ちゃお2014年1月号感想
和央先生の表紙は、何十メートルも先から、僕の0.2しかない視力でも目に飛びこんできます。
いつも楽しみな「ちゃお」だったのに、今は毎月怖くて仕方ないです。「キミは宙のすべて」がそこらのホラーより怖い…一ヶ月の間、怯え苦しみ続けているんです。
11月30日に三誌まとめて買ってから今日まで、「今見てしまえば楽になれる、見ない限り自分で自分を拷問し続けるだけだぞ」と毎日のように思いながら、どうしても手にする勇気が出ない…
ただ、今月は他に、読んでいて幸せな気分になれる作品がとてもたくさんありました。
すごく素敵な作家陣、素敵な雑誌であることは確かですよ。
てぃんくる☆コレクション(和央明)キミは宙のすべて(能登山けいこ)12歳。(まいた菜穂)ちび☆デビ!(篠塚ひろむ)寄り道のふたり(中嶋ゆか)少女少年ドーリィ♪カノン(やぶうち優)ひとりじめvヒロイン(久世みずき)おやすみメモリーズ(笹木一二三)にじいろ☆プリズムガール(中原杏)ショコラの魔法(みづほ梨乃)こっちむいて!みい子(おのえりこ)オレ様キングダム(八神千歳)極上!!めちゃモテ委員長(にしむらともこ)次号予告
てぃんくる☆コレクション
ハイテンション!
ハイテンションって元からですよね?
修行で強化したのはロッドだけ?「なんでやねん」はなぜか爆笑しました。
さらに腕立てふせまで…
店がつぶれかけてる、というのはもう笑うほかありません。
夢が無い、というのはむしろいいことなのでは?生活のことだけ考えて冷徹に選べますし、何か強制された時に葛藤する必要がありません。
金属製品はどうやって作ったのでしょう?
入れ歯は爆笑しました。
「探して磨いてねぇだけだ」というのはすごく素敵な言葉です。
お菓子を作れる、というのはそれだけでもすごいですよ。僕にはできませんし。
まあ、それで食える人は今は少ないのですが。
おかしのついたウサギで釣って…これはうまい。
色々なお菓子風の飾りは見ていてすごく楽しいです。
さて、また楽しい日々が始まるようです。
キミは宙のすべて
やっと星夜くんと銀河くんが共同戦線?と期待させてくれます。
あ、大気くんじゃなかった…最低と思っていましたが。
そして大気くんが出てきて、なぜおばあちゃんも彼には弱いのか…
伝えられないけど大好きだった、というのはわかるのですが。
でも問題は解決してないですよね。おばあちゃんの孤独と邪悪そのものを癒すことはしていない…
というか「他にも手はあるもの」ですし。結局は先送り…
「みんな莉花が大好きだから助けたいんだ」という言葉、素直すぎる言葉ですね。
結局は全部先送り、という感じです。まだまだ地獄は続きそう…
感想を書き始めるまで二時間ほどためらいました。頭痛がするぐらい。
12歳。
孤立しました、って何気なくめちゃくちゃハードなことに…
連れて行かれた、と聞いたら心配になるのもわかります。でもここに顔出す男子…いや、イケメンなら許されます。小学生のときの僕が顔を出したら、もう想像もしたくありません…まあ僕は、嫌悪の目を無視して傍若無人にふるまうことはプロでしたし、今もプロですが。
武器を持ってきてくれるとは頼もしい…
「あんなカレシじゃもったいないくらい」って知りもしないのに。
ま、どんな男でも彼女にはもったいないかも。
学校で塾の話ができないとか、女の子の友達作りも大変ですね。
電話切ったと思ったら飛んできてくれた…うわああああ。
縛り上げて吊るしているのは笑えました。ロープはどこで用意したんでしょう。
みんなが塾の話題で話しているのも、すごく小学生のリアルっぽくて楽しいです。
「学校で習ってない式使うの」は反則扱いされますけど、別にこれは僕はいいと思いますけどね。
「それ言ってどうするの?」というのは大人の反応ですよね。
「他校に友だちいると男ショーカイしてもらえるから」というのはリアルでステキ。
稲葉くんの弁舌は見事としか言いようがないです。
完全論破、さらに迫力でも圧倒して…でもこういう大人って小人ですからね、かえって恨みを買うかも…
「そっちのほうがずっとすき」は極悪非道です。
そりゃ惚れるよなあ、ってよくわかりますね。
ちび☆デビ!
雪は子供には一番嬉しいです。
魔法で雪を積もらせるのは反則かも…
そして雪男まで、なにげなくすごいながめですね。
善意なのに大きすぎて、というのは見てて泣きたくなります。
でも最後にはちゃんと役に立ってくれて、すごく嬉しかったです。
とにかく読んでて幸せになれる作品です。
寄り道のふたり
前の作品の続編か、と思ったらかなり違う…
いきなり美少年に抱きしめられてフィアンセ、というのも強烈です。
「カンペキなあなたとダメダメなワタシとじゃ」…どれだけの努力をしてから?
いきなりベッドに押し倒してくるのはむしろ笑うしかないです。
「信じるよ」といわれての笑顔、すごくステキですね。
すぐやはり寄り道してしまう…でも彼はちゃんと受け入れてくれているようです。
「そのままでいいよ」というのは大切な言葉なんですが…
そして理事長が頭を下げている、といっても教師たちのほうが正しいとは限りません。
自分を責めている彼女、ここで回想シーン…空を飛べる、というのは湖に星空が写って、というのがすごくキレイですね。
そして…寄り道部?
それがどんな形で何を生み出すか、楽しみです。
少女少年ドーリィ♪カノン
ばれた、と思ったら…どっちかわからない、というのもややこしい状態ですね。
落ち着こうとしたら間接キスとか、もうめちゃくちゃになってるのが見ている分には楽しいです。
「こんなカワイイ子が女の子のはずがない」というのは、ネットではよく聞く言葉なんですが、彼女にはちょっと意味不明かな?
なかなか連絡を取れない、そして呼び出されて…
「あなたの知らない世界」って、おもいっきりテレビ今もやってましたっけ?…夏休みの風物詩でした。
で、気づかれてなかったと聞いて、そこであえて正体をさらす、ここはかっこよかったです。
手品、なるほど…それならそれで…
あらためてしっかり信頼関係ができて、そしてプロへの道も…
しっかり一つ一つ問題が解決されるのは見ていて気持ちいいです。
誠意が通用する、いい世界であることが。
ひとりじめヒロイン
電話が通じてしまった…というかこれは、学校に届けるべきだったんですけどね。
名前を聞く、というのは彼方くんにプロの自覚が乏しいというか。
「お礼もしたいしスタジオまで」というのも信頼しすぎてますよね。
当然のようにスタジオ見学にもなってしまう、と…なんかどんどん話が大きくなってきているような。
見ていてすごくハラハラします。
そして諒くんまで落下から助ける、ってもう笑うしかないです。
ただ、本当に道具の管理はきっちりしないと。僕は刃が出しっぱなしのカッターナイフを見ると腹が立ちます。
素直にお礼を言えない諒くん、ここはちょっとプロらしくないかも。
そして「後ろ姿だけでいいから」…なんかもう引き返せなくなりすぎ。ひたすら笑うしかありません。
後ろ姿だけ、でもしっかり見つめ合うことができる…
この瞬間だけの恋、というのも楽しいです。
本当に早めに手を打っておいたほうがいいんですが、全部藪蛇になりそうで笑えるだけです。
で、他の人のミスをかぶることに、というのは結構きつい…
ここで本人が自白してしまって、それでまさしく藪をつついたらアナコンダが出てきたような…ひたすら大笑い。
そして彼方くんが全速で追いかけてくると。
いや、なんでこんなにツボにはまったんでしょう。笑いが止まらず転げまわっています。
おやすみメモリーズ
回想シーンの先生、可愛い。
「人数多いほうが楽しくない?」って…わかっててやってるのか何も考えてないのか。
普通にできててほっとするところがすごく暖かいです。
移動教室は面倒ですが、たとえば理科室とかはどうしろと?
「別にもういく必要ないだろ」…とことんドライですね。
「何もなかったふりしたほうが」というのは、全然傷がいえてない…
そして強引に、智鹿太郎くんと先生を二人きりにする…ある意味ひどいかも。
ドリルドライバー持ってよそ見は危険すぎるでしょう。
「津野君の気持ちに見ないふりしか」…織ちゃん、先生に何を言って説得したんでしょう。
出てきていきなり殴る、というのは苦笑しました。
「枕に顔うずめて」が「週3ペース」というの、すごく熱い感情を客観的に見ている二人…見ていてすごく懐かしいような甘酸っぱいような。
この二人がくっついているわけじゃない、気持ちに折り合いをつけようとしているだけ、と動いている状態なのがすごく楽しいです。
とても水準の高い、素敵な作品です。次作品も安心して楽しみにできます。
にじいろプリズムガール
自分から辞退する、ティアラもRIAさんに譲って、自分から全部暴露する…
「ウソついててごめんなさい!!」という言葉も12歳らしいストレートさ。
そして藤宮沙織の娘、ということも告白して…
嫌がらせに走るのはほんの数人だけなんですけどね。
RIAさんがかばってくれたのはすごく嬉しいです。つくづくカッコイイ。
デコピンして「素直に受け取れ!!シンデレラ!!!」はカッコよすぎてしびれました。
なんて素敵な人でしょう。
何から何まで完璧です。
悪意がない、ひたすらパワーと輝きだけで押し切る…毎回とても安心して読めましたし、楽しかったです。
毎回この作品を読んでいて幸せでした。
心からありがとうございます!
次の作品もこのような、読んでいて幸せになれる作品でありますように…お疲れさまでした!
ショコラの魔法
ピアノがうまいって素敵ですよね。というかなぜ僕の中学では、ピアノがうまい子は美少女ばかりなんでしょう。
その一人は習字も超絶うまかった…成績もよかったはず…
典型的なケンカ友だち、見ていて楽しいです。
いつもレッスンばかりの生活にもなってしまう…それはまあ、自分で選んだことでもありますが。
カッコいい男に助けられて…恋もピアノの糧になる、と認めてくれる先生でよかったです。
彼が名前を言うのになぜためらったのでしょう?
そして、突然ショコラの店を訪れる遥さん。
留学を断った彼女に怒る佐野くん、そして遥さんの「いいから彼女を守れ」という叫び…男ならそうしますよね。
この激しい場面転換の連続、実に面白いです。
未来から…なぜ三年も、と思いましたが、要するに三年かかって店を訪ねあてたと。
そして諦めたつもりで練習してたら、彼からの電話…三年が代償、っていうのもすごく心地いいです。
電話での告白も胸が熱くなりますね。そして三年後…
なんかすごく幸せな感じです。
こっちむいて!みい子
なるほど、あの苦労からこうなっていったと…なんてわかりやすい。
未来がまた悲惨すぎます。
そりゃまあ、こうもしますよね…すごく単純で楽しいクリスマス・キャロルでした。
オレ様キングダム
最終回?といってもあまり悲壮感がないのですが。
滑れないので雪だるま、というのもそれはそれで楽しそうです。
で、一色先生は相変わらずどこにでも…
「ハダカなんて興味ない」なんて言われたら、この人意地になるのは当然ですよね。
で、何この男女逆展開。普通は女湯に聞き耳を立て、のぞきに執念を燃やすのは男ですが…
変態と旗を振っているのは大笑いしました。
で、今度は山小屋で「あれ」…ははは。
黒澤くんに、さらに山吹さんまで連れてきて…まあよかったよかった。
「あいつと何もなかったよな」ってずいぶんとストレートな。
こんなくだらない話で終わるのか、と思ったら次号から…ファイナル?
さてどこに突っ走るのやら。
極上!めちゃモテ委員長
メイクで作られた顔…ある意味すごいですよね。
自分にはメイクしかなかった、って他に何か試したでしょうか?
「彼の前でもっと素直になれば」って、彼女らしいストレートな行動ですね。
「心が「ブス」ですわ」というのもかっこいいです。
ものすごい力づく…それで心からの笑顔、というのもわかりやすくて楽しいです。
そしていきなり大怪我?
東條くんはこんな機会でもなきゃ出番はなさそうでしたね。
「何があってもオレが一生支えに」これはカッコイイ。
そして、優くんがとことんいい人でよかったというか。
最後のキスシーンも、やっとという感じです。
とにかくとても長いことお疲れさまでした。
にしむら先生は、「委員長」以前もとても楽しい作品をたくさん描いていますから、これからも素敵な作品はいくらでも創れると信じてますよ。
来月号、せっかく枠がたくさん開いたのに「12歳。」と「キミは宙のすべて」を二話ずつとは…ある意味もったいないかも。
でも新人の読みきりはちゃんとあるので嬉しいです。
もりちかこ先生の新連載も、もちろん「ナゾトキ姫」も嬉しいです。