ちゃお2006年1月号感想
ついに、ついにこの時が…ミルモの最終回。
まあ増刊がありますが、まだ喪失感は実感できません。あまりにも好きですから。
これからポストミルモが本格的に、といってもこれまでも、「ちゃお」は雑誌としては今月号表紙が示すように「きらりん☆レボリューション」「ビューティーポップ」「ボクのプラチナレディー」を中心にし、ミルモは一歩引いた感じにしていました。
「セーラームーン」や近年は「ぴちぴちピッチ」などアニメ作品が表紙や付録で主力の座を独占することが多い「なかよし」を反面教師にしているのでしょうか。
本当はここで、若手が大きい作品を出して欲しいのですが…実力でベテランが強すぎる、面白すぎるのだからどうしようもないのでしょう。
その点小金沢先生の件は残念です、せっかくだったのに。
今は世論が企業倫理を厳しく問う風潮があり、著作権にもうるさく…末次先生のトレース問題で講談社があれほど厳しい対応をしたので、それに合わせなければならなかった事情はわかります。
でも、僕はそれにこだわりすぎたら弊害が大きいと思います…たとえば南総里見八犬伝にストーリーが似通っている、といえばどれだけ多くの作品が抹殺されなければならないでしょうか。こだわりすぎて小さくまとまるより、大胆にやったほうがいいですよ。
きらりん☆レボリューション(中原杏)極上!めちゃモテ委員長(にしむらともこ)ボクのプラチナレディー(八神千歳)でびる☆まじっく(明野みる)ビューティーポップ(あらいきよこ)ミルモでポン!(篠塚ひろむ)ミニマム☆マニア(小原ショウ)Cafe de ロマンス(宮脇ゆきの)保健室で会いましょう(いわおかめめ)ふしぎ星のふたご姫(阿南まゆき)こっちむいて!みい子(おのえりこ)次号予告
きらりん☆レボリューション
ライノセラスの二人が、ネコつきの結構いいキャラなのが嬉しいです。一発キャラでは終わらず、これからも活躍してくれそうですね。
ふぶきちゃんの作戦は、確かにインパクトはあるのですが…どちらかが引き立て役になるリスクはないでしょうか?特にふぶきちゃんは、ライノセラスを売り出すために演出家の視点で配慮する、ということができるとは思えないのですが。
さて…この作詞はかなり面白いです。ふぶきちゃんのはすごく前向きで、現在の勝ち組に合わせた曲という感じがします。
今回の舞台はライノセラスのほうが一歩引いてふぶきちゃんを引き立てているようですね。不満そうですが。
というか思い切りケンカになっていますが。
世界ネコバカ選手権第一位…自分が、と叫ぶネコバカ読者もさぞ多いことでしょう。
ステージシーンでのきらりちゃんはとても華やかで、気持ちの表現力もすごいです。恋宣言はそれはそれで…天然ですがインパクト強いですね。
こっちはこっちで、ちょっと暗いですが…こういう切ない思いを知った成長がうまくでています。
絵そのものが本当に成長しています。
携帯のメモリーに花火職人…確かに地味にすごい。で、「よっぽど星司のこと好きなんだなあいつ」と誤解がさらに深まってしまっているのが…
さて結果は、というのはむしろ野暮。予想はしないで待ちましょう。
極上!めちゃモテ委員長
…面白い…だからこそ素直に楽しめません、ベテランがこんないい作品を描けるんだったら、新人若手はどうすればいいのでしょう…
唇の強調だけで、これまでのキャラとがらっとイメージが変わりますね。すごく大人っぽいというか艶っぽい感じになります。
で、傲慢タカビーで嫌な女の子だろう、と思ったら…いきなりドジ、というぐらいではどういう子かはわかりませんでした。
「かわいくてしっかり者」という自己イメージも面白いですね。今は美徳を軽視する風潮が強いので、むしろ悪い方面に行くことで魅力をつけようとすることが多いのですが、逆にそちらはたくさんいるからしっかりした子の方が希少価値がある、と…
それを自覚的にやっているのがまた面白い。
男の子もすごくカッコいいです。「ただの片思いっちゅ」というツッコミは楽しいです…ずれているのにやっていることは至極まとも、というのがすごい。
グロスをテンプラと勘違いするのもよくあるネタです。
他の男の子も素敵なキャラです。さてどんな感じで入ってくるのでしょう。
お見舞いでの強引な行動も、なんというかタカビーで悪い感じを出そうとしながら…忠告のまともさにむしろ呆然としてしまいます。
ヤケになっているのを叱るところではびっくりして、これまでタカビー女というイメージが…徐々に崩れていくのがすごく快感でした。
「たしかに私はかわいいですよっ!」とはっきり自覚して、その傲慢さと…本当に相手を思いやっているのが同居しているのがすごい。
そしてニキビ解消のためにやることが、生理学的にとことん合理的なのにびっくりします。
ちゃんと運動して睡眠、食生活の改善、洗顔…その通りです。正しすぎる。
しかりつける厳しさもいいですね。子供はどうしても、「今すぐニキビを治す特別な方法」など、地道で時間がかかることを嫌い、短絡的なものを求めますが…というかそこまでわかっていて自己管理ができているというのがすごい。
余計なおせっかいでは、と自分を省察する力もありますし…ここでの東條くんの言葉も素敵です。
で、感謝に対してこの…うわ…なんなのでしょう、すごく頭がよく、とても人のことを深く思いやる超いい子なのにどこかずれている…本当に面白いキャラです。
さて次はどうなるのでしょうか。すごく楽しみです。
ボクのプラチナレディー
お約束…逆じゃなくてよかったですね。読者にとってはこっちの方がサービス?
で、問題というのはこの、至極当然のことでしたか。
この笑顔いっぱいのバイトも素敵です。蓮太郎と結婚して店を継いでくれたら、とおやっさんは考えているのでは…?
深夜寝ていないのは、うわ…そこまで。てっきり勉強だと思いましたが。
クリスがこういうことでは不器用で、蓮太郎くんが…この二人が何気なく対抗しているのは見ていて楽しい。
減点が激しいのは…そこまで考える余裕がなかったのは仕方ないです。
かばおうとする二人に対する攻撃は胸がちょっと痛くなりました。
この条件というのも結構厳しいですね。勉強とは違って努力ではどうしようもない…といっても、フランスのエリートコースも上流階級の文化を身につけていないと口頭試問をクリアできないので、本当のエリートコースには必要なのでしょう。
初めから向いていないところに入ってしまった、といったら実もふたもないのですが。
さて、どんなふうに…マイ・フェア・レディ?
でびる☆まじっく
非常に可愛い絵、と思ったらいきなりすごく激しい絵で「この壁を飛び降りたら」…びっくりしました。
いきなり死ぬのもすごいです。何気なくこの医者の目が、隠れていますが劇画調だったり驚くのが某…
痴漢に対してエクソシストから過激な…かなり激しい作品ですね。
髪の色が変わることのほうがすごい気もします。
悪魔の登場、それで思い出しましたがミッションなんですよね。
悪魔の花嫁、という言葉も知っている人は大笑いでしょう。
体をのっとるというのがこれからどんな風に活きてくるかも楽しみです。
それで、変な食材を山ほど食べて…何をしようとしているのかと思いました。鉄の胃袋もそれはそれですごい特技ですが…
病死でなければならない、というのも面白いですね。
で、篠宮先輩に対する想いに気づいたウェイドが何をするか、楽しみというか逃げたいというか…ページめくって予想以上の衝撃に肩甲骨が外れそうになりました。でもまあ覚えてはもらえたでしょうが。
そらまあ大っ嫌いですよね…すごい。
神様が何をしてくれたって?…宇宙定数、光速、重力定数、プランク定数を何十桁の超精度で調整し、物理法則はおろか原子間力などもどんなにわずかに違っても安定した太陽系などできっこないし、地球の公転軌道がわずかにずれても、それどころか月がなくても人間は今の形になってない…人間原理についてはいくらでも言えます。あ、ついでにキリスト教の見方からすればそのひとり子を人の罪をあがなうために、ともつけくわえますか。
で、事故死を狙っている誰かがいる…何でしょうか。
ビューティーポップ
要するにナルナルが綺里ちゃんにハサミを貸すそのシーンを書きたくてこの展開があったのでしょうか…
綺里ちゃんの父親の名声も利用して、一気に話を大きくするオッチー…彼が知り合いにいたら「地獄少女」の被害者も余裕で何とでもなるでしょう。
オッチーと千沙美ちゃんの会話も面白いです。なぜわかるんだ、と何度でもつっこめますね。
おでこですごく悩んでいる、それを…やはり勝負としてより、美容師としてこの場に臨んでいる態度がはっきりわかってすごくいいです。
ハサミを渡すシーンはやはりすばらしいです。
さてどんなすばらしいショーになるか…この鬱憤はちゃんと晴らしてくれるでしょうね、信じていますよ!まさか逆にとんでもなく谷底に蹴落とされる展開には…ならないでしょうね…
というか大沢の顔を見たくないので早くこの編は終らせてください。
ミルモでポン!
ついに、ついにこの日がきてしまった…でもプロポーズのほうが強烈で、残念というのはまだ現実感をもって受け止めることができていません。
増刊でもまた番外編というか最終回があるようなので、結局キスはそれでやる可能性もありますし。まあゲームのみであってもそれはそれでいいのですが…。
何度も逃げるのは往生際が悪いというか、まあわかりますが。
全部わかっていて笑っているサリアさまはさすがです。
この勉強会は幸せそうですね。別の意味で頭が爆発しそうです。
連れ帰られるミルモを、きらきらした感じで見ている二人…かなり薄情では?
こういうところが微妙にアニメと違うのは…まあ、アニメ版妖精化はできませんし、原作式の妖精化を全員がやっても様になりませんしね。
四人ともすごく素敵です。あ、住田くん、銀河くん、真田良ちゃんも来ているんですね。
ガイア族の特別出演も嬉しいです。
そしてリルムちゃんの花嫁姿…ただ嘆息でした。すばらしい。
ウェディングケーキはお約束ですね。
で、何より…「オレたちもこんな式」に、もう椅子から転げ落ちて痙攣しました。シャンパンでも一気飲みしたみたいに頭の中が沸きかえっています。最高!
その式も是非みたいですが…まあ、ぷ〜ちょに先を越されていますからできないのはわかっています。
またたびニャンニャンを歌っているのも嬉しいです。
みんなのその後も嬉しいサービスでした。アニメでそうなる前から森下さんは住田くんが合っていると思っていた僕には、松竹君の教育係というのはちょっと苦笑でしたが…
ケンカカップルは最高に嬉しい。
最後に手を振ってくれたのがまた…寂しいと思うにはあまりにもプロポーズの余韻がすごくて…
本当にお疲れ様でした。あまりに長い歳月まったく休みなく、どうかゆっくり休んで充電してください。
僕がどれだけこの作品を愛しているか…僕だけでなく、どれだけの読者、視聴者がこの作品を愛しているか。これほど愛された作品が2000年台前期にどれだけあるでしょう。
アニメとの関係も理想的だった、それも非常に幸運なことです。
ミニマム☆マニア
昔の思い出は、単に周りの男子がガキばかりだっただけでは…
浮かれまくっていたらいきなりいつも通り…さて、見ていて楽しいですね。
うわ〜、「てめーのことなんて」にはバカだこいつとしか…あ〜んもう。
ケンカ友達でもなくなってしまって、この切なさもうまく出ています。
そして背負ってもらって、こんなに近く…何とか友達に戻った、と思ったら…めちゃくちゃというか、松田くんの言うことはここでは一応筋が通っていますが、今度はあおいちゃんが許容量オーバーになってしまったようですね。
というか二人とも、想いが許容量オーバーのようです。
一度離れて、それで…人並みで追いつけずにこんな…頭抱えましたけどすごい。ここまで率直に言われたら、そりゃもう…。
「つかまえてないと何すっかわからない」というのも転がりました。
そして、このまま…どうなるのでしょう。
この容量オーバー感の描写は、自分のことも思い出して気恥ずかしさに走り回りたくなります。
Cafe de ロマンス
さて…平和なものです。
こらこら、飲食関係者が髪を触ったらちゃんと消毒しないと。まあほとんど守られませんが。
写真にときめいていたらいきなり…ははは。その横暴さに、さすがに心配する人もいるんですが…
あ、他にもバイトいるんですね。
この写真での勘違いはもろ「きらレボ」と同じことに…それぞれどこにいくのでしょうね。
そして突然の鳴海さんの告白…正直、僕には「はぁ?」と呆れるほかありませんでした。
で、なぜそれを広海くんに…自分でも間違っているとわかっていて、ここの心理描写はさりげないけど強烈でした。
デートの楽しさは暖かく伝わってきました。
「ダメだよこんなベタな手に」は苦笑し、『めぞん一刻』を思い出しました。
そして…キスのことであらためて想いがどこに向いているかわかってしまって、このシーンはさすがに見事です。背景の観覧車も生きていますし。
絶望から半分ヤケで結婚を受け入れて…そのほうが幸せになれるかもしれませんが…婚約者がどういう人か、脂ぎったオヤジか傲慢なボンボンのほうがわかりやすくていいのですが、意外にいい人だったほうが話としては…はてさてどうなるやら。
保健室で会いましょう
タイトルだけ見るとエロ漫画でもおかしくないのですが…
しばらく見ない間にずいぶん洗練されましたね。ぐっと見やすいです。
いきなりばたん、というのも強烈ですね。ストームブリンガーでも持っていたほうがいいのでは?虚弱体質の滋養強壮補給に一本!
ふんずけて一目ぼれ…いきなりキザキャラに変わってお姫さま抱っこで強制連行…いいジェットコースターです。
ベッドにもぐりこむのはぎゃあっとなりましたけど。あまりにいきなりの連続で、パニックです。
先生のツッコミはほっとしました。
で…我慢していたら「無理は禁物だよ」と、その恐怖感のほうがよく出ていて…かなりたまりません。
人工呼吸は爆笑。
で、そんなことをしていながら「体が冷えてるから」とちゃんと診断もしている…それはそれですごい。
でも学校に甘酒なんて持ってきていいのでしょうか。
違う女の子を運んでいるのに嫉妬するのも可愛いです。
で、保健室で待っているというのが意地悪というか…あ〜あ。
こうして包み込んで「貧血がまんしないの」というのもなんだか素敵です。本当にあったかいんだな、というのも伝わってきます。
強引にデートすることになって、しっかり楽しみにしているのが…というかこの天気は…
これはさすがにちょっとちょっと、という感じですが…結局保健室直行ですか…
なんだかぽわぽわしてたまらない作品です。やはり素敵な作家ですよ。
ふしぎ星のふたご姫
和解はしたけれど一難去ってまた一難…さてどうなるでしょう。
今回はプーモが頑張っていますね、デコールメーカーを持っていったり、双方をだまして会わせたり…同時に謝って、笑い出して抱き合って、これもいいです。
暖かさの描写も素敵でした。全体に冷たい印象のある絵柄ですが、こういうときはあったかいです。
ジュエリーの華麗さもすごい。
べしょべしょに泣いているのも子供らしくていいですね…絵柄とはアンバランスですが。
そして、まさかそんな犠牲が必要だとは…特に苦しいのは男のほうでしょう。
こっちむいて!みい子
耳が痛いです。僕も似たようなものでした、読書以外楽しみがなかったおかげで成績は基礎の計算と漢字の書き取り、後の英語以外は維持できたのですが…後でそのツケは、脳のメモリ不足という形で払うことになりましたけど。
親がちゃんと勉強するほうだったら、逆に勉強嫌いな子に伝えるのは難しいでしょう。逆に基礎的な勉強は嫌いだった僕が伝えるとしたら…
この算数は典型的な間違いです。でも惜しいですよ、上は分母はできていますし、下も約分はできているのですから。
全部やり直して明日提出、というのは嬉しいです。それがあるとないとでは大違いですから。
弟の冷静なツッコミは苦笑するほかありません。わかってますね…「なんのためにやるんだ」というのも、なんかもう人間って本当に平等じゃないな、としか…まあみんな同じだったらそれはそれでよくないのですが…
これですぐ挫折したのは、要するにレベルが高すぎたからだと思います。
みい子ちゃんは二学年ぐらい下からはじめたほうがよかった…初めに生徒のレベルを測って、それに合わせた問題を出してくるような通信教育を選ぶべきでした。公文式も生徒のレベルに合わせる点ではいいです。
こうしてどんどんやらずにためてしまう…それはもう、どんなに多くの読者が…。いや、自分もそうなのに笑ってしまうのが人情かも。
悪夢に悩まされるようになっては本末転倒ですね。それで見つかってしまったのは…笑うほかありませんでした。
弟の冷静さがまた…親って子供が勉強する、といえば冷静さを失うんでしょうか…といっても、これから格差社会を通り越して身分社会になったらそれもいつまで続くやら、昔の欧米の少年少女小説であるように階級によっては勉強や読書を禁じられることも多くなるかもしれません。
ちゃんと親が見てやればそれなりに伸びるんですね。そのほうがいいかも。
まあ、ゆっくり自分のペースに合わせて…といっても、現在の一律学年制ではそれは難しいのですが。といっても完全進度別でもそれはそれで遅れる子のコンプレックスがすごいでしょうし…
来月号のもり先生の作品も女の子コンビが中心になるようなので、前作と重複しないか少し心配です。まあ楽しみに見てみましょう。
藤代先生の盲導犬シリーズも、ひとつのクライマックスを迎えるようですね。僕には非常に辛い話になるでしょうが。