。
レクターのいた日
想像以上に切ない話でした。身に染みます。
子犬のいたずらは…思い出して泣きそうです。目が覚めたら二階まで上ってきて枕元にいたり…いい子でしたが。
子犬はやんちゃだ、ということを知らない…つい死んだ犬と比較してしまう気持ちはわかります。だから僕はもう一生ペットを飼う気はありません。
ずっと犬を飼っていた割につなぎ方が甘いですね。鎖がある杭がありますから、一度金具を外せば絶対抜けないようにつなぐことはできます。
でもこうして犬がどこかに行ってしまったときの思いはよくわかります…二、三回覚えがあります。
こうしてかばい合えば深い絆ができるのは当然でしょう。
そして…「ずっと一緒だよ」という言葉に、別れる運命だったことを思い出してしまった母親の表情…その気持ちはよくわかります。この母親も、自分もレクターに情が移っているのと水穂ちゃんが辛いのがわかるのと、二重に辛いでしょう。
わかってはいても…飛び出してしまう衝動もよくわかります。
目が見えなくなるというのはいくらなんでも重大すぎます。それでレクターの盲導犬としての資質を強調するのは面白い展開ですが。
「目に雑菌が入って化膿しただけ」って本当に大変です…
笑顔で送り出そうとして、思いが伝わって涙が…僕ももらい泣き寸前でした。
「ふさふさの栗毛 ひなたのにおい あたたかいぬくもり」と、感覚で語るのもよく伝わってきます。
この記事もよかったです。
この作品の読者には、ぜひ卒業後の盲導犬の活躍を描いた、高上優里子先生の作品『ヒカリになりたい』(単行本「二重奏」に収録)もいっしょに読んで欲しいです。それにリタイヤ犬ウォーカーを描いた作品があれば三部作になりますね。
スパーク!ララナギはりけ〜ん
やっぱりかっこいい、みんな!
この円陣でのひとこと、辛らつですがじーんとします。「あんたに言葉はいらないでしょ?」はしびれました!
中国監督の怒声はちょっとしびれました。
そして龍が燃え上がって、どうくるかと思ったら…華麗でいいですが、僕は中華料理自体あまり好きじゃないので…まあ中華鍋は便利ですから愛用していますし、玉子炒飯などいくつかの単純な料理は得意料理ですが、根本的に酢と油の混合物、あんかけの類、カレー以外の唐辛子が無条件に嫌いなので…
しかしこの中国チームの鋭くすっきりした美貌、すごく魅力的ですね。
ナギちゃんが「試合前に私が言ったこと思い出して!!」と檄を飛ばしたら、みんな腹が立ってきたのは笑えました。
あっさり名なしちゃんが決めてくれたのは…力が抜ける笑いですが、すごく好感が持てる結果です。
中国語まで話せるとはさすが。そういえばお嬢様でしたっけ、すっかり忘れてましたが。
「私の相棒だもん!」もじーんとします。
さて、第三弾は一体どうなるか…六人目ができるか、それともまた名なしちゃんが意外な活躍をするか…
というかずっと男っ気がないまま…?
くれない花吹雪
もろみられちゃいましたね。彼でよかった。
「余計なおせっかいはやめてくれ」というのは一番こたえるかも…特に、ある程度以上おせっかいの空回りが重なったときは。
マネージャーとは、物怖じしないというか怖いもの知らずというか…ちょっと見ていて怖い…
仕事を楽しめるのはいいですね。そのほうがいいに決まっています。
で、この典型的な意地悪、でも地下牢でも簡単に脱出する忍者にとっては閉じこめたとはいえません。
真清様の動揺は見ていてちょっと気持ちよくなってきます。分かりやすい人だ。
泣きついたと思ったら、前向きというかまじめというか鈍感というか…ここで抱きしめようと背中に回した手に体が熱くなります!
不正に婚約者と、とことん贅沢にいろいろ詰め込んでいますが…まあ短期連載の宿命かも。
ぷくぷく天然かいらんばん
いつも人格的に成熟した大人の女性というのが魅力のみけねーさんが弱いところを見せたのは、僕の知る限り初めてでは?
犬猫がこうして腹筋をするのは大変でしょう…猫は体温を逃がすのが下手で、瞬発力はありますが長時間の運動は無理ですのであしからず。
たくわえがあるとはすごい。
みけねーさんが本気で怒ったら…やはり怖い。
マルちゃん、「どっちが好きか決めればいいのでしゅ!!」って…これだから子供は怖い…
まあそれはどっちも崩れますね。
みけねーさんを励ますシーンではぷくぷくのほうが大人みたいですね。ぷくぷくとぽんたの関係はすごく素敵です。
火事での二人の行動はさすがにかっこいいです。
で、この火事の原因は明かされませんでしたが、猫の行動で火事は起きないですよね…自然発火か放火か…放火だとしたら次回への伏線?
三人の関係がそれなりに安定したのはほっとしましたが、ちょっとは変わったかも。
来月号は今井先生の…なんというか、いかにもいつもどおりという感じですがそれだけに安定して面白そうです。
北村先生の本格連載は楽しみですね!
和妻という、少しマイナーですが日本文化としての重要さもあるジャンルを見出したセンスはすばらしい。ぜひきちんと描いて欲しいです。
そしてあの抜群のかわいらしさと表現力が連載でどう活き、伸びるかも楽しみにしています。
こはら先生の読みきりも梅雨らしくいい作品になりそうです。
紹介文のストーリーからは恋人に遭うため放火を重ねた八百屋お七を思い出してしまいますが、まあそれぐらいなら罪は軽いですが…さて、その罪ともいえない願いがどんなことになるか楽しみです。