りぼん2006年6月号感想
今月号の付録はどれもよかったです。ポスターもとても嬉しいです…直裁に絵を楽しむことができるのが一番嬉しい、実用品がその次で、最悪なのが絵も中途半端で実用性がないものです。
他もハンカチとポケットティッシュは実に実用的で、折りたたみ式の箱もとてもいいアイディアです。
本誌の構成もこれからどうなるのか、新連載のどれが人気を博するのか目が離せません。
青空ポップ(小桜池なつみ)たらんたランタ(槙ようこ)ラブ・ベリッシュ!(春田なな)アニマル横丁(前川涼)ロッキン☆ヘブン(酒井まゆ)ルーズリーフ(持田あき)ダンシングベイビーかりん(藤原ゆか)紳士同盟†(種村有菜)HIGH SCORE(津山ちなみ)アリスから魔法(松本夏実)保育園へ行こう!(樫の木ちゃん)ジップジップ☆ビューン!(黒崎みのり)次号予告
青空ポップ
華麗さをモデルもので前面に出すとは…大胆なことをします。
冒頭の書類記入シーンは、言葉と合わせてなんだか…冬の寒い青空のような、緊張感と透明感を感じます。
みんなファッション雑誌を持っている…そうそう、そういう雑誌に押されて「りぼん」の部数が…。
みんながぱっと取り出す仕草の、独特のつたなさも不思議な印象があります。
体重とかスリーサイズのデータを見せてしまうのは…うっかりですねぇ。
保護者のサインを自分でと言うのはすごい…
お母さん、と報告に行ったのが、ここは死の切なさをうまく「注
あくまで書類審査通過しただけ」という繰り返しギャグで軽減しています。
モデルにはなるな、と繰り返し言うのって、ひょっとして逆効果では?他の様々な選択肢が吹っ飛んで、ただ「モデルになるかならないか」だけになるのですから。
父の言葉は確かに分かりますが…父の気持ちを理解していながら行ってしまう、というのが単純な反抗ではなくしっかりしています。
ぱっと次々にキャラが出てくるのも素敵です。三名という時点で確定なのが少し苦笑。一人遅刻してもよかったかも…
あ、遅れたのは例の“奏ちゃん”でしたか。
いきなり押し倒されての談判にはびっくりしました。一年前…何があったのでしょう。それも興味を持たせます。
落とすことがここで、軽い会話ですが確定してから…この面接は嘘ばかりではないですね。
美都さんはなぜ「好奇心だけじゃ続かないこと覚えておいて」と、落とすつもりなのに言ったのでしょうか?それも気になります。
あと謎なのが、なぜ彼女のことを奏ちゃん以外の皆が知らないのか、です。
美都さんの見本はさすがに華麗でした。
次にできない、という時点でみんな失格ですね…ここで、じぶんが「分からない」から「試してみたい」…この省察力はすごいです!
若さはしばしば、過大な自己像を作って分かったつもりになってしまいます…しっかり分からない、と認めて一歩を踏み出せるなんて、すごく成熟していますね。
ちゃんと笑顔の裏に傷ついてきていることを母を見て理解していながら、それでも「怖いことは傷つくことじゃなくて何もしないことだと思ったの」…この言葉、胸を炎の槍で貫きました。すごい言葉です。
読者もはっきり感じて欲しい…今の若者は足りないとか言われていないで、やりすぎなぐらいに突っ走って欲しいです。
魅入られてしまっている奏ちゃんのカメラも印象的…最後の立ち姿はさすがに、キャラクターの魅力が最大限に出ています。
ここからどんな試練が…まずどうやって父親を説得するか、楽しみな新連載です。
たらんたランタ
女の子でも背負って帰るのは相当大変だったでしょうね…三十九時間も寝るというのはすごい。
ひかるちゃんの傷心の描写…はじめは学校に行きたくないとただ落ち込み、そしてねねちゃんにしがみついて泣き崩れる…聞いていないように見えますが、僕も聞いていないように見えている時のほうが翼聞いています。逆に態度がちゃんとしているときは脳の九割は別のことを考えています。
「話長くない?」「俺なれてるから」がちょっと苦笑。
いきなり走り出してどうなるか、と思ったらバカどもが何かやってます。このギャップが…
あれを返すのも意味深長ですね。
行くってどこに行くのでしょう…コンビニに、あの菓子を買いに?
いきなりわけがわからないことになって、あくまで三木先輩がついてくる…どうなるかちょっと気になります。
バカなことねぇ…追いかけてくるでしょうか、先輩。
来たのは兄の墓、やはりいざとなると力をもらうのは兄なんですね…三木先輩も手を合わせてくれるのは嬉しいですが、墓の中の兄は誤解して荒れ狂っているかも。
「金もちになれるよ―に」はひどい!
やっぱり潤先輩は追いかけてくれていたのでしょうか?
あ、一度あのお菓子を供えたのは兄の力を入れて、潤先輩が大事な子とうまくいくように…なるほど。
さてこれから…すごく切ないのを、すごく軽く描いているのが不思議な緊迫感を作っています。
ラブ・ベリッシュ!
定番だからこそ、腕がそのまま出ます…ずいぶん成長したものです。
まあこれは、見なかったことにするほかないですね。ツッコミようがないです。王子様のように手を差し伸べたらそれはそれで嫌でしょうし…
ぼろぼろで、暴走した感情が全部吹き出す…ここはその感情がそのまま伝わって強烈です。でも感情が言葉にできるだけいいですよ、僕が感情を言葉にできるようになったのは大学卒業後でしょう。
と言うかすっかり猫のことを忘れて、渚くんもいいかげんいい人です。
確かにできると思い込むのは有効です。
梓くんから見たら…ここ、やきもち焼いたでしょうか?それとも由夜ちゃんの魂の高さと、彼女がクラスに溶け込むことしか考えていない?
この暗示はちょっと噴き出しました。それでちゃんと一度跳べた、ここの感激はよく伝わってきます。
「頑張ってるの分かってなかったわけじゃない」はじーんとしました。
渚くんに人懐っこく声をかけるのはなんだか犬みたいで可愛いです。
いきなり大失敗して、みんなの声でパニックから脱して…渚くんの唇だけの励ましも胸を打ちます。はちまきを締めなおすのもカッコいいです。
十九なら十分でも、結局やらかしたのは…まあうまくいったからこんなに気持ちよくおごりになったのでしょう。かけそばでも五千円…痛い。
なんだかほっとしました。すごく読後感がいいです。
アニマル横丁
いきなりですね。そういえば、僕はタイムカプセルって…やったことがないのか、単に覚えていない上に誰も僕の転居先を知らないだけなのか…
亀を入れるというのは子供の発想としては分かります。亀のさりげない演技がいいです。
みんな食べ物というのが…というかあの亀、食べ物?
みんな手紙でしょう。
というか「いざ開ける頃には相当腐敗しちゃって」って、分かってるじゃないですか。
床が開いて光って、ドアから入ってくるというのも欧米コメディ式のいい間です。
最終回…恐ろしい言葉があっさり出ました。
ロッキン☆ヘブン
ますます逆「星の瞳のシルエット」…とはいかなさそうです。
じゃまされたくなかったから、と考えてしまう紗和ちゃんのあつかましい乙女心に苦笑。
誤解されたくなかったから、ということですっかりショックを受けてしまっている、この不安定な心の動きが実に胸に痛いです。
靴下を忘れた…まあ下着じゃなかっただけ、でも同じことですね。藍くんはクールですが死ぬ思いでしょう。
城戸くんが切れたのはよくわかります。でも…「かわいそーだから」には頭を叩き潰されたようなショックでした。
城戸くんがすぐ後悔しているのはため息。まあここまできたら、彼女にも言わざるを得ないですね。
結構単純と言うか…普通な印象です。確かにあまり腫れ物に触るようにしすぎるのも問題ですね…これくらいの問題は誰にだってあるのですから。単に圧力がちょっと強く、本人がちょっと繊細なだけで。
「昔哀しいことがあったら今幸せになっちゃいけないって誰が決めたの!」この言葉は名言です!特に深刻なPTSDに苦しむ人には特効薬でしょう。
城戸くん、謝ってすぐにここまでぶちぶち言うの…なぜか無性に笑えます。
「おまえが好きだから」は…まあわかってますけど。
ここで紗和ちゃんが藍くんへの気持ちに気づく、というのも胸があったかくなります。
ルーズリーフ
どっちのユキ…Wマコト(「ようこそ!微笑寮へ」…「なかよし」連載、あゆみゆい、原作:遠藤察男)を思い出します。
結婚したら同姓同名…いきなりそんな話になるなんて…無防備な人です。ドキドキしているゆきちゃんも可愛い。
なんだか落ち着かない、というのも気分は分かります。僕も今なんだか気持ちが落ち着かないのです。
男子の人気投票…雨夜の品定めはお互い様ですね。
「俺以外の男と仲良くなられても別に嬉かねーなぁ」はちょっと心臓が跳ねる言葉です。
無防備に、探りなしでいきなり間合いに入ってくる彼に慣れていない…その戸惑いがなんだかうらやましく、また甘酸っぱい切なさも感じます。
三矢くんと、という意外な展開で…この沈黙は僕も居心地の悪さを感じます。
すごく落ち着いますね、彼は。この冷静な分析も…不思議な人です。
下村先生の態度は非常に腹が立ちました。何があったか…「雪に聞いて」「あいつは何も悪くないから」この言葉も色々想像させられて胸が痛いです。
ゆきちゃんも、こうしてすごく強く言うことができるようになっていますね。
部屋まで行って、もう言葉にできない…それがうまく出ています。言葉自体が、支離滅裂なぐらいに思いだけなのも…
雪くんの、言葉ではなくただスキンシップだけの優しさがまたじーんとします。
下村先生はまた嫌がらせをするのでしょうか?正直見たくないです。
キャンプファイヤーでの切ない感じがまた物悲しいです。
手のつなぎ方が変わる…そして「あいつのこと好きなんだよ」と、思いが言葉に…
なんだかものすごく共感できます。
ダンシングベイベーかりん
読者デザインのピアスは耳が切れそうに大胆です。
普通にシュートしたらこう豪快とは…
確かにバスケのシュートは遠いです。まして正式な高さ(ストリート、ミニバスは低め)は。シュート練習は最初はかなりゴールを低めにして、それで基本通りにゆっくり投げて正確な放物線とレイアップに習熟してから少しずつゴールを高くしたほうがいいのでは?ほとんどの中学生はまともにシュートを入れることができないまま、バスケットを嫌いになって卒業するのです。
サッカーは誰でもフリーのシュートは決めることができますが、バスケットはその点敷居が高いのが欠点ですね。
ボーイッシュな女の子の登場は実に鮮烈でした。ちょっと基本を教えればこうもあっさり…桜木花道以上の天才では?
女の子の噂を聞いたらぱっと行ってしまう、この何も考えていない行動力…なんか好きです。
このアンテナはかなりうけました。
何があったのかは…ちょっとあっけないですよ!半年は引っ張れるのに。
いきなりストリートのリーグで決着をつける、という話になったのは嬉しいですが。
あ、この事情なら菜穂子さんは納得してするしかないです…バスケ部のみんなは単なる逆恨み、運命の神に対する怒りをぶつける対象がたまたまいるだけです。
「私は菜穂子さんじゃない かりんだよ!」というまっすぐすぎる言葉、ちょっと怖くなりますよ。どう育てばここまでまっすぐな人間になれるのでしょう。
今の彼女…音楽に合わせたシュートは不思議な華があります。
というかこれで音が飛んだり壊れたりしないプレイヤーがすごい。
紳士同盟†
「紳士同盟」は有名な銀行強盗映画のタイトルだ、と知りました。だからなんとなく印象的なタイトルだったんですね…テレビで見ていたけど忘れていた可能性はあります。
いきなりテンション高いです…いきなり守衛さんに肩を叩かれてもあらぬことを妄想してしまう、自分の世界に入りきっているのがすごいです。
守衛さんが実は金持ちだった、というのがなんというかすごい。
迫力に満ちて「苗字に君付けだ!!」…よっぽど呼んで欲しいようですね。ええと…というかこれ本物偽者どっち?
分刻みスケジュールのデートは日頃を偲ばせます。
あっさり熟睡している彼女…でもこれは嬉しいですよ、男にとっては。確かに可愛いです。
マクドナルドの食べ方も知らない、という…逆ローマの休日状態はとても楽しいです。
瞬間的な幸福感の描写も素晴らしいです。
保健室での、千里先生と潮ちゃんのランデブーはなんともいえず胸を締めつけられるようです。
いきなり本物が見えてしまって…どうしようもなく両方目に入ってしまう、びっくりするのはわかります。
いきなり語りだす…そしてふわりと押し倒して、でも…え、双子?スペアクローンも双子は双子ですが、それなら名前はないはず…
というか結構あっさりばれました。次回は説明でしょうか…それとも何かあって先送り?
楽しみではあります。
HIGH SCORE
いきなりパタリロのような台詞を…こう言ってしまって大爆笑しました。
誤解される、と思ったら美しさに対する嫉妬だったのは力が抜けました。
タイプが違いすぎるのは確かです。バラとユリを比べても仕方ないですね。
そして「覚えてろよ」とは…自分でなさけなくならないでしょうか?
「どっちの顔も好き」とか普通にこの話に入っている京介、ひょっとしてバイ…?
政宗の過去は悲惨です。
無警戒に腹が立つ政宗の気持ちはわかりますが…これじゃ心配はないですね。
アリスから魔法
今回はすごくよかったです。
素人相手にあっさり三振…まあ素人は球は遅いかわりに、どこに飛ぶか分からないのでやりにくいかも。
マネージャーについてで「くわしいね」「美人だから」とあっさりいくのが見ていて楽しいです。
魔法の乱用は…いや、代償は払ってしまったようです。
「すばるついててくれないと男のコの心わかんないよ」…この表情はちょっとずるいですよ!女の子にこんな目向けられて抵抗できる男はいません。
スランプの部屋はすごく納得できます。
「スランプ治して失恋じゃあわれだ」…あまりにも直裁ですね。
しかしすばるくんも、呆れていながらつきあいいいです。ここで隠れて大変なのはあの業速球を受けているすばるくんですね…
想いを全部ぶつけて、それでぱっと心から出て…いきなりこの状況で、全部忘れてマネージャーの今年か見ていないと言うのが実に切ないです。
すばるくんのせこい仕返しは苦笑しますが気持ちは分かります。
最後に水をかけあっているのは胸があふれそうになりました…人の心に勝手に入れる魔法は、逆に相手の心を支配してしまうこともできるはず…その誘惑を感じもせず、好きな相手の自由と勝利を最優先できる、本当に素敵な心の持ち主です。
泉くんは完全に忘れているのですから、感謝の言葉すら求めずに…完全に無償で…
すばるくんの励ましもあったかいです。
これだけ素晴らしい二人が主人公なのですから、きっと名作になるでしょうね。
保育園へ行こう!
うう…いいかげんにしてくれぇ…というのが正直なところです。
想いを受け入れよう、と思うのは…逃げではありますが…高見沢くんはそれも知っていて受け入れています…
子供たちとの別れもあっさりはしていますがため息が出るような感じです。
このすれ違いはもう腹も立ちません。徹底的に真広が悪い、帰国の瞬間から愛情表現どころか二人の時間さえ作ろうとしなかったのですから。
両親に会う、で混乱して次の瞬間一人暮らしでまたパニック…ここは見ていて楽しいです。
「マジ…つきあってんだな―…」という実感がまた胸に痛いです。
写真を捨てずにしまってしまうのが未練ですね。
そう…そばにい続けることで、自然にもう一つの想いを育てていく…今の真広への思いはガラスに閉じこめ、大切な思い出にしてしまうことも…時間と生活の重みがあれば不可能ではないはずですが。
いきなり女の子たちが来て、その子たちには…一人無言の黒髪の子がちょっと気になります。
それでふと思いがあふれ出てしまう、ここは…高見沢くんの気持ちを思うと二人とも殺して死にたくなりました。
どこまで彼を傷つけてしまうか、わかっているのにどうにもならない…
高見沢くんの行動には胸が痛くなりました。本当に「こんなにも思ってくれる人どこにもいない」…
絶対高見沢くんにしたほうが幸せになれると思いますけど、それじゃ彼がかわいそうですよ…好きになりたい、と思っている限り無理、そうじゃなくて自分の気持ちをありのまま受け止めないと…それでずっとそばにいれば、自然に愛情は育っていくはずです。それが燃えるような恋ではないとしても。
ジップジップ☆ビューン!
華やかで明るい感じと強い情熱、すごく新鮮です。
子供を洗脳するのは罪深いですね…。
剣道は声が命ですからこれはこれでいいです。爆音と怪力の離れた最強コンビもこれから面白くなりそうで期待させてくれます。
憧れのはずだった吉田先輩にいきなり声をかけられて、「ボクとつきあってくれない??」…これがあまりに小さすぎるのが何か罠がありそうで…やっぱり!
というか憧れの先輩が兄と同じバンドなのを知らなかったとは…とことん憧れだけだったんですね。内向的な憧れだけだと相手の情報を集めることさえ思いつかないことはあります。
いきなり仲が悪いのも見ていて楽しいです。
演奏シーンの迫力はさすがに素晴らしい、声のすごさもギターの激しさも、巨大な音のエネルギーが直接伝わってくるようです。
エゴ丸出しの兄と進…吉田先輩も多分同類…
というか吉田先輩に彼女がいたことも知らなかったとは。
兄のベースはきっちり守る、というのがまた心を打ちます。かばってくれている進くんが、なんだか腕枕みたいな状態になっているのも…余計ベース壊れそうですが。
進くんが強引に大声で保健室と連呼するのも、まっすぐで素敵です。
ステージはあっさりしすぎてるな…と思ったら「ステージとこの男に恋したみたい」と、ぱんっと一瞬休止符を打って一気に爆発しましたね。
余韻の軽さも炭酸のようにいい読後感で、すっとします。
この飲み口のよさがこれからどうなっていくか、楽しみですね。
来月号はチャレンジ!りぼんグランプリからの新連載ですか…なんで「なかよし」でやってほしいことを「りぼん」がやるのか悲しくなります…。
種村先生に似すぎている気もしますが、それはそれで連載の間にどう成長するか楽しみにしていましょう。