ちゃお2013年10月号感想

辛い一ヶ月でした。ずっと、自分で育てた怪物に拷問される一ヶ月でした。
「キミは宙のすべて」で、僕は実際より何万倍も恐ろしい怪物を自分の中で想像し、それに拷問されていたのです。
感想を書き始めるまでのためらいも悪夢のようでした。
息ができなくなる、胸が痛むほど辛いんです。
でも感想を書かないという選択肢もありません…やらなければ、自分で作った怪物に一生拷問されるだけなんですから。

12歳。の表紙の暖かい華やぎは圧倒されますね。
付録も安定した質で、使いやすいものばかりです。

12歳。(まいた菜穂)こっちむいて!みい子(おのえりこ)オレ様キングダム(八神千歳)ちび☆デビ!(篠塚ひろむ)キミは宙のすべて(能登山けいこ)少女少年ドーリィ♪カノン(やぶうち優)てぃんくる☆コレクション(和央明)エリートジャック!(いわおかめめ)極上!!めちゃモテ委員長(にしむらともこ)寄り道のふたり(中嶋ゆか)にじいろ☆プリズムガール(中原杏)ちっ恋!(くまき絵里)ハルと魔法のカギ(白雪バンビ/武内昌美)次号予告

12歳。
いきなり女の子の…何かと思えば…
精神年齢だけじゃなく体の面でもクラスメートより早熟とは、逆に大変でしょうねこれは。
桧山くん、腰乗ってていい蹴りしてます。でも多分殺傷力過剰…
「他のヤツに聞かせたくねーんだよ」…ああ、なんかもう体がスライム化しそうです。
女子のふりをしてブラのサイズを聞き出そうとするのは笑えました。
女子のほうがこの年齢、精神的には早く大人になりますから…大変です。
進展してもしなくても気に入らない女子…なんというか、こういうのは見ていて楽しいです。
そして剃刀とは、とことんコメントしづらいネタを。でもそれが、すごく実際の読者には切実で身近な問題だというのはわかります。
いきなりそれを「ゲットだぜ」でチェックして大騒ぎ…あまりの愚かしさ、深刻さに頭が痛くなりました。
凶器、ってT字剃刀を凶器にするなら、そのために最低限必要な道具を凶器にしたほうがまだ効率いいです。
言うことができない…これは困りますね。
それでどんどん争いがエスカレートする、というのもこの年代のリアル、という感じです。
「理由わかんねーと守りたくても守れねーんだよ」、これかっこいいです。
男子も体力だけが極端に強くなってきている…
で、また別の男の子にちょっかい出されるパターンですか。
さて、同じネタをどう調理しなおすやら。

こっちむいて!みい子
またしても残念。
10巻って昔過ぎますよ。
「人に手伝ったりしてもらわないほうが」とか、ちょっとした嫉妬からでしょうが、結構そういう言葉が深刻になったりしますよね。
そして、自分が手伝ってもらうって…客観的に見るとめちゃくちゃずるいですよね、これ。
まあそれに自分で気づくのはえらいですが。
「一人で描くのさびしいならそう言えばいいのに」は大笑いしました。
まったく見事な大逆転です。

オレ様キングダム
輝くんが人気投票一位とは…まあ活躍していますしね。
大吉、というのが何の伏線やら…
白馬くんの凶はお約束です。
不思議な泉、ってのもどうやってそんなネタを入手するのやら。
「黒澤きゅんと結婚できるのかどうか」…そんなこと知ったらどっちで会っても不幸になるのは明白じゃないですか。
「あの2人の単純さは尊敬するよな」に同感。
一色先生が暴走したら山吹さん、というのはもう黄金パターンです。
水が枯れている…
黒澤くんの口説き文句は殺人的です。

ちび☆デビ!
おゆうぎ会、それも桃太郎…楽しそうです。
ほのかちゃんの髪飾りがかわいいです。
台詞が出なかったりするのもたまりませんね。
覚えられなくて、頑張ってるのにダメで泣き出すの…これは抱きしめたくなりますね。
みんなで頑張れば何とかなる、というのが嬉しいです。

キミは宙のすべて
扉をめくるのが辛い、息ができないほど。
胸が苦しい。痛い。痛い苦しい痛い。
一ヶ月、あまりにも巨大に、自分の中で怪物を育ててしまった…
「おばあちゃんの怖さを」という言葉で一気に増幅されてしまいます。
「次は莉花ががまんする番だよ」って、よくありますよね。いじめられる人がより下の人をいじめるって…だから権力は怪物なんですよね、周囲の人間まで怪物にしてしまう。
広い贅沢な部屋、でもそれは僕には…その裏の巨大な権力しか感じられません。
なんとしても会わせない、とする大気…
星夜くんが彼女のことを何も知らない、というか銀河くんの連絡先を知らないというのも問題ですよね。というか自分の母親に聞けばある程度わかるはずなのに。
とにかく星夜くんは、自分の母親・銀河くんの三人で共同戦線を作ることが一番必要です。それでなんとか…莉花ちゃんの優しさが、何か突破口になってくれるのを祈るだけ…
電話番号を携帯電話に覚えさせて、自分で覚えてないのも現代らしいですね。
なんとか電話が通じたところを強引に押し倒されて…でも結局は、ラスボスは出てもいない…
これからも、「おばあちゃん」という名の怪物は、僕の中でどんどん大きく膨れ上がっていくだけ…目の前が真っ暗になりました。
助けてくれ、と絶叫したくなります。いっそ怪物に直面したいです。
健診での血液採取で太い注射針刺されるぐらいの勇気を出してページをめくったのに、ラスボスの姿を見ることもできないなんて!
いつ来るかわからない悪夢を、これからも怯え続けるしかないなんて…自分を拷問し続けるしかないなんて。
地獄です、読者にとって。

少女少年ドーリィ♪カノン
「ツギノヒドリ」はつくづく便利です。
結局女装、と読者サービスを忘れない作者に乾杯。
「つき合ってることはっきり言わないの!?」という嫉妬が楽しいです。
「あいつに言いたくないのか」「歌作りのパートナーでしかないから」、本当に好きになっている奏四くんと、好きすぎて自分が好かれていると思えない心音ちゃんのすれ違いが絶妙です。
カノンだとあっさり見破られて、二人それぞれ考えていることが違うのが面白いです。
すごく複雑な心の理論ですよね。
男に変装している、と思ったとは…
作詞作曲はできる、でも「低俗」…きついですね。
小さい子が二人共絶対音感、でも小さい頃から作詞作曲に罪悪感を持っていた心音ちゃん…
いつも、母親は自分に期待していない、母親のようになれない…とネガティブな前提で動いてしまう…なぜこれほど?
母親は、ずっとすごくネガティブなメッセージばかり送っていたのでしょうか?
客観的には、ピアノも歌も作詞作曲も天才なのに。
結構深刻ですよね。

ティンクル☆コレクション
メールのやり取りが嬉しくて仕方ない、というのも楽しいです。
そしてWデート、どんなことになるんでしょう。
告白、という言葉だけでぎゃぶー、ってすごいアクションです。
そしてこの華やかな変身…「ファンタジーまんがではありません」という注釈にまったく説得力がありません。
デート前の洋服選びも大変ですね。
原宿系、というのも面白いですね。
お財布がプレゼント、というのも優しいです。
うんとしか言えない、に「恋は思いやりです」…いい言葉ですね。
「恋してないのに恋を語る中学二年生」が苦笑します。
ひたすらメロンソーダ、というのも面白いですね。まあ楽しそうににこにこしてますからいいんですが。
「楽しそうにしてくれたり」というのは実際そうですよね。
そしてすごく楽しそうになっている…
財布がない、にもちゃんと対応できる男二人、頼もしいですね。
告白からいきなり抱擁はすごいですよね。そりゃ引きずりますよ。
恋を結ぶお守りとしてバカ売れ、が大笑いしました。
修行頑張ってください、楽しみにしてます。

エリートジャック!!
京都ですか…住むには悲惨だそうです。暑い寒い。
京都のほうが勉強になる、というのは一見正論ですが…
間宮ちゃんとこっちで会って、どんな楽しいことになるのやら。
あっさり犯人を捕まえてしまう…えらく悪辣なことを。
逆にアルファ校になりすまして、何をするんでしょう…「真心」というポスターがむしろ恐ろしく思えます。
めちゃくちゃ評判がよくなっていて、さらに今度は次の行き先である奈良も同じように…これはまたきついですね。
なんというかこれ、圧倒的な財力と人海戦術…間宮さんがかわいそうになってきます。

新極上!めちゃモテ委員長cute
…もう存在自体忘れていた三人組が…
やっと復帰ですか。というか電話一本で気軽にできてしまう、というのがある意味恐ろしいです。
階段を確かめに言ったら突き落とされる、って殺人未遂ですから警察へ。
夜の学校で手をつないでたり、出番がなかった分を取り返すようなラブラブぶりですね。
毎晩おまじない、というのも女の子ですね。
「甘いのはあなたですわ」とチョコレートの袋を破くの、まあわかりますけど。
なんというかいつもどおりです。
そして…見事なビフォアアフター。さすがに若い。
そして真犯人は?まさか先月号にあったホラーと関係したり…?

寄り道のふたり
自分の失恋の痛さも忘れて…まあ他人におせっかいする快感のほうが…
信号とともに、どちらが引っ張るのが代わる、というのが実にうまいです。
カッコなんて気にすんな、といわれて最高にかっこいい登場の仕方をしてしまう運動神経…
花嫁さんの笑顔は圧倒されるほどでしたね。
そして、お互い名前だけ交換して、携帯電話は出さない…
また会いたい、となったて叫んだら木から落ちてきた、というのはすごいですよね。
二人ともよく公園に来るのに、なぜ知り合いじゃなかったのやら。
これからも続きがありそうなのが素敵です。

にじいろプリズムガール
「ダイヤモンド・プリズム賞をとりに来たよ」と客席側からの登場…それを横綱相撲で迎えるRIAさん、どちらもすごいです。
国民投票と言っても、国民の何パーセントでしょうか?
今の地デジは一応インタラクティブですが、使いこなせるのは1%もいないでしょう。
二人とも地味な衣装でシンデレラ…それも二人シンデレラ、台本も何もなし…なんというか二人がお互いを引き立てあうため、って感じですね。
藤宮沙織の名前が出てくるのも憎いです。
まず引っ張ったのはRIAさん、でも虹架ちゃんもよく食いついてます。
完全に漫才になってますけど。
で、親友だからという一番の泥沼パターン…どこに転がるかわからないこわさ。
今のところはRIAさんが一歩リード、というかこれ、作者の才能がすごすぎます。

ちっ恋!
「ウソつくの得意なの」…わかりやすいぐらいですね。
「みぃの彼氏になったんだ」とあっさりやられてしまった、なんともいえない感じですね。もう怒る以前に背骨いきなり引っこ抜かれたような。
いや単なる誤解で終わるとばかり終わっていたので。
忘れるためになぜメイド服?
でも大人に思われてしまう、なかなかうまくいきませんね。
そして…なんで毎度毎度胸にジャストミートしてしまうのやら。
子持ちといわれるのはさすがに笑いました。
大人を投げ倒してしまうとは、色々恐ろしい子です。
でもコンクリートでの投げ技は死にますので…
「立花を行かせたくない」というのは、彼女がいる男が言うべき言葉じゃないですよね。
「俺の好きな人は立花だった」で、「ストーカーされてるからつき合うフリ」…なにそれ、と絶叫。そんなのありかよずるいぞ!やってくれました。
デカ女でも押し倒せば関係ない、というの、かなり凶暴な男の子ですね。
…ここにワンワンの落とし物があったら大変ですが。
いやもう、楽しい作品でした。増刊での続編も楽しそうです。

ハルと魔法のカギ
カギが長剣に?といっても、鋼でこの大きさの剣だと2kgぐらいはあると思います。重いです。
倒す、というか殺す、なんですよね…
「お前だけが私の味方」…魔法で支配してそういわせる、すごく淋しい話ですね。
アニメキャラの抱き枕に愛をささやいているのと変わりません。
手を握り、勇気を振り絞って、ミルクを竜に戻し…守ってみせる、という決意。
強引に抱きついて、実際には高所恐怖でものすごく怖いでしょう。
強く抱きしめて「あたしは大好き!」と繰り返すのは胸が熱くなりますね。
「もうゆるさない」って、もうあなたにできることは…もう詰んでますよ。
さっさと逃げて再起を図りなさいな。
どうせ、あらゆる世界を消し去ってやると暴走して止めてもらうだけでしょうけど。

月号はすごく豪華ですね。
笹木先生の新連載に、久々登場のもりちかこ先生、さらに初登場のうちはら先生はすごくかわいいタッチで期待できますし…

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