ちゃお2006年9月号感想

付録のシャープペンはポケットに入れても勝手にノックされることがない、前から興味があったメカニズムです。ただ使ってみると、一回押すごとにかなり余計に芯が出てしまうため、正直使いにくさのほうが先行します。
巨大といっていい缶は贅沢でインパクトがあります。
アクセサリーは上品でおとなっぽいぐらいです。

あ、背表紙のかわいらしさはものすごいです。
表紙も同じですが、字で隠れているので、背表紙で印象を強めている拳など全体としてのバランスが見えにくいです。考えてみるともったいない話ですよ。
それをいうならカラー扉も、本誌ではタイトルなどの文字に邪魔され、単行本では白黒です。
そういう絵はそれ自体価値があると思いますから、できれば二週間したらネットで公開するとか、原寸大で最良の印刷をいくつかしておいて希望者に無料または実費で郵送するとかしてほしいです。

きゃらめるvキッス(八神千歳)きらりん☆レボリューション(中原杏)恋するプリン!(篠塚ひろむ)ラブコミvれっすん(阿南まゆき)三色♪シグナル(小原ショウ)BP番外編ひねくれ台風(あらいきよこ)チャーム†エンジェル(もりちかこ)極上!めちゃモテ委員長(にしむらともこ)ぱにくる☆クッキング(三咲あや)ママvトラブル(こはら裕子)こっちむいて!みい子(おのえりこ)次号予告

きゃらめるvキッス
いきなりキスシーンから結婚、そして男が自分の素肌の胸に手を押し当てる大胆な…
で、それで落ちたと見せかけて空を飛んでいる、とここはみんな何らかの形で魔法に関わっていると主張してなかなかうまい構成です。
あと魔法の世界、というのは日本の法の十八歳制限を無視するという使い方ができるのも新鮮です。
今夜結婚するのにクラスメートにも知らせていない、というのはちょっと問題かも。
女の子同士の魔法での争いは見ていて楽しいです。
女の子のやけどを癒すシーンでは、めるちゃんはそれほど強力じゃないけれどとてもやさしい子だな、とわかって心地よかったです。
リクくんとおばあちゃんの会話もすごくしみじみしました。
いきなりごちそうを食べてしまった変なまもの、そして根暗な魔法使いに小さい子にされてしまい、と核心になる展開はスピードもあり、ちょっとユーモラスでありつつ邪悪さもある、と童話などの本質的な要素がうまく使われていて子供には受けるな、と信じられます。
この主人を探すこともこれからの目的になるでしょうか?
というか、おばあちゃんは優れた魔法使いのようですから一時的に幻術を使ってでも結婚式はあげさせてしまえばいいのでは?
それに、魔法の世界では誰もが見た目どおりの年齢、存在というわけでもないでしょうし。
憎めないけれど邪悪な使い魔、みんなの妨害、主人の意図などいろいろ不安にさせる要素もたくさんありますし、童話の本質的な部分もあり、またキャラクターもとても魅力的ですごく楽しみです。

きらりん☆レボリューション
混乱しての「ナスがママキュウリがパパ」はなんか崩れました。
あ、姿を消すって芸能界引退も含まれてるんですね。うまい。
宙人くんに謝る、というのは珍しく賢明です。
で、超音波で呼び出すってなーさんはともかく宙人くんも人外…?
怒られるのは見ていて逆に気持ちいいです。
今回は宙人くんもきらりちゃんに優しい言葉をかけてます。ここから、一日ずっときらりちゃんのことを考えて言い過ぎたと悶々としていたのでは、と妄想してしまいました。
お互い素直になって笑顔、というのは嬉しいです。
夜這いは逆に大スキャンダルになるのでは…まあ彼女としては構わないでしょうが。
よかっさんが雌だというのはびっくりしました。
浴衣を盗むというのは少女漫画らしくて素敵です。盗んだ証拠がちゃんとあれば、それと賭けを相殺することはできると思いますが…
子供用の浴衣をどうするか…むしろおばあちゃんのほうが和裁は得意でしょう。というかこの世代は誰でも和裁はできるはずです。
元々和服は縫うのが比較的簡単ですし。時間がなければ縫わなくてもホッチキスという手もあります。

恋するプリン
プリンちゃんの意地悪役というか姑並みの意地悪、なんだか懐かしいぐらいです。
「プリンちゃんはサッカー部のお姫様だ!〜」「変態はだまっててくれるかしら?」はいい具合に笑えます。
問題なのはプリンちゃんが仕事をしないことだと思うのですが、誰も聞いてくれないようで…
サッカー対決というのはわかりやすいですね。常に上手な人の意思が通ってしまう、という危険はありますが、全員自主練習をする理由ができるのはプラスでしょう。
キャンディちゃんとソーダアイスちゃんを呼ぶのもなんかすごい。
でも結局これ、パートナーで決まったようです。
親友パワー…うっとうしいなあ。
ボールを奪う、というのでドロップキックをかますのは爆笑。
絶好のPKで入らない、となると事実上どうしようもないのでは。サッカーって、ゴールキーパーが完璧なら少なくとも負けることはないのでは?
このニセボールもありがたいです…やっぱりキャンディちゃんのほうがソーダアイスちゃんよりずっと有能ですよ。
テレパシーで知らせたらそれが間違えた、というのもまた笑えます。
というかキャンディちゃんの能力って、キャンディを出すというより爆弾を出すと言ったほうがいいのでは…
あと、靴でもぶつけるというのは?
大親友パワーでキャッチしたらフェイントだった、というのはうまい。
珍しくプリンちゃんが一方的に得をしましたね、今回。というかなんか、友也くんが女性化しているような…

ラブコミvれっすん
展開速いですね。
仙太郎くんも漫画家志望だったのでしょうか?
隠れ部屋の「なごみそ おさなづまの味」は苦笑しました。
強引に引っ張っていく彼のペースに乗せられる描写は気持ちいいです。
自分が悪い子だ、というのは思うと辛いです。親が命じるとおりの人間になれないことが罪だとしたら、いっそ生まれてこなかったほうがいいとさえ思います。
一気に新人賞まで…何も知らないんですね、彼。
「とりあえず自分で全部できるからないかも?」はちょっと残酷。
ネームからじゃなくトーンから教えるというのも面白いです。
あと、マンガの描き方でそろそろデジタルも…いや、デジタルでやるのはちゃんとアナログを理解してからじゃないと…そう考えるのが古いのかも…
男の体をこういう形で意識する、というのもほとんどの女子にはないことですね。
海がイメージされてしまうというのはすごい。
呼び捨てまで時間がかかるのも見ていて楽しいです。
そして女の子の写真、抱き合うシーンを写真で…ドキドキもハイペースで深まりますね。
それでもうあっさりばれて、仙太郎くんともケンカ?してますし…ハイペースです。

3色♪シグナル
てっきりここで目撃されたと思ったら今回は目撃されてなくて、結局…うまい。
キスシーンの激しさも、言葉にならない思いが漏れ伝わってくるようでたまらないです。
隆平くん、もう一回自分からキスしようとしたのでしょうか?
雅ちゃんには間一髪見られなかったようですが…
三者三様に悩んでいる登校風景が見ている分には楽しいです。自分の気持ちがわからないヒカル、なんであんなことをと惑っている隆平、そして何があったのか疑っている雅…
冗談、というのは最悪ですが便利な逃げ場です。冗談、という言葉にヒカルちゃんがショックを受け、それで隆平くんの真剣な目を見て結局冗談という逃げ場を選んでしまう、ここは結構うまい。
「ヒカルは隆平くんのこと好き?」と直球で問い詰めてくるのもけっこうきついです。
ヒカルちゃんの、必死でごまかして応援するのもわかりやすいバカで素敵。
それで後悔するとか以前に、自分の気持ちをどうもできなくてひたすら混乱しているのもなんだか懐かしいぐらいです。
今日は練習出るな、というのもここまで混乱しているとしょうがないですね。
それでバカ、と叫んだらまる聞こえで…励まそうと飛び越えるシーンもすごくカッコイイです。
この抱擁自体、それほど性的な意味はない…と思います。ちょうど、「風とともに去りぬ」で、店でアシュレとスカーレットが抱き合ったシーンのように。
第一抱き寄せているのは隆平ですし。
それを目撃されてしまうというのが…まあ、ヒカルはちゃんと自分の思いに気がつきましたし、あとは…これほど楽しみなこともありません。泥沼大好き!

ひねくれ台風(ビューティーポップスペシャル番外編)
どうせならじっくり観光を楽しめば?GWならNBAファイナルも…あ、チケットが取れませんね。
でもLAって、子供だけだと全然楽しめない街です。車がなければどこにも行けませんから。
ホットドッグを食べようとしたら子供が激突、ぶつかったほうが切れるというのも子供らしいというか…子供は大体普段から切れる寸前ぐらい内圧が高いですしね。
で、なぜ鳴海もいるのやら…そして毎日あいさつ回り、それはそれでいい話ですね。
綺里ちゃんの匂いがする…すごい。
このわがままっぷりは強烈でした。
写真入りロケットというのもいいアイテムですね。で…あくまで日本語で話すというのがまた彼女らしいです。
子供のけんかを通訳するってそれはそれでなんだか悲惨です。それで結局謝らせてしまうのも…
鳴海たちがここにいるのも楽しいです。どうせなら助けてくれてもいいのに。
ビリー池谷…また変なキャラが出てきそうです。
さて帰国後、どんなドラマが始まるやら。

チャームエンジェル
まさに天使ですね、ミルちゃんは。悪魔…まあ悪魔も堕天使ですから天使といえなくも…
明日の放課後パフォーマンス、というのもわかりやすい話です。
でも悪魔コンテストって、わかりやすい恐ろしさだけでなく、一見甘い悪魔というのもあるのでは…
「ティリはまだ子ども天使だから何もできないでしょう?」というのは子どもには、特にそれを受け入れてしまういい子にはきつい言葉ですね。
違う服装をすると、こんな自分がいたのかとはっとする…ここは面白いです。
ミルちゃんがいきなり変身して歌う…結構直球です。
ぞうきん水をかけられて、逆に天使モードに入るのって…壊れたのでしょうか?
ミルちゃんの背景も色々気になるところです。特にティリくんとの関係が。
それほどは盛り上がりませんでしたが、これからが楽しみです。

もっと極上!めちゃモテ委員長
西崎くん、本気?
女の子は「男のことしか考えてない頭カラッポなバカばかり」…男は女体と暴力のことしか考えていませんよね…
ああ、と手を叩いて「恋だね」というのもまた面白いです。どこまで本気やら。
遠野くんとリカっちさんが少しずつ接近していくのも見ていて楽しいです。
今度は髪を洗う、ですか…あ、ふと気がついたのですが、髪って男女で違いはあるでしょうか…肌も?
僕もフケを出さないためだけでも、「ヌメリがなくなるまでよーくすすぐ」価値はあるでしょうか?結構いい加減にやっていましたが…この作品に描かれてることって、男も守るべきことが多いかも。
あくまで特訓ってかなりスポ根な子ですね。
西崎くんの言葉も、都合よく解釈してしまいましたね。
東條くんとの関係が結構早く修復されたのは嬉しいです。というか東條くん、自分の気持ちに鈍すぎ。それで涙をぬぐったりデートに誘ったりと罪な男です。
「遠野のススメる本おもしろいんだー」と、リカっちさんと遠野くんが接近しているのも楽しいです。
そしてパーティ…これはこれで結構間抜けな眺めですが…ここまで変身するとは!もう別人ですね。
下品になるばかりとさえ思えるデビュー(一般的には髪を茶か金に染め、化粧や装飾品をたくさんつけることでしょうか?)より、こっちのほうがずっといいです。
東條くんたちも協力してくれたのは嬉しいです。
最後の一人が遠野くんで…う〜、ここはたまらないです。でも主役がさっさと消えてしまうのはちょっと失礼かも。
華恋さんはちょっと肩透かしを食らったようですが…どう動くやら、秘密って一体?なんかちょっと重くなりそうです。

ぱにくる☆クッキング
すごく好みの絵です。
まっすぐな感じで、表情もしっかり重いが伝わります。
雰囲気は怖いのに「よってたかって弱いヤツ責めんなよ みっともねぇ」と正論ですね。
キレたら包丁振り回す…制服の下に包丁…あまり笑えません、というか次元が違います。
麻弥ちゃん以外追い出して手を強引に握って素早く調理、それですごく高圧的に、強引に引っ張ってじきじきに特訓…すごいキャラです。
麻弥ちゃんたちは恐怖で従っている、というのがちょっと悲しくなります。
彼に悪気はない、というのは僕にはよくわかるので…単に、刃物に関する感覚が完全に麻痺してしまい、普通の人はどれほど刃物を恐れるか想像もできないだけです。あと自分自身が善意だとわかっている分、自分の善意を疑う人がいることも想像できない…
ごめんなさい、と謝ってばっかなのにいらいらして、それでやっと「怖いだけの人じゃないの…かも…」とわかる…少し余裕が出てきて…心の動きを丁寧に描いているのもいいです。
失敗続きのところをきちんと描くのもいいですね。一段一段ちゃんと積み重ねてます。
そしてぽん、と頭をなでられて嬉しい、という気持ちが伝わって、だからありがとうとうまく言えないのもすごくわかる思いです。
「他人になんと思われよーがどうでもいいから放置」というのはよーくわかります。僕もそうでした。「李下に冠を正さず」は僕も大嫌いな言葉です。でも…ため息。
タマネギの切り方で猫手を教えるのにスキンシップになってドキドキする、というのがまた可愛い。手は前に握られていますが、そのときは怖くて忘れていたんですね。
料理で暗示をかけてくれるのも優しいです。
彼も初めはなにもできなかった…ちゃんと初心を覚えていてくれているのも素敵です。
笑顔にドキッとしてびっくりするのも可愛い。
卵が割れてしまい、工夫で何とかする頼もしさも、前半との対照がすごく生きてきます。
人格自体が大きく成長していることを実にうまく描いています。
やっといえた「ありがとう」の一言、そして…もう一つの思いも…それはまだ言わない、というのも余韻を残してすごく素敵。
こういう正統派作品、作家は大好きなので、これからも頑張って欲しいです。期待しています!

ママvトラブル
強引ですが丁寧なまとめ方です。
施設がすごく仲のいい家族だった、というのもよく伝わってきます。
それが突然裏切られ…普通なら大切な人の幸せを喜ぶのが本当なのですが、彼もまだまだ幼いんですね、言葉が大人びているからわかりにくいですが。
先輩もそれを否定しない、ここでは説明しない…言い訳をしない、というのは日本では重要な倫理ですが、説明もしないというのは誰のためにもなりませんが。
たとえば飛行機が大事故を起こしたとき、整備関係者がすぐさま何も言わず書かずに全員自殺したら、“言い訳せず責任を取った”ように見えますが再発防止に必要な原因究明ができないので、また同様な事故が起きてしまいます。
どうにもならなくなったところでより小さい子どもたちが救いになってくれた、というのは嬉しいです。
本当にママ突然帰ってきましたね…それでみんなともお別れ、って…
結局颯先輩を無視するきういくん、そしてその理由…説得力は小さいですが、わかりやすいです。
やっときういくんが涙を見せたのがなんだか嬉しいです。
エピローグはなんだかあっけないですが、温かみは伝わってきます。

こっちむいて!みい子
ため息…なんで同じ学年、年齢でも、こんなに精神年齢が違うのでしょう。
生まれてからの年月ではなく普段のクラスは精神年齢、体育は体力、科目は科目ごとの理解度で学級を組めば、こんなギャップはないのに…
でも、本当にお互い損をしているのでしょうか?この話を見ると、同年齢学級ゆえに精神年齢の差があることで、どちらも得をしているようにも思えます。
ずいぶん楽しい夏休みだったようですね。
宿題やっていても女の子を褒めるのは忘れない、って末恐ろしいヤツめ。
残り全部写させてくれとか、こうして甘えられる彼氏彼女っていいですね。
みい子ちゃんはもっと大変なのは、ちょっと考えればわかることです。
残り何時間か計算するのもわかりやすいです。
写させて、という誘惑を必死ではねのけているのも見ている分には楽しいです。
みんな集まって勉強…これもまあ夏休みのいい思い出かも。
それで小学校の先生に、と変な夢ができてしまうのも面白いです。

五十嵐先生の作品は相変わらずか、それとも増刊での変化が生きてくるか…
そしてまいた先生。「なかよし」ファンとしては結構複雑です。まあ余計なことは考えず、純粋に作品を楽しみましょう。

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