ちゃお2013年11月号感想
この表紙は目の力がとても強くて、すごく遠くからでもまず目につきます。
やはり「キミ宙」がどうなるか、怖くて仕方がないです。
今月号はすごく読んでいて楽しい作品が多かったです。
キミは宙のすべて(能登山けいこ)こっちむいて!みい子(おのえりこ)少女少年ドーリィ♪カノン(やぶうち優)12歳。(まいた菜穂)おやすみメモリーズ(笹木一二三)オレ様キングダム(八神千歳)オトナみたいに恋してる!(うちはら香乃)ちび☆デビ!(篠塚ひろむ)にじいろ☆プリズムガール(中原杏)ぶっとび!漫☆ガール(もりちかこ)極上!!めちゃモテ委員長(にしむらともこ)エリートジャック!(いわおかめめ)ハルと魔法のカギ(白雪バンビ/武内昌美)次号予告
キミは宙のすべて
人は人を家畜化する動物なんですよね、生まれつき。子供こそ、何の抑制もなく。
かなり幸運な再会ですが…
「限界」という目線はかなり怖いです。それで圧倒してしまいましたか…
「おばあちゃんにばらしていいよ」と、ここの彼女の美しさは呆然とするしかないほどですね。
宝飾品、靴まで全部外して返す、というのもうまい表現です。
「また絶対星夜くんに会いに行くから」というのが、実際にできるとは思えないです。「おばあちゃん」というのがそんな甘い存在には思えない、僕の中であまりにも巨大な怪物を想像してしまっていますから。
「お姫様はオレがさらって行くから」とお姫様抱っこを決めるのもかっこいいですね。
カギがない、で「私の部屋の窓あいてると」…そりゃ星夜くんも怒りますよ。
肩の傷口にキスする、というのもえらくエロ。
で、「がまんしなくてもいいよ」…おいおいおいおい、少女誌なんだぞー。おまえ少女誌で本当に…おいどうなんだこら!そんなことは女性読者やPTAが許さんぞ!俺も許さん!決して!編集長も許さないって(もちろんラーズの台詞です)
でも、こうしてラブラブで甘ければ甘いほど、ラスボスの恐怖が募っていく…先送り、中ボス一匹倒しただけなんです。
難病とかと同じなんです。死亡フラグがあるからこそ、今だけは激しく燃え上がる…
こっちむいて!みい子
ミスコン、というとなんだか面白いですが…
やはりミホちゃんですか。
というか他の子も…
むしろ金を取る、かなり危険な業界なんだ、ということを先に読者に教えてくれるのはとても嬉しいです。
でもみんなこういうのは好きですよね。だから割と安全に思えるおしゃれスナップ撮影界とか…
みんなが華やかな格好をしているのはいい目の保養です。
ミホちゃん、カメラ慣れしすぎ…
みい子ちゃんとまりちゃんの撮影が短い、でケンカしてしまってるのは可愛いです。
そして本当にスカウトされて…「もうすぐいちねんせい」これはとことん笑い転げました。
しかし、母親の本名「山田理絵」…設定が固まったのは小坂理絵・山田デイジー両先生がデビューするずっと前だったと思いますけど…
少女少年ドーリィ♪カノン
本番で歌詞を忘れて、というのは鳳蘭さんが「ラララー歌詞忘れたー」とやったという伝説を思い出します。
ソーセージの歌というのもすごい話ですが。
「生まれてきてゴメンナサイ」…これほど悲しい言葉はないです。
奏四くんが抱きしめてまっすぐ言ってくれる言葉、本当に嬉しいです。
すぐにそれが歌になるのもすごいですね。
母親は善意かもしれませんが、まったく歪んで伝わってましたね。
正直「そんなこったろうと思った」ですけど、だったら信頼の置ける超一流ピアノ教師に、事情をよく話して師事させていれば誤解を生まなくてもよかったはずですが。
母親には女装も全部ばれている、というのは苦笑しました。
ラファティにキスされて悲鳴を上げているカノン、母親が笑うのはわかります。
まあキレイに収まってよかったんですが、こんな簡単な話の割には心音ちゃんの心の傷がかなり深すぎるような…
12歳。
こんなラブラブなところで、いきなり別の男の子に声かけられたらそりゃびっくりしますって。
「気をつけろよ」の意味が伝わってないのが苦笑しました。
ニキビーム…すごい汚いですが男子は汚いことが大好きです。
「「かざらなくてもステキ」だよ」を本当に言う男…笑うしかないですね。
いきなり朝、掃除ロッカーになっていたのは驚きました。
まりんちゃん、未海ちゃんと同じことしてますね。競演したら楽しくなりそうです。
好きな人の上着を抱きしめるとニキビが治る、というのは上手いこと考えましたね。
カレカノ劇場(激情編)…あほだ、あほがいる。
まあ女子もアホですが。
つい、上着を抱きしめてしまった…しかもそこを見られて…
女子にとってそれがそれほど真剣なことなんだな、とやっと理解して、「「彼女いるから」とちゃんと応えてくれる、本当に男子って鈍感です。
犬と猫を同じ教室に入れるぐらい無茶な話です。
気づきもしない、でも不安だけはわかってくれる…このしっとりした描写は絶品ですね。今たまたま聞いているモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第三番ト長調K216にぴたりと合うような。
そして倒れた拍子のキス?
さてそれがどんな波乱の入り口になるのやら。
おやすみメモリーズ
強烈な才気がカラー扉からもはっきり伝わります。
そして冒頭、最初から「俺彼女できたんだ」と、強烈なショックから。
「消えちゃいたいよ」に、何が応えてくれるでしょう。
スマホの妖精とかと思ったら、普通の現実の男の子…強引にゴミ拾い。
うまく読者の期待を裏切ってくれます。
手を打ち合わせるのではなく、丸くなったガラスの破片…ここはうまい。
これはもう自然の一部ですね。
「いいことあったんだし元気出せよ」って、ちゃんとわかってくれている…
つい避けてしまう、「あの子やだ」という感情…どうしようもないですね。
で、隠れて泣こうとしたらまた津野くん。こういうリズムのよさはたまりません。
石同好会なら僕もやれそうですね。あちこちで石集めてました。
なのに僕の頭にはなぜか鉱物学が入りません。植物や昆虫の種類も入らないのですが。
石のランプの表現はすごいです。
「自分のこと他人事みたいに言うやつなんか」という言葉、すごく深いです。
変わろうか、と思ったところで…おそろい攻撃…ああああ、まあその場で刺さなかっただけでえらいです。
この彼女が善人なのか悪人なのかがまず大きなポイントですね。
一つ一つの描写がすごく丁寧で、読んでいてとても楽しいです。
すごく楽しみです!
オレ様キングダム
ええと、これまたやっかいな取材企画で…
そして午後の授業にきたら、超絶美女に変身していた…というかみんな気づけって。
輝くんはさすがに最初からわかってますね。
磨けば光ると言っても男子たち調子よすぎますね。
当の黒澤くんがいないところで「ののは黒澤くんのモノなんです」…なんかすごい想像されそうなんですけど。
黒澤くんの嫉妬、すごく複雑で…そしてつい我慢できなくてキス、もう濃厚すぎてとろけてます。
オトナみたいに恋してる!
扉からもう一杯の元気が破裂してくるようです。
小学五年生で五歳も年上の家庭教師と両思い…犯罪ですね。
そして大人になる薬、変身シーンのヌードがまた素晴らしいです。
葉一さんも色々大変ですね。
「アタマわるそうな子」と劇のヒロインに言われて、この怒りの表情がなんともすごいです。
でも縛り上げて役奪うのはひどすぎる…まあ小学校五年生ですから。
台詞を覚えてない子を引っ張って劇を作っていくって、もうご苦労様としか言いようがありません。
帰り道の女の子のほうからのキスもすごい迫力ありました。
ひたすら勢いとパワーで押し切った作品ですが、すごく楽しかったです。
この前日譚も見てみたいですね。
ちび☆デビ!
久しぶり、今回はどんなことがあるやら。
一緒にアイドルごっこ…それは楽しそうです。
お肉、って…苦笑通り越して笑い崩れてます。
オーディションごっことか、先生たちもつきあいいいですね。
ペペちゃん、慣れきってますね。笑い転げるしかありません。
伊藤先生のノリノリがまた悲鳴洩れるほど楽しいです。
すごくかわいいことになりました。親がいたらアルバム一冊増えるところです。
おいしい肉は園長の持ち出し、というのがちょっと気の毒かも。
そしてペペが彼女とケンカ…あーあ。
いや楽しくて楽しくて楽しくて。
にじいろ☆プリズムガール
上手い構成ですね。RIA無双と思わせておいて沙織モード…
なんとか反応して動いた虹架ちゃん、そして安心した一瞬の隙に攻めてくるRIAさん。
怪我をしてまで、「どっちか選んじまったら」と、友情の緊張感で攻めてくる…さらに反応しようとしたのをそのまま抱きしめて、もうとことん攻め込まれてる…
なんかアメフトみたいですね。
鏡を見つめて、「暗い顔じゃ」と自分を客観的に見ることができる…そして母親の言葉を思い出し、一気にターンを取り返す!
さらに客席を利用する、と。客席を使う演出は宝塚でも時々見ますが、難しくてとても効果が高いです。
藤宮沙織の伝説を利用する、さてこの強烈なスマッシュをRIAさんはどう返すか…
もうわくわくが止まりません。
ぶっとび!漫☆ガール
扉が忍者漫画にしか見えないのがあれで…
なんかむちゃくちゃな導入部、完全実力主義というか虎の穴…いや今の子にはヘラクレスファクトリーのほうが…いやそれすらもう十年は前なんじゃ…
さすがにこれには笑うほかありません。
入るのは簡単だけど卒業は難しい、というのは日本にあればいいんですがね。
「松江っていうかまつげ」…うまいことを。
基本ぐらいのレクチャーはしてくれるとはなんという親切な…というかこのぶっとびようでちゃんと漫画の描き方を教える漫画、というのは脳みそ沸騰してます。
「見つけろ自分で」という松江先生、カッコイイですね。
短時間で一気に修行して、まだ足りないとわかってて、残り三十分で演技しながら写真を撮ってもらって…
なんというか、もうファンタジーに片足突っ込んでるタイプのスポ根、に見えていて…
入学試験で成長する、というのは『やまだたいちの奇跡』すら思い出させる泥臭さ。
下手な漫画の絵も書けてしまうというのがまたすごいですね。
ひたすら明るくパワフル、やっぱりもりちかこ先生の漫画は読んでいてとても楽しいです。
極上!!めちゃモテ委員長
自分の恋人のことは気がつかないのに、テモテモの花の位置は気がつく…はあ、しっかりリップのことも気づいてますね。
ということはこいつは男子じゃないんだ。実は男装女子なんだ。
あきらめるという文字がない…不可能とう文字がない辞書を持つ某コルシカ人はロシアに突撃して爆死しましたけど。
あっさりと男の子を見つけて抱きつく、って冷静な子もいたものです。
「彼女の北神未海」とちゃんと行ってくれたのは嬉しいです。
上着を取り合ったり、彼女がいる人にこんな…って、東條くんじゃなく上着の中の何かが目当て?
メイクなしで体育、というのも厄介ですよね。でもダンスは体育より過酷ですから、アイドルたちは崩れない化粧を会得しているはずですよ?
この対決もまた楽しいことになりそうです。
エリートジャック
今回はどんな楽しいことがあるのやら。
「2位おめでとう」は確かに嫌味です。
で、この脅迫は…別にばらされたところでなんてことないんですが。
そして勉強を教えてくれ、というのも面白いことをしますね。
カラオケボックスで、全然勉強する気なさそうですが…
正岡子規の話から野球の話に持っていく、なんとか勉強に興味を持たせようとしているのはわかります。
そしてユリアちゃんが入ってきた…どういうことになるのやら。
「ざせつとなまけは違う」…これは救いようがないほど重いです。
で、「修学旅行画像よりまずい画像出てるよ」…なるほど。
そしてユリアちゃんがぶちきれて、さあどうなるでしょう。それにしてもここまで腐っているとは…
…特別講師でオメガ高校…恐ろしいことを。
なんというかもう悲惨ですけど、さらに逆襲…このおたがいの攻撃しあいは笑うほかありませんね。
勉強をする人間としない人間の違いって、本当にどうしようもないんですよね…
ハルと魔法のカギ
扉の美しさは呆然とするほどです。
あくまで善意で訴えかける…それが通用するかどうかはわかりませんが。
相手があくまで攻撃するなら、即座に殺すと切り替えたほうが安全ですが、そんな考えをしないのが真の勇者なんでしょうね。
まさか「鍵をあげる」…想像を絶する行動です。
「何があっても寄りそう心」が一番きれいな心、といってもそれは危険すぎるんです。
確かに、「カエルにキスしたら王子に戻った」…邪悪を愛が溶かす奇跡は絶対にないとは言えません。でも、99.9999%は共依存という最悪の心理状態で両方が破滅するんです。
本当に銀の魔法使いのそばにいると決意して…
銀の魔法使いの本体、小さな老婆…それでも受け入れる優しさに、ついに銀の魔法使いの心も溶けた…
ただ、この処方は現実には絶対に薦められません。
そしてハルちゃんには、現実に帰ってレオンたちと別れるという辛い決断が残っている…
さあ、どんな決断をするでしょうか。
来月号は久世先生の連載に、「ナゾトキ姫」…
どちらもすごく楽しみです。