りぼん2000年6月号
やはり強烈に、感情を刺激されます。「なかよし」しか見ていなかった十年間に、時代はもうここまで進んでいたのですか。言葉などのコードが、僕が小学生の頃とは根こそぎ違いますね。
「GALS!」この指輪、いくらくらいするのでしょう。かなり大きなダイヤです。
見開きカラーは強烈に原色が僕の網膜を焼いてきます。強烈な線といい、激しいエネルギーに押し流されそう。
今回、例のナイフをより細かく見て、アマチュアナイフデザイナーとしてのセンスで敗北宣言です。細かな分析はこちらを。このデザインは常識を吹き飛ばすほど大胆で、ストーリー上適切なデザインです。
この、監視されている恐怖はわかりますけど・・・いじめられた痛みはこんなものじゃないです。しかしこの亜貴ちゃんの演技は凄いです。
ロシアンチョコシュールーレット、これは怖いです。でも楽しい遊びを考えますね。
この、髪の言い訳もみえみえです。甘い学校でよかったですね・・・。そして、この教師が後で、しっかりと生徒を信じる姿勢にはほっとしました。生徒の外ではなく、しっかりと内面を見ている・・・それこそ理想です。
「流れに乗んなきゃ置いてかれる」この、世渡りについての言葉・・・今は不思議な説得力があります。とにかく楽しく生き延びるため、自分を捨ててでも周囲に合わせないといけない、厳しいですがそれが現実なのでしょう。孤高には楽しみも喜びもあまりなく、ただ一番大切な対人関係能力を身につける事ができず、それが十年後致命的な欠陥になる・・・やはりコギャルのほうが賢いのでしょう。そう思うと切ないのですが。
指輪を奪う・・・これはかなり残酷ですね。しかも、二重の罠になっている、考えたものです。一体どこに指輪を置いておいたのでしょう。
「包丁で十分」それは事実です。でも、この人を殺す勇気がない、というのは、正常なバランス感覚がある、という事なのでしょうが、それならいじめは正常な中でできるのか!たまらなく悲しいです。
町田から渋谷まで自転車・・・ちょっと僕にも遠いですね。熱い奴。
「美由は蘭の友達って事にプライド」この言葉、凄いです!こんな言葉があるなら、コギャルの世界も素晴らしいですね。真相はもう明らかになったのですから、亜貴ちゃんが・・・救われますように。
「めだかの学校」こんな校則、破るほうが難しいです。でもなんか笑ってしまった。
「神風怪盗ジャンヌ」創世記のちゃんとした注解、一度読まないとこっちが本当と思ってしまいそうで怖いです。聖書を軽く踏まえつつ、凄くリアリティのある話になっているので。そういった所は、例えば聖書が当然心の基礎になっている欧米人がこの作品に触れた時、どんな印象を与えるのでしょうか。
アダムとイブが結ばれたのは楽園追放後(創4.1)です。それに、魔王は神の切り離された一部ではなく、イブを誘惑したヘビであると一般に伝えられています。神の被造物かどうかは議論があるのですが。神が楽園に、実体を持って暮らしていたなどとは聖書にはない(そう解釈できなくもないですが)ですし、まして「孤独」や「愛しさ」を感じる事はありえないです。僕の知っている解釈では、神はただその、絶対の自由から人間を作ったのであり、人間を必要としてはいない、ということです。この、三角関係から楽園追放、と言うストーリーはあまりにも聖書とかけ離れているので、違和感が強いです。楽園追放の理由は、人間が命の木と接触して永遠の命を得る事を防ぐため(創3.22)のようです。
どうもこの作品は、神を矮小化する事で人間を高めているような気がします。確かにストーリーとしてはいいのですが、聖書本文と普通の解釈を知らない子供たちには、こちらが本当と誤解してしまう恐れを感じます。神が捨てた心が魔王になる、というのは・・・「ドラゴンボール」のピッコロ大魔王を思わせますね。もちろん、聖書の神には寂しい心などない、自分だけで完全に充足していられる存在、というのが僕の学んだ「教会教義学」の解釈ですし、僕も聖書を読む限りそう感じます。もう今はバルトの解釈は古いみたいですけど。
この、猫まろんなんか可愛いですね。色々な面のある娘みたいです。
神ができる事は三つ、命を生み、動かし、風を使うことだけ、というのは・・・神を信じないに近い立場から言うと納得できますが、神学では神は全能です。ただ自由な選択としてしていないだけ。そしてこの、神に願いを任せてすがるのではなく、「私の心の輝く星に」これは本当に、見ていてかっくいいです。
この稚空との掛け合い、そして一気に告白に、この・・・「弱さ」はただ、愛だけが克服してくれる、愛されている限り強くなれる・・・この壮大な叙事詩の結論がここに来るとは。そして、セックスに・・・これはとても自然で、違和感がまったくありません。とても美しいシーンです。それを自然に描く事を許した編集部の英断に拍手。
そして、自分との戦い、それがどれほど厳しいものになるか・・・今から期待しましょう。
「グッドモーニングコール」人騒がせな・・・器はどうやっても割れるものなのに。割るのを覚悟で使うか、それとも使わずにしまうかどちらかですよ。でもこの老人カップル、凄くいい雰囲気です。別のバイトを始めて、カフェでラーメンの習慣が出るのには笑えました。で、やっぱりこうなりましたか。
「Wピンチ!!」アリサって無敵・・・。暁名ちゃんも災難なのか、それともハッピーなのか。でもこれ、あまりにも悲惨なような、それなりの努力もあっただろうに、それを一瞬で吹き飛ばされるとは。アリサに逆らったらこうなる、ということなのでしょうか?そしてこの三角関係、一体どうなっているのか、やはり初めから読まないとわからない・・・。
「5」いい文化祭ですね・・・。なんかこの、当然のようにカップ麺を食べているタイミングがなんか笑えます。ここのふれあい、かなりいいですよ。そしてゲリラライブ・・・それも楽しそうです!あ、この練習シーンの「One.two.three」の配分、めちゃくちゃかっこいい!この、ブーツぶつけた相手が学院長でお母様、お約束ですがいいです!
「パートナー」やはりこうなったか・・・二発目が致命傷です。でも、この角度だと博士にも貫通した弾が当る危険があったような・・・特別な、体内で破砕されるタイプの弾頭を使ったのでしょうか?もう怒りも湧いてこない、気力を吸い尽くすような絶望感が全身を包んでいます。この小さな強制収容所で、たった一人・・・次を読むのが怖いですが、ここで止める事はできないでしょう。結局、終始読み通さないとこの絶望からは逃れられない・・・この作品に出会ってしまった運命を、呪うべきなのか感謝すべきなのか、それがわかるのは全てが終わってから・・・待ちきれません。どこかで口をつぐめばよかった、否、口を初めから開くべきではなかった。完全黙秘しかなかった・・・。今の僕なら、もしかして「分析屋」に徹して、礼賛しつつ情報を引き出せたかも。
「世紀末のエンジェル」この「しょーもない事で人を無視するような奴らと一緒にいてもつまらん」、凄くかっこいい言葉です!あ、この小林くんの変貌、むしろショックです。でもそれが誤解の原因になるなんて・・・。
「もっとちょーだい!」いいのでしょうか、こんなロリコンが教師で。半ケツ^純潔のギャグは笑えました。「バホッ」から意味不明擬音のギャグも大笑。更に噴火して目からビームまで、なんなのでしょう。ちょ、ちょっと・・・りぼんでは「おろしてくれ」さえ解禁されている言葉なの!びっくり。
「近距離恋愛」一体・・・「さーてどうやってぶっ壊してやろうか」!?前回あれほどカッコよく決めておいて、これはなに?おはようのチュー、これは凄いなあ。あ、このパンに関する掛け合い、楽しくてリアル!なんか昔の気分を思い出します。この熱い台詞、これも素晴らしい!本当にこの言葉で告白したらどうなるのでしょう。この、告白前に一緒に過ごす人がいるのがとても嬉しい、というの、なんか凄くリアリティのある感情です!そして、こういう形で両思いを確認させてから、それから壊す?読めないです。「幸せになってよ」とあまりにもかけ離れていて。でも、この無視で気持ちを揺らしておいて、と・・・戦略的に考えると上手いです。そして・・・なぜ「荒谷のこと好きみたい」!?
「赤ずきんチャチャ」おおっ、ついに結婚!?!?せらどろ一同、大喜びでしょう!こうしていっしょに家事をしながら「もーいーかげん結婚しませんか」、なんかわかるプロポーズです。そして「いーわよ」には狙い通り爆発!あ、登場人物紹介の、セラヴィーのところが前回とも違って笑えます!そしてポピィくん、邪魔のためならエガオンに変身もする・・・もう愛に生きていますね。お鈴ちゃん、これめちゃくちゃ可愛い!いいな、しいねちゃん・・・。さて、一体どうなるのでしょう。
「ゴキゲン女王」すごくいい絵・・・そっけないのにどこか暖かくて。同年代の男の子はガキ、でも・・・それをこう表現するとは。今まで{先生の婚約者はお姉さん〜青い鳥は身近に}パターンしか考えてこなかったので、なんか新鮮です。でも昔の僕には、こんな大胆なアタックはできなかったですし、同世代のこんな大胆な行動は中学時代を通して一度も見た事がないです。みんなかっこつけてばかりいたのでしょう。そのほうが今思うとカッコ悪いのに。この、少女マンガをそのままやると言う単純さはすごく好き!「子供なんだからしょーがないじゃん」、確かにそうですし、無理をする事はないですね。この心の変化、傷が開いて膿が吹き出す瞬間の描写、とてもいいです!それを全部ストレートに受け止める、本当にかっこいいです!このラスト、とても後味がいいです。
来月は「ペンギン・ブラザーズ」の再開に吉住先生の新連載・・・楽しみなような、なんか今から胃が痛くなるような。読み切りがないのが残念ですが・・・。