ちゃお2018年12月号感想
今月号はちょっと付録が前に出すぎているような…
タロットカードをつけるなら、小アルカナもつけるほうがいいですよ。
今月号は、ベテランの至高の料理をたっぷり堪能できました。単純な家庭料理で海原雄山をうなずかせるような、桁外れの実力。
12歳。(まいた菜穂)番犬ハニー(如月ゆきの)ねこ、はじめました(環方このみ)終わる世界でキミに恋する(能登山けいこ)きらめきランウェイ!(ふじたはすみ)恋するメゾン(八神千歳)プリプリちいちゃん!!(篠塚ひろむ)ゲキカワvデビル(やぶうち優)ひかりオンステージ!(中原杏)ランチボックスの魔法(にしむらともこ)こっちむいて!みい子(おのえりこ)はろー!まいベイビー(かわだ志乃)カトリーのナゾトキ事件簿(おりとかほり)ボーイフレンド(森田ゆき)次号予告
12歳。
告白予定、…おまえは少女誌をなめている、としか言いようがないですねえ。
禁止…はは。
署名が動き出すとは。
そして大きいことを達成した笑顔…これは素晴らしい。
で、彼も宣言…
犬の事故から誤解はさすがにうまい。彼女にとってどれほど重くなってしまっているかも…
番犬ハニー
ちびキャラにした動きが実にうまい。手にキスするところとか。
なんとか…いじめの、人間の底なしの邪悪を知らないのでしょうか…たとえボクシングで世界を獲れる力があっても、どれほど頭がよくても、なにがあっても無意味な…
食堂でのシーンは実にすっきりしますが…
コンビネーションで受け止めるのはお見事。
ちょろい展開は爆笑しました。
男子の戦い、とんでもないペースでガンガン楽しくなりますね。
ねこ、はじめました
靴下が左右違う、そんなことも伝えられない…
ネコ語っておい。
横向きで立つ、表情だけが変わる…ここが大笑いです。
それで…何とも世知辛い話で。
終わる世界でキミに恋する
臨死体験ですか…呼ばれる表現がまた見事です。
「恋人を病気で亡くされて」さらに墓参りまで。
…そこまで読者をだますとは。やってくれました。
とにかく読後感はよかったのでうれしいです。
これだけの実力作家、これからが楽しみですね。
きらめきランウェイ!
ドラマのオーディションとは…
さて今回の課題は何でしょうか。ドラマそのものに貢献することとTS賞、どちらが優先されるのでしょう。
高い演技力、対照的に棒読みの主演女優…また難しいことに。
アドリブとオーラだけで攻めるというのも面白いですね。
そしてきらちゃん、最後に出るというだけでもすごい有利ですよね…彼女だけが、肝心なことに気がついたようで。
ここの描写はとても難しかったと思いますが、見事です。作者の力量がすごく出ましたね。
唯華ちゃんが…ここで落とすこと自体が意外でした。厳しさをよく知っている、見事な退場でした。ここもすごい力を感じます。
ものすごく水準の高い作品だと思いますよ。正当に評価してもらえるかが不安ですが…読者はわかると思います。
読み返すとわかります。きらちゃんの演技を見て評価した時点で、唯華ちゃんは理解していた…彼女の表情がものすごく雄弁。そして落ちた理由を説明されている時も、しっかり理解している…つくづくすごい。
恋するメゾン
実に個性豊かなメンバー。
弓道は大きい絵ではしっかりしているのに、前のページの小さい絵だと隙が出ますね、馬手が低すぎる。
細かく見れば大きい絵でも、上の絵では弓手親指が見えない、両方で弓手の小指がきちんと弓を握っていない、下の絵でわずかに引きすぎ、馬手の指や、弦と矢が矢印になっていることが…多分誰もがする勘違いをしている、と欠点が見えてしまいます。
写真をしっかり見て描いているのがわかります。ちゃんとそれだけの取材はしたのだと。五重十文字が完全ですから、美的には素晴らしい。
経験者じゃなきゃわからないところです。経験者である漫画家が描いた会(最近見たのでは大木真白先生の「キミと初恋の話。」にあります)と比べても、間違い探しの域です。それほど、八神先生もしっかり写真は見て描いてるのはよくわかります。その努力は称賛します。
どう違うのか、何が違うのかは、弓道の教本を図書館で、あるいは経験者に聞いてください。矢と弦を、まさかそうやっているとは思わないのは当たり前ですから…握ってないつまんでない、親指も伸ばしている。かけと呼ばれる特殊手袋の親指の根元近くの革製突起に弦を引っかけてるだけ、矢は弦に矢筈のテンションで固定されており指に乗っているだけ…僕だって当然教わるまでは勘違いしていました。
まあきれい、という表現力はさすがにすごいものがありますが。
家事で切れてしまうってありますよね…
矢が前に飛ばない…とても目をそらしたくなります。数ページ前の絵でも…
とにかく超絶美形!という感じがあふれるような、今のところは静かですがすぐまたいつものになるだろう、と楽しみにしてます。
プリプリちいちゃん!!
卒業…じんわりする話ですね。
明日までに三分のシナリオ、かなり大変…静かにすごく感動してるのが伝わります。
思い出が、宇宙船が直ったことにも…
いい写真も…そして惜しい結果…
すごく楽しそうです。先輩の言葉も胸を打ちます。
「近い」「いつでも会える」がうらやましい…
ゲキカワvデビル
結局二人きり…さてどうなるのやら。
すごく表情豊かなメールのやり取り、携帯電話文化も便利なものです。
楽しいデートなのがすごく伝わってきます。
尾行についてくる…まったく悪趣味な。
そしてカイくんを思い出してしまう…
スカウトに対する疑い深い反応が丁寧ですね。
子供服は爆笑しました。
靴で人格を判断するというのもいいですね。足元を見る、という言葉にあるように、靴は社会人の評価にも直結します。
ひかりオンステージ!
冷たくなった理由、笑うしかないですね…
足首を痛めて、それでも頑張って笑う、王道だからこそ素晴らしい。
あいちゃんのほうが崩れて、それを精神力でフォロー、王道のつるべ打ち。
話を単純にするのも、逆に勇気が必要だと思います。作者本人と編集部の自信、信頼関係も。実力も必要ですし、その実力もわかります。
何よりも読んでいて楽しいです。
ランチボックスの魔法
おいしいもので気分が…そうですよね。でもそれに頼ると太りますが。
入部テストがあると聞いて、練習しようとしてみる、それ自体は前向きでいいですねえ。
…魔法がなくてもよかった気が。
と思ったら、ちゃんと本人の努力を要求する、当たりの妖精でしたね。
先輩もまだまだ上を見ている、というのがまた素敵です。
「大切な友だちがアドバイスしてくれたんです」という言葉も素敵。
何もかも素敵なものばかり詰めこんだ、正統派の傑作。完璧にレシピ通りだからこそ極上の基本料理……海原雄山がうなずく卵焼きのよう。
確かな実力、堪能しました。だからこそ、これほど作家として息が長く、いくつもヒットを出しているのでしょう。
こっちむいて!みい子
スケートに誘ったらみんなで…あーあ。涙目が気の毒です。
まあ手をつなげてるからいいじゃないですか。
そして追い出されたとも知らず一人で頑張って…もちろん竜平くんが…ピエロですね。
最後にしっかりお返ししましたけど。
…もう二人とも、恋心は言葉にできるんじゃないですか?
はろー!まいベイビー
なんとか行かない方法を…どれだけそのために頑張ったか…
それを喜ぶより、相談してもらえなかったことを悲しむというのは贅沢な女心ですね。
仲直りのパーティ…
そして母親の「真生のことこれからもよろしくね」という言葉…かわいいわが子と離れる痛みもあるでしょうに。
抱きしめての言葉は胸がいっぱいになります。
…一人での子育て、大丈夫でしょうか?
すごくいい話でした。これからも楽しみにしています。
カトリーのナゾトキ事件簿
歴史上最高の試写会は「風と共に去りぬ」でしょうね。当時の試写会は、行くまで何の映画か知らないのが普通で、大ヒット作の映画化という超サプライズに…
映画館での映画鑑賞を漫画で表現するのは見事。
思いがけない真相、それが映画の情熱になるのはまた面白いところ。
それからの話も思いがけない転換で、とてもきれいでした。
ボーイフレンド
服に鼻水、というのが妙にリアルですね。ここで応援に回るとは…
いや運動が苦手でも勉強で、あるいは…って現実には、全部できて美貌で家も金持ちの子とどれもできないその他、と人生とても不平等なのが現実で。
「ひかれあってる限りずっとくるみのこと忘れられないんだから」この言葉がものすごい。重いとかいうレベルじゃない。
域がぴったりのリレー、二人の笑顔がたまらないです。
そして、さっきは応援していたのに、「もうやめてください」って…
地味に意外な展開の連続。ものすごい作品です。
来月号は新人読み切りと、笹木先生…どちらも楽しそうなのはすごく伝わります。