りぼん2005年1月号感想

少しは未来の姿が見えてきたでしょうか?

サボテン 花咲 アゲハ だって ベイベ H.S. めだか 紳士 ドラみら キャンマジ カリド ピアノ 予告

サボテンの秘密
まあ、これくらいはやってくれないと。
未来ちゃんの鈍感さが見ていて笑えます。藤岡も、今まで自分がやっていたことがどんなに残酷だかやっとわかってきたのでしょうか。
「死ね」の一言はちょっとぞくっとしました。
で…何しにきたのでしょうこの変態。
実の兄だったというのはなんか、はぁ?ってなってしまいました。どうなってるんだろう…
やはり未来ちゃん、むかついている状態のほうがらしいというか生き生きしている気がするのは気のせいでしょうか?
「多分俺」から、一気に二人三脚で回想を重ねるのは普通の手法だな、という感じでしたが…大声で叫んだのは吹っ飛びました!もう…
ええと、これで最終回ということにしてほしいのは僕だけでしょうか?
これ以上の波乱はあまり見たくないなあ…

花咲きセンチメンタル
すごくいいです。いきなり「真っ白な世界を鮮やかな色で染めるひと」という言葉がとても胸にしみてきます。
木蓮…昔の家にあったのを思い出しました。
唐突な会話が、なんともいえず…中学のころのリアルな気分を思い出させます。
春を待つ、という気分はなんとなくわかります。でも、来てみたら嵐だったりしますが。
「初心者の花柄にはどうかな」というのが意味深ですね。いろいろ考えさせられます。
昇降口で、ふとした会話から「一瞬新名くんが彼氏だったら」と考えてしまって戸惑うのも…なんとなく、そんなものなのかもという気がします。
「春来ないかな」と心がシンクロしたのを感じ、思いが爆発的にインフレーションを起こすのも…なんというか、伝わってきます。
女の子が男の子に「さわりたい」というのは普通は言わない…それを拒否するのも、この違和感が何を意味しているのかこれから楽しみです。
ただ一気に「わたしっ新名くんの彼女になりたい!」とはっきり言ってしまうのはびっくりしました。
翌朝の展開も自然で、これからをすごく楽しみにさせてくれます。

アゲハ100%
やはり。ただ、悪の側にはただ悪という雰囲気だけがあって、説得力が乏しいのが残念です。
なぜメイクを禁止しなければならないのか、きちんと説明しようとする人がいないと…いないのが現実ですが…どうしても話がステロタイプな善悪になってしまいます。
体育館を開け、生徒会が姿を現したときの迫力と強烈に匂うような悪の雰囲気はすごくよかったので、もっと深みがあればと残念でなりません。
「これって本当に隼人くんがやりたいことなの?」と「なんでもするよ!」という言葉、この組み合わせはあまりにも悲しいものがあります。
しかし、アゲハ自身は罠とわかっていてどうするつもりだったのでしょう…
彼の登場はほっとしました。そうこなくちゃ、という感じです…
この状況で「マスカラダマダマ!失格!」なんてやっていて、ユーモアを忘れていないのもいいです。
全部お見通しなのもほっとしました。
で、結局“蜘蛛は蠅にいいました”ってやつですね…雰囲気でわかりました。その理由の小ささはむしろ意外でしたが…まあ、敵側に非常に病んだ心があるのは雰囲気で察していたのですが。
「完璧すぎてまるですべてが作り物みたい」という言葉…整形か、または遺伝子改良があるとか?
完全ウオータープルーフはともかく、これをどうするつもりでしょう。というか…今生徒会がやっていることに、犯罪を構成することはないでしょうか?
故意にプールに放り込んだのは殺人未遂になっても仕方ないですよね。

だって好きなんだもん
振り回してくれます!なんだか意地悪で魅力的な女性のようです。パターンどおりにいくかどうか、散々気をもませて…うまい。
僕ら読者は、なぜ吉井くんが望加ちゃんを呼び出したのかわかっています。でも望加ちゃんは知りません。だからこそ、びっくりしている彼女と吉井くんの迫り方が面白いです。
あまりのわかりやすさに見ていて笑えますが、肝心な望加ちゃん本人は間に受けているのでしょうか。考える余裕がないようで…真に受けてるよ…
まじめに美術史トークをしているデート、なんだかすごくレベルが高いようです。もう望加ちゃんも知ったかぶりをせず、素直に学んでいるようですね。それはいいです。
勘違いを訂正させない彼の姿勢がまた…このショックは笑えました。
「相談のろっか?」はありがたいですね。で…「ま ほかにも理由は あるんだけどね」が鍵になりそうですが…自分もゆがんでるって。
「カップルには楽しいイベント目白押しだよ?」は強い誘惑です。その時期嘘でも相手がいたら楽しいでしょうしね…ふっ。
悪魔のささやきは笑えました。
一人暮らしのマンション…またなんて都合のいい…というかクモはハエに言いました…
葛藤して、まさか全部正直に言うとは!これで見事に予測をはずされ、というかもう確実にふられるしかないのに…ここからどうするのでしょう。
あいた口がふさがらない、というのが正直なところです。

愛してるぜベイベ☆☆
ゆずゆちゃんも剣呑な雰囲気は感じているようですね。
そして…なんかこのお姉さんが主人公のようです。というかお姉さんが主人公の話も見てみたい…もうりぼんには入りきらないのでは…
正座での緊迫した会話はびくびくします。読んでいて胃が痛くなります。
土下座じゃすまない…かもしれませんが、まあしないよりはましですね。
どうしても納得いきませんし、怒りもあります。確かに自力では虐待をとめられない、という事実を基底にすると、客観的には一見ベストに見えます…もっと悪い選択はいくらでもありますが、よりよい選択は…あ、ゆずゆを100%親戚に押しつけるのではなく、虐待のリスクもあるからある程度の支援が必要だと告白して3〜40%頼る、というのがあったと思います。
「動ける力をね…どうしてゆずゆちゃんに使わないの…っ」という言葉はぐさっときました。物事を客観的に判断できているのはいいのですが、それだけゆずゆちゃんを、将棋の駒のような見方をしているのでしょうか。まあ、それがなかったら虐待がエスカレートした可能性もあるのですが。
「私にできる力でゆずゆを守った…っ」という言葉は、僕にはわかるんですよね…中三から大学にかけて、それまで非常にかっとなりやすかったのが怖くて、護身用ではなく自分を即座に“止める”ため、必要に応じて自分に言うことを聞かせるためにナイフをポケットの中で開いて自分の大腿動脈に押しつける癖がついていた…
だからつい同情的になりそうなのですが、ゆずゆちゃんの立場で考えれば…もう、価値判断もできないし…専門知識がない僕には判断できません。
静かで緊迫した雰囲気、そして…ゆずゆちゃんのあまりに無条件な愛情は不思議な苦しさを感じました。
そして結平の決断はさすが…かっこいいです。
このエピローグはそっけなさすぎる気もしますが、ほっとできる内容です。
この作品はもう少し掘り下げればすごいことになる、というところに何度も踏み込みかけては大したこともなく解決する、の繰り返しだったのが不満でした。
ただ、踏み込もうとしたのはそれなりの価値はあるでしょう…今度はちゃんとテーマを絞って思い切って飛び込んでほしいです。真剣にやるなら、僕はすべてを許容します。
もし描きたいものが「りぼん」の範疇を超えているなら、そのときは…それも仕方ないでしょうし。
まあ、名実ともに「りぼん」のエースとして、次はどんな球を投げてくるかしっかりバットを構えて待ってます。

HIGH SCORE
ロボットで楽しいのだろうか…って、なんか『ステップフォードの妻たち』みたいですね。
あ、2003体の失敗作はいったいどこへ…本当に愛があるのか…
言ってほしい言葉の哀れさ、自覚できないとは…爆笑。
なぜこんなの改良…ってそういうわけですか。
落ちは…さて、どこに落ちたい?ってことにでもなったのでしょうか。

めだかの学校
あまりのショック…真実には爆笑!
「それより私のこと愛してくれる生き物のほうが…超レアでしょ?」というのがカッコよすぎます!すごく素敵。

紳士同盟十
さすがにあれは脱力。
で、冒頭のモノローグは何か意味があるのでしょうか…
プラチナという立場には、もう呆れてものが言えないというのが正直なところです。
このシャワー後着替えが後々あんな意味になるとは。
真栗くんが吹雪いているのがなんだか笑えますね。というか…しーずん、鈍。
灰音ちゃんのフォローはうまいですね…「真栗は本気だったんですよ」とまではいわない…いえない。
マルチメディア部部長の妄想も、ちょっと凍りつきました。ええと、作者の本音ですか?だったらあさぎり夕先生みたいに…?
味方の存在の大きさはうれしかったですが…全部言葉の間違いで台無しですね。
「自分とじゃ釣り合わないからせめて自分と比べられない人…つまり男を相手にしていてほしいのよ」というのは、やおい好き少女の真実なのでしょうか?すごい理想の男の彼女になりたいけど、ハーレクイン系さえ自分とは無縁で想像するのも面倒だし、妄想でも女として、特に漫画のキャラの隣にいようと思ったら自分も戦わなければならなかったり大変すぎるから…?
ツカサちゃんとりーこちゃんの、綿中針のように本音が漏れる会話もまた強烈です。
しかし、灰音ちゃん…潮ちゃんをほとんど天然でもてあそんでいるようなものでは…
で、また複雑なことになりそうです。
だんだんと緊迫感が盛り上がって、そこでいきなりまおらちゃんが男の子、って…これはさすがに凍りました。いったい何がやりたいのか、というか…どうなるのでしょう。

聖vドラゴンガールみらくる
それぞれの精神的な問題はほぼ解決したようですね。
江ノ島にそんな伝説や名所があるかどうかは、自分で行って確認しましょう。
隆司一人劇場は結構笑えました。
この三角関係…実は二人が水面下で火花散らしているの、見ていて楽しいですね。
こうして洞窟に呼ばれるのは、『悪霊とよばないで』を思い出してちょっと怖いです。
キスで目を覚まさせようとして、無言で殴る会長…昔の彼らの面影ないです…。
というかこの龍神はなにがしたかったのでしょうね。
「ヒミツです」は、やっぱり女の子は怖いと痛感しました。

キャンディ・マジック
う〜ん…やっぱりこの展開は切ない。
先生の立場からは、こういうほかないでしょうね。先生の側の気持ちをここからどう描くか(というかこれまでどれだけ感情面の伏線があるか)、注意してみておきましょう。
自分の言葉、拒絶以前の否定のショックで混乱しているちほちゃんの姿は見事。
「先生がなかったことにしよーとしてもダメです」はびくっとしました。手強い。
「立ってみれば?」というのは罪作りというか…さあ、どういう考えでしょう。
修学旅行で大チャンス、と思ったらこうなっちゃうのはある意味宿命ですね。
班長とかの立場だと、修学旅行って本当に大変でしょうね…そういう見方は初めてでした。
見回りをとっさにごまかしたのは笑えました。
「ぬけだすのが修学旅行の醍醐味だろ」…いや、修学旅行の醍醐味はナンパとのぞきと夜這い…っておい。
このチャンスは、ちょっと先生の立場考えると…それを考えてしまう二人の、本質的なまじめさが面白いです。
自然に手をつないで歩いて、そして…「不覚…」は体に電撃走りました。やられたな…。さあ、これから先生の気持ちがどう膨らんでいくか楽しみに見守っていましょう。

カリスマ・ドール
恋心をうまく利用するマネージャーの操縦術はすばらしい。
で…話のワープにはびっくり。しかも次から次へと連続ワープ。
結構彼も嫉妬心を素直に出しますね。
恵ちゃんへの視線に、まともさがあるのがほっとしました。どんな業界でもですが、人間は驚くほど同調性が高くて何が正しいのか見えなくなります。業界の空気がある人を責めると、客観的にものを考えずに同調したりするものです。
行動にも出せるSALAちゃんは本当に素敵です。
流星くんがどっちなのか、自分でもはっきりできていないのは…責めるは友達だからこそ、ですか。
さて、これで…うまくいったほうが、って両方ふられたら?
初読時、僕はこの告白は…カメラか何かで流れると確信していました。
いきなり写真にキスして、という緩急のつけ方もうまい…そして、こうなるとは!
しかも告白と同時に、この誠実さがいいですね。
さあ…どうなるのでしょう。

恋するピアノ
輝きと表現力はよくアピールされていましたが、できればそれ以上の何かがほしかったです。
このコートの質感とかもすごくいいですね…
ピアノデュオ…大変さを言われてよく考えてみると、大人数ならともかく一人から四人で音を合わせるってもともと無理に近いのでは?
どうしても人間ですから、同じアレグロの四分音符でも百分の何秒ずれはあるでしょう。そのずれは大人数のオーケストラならごまかせますが、二人でしかも同質の楽器だとしたら致命的なことになったり…まして音階が連続的な弦楽重奏って!!
猛練習しているとはいえ、それほど高いレベルとは思えない彼女にそこまでできるのでしょうか…
「楽しく弾いただけ」でいいのは確かですが、それができるまでの積み重ねも必要です。
お互いに音で会話する練習の表現は見事です。
「なんでピアノやめちゃったんだろ」という言葉、ちょっと吹き出しましたけど…そんなものでしょうね。
そして…「たまにピアノの相手してよねっ」という言葉、真相を知っている読者にとってはこの明るさと甘えるような雰囲気は逆に悲しいです。
こういう格好も、まあ…そう考えるとピアノの発表会とかって、子供でも怖いものがあるなあ…
しかしこんな場で、うわ…と、もうあとは何も考えずにウオータースライダーに飛び込むほかないですね。
感情の爆発も痛々しいまでに伝わってきます。
そして、音が心にしみこんで…二人の演奏は本当に音が響いてくるようで、泣けそうになりました。
音で告白するシーンは暖かいものがいっぱいに心を満たすようで…
そして、実際の告白ほとんど抜きで「とぼけるかっ〜わからないとは言わせない」とキスするのはもう…煮崩れました。
どうってこと、さあどうなんでしょう…これからの二人の幸せを心から願っています。
でも実際には遠恋はきつい…あ、だからあれほど多くの少女マンガが、遠距離恋愛になって終わり、その後を描かないか結婚式に飛ぶかなんですね。
これからもっと、いろいろな形で出てきてほしいですね。光があればあるほど強くなる闇も描ければもっと面白い作品も見られるでしょうし。

来月号の別冊付録は楽しみです。連載経験者が多いのは、読者にとってはそのほうがなじみがあるからでしょうか?
読みきりの多さもうれしいですね。バラエティ豊かに楽しめそうです。

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