ちゃお2022年6月号感想

表紙がとにかく華やかなのがいい。今月号は三誌でも抜けました…たまたま他ふたつが地味でしたが。
と言っても今、三誌の表紙が並ぶ店なんて稀なんですよね。近くのスーパーでは「ちゃお」しか見ません。

付録はものすごく豪華ですが、安全性はどうでしょうか…

キング様のいちばん星(如月ゆきの)溺愛ロワイヤル(八神千歳)今日からパパは神様です。(寺本実月)片思いミステイク(森田ゆき)大人はわかってくれない(まいた菜穂)君と月夜のジュリエット(小倉あすか)はろー!マイベイビー(かわだ志乃)同級生と恋する方法(大木真白)怪盗は今夜も花束を(おりとかほり)キミの甘さじゃときめかない(詩瀬はるな)青のアイリス(やぶうち優)ポンポコロボ アト&スウ(篠塚ひろむ)カラフル!(ときわ藍)こっちむいて!みい子(おのえりこ)ねこ、はじめました(環方このみ)次号予告

キング様のいちばん星
プロローグのあらすじありがとうございます。本当に暑い子。
うまいくっつき方…嫌悪感はないんですね。いや唇触られて嫌悪感がないってどれだけ…逆にドキドキもしていないのでむしろ家族に近い?
ここでも勉強会…それを壊すために肝試し…
本来はこの話、男と女の感性の違いも重要なはずなんですよね。
遠回りってもろに遭難フラグなんですが。
「律とずっといたからな」「今のは忘れろ」という嫉妬が大爆発もの。
わざとやっているのかというぐらいに煽る星来ちゃん、でも何かで驚いて…抱きつくかと思ったら…別のことをあえて選ぶのも面白い。
つい手を握ってしまう…そしてこちらにはドキドキするんですね。
三人でデートは大笑いしました。どんどん大雅くん、気持ちをむき出しにし始めてますね。…僕がクラスメートだったら面白さに悶絶して…ませんね、入学できたとしても落伍していたでしょう。

二本立てもうれしいです。ドーナツって完全にデートですが…邪魔は…
うわあ邪魔も何もなしでひたすらラブラブ。これはうれしい。

溺愛ロワイヤル
しおり、それなりの手間だったでしょうに。
男どもの「旅行してえ」は、二人きりで、が内心入っているでしょう。
試験の問題もある、夜行種族が不利というのは他種族共存では厄介ですね。
夜勉強すればいいと思いますが…
本棚を倒してはいけません、図書館の本を痛めてはいけません。今は転倒防止はあると思いますがこのパワーの前では無意味ですか。
水着のためなら…男って悲しい生き物。
オチもやってくれました。

今日からパパは神様です。
父の日…いや実父にもプレゼントしましょうよ。
呼ぶのはそりゃあ…「ダイの大冒険」のリメイクアニメなんて見てたら…
言えない、これは楽しい。
輝くんに相談できるの、これだけ真摯に向き合ってくれたら…
いや正直に「…お兄さん」といったら実父じゃないってみんなにばれるじゃないですか。まあ「おじさ…」でおじだと勘違いするでしょうけど。
というより周囲はどう思っているのやら。一時実父に引き取られたことも考えて。
丁寧な感謝…一人だとどれほど寂しいか。
尊い…そうなりましたか。
お、実父にも一応送ったんですね。えらい。

片思いミステイク
お別れ…まあ大事がなくてよかった。
「かまってあげられなくて」「なんだと思ってるのさ」が実にくすぐったい雰囲気。
で、高校からは…うん目指せ全寮制。
会いたい、来ちゃった、はもう笑うしかありません。
彼氏じゃないなら部屋直行はないでしょう…
と思ったら新幹線全線ストップは爆笑。出費が痛い。
風呂ハプニングは男女逆…ふふ。
そしてさらわれる、もう笑い転げるしかありません。
夏って素晴らしい。何をしてくれるんだ森田先生はいつもいつも。

大人はわかってくれない
バレンタインチョコ、告白予告…となると扉のあおり文が気になるところです。
とんでもなく怖い呼び出し…どうなるんでしょう。
あ、この人でしたか。
雲みたいなイメージちびキャラと小さい耳が実に面白いです。
「近づくなとは思ってますけど」…やってくれました、が、ならとっとと告白しろと。
犬を触る…触られる犬にとってはストレスでしょう、知らない人は怖い。
来年の約束はうれしいですね。
思いっきり余白を開けた画面でお菓子つくりの苦労、これはお見事。
思いがけず縁ができてしまい…
金銭的な苦労という共通点、これは大きな接近ポイント。
先生からかばうためにバイト代を…
と思ったらそれどころではない誤解、さらに引き寄せて抱きしめてしまう…
もう次が全く読めない。これは楽しい。

君と月夜のジュリエット
やってくれましたねえ。いや一族同士の争い、フェーデは理屈や正論より上にあるんですけど。道徳より上、と言おうとしましたが、あれは当人たちにとっては最上位道徳です。決闘義務と同じく。古い道徳と新しい道徳なんですよね、近代国家以前の道徳と、近代国家以降の道徳。
即「好きだよ」になる…
両方大人に支配されている…
どちらもそこまでやるかと。もう犯罪の域では?
木を切り倒すっていくらかかったんでしょうね。
そして堂々と…とにかく熱い、ストレートな力が光る作品。
逆に、何であろうと押しつぶす家の力、理不尽な現実を描くこともできますけど…

はろー!マイベイビー
結婚式、リングガール…大変ですね。
「間違いなくかわいいだろうな」という馬鹿父。
さて本番なにをやらかすことか。
緊張してしまっている、何か大切な役割をするというのはわかってるんですね。
いきなり「結婚しよ」はびっくりしました。そして練習…
さらに「幸せにします」まで…うわあああ。
丁寧に話すのも素敵です。
なんというかちょっとトラブルもありましたが幸せでよかった。…後で怒られそう。

同級生と恋する方法
今度はこちらの恋を応援…ふふ、楽しみです。
余計なことはしないほうがいいんですけどね。
「どうしていいかわかんない」かなり脈はありますね。ただどんなトラブルになるか心配だったりもしますが。
スキー教室も楽しそうです。親の財布はともかく。
二人をくっつけようと…していたら「告白する子いるんじゃない」と、肝心なことを忘れていたことに気づく、ここはめちゃくちゃ楽しい。
怖い、と自己分析はできている…まっすぐハグ、本当に人ってスキンシップの動物です。
「だから大丈夫だよ」とまっすぐな励まし、このシーンも素敵。
危険ですがうまいきっかけから…ストレートな告白になるとは!
さらにこちらもあらためて「好きです」…うわああ。
「少しくらいは俺にも構えよ」もまた可愛い。
胸がいっぱいになります。

怪盗は今夜も花束を
優雅に眠るお嬢様、いきなり布団をはぎ取る…うまい導入。
取り返してるってそれを決めるのはあなたではなく、究極的には国家です。
殺した犯人は?
あと二つというのも短い話ですね。
いやあ…単純な罠。さらに国内で警備員が拳銃というのが…
と思ったら匿名で通報…どうやったのやら。というかほかにも犯罪はありますよね?
純粋に身体能力だけの怪盗というのもすごいですね。でも考えてみれば、普通の施設は常人用であり、5メートルジャンプできる人間は想定していないでしょう。
匿名で通報したのがこの怪しい人…
長期連載にするのがあまりにも難しすぎますねこれ。もう宝石は残り一つ。

キミの甘さじゃときめかない
なぜぎくしゃくしているのか…ふふ。
「その子オトしてこっぴどくフる」…うん外道。
そのスマホはいくらで手に入れて、月にいくら払っているのか…僕はとても気になっています。
デートの恰好ではない、で…それどころじゃない金が飛ぶなと遠い目を。
親戚の店とは言え。
そして丸一ページの素晴らしいこと。ただし髪とか化粧とかも…ある程度以上の女性はただ出かけるだけで何万円も飛ぶんですよね…
店長さんがやってくれて、ってそれこそ万単位の金に値することなのに。
まあ店の品の、負の宣伝にならないようにでしょうかね。
プリクラを知らない、決めてくださいと言われて抱きしめる…ここはお見事。
「間違えたならこれから知っていけば」いいことを言いますねえ。
楽しかった、で二人とも終わらせるのもうまい。
すごく質が高い作品です。次回最終回なのが残念なほど。

青のアイリス
暴力での負傷は常に大金になるのがこの現実世界の恐ろしさ。一つ間違えると家族全員人生終わるという…そして私的暴力を禁止するのが国家。どんな犠牲があろうとそれこそ命さえ鴻毛より軽い、ほかのすべてはもっと軽い。
警察に通報するという代案もあるんですけどね。
昔オーディションでそんな経験が…まあ、世界の広さ、皆が誇大妄想を持っているけれどもっと優れた人が無数にいることを知るのは人にとって重要なことです。そこから立ち上がるかどうかの問題ですけど。
「思いっきり泣け」から…それでどんどん固まりましたか。
自分が、野獣も含めある程度キャラを演じていることを自覚している…深みがありますね。
今この時の自分、その重要性。これもまた深い。相手にとっては今この時の自分が、すべてなんですよね。
男同士が休戦した…さてこちらもどうなるのやら。
いっしょに行くのは無理ですね。
この後の会話が実にドキドキふわふわ。
本当に複雑な関係です。それにしても心理分析が本当に深い。

ポンポコロボ アト&スウ
いきなりの家出…頼れる人がいるっていいですね。
またイライラ、深い人格は簡単には変わらないものですね。
空飛ぶブランコ、アラレが手に入れたらさぞ喜びそうです。
「ここで暮らすほうが幸せだと」、ある程度考えてはいる…
それで追いかけてくる…
オチも楽しいです。
本当にこういう小さな話をしっかり作るのがうまい。こういう話に接する機会がある小さい子は本当に幸せです。

カラフル!
カラー扉が実に面白い。迫力と疾走感があってさわやかで。
次々と出てくるミッション、即座に動けるかどうか…
どういうふうにするか、特に勝利にハングリーなマツリさんのリーダーシップでいくか…
言えなかった、確かにそれが一番危険な弱さですね。
「のこるは私だけだ」と、彼女も追い詰められている…内に向いている炎を感じます。
本番の、演出のうまさがまた光ります。
強烈な力をしっかり表現している…さて結果はどうなるのやら。他のライバルたちも。

こっちむいて!みい子
男性パートで、うまくいってよかったですね。
生徒の服装、これもまた厳しい…もとは軍隊の秩序なので、特に性と服装となれば本人の生命よりはるかに重いものになります。
うまく工夫してくれたものです、教師も批判されるでしょうけど。
制服のお古、多分ヨシキくんのためだったんでしょうね。
そして集まり…ひとりじゃない、にみい子ちゃんたちも入っているのがうれしいです。
受け入れるのも大変でしょうが…日本では迷信要素も多くあり、あらゆる形で人を責めますから。日本だけじゃなくどこでもかもしれませんが。
だからこそ、政治・国家・法も重要なんですよね…民主主義を通じて、法を改正して差別を禁じることも。
今は、リベラルがLGBT問題ばかりやるからリベラルが負けているんだ、という批判はありますが、LGBT問題そのものを無視する理由にはならないでしょう。
権威主義は小さな穴からでも侵入し、普通の人であっても心も生活も破壊しますし。
丁寧に扱ってくれるこの作品の価値はやはり大きい。

ねこ、はじめました
猫の声は聞きたくなりますね。犬は燻製貝柱見せて「わん」と言えば鳴いてくれましたが(調べればわかりますが超高価な品)。
変な動きをして変な声、そりゃたまらないでしょう。
何をしても猫は可愛いし面白い、どうしようもないです。

月号はくまき先生の、大きい読み切り…これは面白い試みですね。あえて連載にしないとは。
正直新人作家はいないのかという気もしますけど。

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