ちゃお2019年10月号感想

表紙は篠塚先生の総合力の高さが実によく出ています。

付録もリコーダーペン、さらにロッカーと欲張っていますね。

コミックスのベストセレクション路線も面白いです。こういう形でもっと名作に、再び光を当てることができたらいいですね。「ちゃお」の財産も相当に多いのですから。

メロと恋の魔法(篠塚ひろむ)12歳。(まいた菜穂)はろー!マイベイビー(かわだ志乃)ゲキカワvデビル(やぶうち優)夜からはじまる私たち(ときわ藍)番犬ハニー(如月ゆきの)ひかりオンステージ!(中原杏)きらめきランウェイ!(ふじたはすみ)今日からパパは神様です(寺本実月)キセキのローレライ(能登山けいこ)恋するメゾン(八神千歳)こっちむいて!みい子(おのえりこ)ねこ、はじめました(環方このみ)次号予告

メロと恋の魔法
そっけないですね…
ちゃんと寝ていてくれるでしょうか。とても嫌な予感がします。
ぱあっと輝く笑顔、さすがに少しはほだされたようですね。こういう細かいところがまたうまい。
ふらっとしたところを支えてもらってスキンシップ、これはうれしい。
そしておちゃめなアザラシ、これも楽しいです。
出たくない…帰りたくないに似てますね。それで泣くとはなんという素直な…
そして思いっきり告白、さてどうなるやら。
…あーよかった、今のところ嫌な予感…メロが無理してやってきて、そっちを優先して西園寺くんを怒らせたりは外れてます。

12歳。
思い出ツアー…いいですね。でも魂の色が生来ゴミな下級人にとってはトラウマの塊でしかないんですよ、魂の色が貴族な上級国民さん。
卒業したらすぐ引っ越す、でもそれは親が卒業まで頑張ってくれていたのでは?
制服を先に着てみる、これは僕はやりませんでした。それできたらすごいですよね。
宇宙微小重力、そりゃ浮かれますよね。この表情で世界の違いを思い知ってしまう…
そして、昔接していた人間の変化…人がいい意味でも悪い意味でも変わっていく…自分も…
ものすごく重いことをとんでもない形で描いています。
何事もないかのような卒業式…
そして心愛ちゃん…残酷とも思えますが…
最終回が近づき、一気にとんでもない話になってきました。
これほどの作品を築いて、最後に思いっきり攻められる作者の勇気と、支える関係者には心から敬服します。

はろー!マイベイビー
赤点…あああ。
そして子供に邪魔されながら頑張る、これだから…核家族そのものが根本的に間違ってる、人類が進化してきた血縁150人狩猟採集移動群れと核家族は全然違うんですよ。
そして忘れ物を届けてくれた…
「自まんの彼女で」…胸がいっぱいになりますね。というか教師が見てるんじゃ。

ゲキカワvデビル
海外の天才ファッションデザイナー、記憶喪失ですか…はは。
アモンに会い、彼の気持ちを受け止めて泣き出す…ここは素晴らしいシーンでした。どちらもすごく熱い心があるのが伝わってきます。
残り二話…
というかこれは、母親の方が百倍会いたいでしょうに。
あと事情を調べるのも…

夜からはじまる私たち
頑張ることは無駄、多くの人がそれを「思い知って」しまいます。
特に野球なんて、一世代何十万の中の、9人以外はすべて敗者ですし…
定時制…親も苦悩したんでしょうね。
娘がいるとか、とんでもない人たちがたくさんいる…すごく運がよかったですね、いきなり暴力とかではなく。
二人で…とんでもない熱気。
そしてなぜこれほどの悪意…他人にかまう暇があったら練習すればいいのに。
そして、人に水をかけるのは器物損壊・暴行、やや強引に行けば傷害・殺人未遂でも訴えられます。立派に犯罪です。警察沙汰にすれば確実に出場停止・廃部。
頑張っている人間は、逆にすごい敵意を貯めているんでしょうか。
人間を動かすのは敵意・憎悪・軽蔑、それだけなのでしょうか…
定時制、すなわち下級人。賤民。下等人種。踊る権利などない。人でいる権利などない。そんな無意識の強烈な偏見と憎悪…
いや、もっと深い問題。生来優れている人間以外には、努力する資格も生きる資格もないというほどまで、新しい時代の格差は開いていくのか…
今回だけでも、あまりにもおぞましいものをえぐり出しています。上級国民が下級国民に抱く憎悪…頑張っているから、頑張っていないと見える者が憎くて仕方ない。でも頑張っても無駄な人も多くいる、そんな人は産まれてきたこと自体が罪なのか。そこまで世界がおぞましいものだと…
この作品は、恐ろしいほど深い鉱脈を探り当てて、とんでもないものが噴き出しています。高く吹き上がる自噴石油…真っ黒ですべてを落ちない汚れで汚す、恐ろしいにおいがする原油のように。
冒頭で、「努力は無駄」という。そして頑張って全国大会に行くという。
ではまた努力が実らなかったら?才能がなかったら?才能がなければ努力は無駄だと、誰よりもわかっているのに?
そして、強者から見れば低い者は、努力していなかったから道徳的にも、穢れ的にも許せない、汚物と害虫を合わせた被差別民。ユダヤ人をゴキブリと呼んで虐殺したように、人間ではない。
才能がある者以外は人間ではないということになる。
その地獄は、新しい時代の核心です。それを掘り当ててしまった…
作者は自分が何を掘り当てたか、何を描いているのか、わかっているのでしょうか?

番犬ハニー
「だまされてませんわよ」は苦笑します。
「全てを調べ上げましたわ」は大笑いになりました。
取材…厄介な嫌がらせです、変わってしまったことが広く知られてしまう…まあ、プラスにすればいいだけですが。
…いつも通り硬くなってしまうみんな、変わらず行動する莉音ちゃん、さらに救助シーンもほっとします。
立派なのを立派と認められる…そして天宮会に入る、君子豹変の速さはお見事。

ひかりオンステージ!
いやこれみんな見てますから、というかカメラ回ってるじゃないですか!
「外にもまる聞こえ」はは。
指輪をネックレスにする…それで痛む素材がなかったらいいですね。人の皮膚は汗=塩+水と皮脂に常にさらされる、多くの素材にとっての地獄です。加えて日光もあるし…
全てうばって…さてどんな自滅劇になるのやら。
で、三つ子の弟…それで別の一面を知られてしまう…ミイラ取りがミイラですねわかります。
というか奪うために大スキャンダル起こすってあんた本末転倒という言葉は…

きらめきランウェイ!
恋する気持ちがスニーカー…自信の表情がなんともすごい。
圧倒的な大差、何が伝わっていないのか、どうすれば伝わるのか…
そして物が汚れてしまった、これまた痛い。
汚れたまま履いて出る、そしてこの臨機応変アピール!やってくれました。
合計が僅差、さてどうなるのか…

今日からパパは神様です
母子家庭でさらに母親も…あんまりです。
しかし強い子です。
相当な貧困だったようで…日本はとことん特に母子家庭が貧困、父子家庭もかなりきつい、さらに家族を失ったときに里親・養子制度が機能していないので施設、しかも施設は決定的に予算不足…国全体として、不幸がある子供に非常に過酷、予算を出さない、育てる気がないかのようです。
いきなりの天使、ものすごい迫力です。
で、その理由…上がってきた母親に一目ぼれ、大爆笑しました。
というか施設入りとかの問題はどうしたんでしょう。神様パワーで…?
白スーツで授業参観…分度器とふんどしはまた爆笑。
警察にとってもこれは困惑するケースですね。
神力というと「メギン」とルビがついてしまうって相当頭が古いですよね(わかる人がいたらすごい)。
空の旅もまた楽しい…と思ったら母親からの手紙…
やっと泣けた…でもこの父子家庭の生活、どうなるのやら。金銭とか戸籍とかマイナンバーとかその他諸々。
収録コミックスの紹介もうれしいおまけです。アンソロジーが多いと多くの作家にこうしてチャンスが出るし、出版社からすれば読み切りひとつで三冊広告が出せるのでおいしいですね。

キセキのローレライ
エデンの側を描くとは…
こんなところでうかつに歌って、水族館の動物が変に反応したら…まあ悪いことを起こす歌声ではないかもしれませんが。
結構ストレートに自分の正体を明らかにしますね。
考えがある…自分から連絡?戦う宣言…というか声を攻撃に使うとは。

恋するメゾン
何がどうしたって見ればわかるでしょうが。
さてこれからどれだけいちゃラブを堪能…いや今までも同じですか。
お弁当…すっかり新婚夫婦ですねえ。
ツッコミどころの多い茶番…頭が停止します。
名前だけでここまでぶっ飛ぶとは…

こっちむいて!みい子
音楽で励ましてきた本人が走るとき、また緊張させてくれます。
それでねこふんじゃった…それだけでも弾けるのはすごいですよ。多分僕は無理。
楽譜を見るとしり込みしますよねこれ…
ちゃんと走っていれば、体形はともかく筋肉量は増えている…
みい子ちゃんと竜平くん、ここは熱い。そして華麗に決めてくれたものです。

ねこ、はじめました
猫が太る…はは。でも猫は犬のように腹をなでさせてくれないから…
いろいろと頑張っていて飼い主の方がやせそうです。
飼い主が走り出し、猫のダイエットは…そりゃもう、エサを減らすだけですよ。運動させるなんて現実の猫には無理ですから。

月号は森田先生の新連載、うれしいですけどお体が心配です。もっと休んでもいいのに…
最終回ラッシュも、さみしいですが次の連載を楽しみにできます。

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